Oracle® Enterprise Manager Cloud Control Oracle Fusion Middlewareマネージメント・ガイド リリース12.1.0.8 B66835-11 |
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この章では、Oracle Enterprise Manager Cloud Controlを使用して、ミドルウェア・ソフトウェア(Oracle Fusion Middleware、Oracle WebLogic Serverなど)を監視および管理する方法の概要を説明します。
この章の内容は次のとおりです。
ミドルウェアとは、エンタープライズ・アプリケーションの実行を可能にするソフトウェアのことです。その基礎となるミドルウェア技術の管理は困難になる場合があり、多くの場合、ITを管理する組織では、様々な専門ツールが使用されています。ただし、これは非効率的で、複雑性やリスクを生み出す場合があります。
Enterprise Manager Cloud Controlは、ミドルウェア管理の決定的なツールであり、Oracle Fusion MiddlewareおよびOracle以外のミドルウェア・ソフトウェアが混在する環境で実行されるOracleアプリケーションとカスタムJava EEアプリケーションの両方を管理できます。
Oracle Enterprise Manager Cloud Controlは、Webブラウザベースのグラフィカル・ユーザー・インタフェースであり、複数のOracle Fusion MiddlewareファームおよびOracle WebLogicドメインの監視に使用できます。実際、Cloud Controlは、Oracleパッケージ・アプリケーション、Oracle DatabaseおよびOracle VMなどのOracleテクノロジに対して詳細な管理ソリューションを提供しています。
Enterprise Manager Cloud Controlは、次のようなOracle Fusion Middlewareコンポーネント・ファミリ全体の検出、監視および一元管理をサポートしています。
Oracle WebLogic Serverドメイン、クラスタおよびシングル・サーバー・インスタンス
Oracle GlassFishドメイン、クラスタおよびサーバー
クラスタ化およびスタンドアロンJava EEアプリケーション
Oracle HTTP Server、スタンドアロンOracle HTTP Server (Oracle WebLogicドメインに関連付けられていないOracle HTTP Server)およびOracle Web Cache
サービス指向アーキテクチャ(SOA)コンポーネント
Oracle Identity Management
Metadata Servicesリポジトリ
Oracle WebCenter
Oracle Portal
Oracle Business Intelligence Discoverer
Oracle Forms Services
Oracle Reports
Directory Server Enterprise Edition
Oracle Coherence
Oracle Exalogic Elastic Cloud
Oracle Application Server
Java EE
また、Cloud Controlは、IBM WebSphere Application Server、JBoss Application Server、EMCストレージ、F5 BIG IP、Check Point Firewall、Apache HTTP Server、Microsoft MOM、BMC Remedyなどの25以上の異機種管理プラグインおよびコネクタを介してOracle以外のテクノロジも幅広くサポートします。
Enterprise Manager Cloud Controlの主な利点は、他のFusion Middleware管理ユーティリティ(Fusion Middleware ControlやWebLogic Serveの管理コンソールなど)と異なり、すべてのWebLogic Serverドメインなど、複数のミドルウェア・ターゲットを1つのコンソールから監視および管理できることです。
ミドルウェア・ターゲットから収集したリアルタイム・パフォーマンスと履歴パフォーマンスの各メトリックも表示できます。これにより、Oracle Fusion Middlewareソフトウェアの可用性とパフォーマンスをリアルタイムに監視するだけでなく、履歴的側面からも監視して傾向分析および可用性とパフォーマンスに関する問題を診断することが可能です。
Enterprise Manager Cloud Controlでは、中間層が依存しているインフラストラクチャを管理することもできます。基礎となるオペレーティング・システム、およびミドルウェア・ソフトウェアがインストールされるホストを管理できます。また、デプロイされたアプリケーションが使用しているデータベースを監視し、アプリケーションのパフォーマンスに関する問題を診断して、問題の実際の根本原因と発生元の層(ミドルウェア、データベース)を特定することも可能です。
ビルトインのトポロジ・ビューアでは、Oracle Fusion Middleware環境全体をグラフ表示で視覚化して監視できます。トポロジは、1つのSOAコンポジット、1つのOracle WebLogicドメインまたは複数のOracle WebLogicドメイン全体を対象に表示できます。
BPELプロセスなどのサービス指向アーキテクチャ(SOA)コンポーネントおよびOracle Service Busなどのインフラストラクチャ・コンポーネントの管理もサポートされています。インフラストラクチャは、コンポーネント間のワイヤリングの監視、フォルト管理、構成管理、デプロイメントおよび依存性ビューを提供します。
Cloud Controlは、WebLogic Serverインスタンスとそれが実行しているJava仮想マシン(JVM)からアプリケーション・サーバー上で稼働中のOracle Fusion Middlewareコンポーネントに至るまで、ミドルウェア層全体にわたる詳細な履歴監視を提供します。また、ミドルウェア・コンポーネントの構成とライフサイクル管理に完全対応しつつ、製品の広範囲なパフォーマンス監視機能と診断機能によってミドルウェア層全体を対象とした問題のトラブルシューティングが可能です。
Oracle Enterprise Manager Cloud Controlでは、次のことを行えます。
複数のOracle Fusion MiddlewareファームおよびWebLogicドメインの集中管理。
IBM WebSphere Application Server、JBoss Application Server、Apache HTTP Server、Apache TomcatおよびMicrosoft .NET Frameworkなどのサード・パーティ製品の管理。
基礎となるオペレーティング・システムなどのミドルウェア以外のソフトウェア、およびミドルウェア・ソフトウェアがインストールされるハードウェアの管理。この機能により、管理者はミドルウェアのパフォーマンスとその基礎となるホストのパフォーマンスを関連付けることができます。
データベース・ソフトウェアの管理、アプリケーションのパフォーマンスの問題の診断、および問題の根本原因と問題が発生した階層(ミドルウェア、データベース)の特定。
Oracle Fusion Middlewareソフトウェアの可用性およびパフォーマンスのリアルタイムでの監視、および傾向分析のための履歴的側面からの監視。
可用性およびパフォーマンスの問題の診断。
クライアントからサービス・エンドポイントへの重要なエンドユーザー・リクエストについて、各トランザクションに関連するすべてのサーバーとアプリケーションにわたる監視および追跡。
アプリケーションの依存性とパフォーマンス(ADP)を使用したJava EEおよびSOAアプリケーションの分析。
JVM診断を使用したJavaアプリケーションの監視および本番環境でのパフォーマンスの問題の診断。
即時利用可能なシステムレベルのメトリックおよびエンドユーザー体験メトリックの観点からのサービス・レベル目標値(SLO)の定義。これにより、サービス・レベル契約(SLA)コンプライアンスを正確に監視し、レポートを作成できます。
次のような重要なタスクの実行。
パフォーマンス・メトリックについてのしきい値の設定。このしきい値の違反が発生した場合、電子メールおよびポケットベルの通知が送信されます。
構成変更の追跡、およびテスト環境と本番環境の構成の比較。
RUEIとBTMのパフォーマンス・データおよびアプリケーションのサポート・インフラストラクチャについての情報にアクセスするためのビジネス・アプリケーションの表示。
Fusion Middleware Controlでは、様々なパフォーマンス・データおよび管理機能を、クラスタ、ドメイン、サーバー、コンポーネントおよびアプリケーションの個別のWebベースのホーム・ページに編成します。Fusion Middleware Controlのホームページでは、最も重要な監視データや最も頻繁に使用される管理機能を、すべて各自のWebブラウザから容易に検索することができます。
Fusion Middleware Controlは、Oracle Fusion Middlewareの一部としてインストールされます。Fusion Middleware Controlでは、次のことを行えます。
単一のOracle Fusion Middlewareファームおよび単一のWebLogicドメインの管理。
Fusion Middlewareソフトウェアの可用性およびパフォーマンスのリアルタイム・モードでの監視。
アプリケーションのデプロイ、パラメータの構成などの日常の管理タスクの実行。
詳細は、『Oracle Fusion Middleware管理者ガイド 11g リリース2』および『Oracle Fusion Middleware Oracle Fusion Middlewareの管理 12c』を参照してください。