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Oracle® Enterprise Manager Cloud Control Oracle Databaseコンプライアンス標準
12c リリース4 (12.1.0.4)
B70518-04
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6 プラガブル・データベースのコンプライアンス標準

次に示すのは、プラガブル・データベースのコンプライアンス標準のコンプライアンス標準ルールです。コンプライアンス標準は次のとおりです。

6.1 プラガブル・データベースの構成のベスト・プラクティス

プラガブル・データベースの構成のベスト・プラクティスのコンプライアンス標準のコンプライアンス標準ルールは、次のとおりです。

6.1.1 標準以外の初期化パラメータの使用

説明: 標準以外の初期化パラメータを使用していないかどうかをチェックします。

重大度: マイナー警告

理由: 標準以外の初期化パラメータが使用されています。これらのパラメータは、適切でないアドバイスや誤った推定に基づいて使用された可能性があります。特に、ラッチのSPIN_COUNTおよびドキュメントに記載されていないオプティマイザ機能に関連するパラメータは、多くの確認作業を必要とする大きな問題となる可能性があります。

6.1.2 制御ファイル数の不足

説明: 単一の制御ファイルを使用していないかどうかをチェックします。

重大度: クリティカル

理由: 制御ファイルは、Oracleデータベースで最も重要なファイルの1つです。このファイルには、データベースに関する多くの物理特性と重要なリカバリ情報が記載されています。メディア・エラーによって1つしかない制御ファイルが失われると、不要な停止時間およびその他のリスクが発生します。

6.1.3 自動PGA管理を使用していない

説明: PGA_AGGREGATE_TARGET初期化パラメータの値が0であるかどうか、またはWORKAREA_SIZE_POLICYの値がMANUALであるかどうかをチェックします。

重大度: 警告

理由: 自動PGAメモリー管理は、PGAメモリーの割当て方法を簡略化し向上させます。有効にすると、DBAが設定したPGA_AGGREGATE_TARGET制限を保持したまま、作業領域専用のPGAメモリーの一部がOracleによって動的に調整できるようになります。

6.1.4 無効な自動統計収集

説明: STATISTICS_LEVEL初期化パラメータがBASICに設定されているかどうかをチェックします。

重大度: クリティカル

理由: 自動統計収集は、オプティマイザによる正確な実行計画の生成を可能にし、またパフォーマンスの問題を特定および修正する場合に必要です。STATISTICS_LEVELは、デフォルトでTYPICALに設定されます。STATISTICS_LEVEL初期化パラメータをBASICに設定すると、Oracleデータベースの機能に必要な多くの重要な統計の収集が無効になります。

6.1.5 STATISTICS_LEVELパラメータがALLに設定されている

説明: STATISTICS_LEVEL初期化パラメータがALLに設定されているかどうかをチェックします。

重大度: マイナー警告

理由: 自動統計収集は、オプティマイザによる正確な実行計画の生成を可能にし、またパフォーマンスの問題を特定および修正する場合に必要です。STATISTICS_LEVEL初期化パラメータは、現在、ALLに設定されています。これは指定時間に動作する追加のOSおよび計画実行統計が収集中であることを意味します。これらの統計は必要なく、またシステムに追加のオーバーヘッドを作成します。

6.1.6 TIMED_STATISTICSがFALSEに設定されている

説明: TIMED_STATISTICS初期化パラメータがFALSEに設定されているかどうかをチェックします。

重大度: クリティカル

理由: TIMED_STATISTICSをFALSEに設定すると、時間関連の統計(各種の内部操作の実行時間など)は収集されません。これらの統計は、診断やパフォーマンス・チューニングに役立ちます。TIMED_STATISTICSをTRUEに設定すると、時間関連の統計を収集できます。また、トレース・ファイルに記録される値も増えることで、長時間の操作についてより正確な統計を生成できます。

6.1.7 強制ロギングが無効

説明: データベースの強制ロギングが無効になっていないかどうかをチェックします。

重大度: 警告

理由: データベースが強制ロギング・モードではありません。データベースがData Guardプライマリ・データベースの場合、ログに記録されない直接書込みはスタンバイ・データベースに伝播されません。

6.2 プラガブル・データベースの記憶域のベスト・プラクティス

プラガブル・データベースの記憶域のベスト・プラクティスのコンプライアンス標準のコンプライアンス標準ルールは、次のとおりです。

6.2.1 ディクショナリ管理表領域

説明: ディクショナリ管理表領域をチェックします。

重大度: マイナー警告

理由: これらの表領域はディクショナリ管理されています。パフォーマンスの向上および領域管理の簡略化のために、自動セグメント領域管理を使用して、ローカル管理表領域を使用することをお薦めします。

6.2.2 永続表領域を一時表領域として使用しているユーザー

説明: 永続表領域を一時表領域として使用しているユーザーをチェックします。

重大度: マイナー警告

理由: これらのユーザーは、永続表領域を一時表領域として使用しています。一時表領域を使用すれば、ソート操作の領域管理をさらに効率的にできます。ソート操作に永続表領域を使用した場合、特にReal Application Clustersではパフォーマンス低下の原因になることがあります。さらに他のセキュリティ上の問題があります。ユーザーがシステム表領域内のすべての使用可能な領域を使用できるため、データベースが停止する可能性があります。

6.2.3 システム表領域をデフォルト表領域として使用しているシステム以外のユーザー

説明: SYSTEMまたはSYSAUXをデフォルト表領域として使用しているシステム以外のユーザーをチェックします。

重大度: マイナー警告

理由: これらのシステム以外のユーザーが、システム表領域をデフォルト表領域として使用しています。この違反状態では、システム以外のデータ・セグメントがシステム表領域に追加されるため、これらのデータ・セグメントの管理がより困難になり、システム表領域のパフォーマンス低下の原因となります。これはセキュリティ上の問題でもあります。システム表領域内のすべての使用可能な領域が消費されるため、データベースが停止する可能性があります。

6.2.4 自動セグメント領域管理が使用されていない表領域

説明: 手動セグメント領域管理を使用しているローカル管理表領域をチェックします。

重大度: マイナー警告

理由: 自動セグメント領域管理は、セグメント内の領域を管理する、より簡単で効率的な方法です。表領域に作成されるスキーマ・オブジェクトの記憶域パラメータPCTUSED、FREELISTSおよびFREELIST GROUPSの指定やチューニングを行う必要はまったくありません。Real Application Cluster環境では、空きリスト・グループを使用する場合の領域の難しいパーティション化を回避できるという利点もあります。

6.2.5 表領域の不均一なデフォルト・エクステント・サイズ

説明: デフォルト・エクステント・サイズが不均一なディクショナリ管理表領域または移行されたローカル管理表領域がないかどうかをチェックします。

重大度: マイナー警告

理由: 均一でないデフォルト・エクステント・サイズを使用しているディクショナリ管理表領域または移行されたローカル管理表領域が見つかりました。1つの表領域内に様々なサイズのエクステントが存在すると、フラグメンテーションが発生し、領域が適切に使用されず、パフォーマンスの低下を招きます。

6.2.6 SYSTEM表領域のロールバック・セグメント

説明: SYSTEM表領域にロールバック・セグメントがないかどうかをチェックします。

重大度: マイナー警告

理由: SYSTEM表領域は、Oracleデータ・ディクショナリとその関連オブジェクト専用に確保しておく必要があります。ユーザー表、ユーザー索引、ユーザー・ビュー、ロールバック・セグメント、UNDOセグメント、一時セグメントなど他のタイプのオブジェクトの格納には使用しないでください。

6.2.7 REDOログ数の不足

説明: 使用しているREDOログが2つ以下でないかをチェックします。

重大度: 警告

理由: オンラインREDOログ・ファイルは、データベースにおける変更を記録するために使用されます。アーカイブが有効な場合、オンラインREDOログを再利用する前にアーカイブする必要があります。各データベースでは、最低でも2つのオンラインREDOログ・グループが実行中である必要があります。オンラインREDOログのサイズと数が不足すると、LGWRはログを上書きする前に、ARCHがアーカイブ済ログ保存先への書込みを完了するのを待ちます。このような動作は、アクティビティがピークに達する期間には著しくパフォーマンスを低下させる原因となります。

6.2.8 REDOログ・サイズの不足

説明: REDOログ・ファイルが1Mb未満でないかをチェックします。レビューアへの質問: 仕様が1Mb (メガビット)になっています。1MB (メガバイト)にする必要がありますか。

重大度: クリティカル

理由: REDOログのサイズが小さいと、システム・チェックポイントでバッファ・キャッシュとI/Oシステムに継続的に高負荷がかかります。

6.2.9 ロールバックおよびデータ・セグメントを含む表領域

説明: ロールバック・セグメントとデータ・セグメントの両方を含む表領域がないかどうかをチェックします。

重大度: マイナー警告

理由: これらの表領域には、ロールバック・セグメントとデータ・セグメントの両方が含まれています。このようにタイプの異なるセグメントを混在させると、領域管理がより困難になり、表領域のパフォーマンスが低下することもあります。ロールバック・セグメント専用の表領域を使用すれば、可用性とパフォーマンスが向上します。

6.2.10 デフォルトの永続表領域がシステム表領域に設定されている

説明: DEFAULT_PERMANENT_TABLESPACEデータベース・プロパティがシステム表領域に設定されているかどうかをチェックします。

重大度: 警告

理由: 明示的に指定されていない場合、DEFAULT_PERMANENT_TABLESPACEはデフォルトでシステム表領域になります。これは推奨の設定ではありません。この設定の場合、永続表領域が明示的に割り当てられていないすべてのユーザーは、システム表領域を使用します。このように使用すると、データベースのパフォーマンスが低下する可能性があります。これはセキュリティ上の問題でもあります。システム以外のユーザーがシステム表領域にデータを格納して、システム表領域の使用可能なすべての領域を消費するため、データベースが停止する可能性があります。

6.2.11 SYSTEM表領域のSYSTEM以外のデータ・セグメント

説明: 表領域SYSTEMおよびSYSAUX内にあって、システム以外のユーザーが所有しているデータ・セグメントをチェックします。

重大度: マイナー警告

理由: システム・ユーザー以外に属するこれらのセグメントは、システム表領域(SYSTEMまたはSYSAUX)に格納されています。この違反状態では、これらのデータ・セグメントの管理がより困難になり、システム表領域のパフォーマンス低下の原因となる場合があります。これはセキュリティ上の問題でもあります。システム以外のユーザーがシステム表領域にデータを格納している場合、システム表領域内のすべての使用可能な領域が消費されるため、データベースが停止する可能性があります。

6.2.12 デフォルトの一時表領域がシステム表領域に設定されている

説明: DEFAULT_TEMP_TABLESPACEデータベース・プロパティがシステム表領域に設定されているかどうかをチェックします。

重大度: 警告

理由: 明示的に指定されていない場合、DEFAULT_TEMP_TABLESPACEはデフォルトでシステム表領域になるため、この設定はお薦めしません。この設定の場合、一時表領域が明示的に割り当てられていないすべてのユーザーは、システム表領域を一時表領域として使用します。一時データの格納にシステム表領域を使用することはお薦めしません。これはセキュリティ上の問題でもあります。システム以外のユーザーがシステム表領域にデータを格納して、システム表領域の使用可能なすべての領域を消費するため、データベースが停止する可能性があります。