この章では、RUEIデプロイメントのバックアップやレポータGUIパフォーマンスの向上など、様々なメンテナンス・タスクを実行する設定について説明します。
一般には、次の手順を使用します。
RUEI_USER
ユーザーとして次のコマンドを入力して、処理を停止します。
project -stop
関連する項の説明に従って、メンテナンスを実行します。
RUEI_USER
ユーザーとして次のコマンドを入力して、処理を再開します。
project -start
デフォルトで、管理者権限を持つユーザーは、他の管理者のプロパティを変更したり、管理者ユーザー・アカウントを作成および削除できます。これがセキュリティ要件と一致しない場合、次のコマンドを発行して、この機能を無効にできます。
execsql config_set_value wi_core user_mgmt_admin_edit_admins 0
コレクタがトラフィックの監視のために使用している、ベースのLinuxソケット・インタフェースのメモリー割当て制限は20KBです。多数のネットワーク・フィルタ(またはVLAN定義)を構成すると、この制限を上回ることがあります。その場合は、次のエラーがイベント・ログでレポートされます。
linux.c, 326,cap_dev_set_filter()]: setsockopt(): Cannot allocate memory
この制限を増やすには、次のようにします。
root
ユーザーとして必要なコレクタ・システムにログオンします。
次のコマンドを発行してベースの制限を増やします。
/sbin/sysctl -w net.core.optmem_max=65535
リブートしてもこの設定が保たれるようにするには、次の行を/etc/sysctl.conf
ファイルに追加します。
net.core.optmem_max=65535
レポータのユーザー・インタフェースにおいて、問合せ(ダッシュボードのリフレッシュまたはデータ・ブラウザでのデータの取得など)のパフォーマンスは、指定された並列度(DOP)設定によって大きな影響を受けます。この値によって、データベースに対して実行できるパラレル問合せの最大数が定められます。デフォルトは2です。レポータ・システムのコア数がこのデフォルトを大幅に上回るデプロイメント、または専用のデータベース・サーバーが使用されているデプロイメントでは、DOP設定を増やすことでユーザー・インタフェースのパフォーマンスのかなりの改善が実現されます。
DOPは、c_config
表のdb_gui_dop
エントリで制御されます。このエントリはインストール時にはデータベースに存在していません。次のコマンドを発行して、現在の設定値を取得します。
execsql config_get_value wi_core db_gui_dop
次のコマンドを使用して、設定値を変更します。
execsql config_set_value wi_core db_gui_dop dop
このとき、dop
に、レポータ・インタフェースの問合せで使用する並列度を指定します。データベース・システムのコア数よりも少ない値を指定する必要があることに注意してください。
RUEIは、専用データベース・バックアップおよびリカバリ機能を提供しません。かわりに、標準Oracleデータベース機能を利用します。これは、次の場所で入手可能な『Oracle Databaseバックアップおよびリカバリ・ユーザーズ・ガイド』で説明されています。
http://docs.oracle.com/cd/B28359_01/backup.111/b28270/toc.htm
重要:
使用するバックアップ方法に関係なく、RUEIデータ処理を最初に停止することを強くお薦めします。これを実行しないと、バックアップしたデータの整合性を保証できません。そのためには、次のコマンドをRUEI_USER
ユーザーとして発行します。
project -stop
この手順には数分かかり、停止コマンドの実行時に処理されているデータが失われる場合があります。ただし、トラフィックの監視は続行し、処理が再開されるとデータベースにコミットされるログ・ファイルに書き込まれます。
バックアップの作成後、次のコマンドを使用して、処理を再起動できます。
project -start
データベースに加えて、RUEI構成データもバックアップする必要があります。次に説明する手順は、データベースおよびファイル・システムの両方から構成データを抽出し、適切なストレージ・デバイスへの詳細なバックアップに選択できるファイル・システムに書き込みます。
レポータ・システムにRUEI_USER
ユーザーとしてログオンして、次のコマンドを発行します。
project -save
デフォルトでは、バックアップ・データをRUEI_DATA
/processor/backup
に格納します。–file
ディレクティブを使用して、別の場所を指定できます。たとえば、/tmp/backup
に格納するには、次のコマンドを使用します。
project -save --file=/tmp/backup/backup.tar.gz
以前のバックアップをリストアするには、次のコマンドを発行します。
project -restore /tmp/backup/backup.tar.gz
RUEIの主な長所の1つは、遅いパフォーマンスまたは問題ページの個別のユーザー・セッションを診断する機能です。この機能は、RUEIデータベースの外部に格納されるログ・ファイルに依存します。セッション診断機能のアクセスを許可するには、リストア中にこのデータも使用可能である必要があります。RUEI_DATA
/processor/data
ディレクトリの内容をバックアップします。
リプレイ・コンテンツは、エラー・ページまたはセッションの完全なコンテンツのリプレイに必要なデータです。このデータのバックアップは、要件によって異なります。つまり、定期的にセッション・コンテンツをリプレイする必要がある場合です。リプレイ・コンテンツをファイル・システムから簡単にバックアップできます。関連するディレクトリは、$APPSENSOR_HOME
/*/REPLAY
です。デフォルトの場所は、RUEI_DATA
/collector/wg/REPLAY
です。ディレクトリ全体(およびすべてのサブディレクトリ)をバックアップする必要があります。
必要なコレクタ・システムごとに、前述のディレクトリをバックアップする必要があります。分散環境では、バックアップを複数のシステムに実行する必要がある場合があることを意味します。
最初からRUEIデプロイメントをリストアするには、次のようにします。
RUEIソフトウェアをインストールします。この手順の詳細は、『Oracle Real User Experience Insightインストレーション・ガイド』を参照してください。
選択したバックアップ方法の『Oracle Databaseバックアップおよびリカバリ・ユーザーズ・ガイド』の手順に従って、データベースの内容をリストアします。
次のコマンドを使用して、RUEI構成情報をリストアします。
project -restore --all backup-file-location
backup-file-location
では、バックアップしたデータの場所を指定します。
RUEI_DATA
/processor/data
ディレクトリの内容をリストアして、RUEIセッション診断情報をリストアします。
必要なコレクタ・システムごとに、リプレイ・コンテンツを$APPSENSOR_HOME
/*/REPLAY
にリストアします。リストアを実行する前に、コレクタを停止する必要があります。コレクタを停止するには、RUEI_DATA
ユーザーとして次のコマンドを発行します。
appsensor stop wg
コレクタを再起動するには、RUEI_USER
ユーザーとして次のコマンドを発行します。
appsensor start wg
新しい場所にデータベースのデータファイルを移動する必要がある場合があります。たとえば、現在のマウント・ポイントまたはディレクトリの領域が不足している場合などです。次の手順は、データベースがレポータ・システムで実行されていて、デフォルトのインストール・パスが使用されていることを想定しています。これについては、『Oracle Real User Experience Insightインストレーション・ガイド』で詳細に説明されています。
次を実行します。
RUEI_USER
ユーザーとしてレポータ・システムにログオンします。
次のコマンドを発行して、データベースおよび処理を停止します。
project -stop/etc/init.d/oracledb stop
次のコマンドを使用して、新しいマウントを準備します。
mkdir -p /oradata/ux/ chown oracle:oinstall -R /oradata
次のコマンドを発行して、oracle
ユーザーとしてデータファイルをコピーします。
cd /u01/app/oracle/oradata mv ux/* /oradata/ux rm -f ux ln -s /oradata/ux ux
次のコマンドを発行して、データベースおよび処理を再起動します。
# /etc/init.d/oracledb start
# su - RUEI_USER
$
project -start
RUEIのユーザーに割り当てられるロールおよび職責は、『Oracle Real User Experience Insightユーザーズ・ガイド』の第14章に説明されています。ここでは、レポータ・インタフェースを使用したユーザー・アカウントの作成および管理についても説明されています。
ユーザーの作成
新しいユーザー・アカウントを作成するには、次のコマンドを発行します。
set serveroutput on exec dbms_output.put_line (uxs_users.create_user('name', 'full-name
', 'mail-address
', 'authentication
', 'access-level
', [ADM|SEC|EM_ACCESS => 1]));
説明:
nameには、インストール済RUEI内でユーザーを識別するユーザー名を指定します。
full-name
には、ユーザーのフル・ネームを指定します。
mail-address
には、ユーザーの電子メール・アドレスを指定します。これがレポートと電子メール・アラートの送信先アドレスになります。誤りがないことを確認してください。
authentication
には、構成済のLDAP (ldap
)またはOracle SSO (osso
)サーバーに対してユーザーを認証するかどうかを指定します。
access-level
には、ユーザーに割り当てるビジネスおよびITのアクセスレベル権限を指定します。これは、0
(完全)、1
(分析)、2
(照会)、3
(概要)、4
(なし)のいずれかにする必要があります。
オプションで、追加の権限をユーザーに割り当てることができます。これは、ADM
(管理者)、SEC (セキュリティ担当者)、EM_ACCESS
(Oracle Enterprise Managerアクセス)のいずれかです。
例:
exec dbms_output.put_line(uxs_users.create_user('Jan', 'Jan Janssen', 'jan.janssen@test.com', 'ldap', '0', ADM => 1, SEC => 1));
ユーザー・アカウントの追加に失敗した場合にはリターン・コード-1のエラー・メッセージがコマンドから返され、成功した場合には1が返されます。
ユーザーの更新
ユーザー・アカウントを更新するには、次のコマンドを発行します。
set serveroutput on exec dbms_output.put_line(uxs_users.update_user('current_name','new_name','new_full_name', 'new_mail-address
', 'new_authentication
' ,'new_access-level
', [ADM|SEC|EM_ACCESS => 1])); exec dbms_output.put_line (uxs_users.create_user('name', 'full-name
', 'mail-address
', 'authentication
', 'access-level
', [ADM|SEC|EM_ACCESS => 1]));
説明:
current_nameには、更新する既存ユーザーのユーザー名を指定します。
new_nameには、インストールされたRUEI内でユーザーの識別に使用されるユーザー名を指定します。
new_full-name
には、ユーザーのフル・ネームを指定します。
new_mail-address
には、ユーザーの電子メール・アドレスを指定します。これがレポートと電子メール・アラートの送信先アドレスになります。誤りがないことを確認してください。
new_authentication
には、構成済のLDAP (ldap
)またはOracle SSO (osso
)サーバーに対してユーザーを認証するかどうかを指定します。
new_access-level
には、ユーザーに割り当てるビジネスおよびITのアクセスレベル権限を指定します。これは、0
(完全)、1
(分析)、2
(照会)、3
(概要)、4
(なし)のいずれかにする必要があります。
オプションで、追加の権限をユーザーに割り当てることができます。これは、ADM
(管理者)、SEC (セキュリティ担当者)、EM_ACCESS
(Oracle Enterprise Managerアクセス)のいずれかです。
ユーザー・アカウントの更新に失敗した場合にはリターン・コード-1のエラー・メッセージがコマンドから返され、成功した場合には1が返されます。
ユーザーの削除
ユーザーを削除するには、次のコマンドを使用します。
exec dbms_output.put_line(uxs_users.delete_user('name
'));
このとき、nameには、RUEIのインストール時にユーザーを識別しているユーザー名を指定します。