リリース・ノート
リリース3.0.1 for x86
B64582-01(原本部品番号:E18546-01)
2011年8月
このドキュメントには、Oracle VMリリース3.0.1の情報が含まれ、製品ドキュメントより優先されます。このドキュメントには、Oracle VMドキュメントに含まれていない最新情報が記載されています。このドキュメントは、Oracle VMをインストールする前にお読みください。このドキュメントはリリース後に更新される場合があります。このドキュメントの更新版を確認したり、その他のOracleドキュメントを参照するには、Oracle Technology Network Japan(OTN)Webサイトのドキュメントのセクションを参照してください。
http://www.oracle.com/technology/documentation/
このドキュメントは、Oracle VMのユーザーおよび管理者を対象にしています。製品を簡単に紹介し、Oracle VMの使用時に発生する可能性のある問題とその対処方法を説明します。
Oracle VMをインストールして使用する前に、このドキュメントを読むことをお薦めします。
このドキュメントの内容は次のとおりです。
Oracle VMは、仮想化テクノロジの利点を活用するための環境を完備したプラットフォームです。Oracle VMを使用すると、サポートされている仮想化環境に、オペレーティング・システムおよびアプリケーション・ソフトウェアを配置できます。Oracle VMのコンポーネントは、次のとおりです。
Oracle VM Server for x86
Oracle VM Manager
Oracle VM Server for x86 (Oracle VM Server)は、仮想マシンを実行するための軽量でセキュアなサーバー・ベース・プラットフォームを提供するように設計された、自己完結型の仮想化環境です。Oracle VM Serverは、Xenハイパーバイザ・テクノロジの更新版に基づき、Oracle VM Agentが含まれます。また、様々なデバイス、ファイル・システムおよびソフトウェアRAIDボリューム管理をサポートするLinuxカーネルが含まれます。dom0として実行されるLinuxカーネルは1つ以上のdomU仮想マシンを管理し、各仮想マシンは、Linux、Oracle SolarisまたはMicrosoft Windowsです。
Oracle VM Managerはサーバーベースのユーザー・インタフェースで、Oracle VM Serverを管理するための標準のApplication Development Framework(ADF) Webアプリケーションです。Oracle VM Managerでは、インストール・メディアまたはテンプレートから仮想マシンを作成するなど、仮想マシンのライフサイクル管理が可能です。仮想マシンの電源オン、電源オフ、削除、インポート、デプロイ、ライブ・マイグレーションなどの機能が提供されます。また、Oracle VM Managerでは、ISOファイル、仮想マシン・テンプレート、共有仮想ディスクなどのリソースを効率的に管理できます。
このドキュメントでは、Oracle VMの最新情報を示します。
Oracle VMリリース3.0の新機能および拡張機能は次のとおりです。
パフォーマンス、スケーラビリティおよびセキュリティ
Xen 4.0ハイパーバイザの更新: より効率的な電力管理機能が提供され、ハードウェア・サポートの範囲が広がり、ハードウェア仮想化ゲストと準仮想化ゲストの両方のパフォーマンス、スケーラビリティおよびセキュリティが向上しています。
新規ドライバによるDom0 Linuxカーネルの更新: 最新のUnbreakable Enterprise Kernelにより、パフォーマンスが向上するようにハードウェア・サポートが強化されています。
スケーラビリティの向上: Oracle VM Serverで最大160のCPUと2TBのメモリーのサポートが可能。
OCFS2 1.8クラスタ・ファイル・システムの更新: OCFS2 1.8でのインスタント・クローンのサポートによって、仮想マシンのプロビジョニングおよびクローニングが大幅に高速に行われるようになります。
OVFのサポート: Oracle VM Managerを使用して、Oracleで作成される幅広いOpen Virtualization Format(OVF)ベースのソフトウェア・アセンブリをインポートし、アプリケーションのデプロイを迅速に行うことができるようになりました。
ネットワークおよび記憶域の構成および管理
ネットワークの構成および管理: Oracle VM Serverのすべての論理ネットワーク構成および管理(NICポートのボンディングやVLAN Networksの構成など)は、Oracle VM Managerを使用して行われるようになりました。
記憶域の構成および管理: Oracle VM Storage Connectフレームワークを使用すると、Oracle VM Managerで既存のストレージ・システムのリソースや機能に直接アクセスできるため、ネイティブ・ストレージ・サービス(SANやNFSの記憶域の作成、削除、拡張など)がサポートされます。これによって、Oracle VM Managerでは、Oracle VM Managerで使用可能な記憶域を自動的に検出したり、新しい記憶域リポジトリを作成したり、RAW記憶域を仮想マシンに直接マップできるようになります。
ユーザビリティの改善
ユーザー・インタフェース: 最新のOracle ADFに基づいて、Oracle VM Managerには、物理環境および仮想環境のリアルタイムな状態を表示するための、完全にインタラクティブなツリー・ビューおよび自動リフレッシュが追加されています。
仮想マシン: インストールを簡略化するために起動順序を指定します(ディスクやCD-ROMなど)。RAW記憶域または仮想ディスク(vdisks)を直接アタッチします。
物理ステータスおよび仮想ステータスとリソース情報
リソース情報: 物理Oracle VM Serverおよび仮想マシンごとに、CPU、メモリー、ディスクおよびネットワークについてのパフォーマンス統計が使用可能です。物理オブジェクトおよび仮想オブジェクトごとにイベント(ポートの起動/停止ステータスなど)が表示されます。IPアドレスやその他の構成情報は、直接ユーザー・インタフェースに表示されます。
注意: Oracle VM Managerのユーザー・インタフェースですべてのメトリックが公開されるわけではありません。 |
ポリシーベースのリソース管理
容量管理のための分散リソース・スケジューリング(DRS): DRSでは、サーバー・プールをリバランスして、実行中の仮想マシンに一貫性のあるリソースを提供するための目標を設定し、Oracle VM Serverの使用状況をリアルタイムで監視できます。DRSでは、負荷の高いOracle VM Serverから負荷の低いOracle VM Serverに負荷を移行します。
電力消費が最小限になるようにサーバー・プールを最適化するための分散電源管理(DPM): DPMはDRSを補完して、リソース使用率が低い期間がある場合にサーバー・プールのOracle VM Serverの数を削減します。これによって、リソース使用率が増加したときに、必要に応じて自動的に容量が追加されます。
作成するゲスト仮想マシンは、次に示すサポート構成のいずれかである必要があります。
表1 64ビットCPUハードウェア仮想化でサポートされているゲスト・オペレーティング・システム(LinuxおよびSolaris)
ゲスト・オペレーティング・システム | ハードウェア仮想化(32ビット) | PVドライバを使用したハードウェア仮想化(32ビット) | ハードウェア仮想化(64ビット) | PVドライバを使用したハードウェア仮想化(64ビット) |
---|---|---|---|---|
Oracle Linuxリリース6.x |
可 |
可 |
可 |
可 |
Oracle Linuxリリース5.x |
可 |
可 |
可 |
可 |
Oracle Linuxリリース4.x |
可 |
可 |
可 |
可 |
Oracle Solaris 11 Express 脚注 1 |
N/A |
可 |
N/A |
可 |
Oracle Solaris 10 脚注 1 |
N/A |
可 |
N/A |
可 |
RedHat Enterprise Linux 5.x |
可 |
可 |
可 |
可 |
RedHat Enterprise Linux 4.x |
可 |
可 |
可 |
可 |
脚注 1 Oracle Solarisは、Solaris 10 10/09でサポートされるようになりました。Solaris 10またはSolaris 11 Express OSは、ハードウェア仮想マシン(HVM)として動作します。これには、基礎となるハードウェア・プラットフォームでHVMサポート(Intel VTまたはAMD-V)が必要です。デフォルトのSolaris 10またはSolaris 11 Express OSには、OSの一部として必須の準仮想化(PV)ドライバがすでにインストールされています。Oracle Solaris 10またはSolaris 11 Expressでは、x86 32ビットと64ビットのアーキテクチャがサポートされています。OSの起動時に、ハイパーバイザまたは基礎となるハードウェアを調べて、32ビット・モードまたは64ビット・モードが選択されます。
表2 64ビットCPUハードウェア仮想化でサポートされているゲスト・オペレーティング・システム(Microsoft Windows)
ゲスト・オペレーティング・システム | ハードウェア仮想化(32ビット) | PVドライバ2.xを使用したハードウェア仮想化(32ビット) | ハードウェア仮想化(64ビット) | PVドライバ2.xを使用したハードウェア仮想化(64ビット) |
---|---|---|---|---|
Microsoft Windows(tm) 7 SP1 |
可 脚注 1 |
可 |
可 脚注 1 |
可 |
Microsoft Windows(tm) Vista SP2 |
可 脚注 1 |
可 |
可 脚注 1 |
可 |
Microsoft Windows(tm) XP SP3 |
可 脚注 1 |
可 |
可 脚注 1 |
可 |
Microsoft Windows(tm) Server 2008 R2 SP1 |
N/A |
N/A |
可 脚注 1 |
可 |
Microsoft Windows(tm) Server 2008 SP1 |
可 脚注 1 |
可 |
可 脚注 1 |
可 |
Microsoft Windows(tm) Server 2003 R2 SP2 |
可 脚注 1 |
可 |
可 脚注 1 |
可 |
Microsoft Windows(tm) Server 2003 SP2 |
可 脚注 1 |
可 |
可 脚注 1 |
可 |
脚注 1 Windows PVドライバのインストールを簡単にするためにHVM専用モードが使用されます。ゲストOSとしてサポートされるには、Windows OSにWindows PVドライバが必須です。
ここでは、Oracle VMの構成の最大値を示します。次の表に示す制限値は、テスト済の推奨制限値であり、Oracleで完全にサポートされています。構成における制限事項は次のように分類されます。
表5 仮想マシンの最大値
項目 | 最大値 |
---|---|
仮想CPU |
128 |
x86 (32ビット)ゲストの仮想RAM |
63GB |
x86_64 (64ビット)ゲストの仮想RAM |
1TB |
準仮想化ゲスト |
|
仮想NIC |
31 |
仮想ディスク |
52 |
ハードウェア仮想化ゲスト |
|
仮想NIC |
8 |
IDEディスク(CD-ROMおよび仮想ディスクを含む) |
4 |
SCSIディスク |
7 |
ここでは、Oracle VMの既知の制限とその回避策について、次の内容を説明します。
ここでは、Oracle VM Serverおよびサーバー・プールに関連する既知の問題と回避策について説明します。
Oracle VM ServerのBIOSの次の設定には特に注意してください。
CD-ROMからインストールを実行するためにCD-ROMデバイスを認識するには、AHCIモードにする必要があります。
VT-dを無効にします(今回のリリースではサポートされていません)。
サーバー・プールのすべてのOracle VM Serverが同じOracle VM Agentパスワードで設定されていることを確認します。そうしないと、Oracle VM Managerが正しくサーバーをアドレス指定して操作を起動することができなくなります。Oracle VM Agentのパスワードは、Oracle VM Serverのインストール時に設定します。
サーバー・プールのOracle VM Serverは、同じCPUファミリのCPUが必要であり、同じCPUタイプである必要があります。同じでない場合、ライブ・マイグレーションなどのいくつかの操作が失敗します。CPUは同じCPUファミリで同じタイプである必要がありますが、コアの数やメモリーの量が異なるなど、構成が異なる場合もあります。サーバー・プールのOracle VM Serverは同じにすることをお薦めします。
Oracle VM Managerにはプロセッサの互換性グループに関するルールがあります。互換性のないプロセッサ間でライブ・マイグレーションを実行しようとすると、エラー・メッセージが表示されます。
Oracle VM Managerでは、サーバー・プールをまたいだ移行は許可されません。仮想マシンを移行できるのは、仮想マシン・サーバーから同じサーバー・プール内の別のサーバーへの移行のみです(この場合、この2つのサーバーのCPUアークテキチャは同じである必要があります)。
Oracle VMのデフォルトのdom0メモリーのサイズは512Mです。ただし、実行中のアプリケーションの要件を満たすために、このサイズを増やす必要がある場合があります。たとえば、1つのiSCSI LUNを表示するには、約3.5Mのシステム・メモリーが必要です。その結果、多数のLUNを使用するシステムでは、記憶域構成に従って、メモリーの量を増やすことが必要になります。
回避策: dom0メモリーを変更します。ファイル/boot/grub/menu.lstを編集し、カーネル・コマンドラインのエントリdom0_mem=512M
を必要な値に変更し、保存して再起動します。
Sun Fire X4800にOracle VM Serverをインストールしている場合は、インストール・メディア(CD‐ROMまたはISOファイル)から起動するとき、またはkickstartインストールを使用するときに、追加のパラメータを指定する必要があります。これらのパラメータによって、megaraid_sasドライバが正確にロードされます。
インストール・メディアから起動する場合は、初期起動画面が表示されたときに[F2]を押し、起動コマンドの一部として次の追加パラメータを指定します。
mboot.c32 xen.gz extra_guest_irqs=64,2048 nr_irqs=2048 --- vmlinuz --- initrd.img
kickstartインストールを使用している場合は、PXE構成ファイルに追加のカーネル・パラメータを追加します。
これらの変更を永続的なものにする場合は、インストールが完了した後、Oracle VM Serverで/boot/grub/grub.confファイルを編集します。
マスターOracle VM Serverの記憶域に接続しているVnicが停止すると、マスターOracle VM Serverは再起動されますが、Oracle VM ManagerでOracle VM Serverは再検出されません。
サーバー・プールのOracle VM Serverが異なるサブネット上にあると、Oracle VM Serverの起動または再起動が失敗します。
回避策: IPMI(Intelligent Platform Management Interface)を使用して、サーバー・プールで異なるサブネット上にあるOracle VM Serverを起動または再起動します。
Oracle VM Managerが新しいコンピュータに再デプロイされている場合は、ファイル・サーバーを再検出する必要があります。ファイル・サーバーを再検出せず、サーバー・プール・ファイル・システムがそのファイル・サーバーにある場合は、そのサーバー・プールからOracle VM Serverを削除することはできません。
同じ物理記憶域に対するI/O集中型の操作によって、OCFS2ハートビート機能が妨害される場合があります。たとえば、サーバー・プール・ファイル・システムが存在する同じNFSサーバーの記憶域リポジトリでテンプレートのインポートまたはVMのクローニングを行うと、ハートビート通信でタイムアウトが発生する場合があり、サーバーのフェンシングおよび再起動が行われます。
回避策: 不要な再起動を回避するには、I/O帯域幅が十分で安定しているサーバー・プール・ファイル・システムの場所を選択することをお薦めします。可能であれば、サーバー・プール・ファイル・システムを別のNFSサーバーに配置するか、小さいLUNを使用します。
クラスタから削除するOracle VM ServerでOCFS2ファイル・システムがまだマウントされている場合、削除操作は失敗します。これは、OCFS2マウントがアクティブ・プール・ファイル・システムまたは記憶域リポジトリであることが原因です。
回避策: 記憶域リポジトリがまだ提示されている場合は、クラスタからサーバーを削除しようとする前に、Oracle VM Serverでそのリポジトリが提示されないようにします。プール・ファイル・システムが原因で削除操作が失敗する場合は、アンマウント時にプール・ファイル・システムで他のプロセスが動作していた可能性があります。後でサーバーを削除してみてください。
サーバー・プール・ファイル・システムがマウントされていない場合、Oracle VM Serverはハートビート構成済モードです。マウントするファイル・システムを含むNFSサーバーのLUNが使用できないなどのハードウェアの問題が原因で、ファイル・システムがマウントできなかったか、マウントが失われました。
回避策: Oracle VM Agent APIを使用してファイル・システムをマウントするか、最終的な手段として、Oracle VM Serverを再起動して、起動時に自動的にクラスタを結合できるようにします。
xm dump-core
など、実行に長時間かかるxmコマンドを実行すると、そのxmコマンドが完了するまで、他のxmコマンドの処理速度が低下する場合があります。
大規模な仮想マシン(1TB以上のRAMを備えたゲストなど)を起動すると、Oracle VM Serverのルート・ファイル・システムが一杯になる可能性があります。これは、/var/log/messagesファイルに致命的でないエラー・メッセージが書き込まれていることが原因です。
回避策: Oracle VM Serverで/etc/monitor/config.ymlファイルを編集し、default_grace
期間を90
から3600
に増やします。
Oracle VM Serverの再検出で、次のエラーが発生する場合があります。
om.oracle.ovm.mgr.api.exception.FailedOperationException: OVMAPI_4010E
Attempt to send command: discover_cluster to server: ip_address failed.
OVMAPI_4004E Server Failed Command: discover_cluster , Status:
org.apache.xmlrpc.XmlRpcException: exceptions.Exception:discover_cluster
already in progress
これは、マスターOracle VM Serverを再検出した後、マスター・ロールなしで別のOracle VM Serverを再検出すると発生します。このエラーは、NFSベースのサーバー・プール・ファイル・システムで発生します。
ここでは、仮想マシンに関連する既知の問題と回避策について説明します。
PVM仮想マシンのカーネルがdom0カーネル(2.6.32.21-32xenカーネルなど)に更新された場合、仮想マシンはselinuxが無効な状態で起動されます。
回避策: selinuxを有効にするには、selinux=1
を/boot/grub/grub.confファイルのカーネル行に追加します。
仮想マシンの構成ファイルを手動で編集することはできません。たとえば、vm.cfgのHA設定を編集してHAを無効にし、仮想マシンがOracle VM Managerを使用せずに別の方法で停止されると、仮想マシンは再起動されます。Oracle VM Managerは、仮想マシンの構成ファイルで行われたHA変更を認識しません。
複数のテンプレートのインポートと削除を同時に実行したり、テンプレートのインポート時にOracle VM Serverが削除されると、ロック例外エラーが表示されます。エラー・メッセージが表示されても、テンプレートのアップロードは正常に行われる場合が多くありますが、このようなテンプレートは記憶域リポジトリの使用可能テンプレートのリストには表示されません。
この問題を解決するには、記憶域リポジトリをリフレッシュするだけで十分なことが多く、それによって、アップロードされたテンプレート・ファイルがリストに表示されるようになります。インポートされたテンプレートが不完全なものになる場合もあります。この場合は、そのテンプレートを削除して、もう一度インポートする必要があります。
無効なネットワークURLを指定したPXEタイプの起動を使用してPVM仮想マシンを起動すると、仮想マシンのステータスが「In Progress」のままになります。
回避策: 仮想マシンの起動ジョブを強制終了します。仮想マシンを編集し、正しいURLを指定します。
ハードウェア仮想化ゲストを作成するには、Oracle VM ServerにIntel-VT(Vanderpoolというコード)またはAMD-V(Pacificaというコード) CPUが備わっている必要があります。サポートされているハードウェアのリストは、『Oracle VMインストレーション・ガイド』を参照してください。
仮想マシン(ゲスト)コンソールへのリモート・アクセスを有効にするには、Oracle VM ManagerにVNCブラウザ・プラグインが必要です。
tightvnc-java-1.3.9-3.noarch.rpmをダウンロードし、Oracle VM Managerホストにインストールします。TightVNCは次の場所からダウンロードできます。
ハードウェア仮想化ゲストと準仮想化ゲストの両方で、新しいメモリー設定を使用可能な最大メモリー以下にする必要があります。ハードウェア仮想化ゲストの場合、メモリーの増減にはゲストの再起動が必要です。準仮想化ゲストの場合、再起動は不要です。
準仮想化ドライバ(PVHVM)を備えたハードウェア仮想化ゲストの場合、仮想CPUの数を変更することはできません。ゲストに表示される仮想CPUは、最初に定義したままです。
仮想マシン・コンソールをOracle VM Managerから起動すると、ローカル・マシンのマウス・ポインタおよび仮想マシンのマウス・ポインタが画面上を様々な速度で動きます。
ゲスト仮想マシンのオペレーティング・システムがLinuxベースの場合は、次の回避策によって、マウス制御の不具合が軽減される場合があります。ゲストのコマンドラインで次のように入力します。
# xset m 1 1
Windows Server 2008リリース2 64ビットのハードウェア仮想化ゲストは正常に停止されません。ゲストを停止し、もう一度起動すると、正常に停止されなかったことがWindowsにレポートされます。
この問題は、準仮想化ドライバ(PVHVM)を備えたWindows Server 2008リリース2 32ビットのハードウェア仮想化ゲストでは発生しません。
新しいディスクを仮想マシンに追加し、デバイス・マネージャをリフレッシュすると、新しいディスクは黄色いマークで表示されます。これは、Oracle VM Windows Paravirtual Drivers for Microsoft Windowsリリース2.0.7がインストールされたMicrosoft Windowsゲストで発生します。
仮想マシンに新しいディスクを追加しても、そのディスクは自動検出されません。これは、Oracle VM Windows Paravirtual Drivers for Microsoft Windowsリリース2.0.7がインストールされたMicrosoft Windows 2008リリース2 64ビットのゲストで発生します。
回避策: 新しいディスクを追加した後、「サーバ マネージャ」 > 「ディスク デバイス」 > 「ハードウェア変更のスキャン」を使用して、新しいハードウェア変更をスキャンします。
仮想マシンを作成するときに、「Processor Cap」を10から100%の間の割合で選択します。デフォルトは100%です。この値は、仮想マシンのvm.cfgでCPU使用率制限に変換されます。vm.cfgで設定した値によって、ゲストが使用できるCPUの量が制限されます。仮想マシンに設定された仮想CPUの数は、vm.cfgファイルの値を計算するときの係数になります。
Oracle VM Managerで「Processor Cap」が100%に設定されている場合、vm.cfgで設定される値は0で、これはCPU使用率に制限がないことを意味します。「Processor Cap」が10%以上、100%未満に設定されている場合、vm.cfgファイルで設定される値は次のように計算されます。
値 = Processor_Cap (UIで設定) × 仮想CPUの数
この計算で、100を超える値が算出される場合があります。逆に、仮想マシンまたはテンプレートをインポートしている場合は、vm.cfgファイルの0の値がUIでProcessor Capの100%の値に変換されます。vm.cfgのその他の値は、次の式を使用してProcessor Capの割合に変換されます。
Processor_Cap (UIで設定) = min (100, value_in_vm.cfg / number_virtual_cpus)
ここでは、ネットワークに関連する既知の問題と回避策について説明します。
Oracle VM Managerでは、表5「仮想マシンの最大値」に示すとおり、HVM仮想マシンごとに8枚のネットワーク・カードをサポートしています。ただし、インストール・メディアから仮想マシンを作成する場合、システム・ライブラリで追加できるネットワーク・カードは3枚までです。
回避策: 仮想マシンを作成した後、Oracle VM Managerで仮想マシンを編集して、最大5枚の新しいネットワーク・カードを追加します。
VLANs over bond mode 6(balance-alb)はVLANブリッジ・インタフェースとの互換性がないため、このモードのブリッジ・インタフェースはサポートされていません。
回避策: この問題には2つの回避策があります。
ブリッジ・インタフェースとしてbond mode 6を使用し、VLANs over bond mode 6を使用しないでください。
ブリッジ・インタフェースとしてVLANs over bond mode (1=active-backupまたは4=802.3ad)を使用してください。
ボンディングされたインタフェースが起動されている場合でも、Oracle VM ManagerのUIで「Down」として表示されます。
クラスタ・ハートビート・ネットワークのロールを別のIPアドレスが指定された別のネットワークに移動した場合、その変更はOracle VM Serverでは反映されません。
回避策: 新しいIPアドレスが反映されるようにネットワークの各Oracle VM Serverで/etc/ocfs2/cluster.confファイルを編集し、各Oracle VM Serverを再起動します。
管理ネットワークに仮想マシン・ネットワークのロールが含まれていて、Oracle VM Serverを検出した場合、新しく検出されたOracle VM Serverでネットワーク・ブリッジは作成されません。この結果、新しく検出されたOracle VM Serverで仮想マシンを起動できず、次のジョブ・エラーが表示されます。
Device 0 (vif) could not be connected. Could not find bridge device ip_address
回避策: 管理ネットワークから仮想マシン・ネットワークのロールを削除してから、もう一度、ネットワークに仮想マシン・ネットワークのロールを追加します。新しく検出されたOracle VM Serverにブリッジが作成されます。
ここでは、記憶域に関連する既知の問題と回避策について説明します。
サーバー・プール・ファイル・システムがクリーンでなく(既存ファイルとサーバー・プールのクラスタ情報が含まれる)、これを使用してサーバー・プールを作成すると、多数のエラーが発生します。
ファイル・システムが検出されたときに、検出されたプールFSに不明なプールが見つかったとしてサーバー・プールが作成されます。サーバー・プールを編集したり使用することはできません。次のエラーが表示されます。
OVMRU_002037E repository_name - Cannot present the Repository to server: server_name. Both server and repository need to be in the same cluster.
ファイル・システムを使用してサーバー・プールを作成できません。次のエラーが表示されます。
OVMAPI_4010E Attempt to send command: create_pool_filesystem to server: server_name failed. OVMAPI_4004E Server Failed Command: create_pool_filesystem ... No such file or directory
「Hardware」ビューの「Physical Disks」タブを使用して、サーバー・プール・ファイル・システムを削除できません。次のエラーが表示されます。
"VALUEERROR: UNKNOWN ERROR: 'BACKING_DEVICE'"
OCFS2ベースの記憶域リポジトリが孤立し(OCFS2ファイル・システムが作成されたときに使用していたclusterIdが存在しなくなった)、リポジトリをマウントしたりリフレッシュすることができず、次のエラーが表示されます。
"OVMRU_002037E Cannot present the Repository to server: server_name. Both server and repository need to be in the same cluster."
回避策: サーバー・プール・ファイル・システムとして使用する前に、すべてのファイルのファイル・システムをクリーニングします。
「Physical Disk」タブ(「Hardware」ビュー > 「Storage」タブ > 「Storage Array」 > storage_array > 「Physical Disk」タブ)でLUNを削除すると、LUNではなくストレージ・アレイが削除されます。
「Volume Groups」タブ(「Hardware」ビュー > 「Storage」タブ > 「Storage Array」 > storage_array > 「Volume Groups」タブ)でボリューム・グループを削除すると、ボリューム・グループではなくLUNが削除されます。
記憶域リポジトリに対してファイルの追加や削除を行っても、記憶域リポジトリの合計サイズが変わりません。たとえば、記憶域リポジトリから仮想ディスク・ファイルを削除しても、リポジトリのサイズは変わらず、削除したファイルのサイズは反映されなかったり、ISOファイルを記憶域リポジトリに追加しても、リポジトリのサイズは変わらず、増やしたサイズは反映されません。
Oracle VM Managerのストレージ・アレイでLUNのサイズを変更しても、その変更はユーザー・インタフェースに表示されません。
回避策: ストレージ・アレイを選択し、「Refresh」を2回クリックします。ユーザー・インタフェースに変更が正しく反映されます。
LUNのサイズを変更し、ストレージ・アレイの物理ディスクを再スキャンしても、Oracle VM ManagerのUIの「Hardware」ビューの「Physical Disks」タブに新しいサイズが反映されません。
Oracle VMでは、マルチパスの記憶域アクセスがデフォルトで有効になっており、シングルパス構成のSANから起動することもできます。ただし、Oracle VMリリース3.0.1では、マルチパスのSANからの起動はサポートされていません。この機能については、現在、取組み中です。
回避策: サーバーをSANから起動する必要がある場合は、単一の物理パスでの記憶域アクセスを構成します。SANから起動できるように必要な調整を行います(起動デバイスとしてホスト・バス・アダプタを使用するようにBIOSを設定するなど)。ディスクは、インストーラにmpath[x]デバイスではなくsd[x]デバイスとして表示される必要があります。
Oracle VMでは、Oracle VM Serverのシステム・ディスクは自動的にデフォルトのマルチパス構成でブラックリスト登録されます。ただし、インストールによっては、システム・ディスクが正しく/etc/blacklisted.wwidsファイルに追加されない場合があります。この問題は、デバイス・マッパーにリストされたディスクIDとインストーラが使用するIDの不一致が原因です。
システム・ディスクのブラックリスト登録が失敗しても、問題のディスクがマルチパス指定されていないことからOracle VM ManagerのVMに割り当てられないため、Oracle VMの機能には影響しません。
回避策: ブラックリスト登録の構成を修正するには、インストール後に手動で/etc/blacklisted.wwidsファイルを更新できます。これを行う場合は、リストされたディスクIDを正しいSCSI IDに置き換えます。SCSI IDはコマンドscsi_id -gus /block/sd[x]
で取得できます。
NFSファイル・サーバーに2つのIPアドレスがある場合、両方のインタフェースで同じファイル・システムを公開することはできません。このような状況は、両方のIPアドレスを別々のアクセス・ホストとして構成した場合(たとえば、異なるOracle VM Serverに異なるパスでアクセスする場合など)に発生します。その結果、同じファイル・システムが異なる2つの記憶域オブジェクト・エントリ(それぞれのIPアドレスに関連する異なるパスを持つ)に対応することになります。記憶域サーバーは1つのオブジェクトでのみ表すことができるため、この構成はOracle VMリリース3.0.1ではサポートされません。
回避策: 1つの記憶域サーバーには1つのアクセス・ホストのみ構成します。
記憶域リポジトリが空でなく、ISOファイル、テンプレート、仮想マシン・ファイルなどのファイルが含まれる場合、リポジトリを削除することはできません。
回避策: リポジトリからすべてのファイルを削除した後、リポジトリを削除します。
NASベースのファイル・システムをリフレッシュすると、無効または重複したエクスポートが行われる場合があります。ファイル・システムのリフレッシュ・ジョブ中、Oracle VM環境で使用する予定のないファイル・システムであっても、NASベースのファイル・サーバーのエクスポート・ファイルに定義されたすべてのマウント・ポイントがリフレッシュされます。
たとえば、エクスポート・ファイルにエクスポート場所として/xyzが含まれ、/xyz/abcも含まれている場合などは、エクスポート・ファイルのサブディレクトリも含む最上位ディレクトリでも問題が発生する場合があります。この場合、ファイル・システムのリフレッシュ・ジョブで次のエラーが表示されます。
OVMRU_002024E Cannot perform operation. File Server: server_name, has invalid exports.
回避策: 2つ目の問題の場合、この問題の回避策として、NASベースのファイル・サーバーのエクスポート・ファイルで最上位のファイル・システムをエクスポートしないでください。
ストレージ・アレイ・オブジェクトの検出を含む検出ジョブの進行中に「Hardware」ビューの「Storage」タブで「Storage Array」フォルダをクリックすると、Oracle VM ManagerのUIがハングアップします。たとえば、記憶域に接続されているOracle VM Serverを検出する場合に、「Hardware」 > 「Storage」をクリックし、「Storage Array」フォルダを選択すると、UIがハングアップします。
回避策: すべての記憶域検出ジョブが完了するまで待ってから、「Storage Array」フォルダを展開します。
ddコマンドを使用してOCFS2ファイル・システムにあるスパース・ファイルをコピーする場合は、conv=sparse
パラメータを使用して、操作のブロック・サイズをOCFS2ファイル・システムのクラスタ・サイズ以上に指定します。次に例を示します。
dd bs=1024K conv=sparse if=test_file1 of=test_file2
デフォルトでは、ddコマンドはクラスタ・サイズではなくファイル・システムのブロック・サイズを使用します。指定されたブロック・サイズがファイル・システムのクラスタ・サイズより小さい場合は、dd操作のターゲットがスパース・ファイルとしては作成されません。tunefs.ocfs2コマンドを使用して、OCSF2ファイル・システムのクラスタ・ファイルを表示します。
オラクル社のアクセシビリティについての詳細情報は、Oracle Accessibility ProgramのWebサイトhttp://www.oracle.com/pls/topic/lookup?ctx=acc&id=docacc
を参照してください。
Oracleサポートへのアクセス
Oracleカスタマは、My Oracle Supportから電子サポートにアクセスできます。詳細は、http://www.oracle.com/pls/topic/lookup?ctx=acc&id=info
またはhttp://www.oracle.com/pls/topic/lookup?ctx=acc&id=trs
(聴覚障害者向け)を参照してください。
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このソフトウェアまたはハードウェアは様々な情報管理アプリケーションでの一般的な使用のために開発されたものです。このソフトウェアまたはハードウェアは、危険が伴うアプリケーション(人的傷害を発生させる可能性があるアプリケーションを含む)への用途を目的として開発されていません。このソフトウェアまたはハードウェアを危険が伴うアプリケーションで使用する際、このソフトウェアまたはハードウェアを安全に使用するために、適切な安全装置、バックアップ、冗長性(redundancy)、その他の対策を講じることは使用者の責任となります。このソフトウェアまたはハードウェアを危険が伴うアプリケーションで使用したことに起因して損害が発生しても、オラクル社およびその関連会社は一切の責任を負いかねます。
OracleおよびJavaはOracle およびその関連企業の登録商標です。その他の名称は、他社の商標の可能性があります。
Intel、Intel Xeonは、Intel Corporationの商標または登録商標です。すべてのSPARCの商標はライセンスをもとに使用し、SPARC International, Inc.の商標または登録商標です。AMD、Opteron、AMDロゴ、AMD Opteronロゴは、Advanced Micro Devices, Inc.の商標または登録商標です。UNIXはThe Open Groupの登録商標です。
このソフトウェアまたはハードウェアおよびドキュメントは、第三者のコンテンツ、製品、サービスへのアクセス、あるいはそれらに関する情報を提供することがあります。オラクル社およびその関連会社は、第三者のコンテンツ、製品、サービスに関して一切の責任を負わず、いかなる保証もいたしません。オラクル社およびその関連会社は、第三者のコンテンツ、製品、サービスへのアクセスまたは使用によって損失、費用、あるいは損害が発生しても、一切の責任を負いかねます。