オブザーバは次のログ・ファイルにエラーおよびデバッグ情報を書き込みます。
NanoAgentErrorTrace.log – 他のログ・ファイルに書き込まれるすべてのエラーおよび警告が1回ずつ出力されます。各エラーおよび警告のエントリは、<Ref>要素内の一意の識別子で参照されます。次に例を示します。
<Ref: Dq/QGNWqOmbdXPigC+vsO40eXgs=>
この識別子を使用して、他のファイル内(通常はNanoAgent.log)にあるそのエラーまたは警告の全件を検索することができます。一般的に、問題発生時に最初に検索するのは、このログ・ファイルです。
このログ・ファイルのデフォルトのサイズは10Mで、サーバーが再起動するたびに再作成されます。ただし、デフォルトでローテーションが2に設定されているため、以前のログ・ファイルはサーバーの再起動後も保持されます。
NanoAgent.log – ランタイム・エラーおよびデバッグ情報が含まれています(オブザーバ通信ポリシーで「トレース・ロギングの有効化」オプションを使用して、このログ出力の設定を調整できます。)
NanoAgentPreprocessTrace.log – バイトコード計測エラーおよびデバッグ、クラスのロード、プロプロセッサに関する情報が含まれています。このファイルは、サーバーの再起動ごとに再生成されます。このログ・ファイルの最大サイズは10MBです。
このファイルは、リリース12.1.0.2.2で名前が変更されました。以前のリリースのオブザーバでは、ファイル名はAWTrace.logでした。
注意: 監視メッセージを記録するようにオブザーバを構成することもできます。このトピックの詳細は、オンライン・ヘルプでオブザーバ通信ポリシーの「監視対象メッセージをファイルに記録」フィールドの詳細を参照してください。 |
ログ・ファイルのデフォルトの場所は、次のとおりです。
WebLogic – domain_root_directory/nanoagent/logs/server_nameディレクトリ(このディレクトリが確認できない場合は、ドメイン・ルート・ディレクトリがデフォルトになります)
OC4J – SOA Suiteのインストール・ディレクトリ内のj2ee\homeディレクトリ
Enterprise Gateway – Enterprise Gatewayサーバーのホーム・ディレクトリ(最上位のインストール・ディレクトリ)
WebSphere – プロファイル・ディレクトリ
JBoss – JBOSS_HOME/binディレクトリ
WCFおよびASP.NET – C:/temp/NanoAgentBaseDirディレクトリ
注意: WCFおよびASP.NETのデフォルトのログの場所は、厳密な意味のデフォルトではありません。前述したのはAmberPoint:NanoLogBaseDirキーのデフォルトの値です。このキーをnullに設定すると、ログ・ファイルは作成されません。 |
ログ・ファイルを他のディレクトリに生成したい場合は、AP_NANO_LOG_BASEDIR JavaプロパティまたはAmberPoint:NanoLogBaseDir Windowsキーを設定します。Javaアプリケーション・サーバーの場合は、絶対パスまたはデフォルトのログ・ディレクトリからの相対パスでプロパティを設定できます。Enterprise Gateway、WCFおよびASP.NETの場合は、プロパティまたはキーは絶対パスで設定する必要があります。このプロパティまたはキーの設定例を次に示します。
WebLogicでローカル・スクリプトの編集によってサーバーを構成する場合は、WL_HOME/nanoagent/binディレクトリにあるnanoEnvWeblogicスクリプトを編集します。ファイルのoptionsセクションで、NANOAGENT_JAVA_OPTIONSの最後に-DAP_NANO_LOG_BASEDIR="my_log_dir"を追加します。この相対パスによって、ドメイン・ディレクトリ内のmy_log_dirディレクトリにログ・ファイルが生成されるようになります。
WebLogicサーバーをノード・マネージャで構成する場合は、WebLogic管理コンソールを開いてサーバーを選択し、「構成 / サーバーの起動」タブを表示します。次に、「引数」フィールドに-DAP_NANO_LOG_BASEDIR=my_log_dirを追加します。この相対パスによって、ドメイン・ディレクトリ内のmy_log_dirディレクトリにログ・ファイルが生成されるようになります。
OC4Jでは、Java起動オプションに-DAP_NANO_LOG_BASEDIR=my_log_dirを追加します。この相対パスによって、SOA Suiteインストール・ディレクトリ内のj2ee\homeディレクトリにあるmy_log_dirディレクトリにログ・ファイルが生成されるようになります。
Enterprise Gatewayでは、テキスト・エディタでOEG_HOME/system/conf/jvm.xmlを開き、<JVMSettings>要素の子要素に<SystemProperty name="AP_NANO_LOG_BASEDIR" value="C:\OEG\my_log_dir"/>を追加します。この絶対パスによって、C:\OEG\my_log_dirディレクトリにログ・ファイルが生成されるようになります。
WebSphereでは、WebSphere管理コンソールで「Servers」→「Application servers」→「server1」→「Server Infrastructure」→「Java and Process Management」→「Process Definition」→「Java Virtual Machine」→「Custom Properties」に移動します(server1のかわりに別のサーバー名が表示される可能性があります)。AP_NANO_LOG_BASEDIRという名前のカスタム・プロパティを作成し、その値にmy_log_dirを設定します。この相対パスによって、プロファイル・ディレクトリ内のmy_log_dirディレクトリにログ・ファイルが生成されるようになります。
JBossでは、サーバー起動スクリプトJBOSS_HOME/bin/runを編集します。ファイルのoptionsセクションに、set JAVA_OPTS=-DAP_NANO_LOG_BASEDIR="my_log_dir"を追加します。この相対パスによって、JBOSS_HOME/bin/my_log_dirディレクトリにログ・ファイルが生成されるようになります。
WCFまたはASP.NETでは、アプリケーション構成ファイル(たとえば、Web.config)を編集し、AmberPoint:NanoLogBaseDirキーの値にC:/Inetpub/wwwroot/my_log_dirを設定します。この絶対パスによって、デフォルトWebサイト・ディレクトリ内のmy_log_dirディレクトリにログ・ファイルが生成されるようになります。次に例を示します。
<configuration>
<configSections>
...
</configSections>
<AmberPoint>
<NanoAgentDataSection>
<add key="AmberPoint:NanoConfig" value="c:/temp/NanoAgentLogBaseDir/nanoagentDiscovery.CONFIGURATION"/>
<add key="AmberPoint:NanoLogBaseDir" value="c:/Inetpub/wwwroot/my_log_dir"/>
<add key="AmberPoint:NanoCreateLogBaseDir" value="false"/>
</NanoAgentDataSection>
</AmberPoint>
<system.web>
...
</system.web>
</configuration>
オブザーバがログ・ファイルを生成できるように、オブザーバを実行しているユーザーがログ・ディレクトリへの書込み権限を持っていることを確認します。Javaオブザーバの場合は、ユーザーはアプリケーション・サーバーを実行しているユーザーです。IISオブザーバ(WCFおよびASP.NET)の場合は、次のユーザーです。
IIS 5.x – オブザーバのユーザーはASPNET
IIS 6.xおよび7.x – オブザーバのユーザーはNETWORK SERVICE
デフォルトでは、AP_NANO_LOG_BASEDIRプロパティで指定されるディレクトリが存在しない場合は、自動的に作成されます。このディレクトリを自動的に作成しない場合は、AP_NANO_CREATE_LOG_BASEDIRプロパティをfalseに設定します。この場合、ディレクトリは手動で作成する必要があります。このプロパティは、AP_NANO_LOG_BASEDIRと同じ方法で設定します。