Oracle® Real User Experience Insightインストレーション・ガイド 12cリリース6 (12.1.0.7) for Linux x86-64 E61774-01 |
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この章では、ADFアプリケーションを監視するためのオプションと、ADF監視サービスをデプロイおよび構成する手順について説明します。
ADF監視では、様々なデータ収集オプションが使用可能です。RUEIのデータ収集の概要は、1.1.1項「データ収集」を参照してください。ADFは、次のいずれかの方法を使用して監視できます。
表4-1 ADF監視のオプション
モード | 収集されるメトリック | 説明 |
---|---|---|
ネットワーク・データ・コレクタのみ |
デフォルトのADFメトリック(RUEIユーザーズ・ガイドの付録「Oracle ADFのサポート」を参照)。 |
このオプションについては1.1.1項「データ収集」で説明されており、ADFサーバーで特定の構成を行う必要はありません。 |
ADF監視サービスのみ |
ページ、ユーザーID、ADFベース・ディメンション、クライアント側ページ・ロード時間 |
このオプションを使用するには、4.2項「ADF監視サービスのデプロイ」の説明に従ってADF監視サービスをデプロイし、ADFアプリケーションで監視サービスを有効にする必要があります。 |
混合 - ネットワーク・データ・コレクタ |
デフォルトのADFメトリック(RUEIユーザーズ・ガイドの付録「Oracle ADFのサポート」を参照)と、ADF監視サービスからのユーザーID、ADFベース・ディメンション、クライアント側ページ・ロード時間 |
ネットワーク・データ・コレクタがデータのプライマリ・ソースとなり、ADF監視サービスが拡張的なレポートを提供します。RUEI 12.1.0.6では、このモードの操作のみがサポートされていました。ネットワーク・データ・コレクタは主にADFアプリケーションの監視に使用され、ADF監視サービスは、ECIDキャッシュを使用してネットワーク・トラフィックと相互に関連付けられた追加情報(ユーザーIDなど)を提供します。 このオプションを使用するには、4.2項「ADF監視サービスのデプロイ」の説明に従ってADF監視サービスをデプロイし、ADFアプリケーションで監視サービスを有効にする必要があります。 |
真の混合 |
デフォルトのADFメトリック(RUEIユーザーズ・ガイドの付録「Oracle ADFのサポート」を参照)と、ADF監視サービスからのユーザーID、ADFベース・ディメンション、クライアント側ページ・ロード時間 |
このオプションを指定すると、データ収集は最もフレキシブルになり、ネットワーク・データ・コレクタから一部のデータを、ADF監視サービスから別のデータを収集できます。これは、ADFベースでないコンポーネントがアプリケーションに含まれている場合に特に有用です。 このオプションを使用するには、4.2項「ADF監視サービスのデプロイ」の説明に従ってADF監視サービスをデプロイし、ADFアプリケーションで監視サービスを有効にし、フレームワーク例外を使用して、アプリケーションのどの部分をネットワーク・データ・コレクタによって監視し、どの部分をADF監視サービスによって監視するかを指定する必要があります。 フレームワーク例外の作成方法は、RUEIユーザーズ・ガイドの「スイートおよびWebサービスの使用」を参照してください。 |
この項では、ADF監視サービスをデプロイおよび構成する手順について説明します。
ADF監視サービスの使用は任意です。ADF監視サービスを使用すると、ネットワーク・プロトコル分析(NPA)でアクセスできない層から診断情報を収集できます。この情報を他のADF情報と統合して、エンド・ユーザーの操作性に関する問題を特定するために使用できます。結果の情報は、RUEIレポート、データ・ブラウザおよびセッション診断で使用可能です。
ADF監視サービスがRUEIと通信するためには、ADF監視サービス権限を持つRUEIユーザーが必要です。この権限は、RUEIシステム・アカウントにのみ使用可能です。このアカウントの作成および権限の設定の詳細は、ユーザーズ・ガイドの「ユーザーと権限の管理」を参照してください。
ADF監視サービスをWebLogic Server環境にデプロイする手順は、次のとおりです。
RUEIディストリビューションzipファイルの/root/RUEI/121/extra
ディレクトリにあるRueiEUMService.war
を、WebLogic Serverからアクセス可能な場所にコピーします。
WebLogic Server管理コンソールにログインして「デプロイメント」画面に移動し、「インストール」をクリックしてwarファイルをデプロイします。アプリケーションとしてではなくライブラリとしてインストールします。
前述の手順2のかわりに、コマンドラインを使用してデプロイすることもできます。
環境変数を設定します。
setenv BEA_HOME Weblogic_home_dir setenv PATH JDK_dir/bin:$PATH setenv DOMAIN_HOME ${BEA_HOME}/user_projects/domains/domain_name setenv WARFILE $DOMAIN_HOME/servers/AdminServer/upload/RueiEUMService.war
説明:
Weblogic_home_dirは、WebLogicがインストールされている場所です。
JDK_dirは、JDKがインストールされている場所です。
domain_nameは、WebLogicドメインの名前です。
ディレクトリを、手順1で使用した場所に変更し、次のコマンドを入力します(プロンプトが表示されたらパスワードを入力します)。
. $BEA_HOME/wlserver_10.3/server/bin/setWLSEnv.sh cp RueiEUMService.war $DOMAIN_HOME/servers/AdminServer/upload/ java weblogic.Deployer -adminurl adminurl -username username -deploy -source $WARFILE -targets wlservername -stage -library
ここで、
adminurlは、WebLogic管理コンソールのURLです。
usernameは、管理者ユーザー名です。
wlservernameは、WebLogic Serverの名前です。
ADFアプリケーションをADF監視サービスで使用できるように構成するには、カスタム・デプロイメント・プランを使用して再デプロイする必要があります。
ADFアプリケーションのEARの標準デプロイメント・ディスクリプタを生成するには、Webコンソールまたは下記のコマンドを使用できます。
環境変数を設定します。
setenv BEA_HOME Weblogic_home_dir setenv PATH JDK_dir/bin:$PATH
説明:
Weblogic_home_dirは、WebLogicがインストールされている場所です。
JDK_dirは、JDKがインストールされている場所です。
次のコマンドを入力します。
. $BEA_HOME/wlserver_10.3/server/bin/setWLSEnv.sh setenv PLANFILE path_of_app/Appname/deploy/stdplan.xml setenv EARFILE path_of_app/Appname/deploy/application_file java weblogic.PlanGenerator -all -plan $PLANFILE $EARFILE
ここで、
path_of_appは、ADFアプリケーションへの完全なディレクトリ場所です。
Appnameは、ADFアプリケーションの名前です。
application_fileは、アプリケーションのearファイルまたはwarファイルの名前です。
デプロイメント・ディスクリプタ・ファイルを変更する手順は、次のとおりです。
次のコードを使用して、<variable-definition>
セクションをstdplan.xml
ファイルに追加します。
<!-- variables for RUEI eum --> <variable> <name>oracle.adf.view.faces.context.ENABLE_ADF_EXECUTION_CONTEXT_ PROVIDER</name> <value>true</value> </variable> <variable> <name>oracle.sysman.apm.ruei.monitoring.RueiEndUserMonitoringService.rueiUrl</name> <value>http(s)://app_host:port/ruei/receive.php</value> </variable> <variable> <name>LibraryRef_RueiEUMLibrary</name> <value>RueiEUMLibrary</value> </variable> <variable> <name>oracle.sysman.apm.ruei.monitoring.RueiEndUserMonitoringService.bufferSize </name> <value>Buffer_size</value> </variable> <variable> <name>oracle.sysman.apm.ruei.monitoring.RueiEndUserMonitoringService.flushTime</name> <value>Buffer_fushtime</value> </variable> <!-- variables for RUEI eum -->
ここで、
app_hostは、ADFアプリケーションのホスト名です。
portは、ADFアプリケーションのポートです。
Buffer_sizeは、RUEIに送信されたデータをバッファリングするための整数値です。
Buffer_flushtimeは、バッファリングされたデータをRUEIにフラッシュするまでの時間(ミリ秒)です。
次のコードを使用して、<module-override>
セクションをWebLogic.xml
ファイルに追加します。
<!-- RUEI library --> <variable-assignment> <name>LibraryRef_RueiEUMLibrary</name> <xpath>/weblogic-web-app/library-ref/[context-root="null",library-name="RueiEndUserMonitoringService"]/library-name</xpath> </variable-assignment> <!-- RUEI library -->
次のコードを使用して、<module-override>
セクションをweb.xml
ファイルに追加します。
<!-- set RUEI eum variables --> <variable-assignment> <name>oracle.adf.view.faces.context.ENABLE_ADF_EXECUTION_CONTEXT_PROVIDER</name> <xpath>/web-app/context-param/[param-name="oracle.adf.view.faces.context.ENABLE_ADF_EXECUTION_CONTEXT_PROVIDER"]/param-value</xpath> </variable-assignment> <variable-assignment> <name>oracle.sysman.apm.ruei.monitoring.RueiEndUserMonitoringService.bufferSize</name> <xpath>/web-app/context-param/[param-name="oracle.sysman.apm.ruei.monitoring.RueiEndUserMonitoringService.bufferSize"]/param-value</xpath> </variable-assignment> <variable-assignment> <name>oracle.sysman.apm.ruei.monitoring.RueiEndUserMonitoringService.flushTime</name> <xpath>/web-app/context-param/[param-name="oracle.sysman.apm.ruei.monitoring.RueiEndUserMonitoringService.flushTime"]/param-value</xpath> </variable-assignment> <variable-assignment> <name>oracle.sysman.apm.ruei.monitoring.RueiEndUserMonitoringService.rueiUrl</name> <xpath>/web-app/context-param/[param-name="oracle.sysman.apm.ruei.monitoring.RueiEndUserMonitoringService.rueiUrl"]/param-value</xpath> </variable-assignment> <!-- set RUEI eum variables -->
注意: 前述の変数のいずれかがすでにADFアプリケーションに存在している場合、<operation>replace</operation> を使用して、それらの変数を新しい値で置き換えることができます。 |
4.2.1項「RUEIシステム・ユーザーの作成」で、ADF監視サービスのユーザー資格証明を作成しました。これらの資格証明を格納するウォレットを作成する手順は、次のとおりです。
環境変数を設定します。
setenv BEA_HOME Weblogic_home_dir setenv PATH JDK_dir/bin:$PATH
説明:
Weblogic_home_dirは、WebLogicがインストールされている場所です。
JDK_dirは、JDKがインストールされている場所です。
WebLogic Serverコンソールを起動します。
. $BEA_HOME/wlserver_10.3/server/bin/setWLSEnv.sh $BEA_HOME/oracle_common/common/bin/wlst.sh
次のWebLogic Serverコンソール・コマンドを入力します。
connect()
プロンプトが表示されたら、WebLogic管理者のユーザー名とパスワードを入力します。URLを要求されたら、t3://admin_host:admin_portと入力します。各要素の意味は次のとおりです。
admin_hostは、WebLogicホスト名です。
admin_passwordは、WebLogicポートです。
次のWebLogic Serverコンソール・コマンドを入力します(プロンプトが表示されたら、パスワードを入力します)。
map = "ruei_adf_monitoring_agent" key = "receiver" desc = "RUEI Receiver" createCred(map=map, key=key, user="user", password="password", desc=desc)
ここで、
userは、4.2.1項「RUEIシステム・ユーザーの作成」で作成したユーザー名です。
passwordは、RUEIシステム・ユーザーのパスワードです。
ユーザーが作成されたことを確認するには、WebLogic Serverコンソールで次のように入力します。
listCred(map=map, key=key)
ユーザーが表示されたら、WebLogic Serverコンソールで次のように入力して切断します。
disconnect()
[Ctrl]+[D]を使用して、WebLogicコンソールを終了します。
user_projects/domains/
domain_name
/config/fmwconfig/system-jazn-data.xml
ファイルを編集して、次のコードを含めます。
<grant> <grantee> <codesource> <url>file:${domain.home}/servers/${weblogic.Name}/tmp/_WL_user/RueiEndUserMonitoringService/-</url> </codesource> </grantee> <permissions> <permission> <class>oracle.security.jps.service.credstore.CredentialAccessPermission</class> <name>context=SYSTEM,mapName=ruei_adf_monitoring_agent,keyName=receiver</name> <actions>read</actions> </permission> </permissions> </grant>
説明:
domain_nameは、WebLogicドメインの名前です。
ADFアプリケーションを再デプロイするには、WebLogic Server管理コンソール(「デプロイメント」→「更新)を使用するか、次に示す手順を使用します。
環境変数を設定します。
setenv BEA_HOME Weblogic_home_dir setenv PATH JDK_dir/bin:$PATH . $BEA_HOME/wlserver_10.3/server/bin/setWLSEnv.sh setenv PLANFILE deployment_path/stdplan.xml setenv EARFILE path_to_YourApplicationFile
ここで、
Weblogic_home_dirは、WebLogicがインストールされている場所です。
JDK_dirは、JDKがインストールされている場所です。
deployment_pathは、ADFデプロイメントの場所です。
path_to_YourApplicationFileは、ADF earファイルまたはwarファイルの場所です。
次のコマンドを入力します(プロンプトが表示されたら、パスワードを入力します)。
java weblogic.Deployer -adminurl adminurl -username username -deploy -name app_name -source $EARFILE -targets target_server -stage -plan $PLANFILE
ここで、
adminurlは、WebLogic管理コンソールのURLです。
usernameは、管理者ユーザー名です。
app_nameは、アプリケーション・デプロイメント名です。
target_serverは、ターゲットWebLogic Serverの名前です。
ADFアプリケーションを監視するときに、Weblogicのドメイン/ポートがユーザー・アプリケーションのドメイン/ポートと異なっている場合(ロード・バランサを使用する場合や、ネットワーク内のRUEIインストールの場所によって異なる場合など)、RUEIでスイートを定義する際にアプリケーションのドメイン/ポート詳細の両方を入力する必要があります。
スイートの作成後、次の手順で2番目のアプリケーション・ドメイン/ポート詳細を追加します。
「アプリケーション」→「スイート」を選択します。
変更するADFスイートを選択します。
「識別」タブで「新規フィルタの追加」を選択します。2番目のドメイン/ポートの詳細を入力します。
次の手順を使用して、ADF監視サービスのトラブルシューティングを行います。
ADFアプリケーションにログインし、ADFアプリケーションと対話してHTTPリクエストを開始します(ADF監視サービスは、最初のHTTPリクエストの後にのみ初期化されます)。
HTTPツール(HTTPHeaders Firefox拡張機能など)を使用して、POSTヘッダーにoracle.adf.view.rich.monitoring.UserActivityInfo
という文字列が含まれていることを確認します。次に例を示します。
...&org.apache.myfaces.trinidad.faces.FORM=f1...&oracle.adf.view.rich.monitoring.UserActivityInfo=%3Cm+xmlns%3D%22http%3A%2F%2Foracle.com...
ヘッダーにこのテキストが含まれていない場合は、web.xml
ファイルおよび使用されているADFバージョンを確認してください。
サーバー・ログでライブラリ登録ログを確認します。たとえば、Oracle_Home
/Middleware_11.1.2.3.0/user_projects/domains/
domain_name
/servers/AdminServer/logs/AdminServer.log
で、次のようなエントリを検索します。
Registered library Extension-Name: RueiEndUserMonitoringService
ログ・ファイルに前述のようなエントリが含まれていない場合は、4.2.2項「ADF監視サービス・ソフトウェアのデプロイ」で説明しているように、ライブラリ(RueiEUMService.war
)が正しくデプロイされていることを確認します。
server
-diagnostics.log
ファイルでoracle.sysman.apm.ruei
というエントリを確認します。たとえば、AdminServer-diagnostics.log
内に次のログ・エントリがあれば、正常な処理が行われています。
.[NOTIFICATION] ... Starting RUEI End User Monitoring Service ...[NOTIFICATION] ... Succesfully retrieved information for user eud from the wallet ...[NOTIFICATION] ... Using Basic Authentication ...[NOTIFICATION] ... Set RUEI receiver URL to http://<your ruei host:port>/ruei/receive.php ...[NOTIFICATION] ... RUEI End User Monitoring Service running ...[TRACE]...[SRC_METHOD: logUserActivity] Received useractivity to ruei ecid= 649d46b0ef2a475a:d6e5334:14077999955:-8000-0000000000000259:_adfStreaming ...[TRACE]...[SRC_METHOD: logUserActivity] Received useractivity with requestobject to ruei ecid=weblogic.servlet.internal.RequestEventsFilter$EventsRequestWrapper ...[TRACE]...[SRC_METHOD: process] 9 items for http://<your ruei host:port>/ruei/receive.php ......
該当するログ・エントリが見つからない場合は、この章で説明している手順を繰り返します。