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Oracle® Enterprise Manager Cloud Control Oracle Fusion Middlewareマネージメント・ガイド
リリース12.1.0.8
B66835-11
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38 Application Dependency and Performanceの概要

Enterprise Manager Cloud Control内のアプリケーションの依存性とパフォーマンス(ADP)のページでは、ADFおよびSOA Suiteアプリケーションが分析されて、様々なアプリケーションの構築ブロック間の複雑な関係が、Oracleインテリジェント・プラットフォームの中核となるアプリケーション・スキーマ・モデルに取得されます。

ADPを使用すると次のことが可能です。

この章の内容は次のとおりです。

38.1 概要

アプリケーション・フレームワーク・メタデータを使用することにより、ADPは、即時に自動で構成され、変化とともに進化する監視を実現します。ADPを使用すると、分散アプリケーションをより効率的に管理でき、機敏な管理が可能になり、総保有コストを抑えることができます。

次の項を参照してください。

38.1.1 複雑なSOA SuiteおよびADFアプリケーションの管理

企業は、現在のSOA SuiteおよびADFアプリケーションを利用して、重要な関係者(多くの場合、顧客、取引先および従業員)にミッションクリティカルなビジネス機能を提供できます。このような複合アプリケーションは、多種多様なJava EEコンポーネントと、異種環境に分散されている公開サービスで構成されています。

現在の複雑かつ分散化したSOA SuiteおよびADFアプリケーションの異機種環境での管理を有効に行うには、企業は次の特色を備えたインテリジェントな監視プラットフォームを採用する必要があります。

  • 異種環境全体の総体的なサービス指向ビューの提供

    インテリジェントな監視プラットフォームは、低レベルのテクノロジ集約的なメトリックにマップされる、高レベルのサービス指向メトリックを提供します。これらの測定手法は、異種環境全体にデプロイされた多数の相互接続アプリケーション・コンポーネントの一体的かつ総合的なビューを提供するため、サービス指向形式で編成される必要があります。

  • SOA SuiteおよびADFアプリケーションの最小限の専門知識の必要性

    インテリジェントな監視プラットフォームは、現在のSOA SuiteおよびADFアプリケーションにおける様々なインターコネクト・コンポーネントの複雑な関係を取得できることが必要です。この機能により、効果的なAPM環境の設定と維持にあたって、SOA SuiteおよびADFアプリケーションの専門技術者への依存が最小限に抑えられます。

  • 反復的なDIY手動プロセスの排除

    インテリジェントな監視プラットフォームは、そのまま使用できるものを自己カスタマイズしたり変化に応じて進化する機能を実現することにより、反復的なDIY手動プロセスを排除する必要があります。このような反復的なDIY手動プロセスの排除は、複雑性の増加と急速な変化に容易に対応できる唯一の方法です。

38.1.2 複数環境におけるサービス指向ビューの提供

現在のミッションクリティカルなビジネス機能は、高度な分散環境にデプロイされた多数のインターコネクト・コンポーネントで構成されるSOA SuiteおよびADFアプリケーションを利用しています。これらのアプリケーションを効率的に管理するため、企業はまず、ビジネス機能、関連付けられた相互接続コンポーネント、および基盤となるランタイム環境の複雑な関係を理解する必要があります。IT企業が明瞭かつ正確な理解を得るためには、異種環境全体を対象とする総体的なサービス指向ビューが必要です。

さらに、これらのビューの適切な配置によって、企業内の様々なレベルのユーザーが共同作業を行ったり、各自の仕事をより効率的に処理できるようになります。

図38-1 Enterprise Manager Cloud Control内のアプリケーションの依存性とパフォーマンスの「トポロジ」ビュー

図38-1の説明が続きます
「図38-1 Enterprise Manager Cloud Control内の「アプリケーションの依存性とパフォーマンス」の「トポロジ」ビュー」の説明

アプリケーション・スキーマ・ナビゲーションでは、階層トラバース、アーキテクチャ・モデル・ナビゲーション、文字列問合せ、ドリルダウン、ドリルアウトなどの手法を使用することで、関連情報に効率よくアクセスできます。

38.1.3 反復的なDo-It-Yourself(DIY)手動プロセスの排除

独自のモデルドリブン・アプローチに基づいて、ADPは反復的なDIY手動プロセスを排除します。このレベルの自己カスタマイズと変化への継続的な対応を実現するため、ADPはAppsSchemaモデリング・テクノロジを使用して、アプリケーション構造およびインフラストラクチャ構成の分析というクリティカルなタスクを実行します。アプリケーション・スキーマ・モデルでこれらの情報を取得後、ADPはその情報を活用して、完全にカスタマイズされた監視環境を構築します。この環境を最新の状態に保つため、新規アプリケーションがデプロイされたり変更が適用されるたびに、ADPはアプリケーション・スキーマ・モデルを継続的に更新します。個別に自己カスタマイズを行い、変化とともに発展するADPの独自の機能によって、迅速な価値実現、総所有コスト(TCO)の抑制、資本利益率(ROI)の最大化が可能になります。

38.1.4 ADPソリューション

オラクル社は、SOA SuiteおよびADF用のインテリジェントな監視プラットフォームを提供します。従来型のパフォーマンス管理ツールと異なり、ADPはこれらのフレームワークのメタデータを分析し、様々なアプリケーション・コンポーネントとの関係を取得します。

38.2 アーキテクチャ

ADPは複数階層の完全に分散された構成可能なアーキテクチャを基盤として、企業のデプロイにおけるニーズの変化に対応する拡張性と柔軟性を提供します。

ADPはマシン上でサービスとして運用され、マシンが最初に起動するときに自動的に実行を開始して、永続的に稼働されます。ADPは通常、専用のマシンにインストールされ、管理対象アプリケーション・サーバーのグループの監視のみに使用されます。

図38-2 ADPトポロジ

図38-2の説明が続きます
「図38-2 ADPトポロジ」の説明

次のコア・コンポーネントがデプロイされてADP監視システムを形成します。

38.2.1 ADP Javaエージェント

ADP Javaエージェントは、ADP監視システムのデータ・コレクタです。ADP Javaエージェントはすべての管理アプリケーション・サーバーにデプロイされ、パフォーマンス管理の収集、コンテキスト関係の追跡、データの要約などの一連のタスクを最小限のオーバーヘッドでリアルタイムに実行します。事前に定義された集計間隔の満了時に、これらのエージェントは要約済データをADPに追加分析のため転送します。Oracle SOA SuiteやOracle WebLogicなどの様々なJava EEプラットフォームに対応するため、ADPはデプロイメント・インフラストラクチャを活用して、ADP Javaエージェントをすべてのアプリケーション・サーバーにすばやくデプロイします。

38.2.2 ADPマネージャ

ADPマネージャはADP監視システムのコア分析エンジンです。ADPマネージャはすべてのADP Javaエージェントからの要約済データによって、複雑な数学的モデリングや統計的計算をリアルタイムで実行します。ADPマネージャはバックアップとともに構成して、より高いレベルの可用性を実現できます。

38.2.2.1 ADPマネージャと高可用性

ADPマネージャには高可用性(HA)が組み込まれていませんが、管理者は別のマシンにバックアップADPマネージャをインストールしておくことができます。このバックアップADPマネージャは同じデータベースをポイントしますが、無効になっています。本稼働ADPマネージャにエラーが発生した場合は、バックアップADPマネージャを同じデータベースに対して有効にできます。その後でエージェントがバックアップADPマネージャから再デプロイされると、バックアップADPマネージャは管理対象リソースに対してアプリケーションを再検出し、それらを同期します。メトリックはすべてそのまま維持されます(バックアップADPマネージャのオンラインでの起動にかかる短い時間内ではモデルは変更されないということを前提とする)。

このバックアップ・プロシージャの重要点は、履歴データを維持するために、ADPがリポジトリとして使用するデータベースをバックアップすることです。モデリング側では、バックアップADPマネージャがアプリケーションを再検出する必要がありますが、これはリソースが構成されていて新規エージェントがデプロイ済であれば、自動的に行われます。

履歴データの維持が不要な場合、ユーザーは単純に新規のADPマネージャおよびデータベースを保有してデータベースをスワップできます。バックアップ処理に相当の時間をかける必要はありません。

38.2.3 ADPユーザー・インタフェース

ADPユーザー・インタフェース(ADP UI)はADPユーザー用の主要なユーザー・インタフェースです。ユーザーはADP UIを使用してサービス・レベル目標値(SLO)の設定、監視データの分析などを行うことができます。ADP UIはすべて構成可能です。ADPへのアクセス手順:

  1. 「ターゲット」メニューから「ミドルウェア」を選択します。

  2. 「ミドルウェア」ページの「ミドルウェアの機能」メニューで、「アプリケーションの依存性とパフォーマンス」を選択します。