| Oracle® Enterprise Manager Cloud Controlアドバンスト・インストレーションおよび構成ガイド 12cリリース1 (12.1.0.1) B65085-03 |
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この章では、Enterprise Managerの詳細構成と、Enterprise Managerのインストールに関する基本的な情報について説明します。ディレクトリ構造について説明し、Enterprise Managerをすべてのユーザーからアクセス可能にする方法について説明します。
この章を読み終えると、このマニュアル内に記載されている他の詳細構成タスクに進むことができます。
この章では特に、次のトピックについて説明します。
Enterprise Managerは一連の標準的な構成設定で簡単にインストールできる設計になっているため、すぐに使用を開始できます。
ただし、ハードウェアおよびソフトウェアの管理要件は企業によって大きく変わることも事実です。このため、インストール後にEnterprise Managerを再構成して、次のことを可能にします。
Enterprise Managerのセキュリティおよびファイアウォール機能を実装します。
Webアプリケーションに対するエンドユーザーのパフォーマンスの監視を有効にします。
ネットワーク環境のトポロジの変更が必要になったときに、Enterprise Managerコンポーネントを再構成します。
業務の拡大に伴い、Enterprise Managerコンポーネントのメンテナンスおよびトラブルシューティングを行います。
メンテナンスと詳細構成タスクを実行する前に、Enterprise Managerをインストールするとディスクにコピーされるディレクトリおよびファイルについて理解しておく必要があります。各ファイルの場所を理解すると、インストールまたは構成上の問題の解決が必要な場合に役立ちます。
Enterprise Managerのインストール時にWebLogic Serverを含まない場所を選択すると、WebLogic Serverのインストール前に、JDKがjdk16ディレクトリにインストールされます。
Enterprise Managerをインストールするとディスクに作成されるディレクトリについて理解を深めるには、次の項を使用してください。
Oracle Enterprise Manager Cloud Control 12cをインストールする場合は、Oracle Management Serviceをインストールします。Oracle Management Serviceでは、次のOracleホーム・ディレクトリをインストールします。
Oracle Management Serviceホーム・ディレクトリ
ミドルウェアWebTierホーム・ディレクトリ
ミドルウェア共通ホーム・ディレクトリ
Oracle Management Serviceインスタンス・ホーム・ディレクトリ
Oracle Management Agentホーム・ディレクトリ
Oracle Management Serviceプラグイン・ホーム
Oracle Management Agentプラグイン・ホーム
Oracle Management Serviceは、Oracle WebLogic Serverを使用してインストールおよびデプロイされるJ2EEアプリケーションです。
インストール時には、Oracle Management Serviceを含むEnterprise ManagerコンポーネントがCloud Controlホーム内にインストールされます。OMSディレクトリの詳細は、「Oracle Management Serviceホーム・ディレクトリについて」を参照してください。
Fusion Middlewareインストールに固有のディレクトリの詳細は、Fusion Middlewareのドキュメントを参照してください。
インストール時には、Oracle Management Serviceホーム・ディレクトリの他に、Oracle Management Agentがインストールされます。これは、Oracle Management Serviceホスト上のターゲットに対して管理データの収集および管理タスクの実行を行うために使用されます。
Oracle Management Agentは、Fusion Middlewareホーム・ディレクトリと同じレベルにある別のOracleホーム・ディレクトリにインストールされます。詳細は、「管理エージェントとともにインストールされるEnterprise Managerのディレクトリの理解」を参照してください。
図10-1は、基本的なCloud Controlインストールにおける、理解しておく必要のある重要なディレクトリの一部を示しています。この情報は、Oracle Management Serviceのインストールの管理、トラブルシューティングおよび構成を開始する際に使用してください。
表10-1では、Enterprise Managerとともにインストールされるディレクトリについて説明します。
表10-1 Enterprise Managerとともにインストールされるディレクトリ
| ディレクトリ | 説明 |
|---|---|
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wlserver_10.3、logs、utils、modules |
これらのディレクトリにはFusion Middlewareファイルが含まれています。 |
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jdk16 |
このディレクトリには、JDK構成ファイルが含まれています。 |
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oms |
このディレクトリには、OMS構成ファイルが含まれています。詳細は、「管理サービスとともにインストールされるEnterprise Managerのディレクトリの理解」を参照してください。 |
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plugins |
このディレクトリには、OMSにインストールされるメタデータ・プラグイン構成ファイルが含まれています。 |
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agent |
このディレクトリには、エージェント構成ファイルが含まれています。詳細は、「管理エージェントとともにインストールされるEnterprise Managerのディレクトリの理解」を参照してください。 |
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gc_inst |
OMSインスタンス・ホーム・ディレクトリ。詳細は、「管理サービスとともにインストールされるEnterprise Managerのディレクトリの理解」を参照してください。 |
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oracle_WT |
このディレクトリには、Oracle WebTier構成ファイルが含まれています。 |
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oracle_common |
このディレクトリには、OMS、Oracle WebTierおよびWebLogic Serverのディレクトリで使用される共通ファイルが含まれています。 |
表10-2では、Oracle Management ServiceとともにインストールされるOracle Management Serviceのディレクトリについて詳しく説明します。この表で示されているORACLE_HOMEは、Oracle Management ServiceがインストールおよびデプロイされるOracle Management Serviceホーム・ディレクトリを指しています。
表10-2 管理サービスOracleホーム内の重要なディレクトリ
| ディレクトリ | 説明 |
|---|---|
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管理サービス・ホーム内の |
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このディレクトリには、OMSホームの構成ファイルが含まれています。 |
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このディレクトリには、EMGC_OMS#に対応するWebTierインスタンスOracleホームが含まれます。 |
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OMS_INSTANCE_HOME/NodeManager |
このディレクトリには、WebLogicノード・マネージャのプロパティ、ログおよびドメイン情報が含まれます。 |
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これはOMSインスタンス・ディレクトリで、emgc.propertiesとEnterprise Managerログ・ファイルが含まれます。 |
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このディレクトリには、 |
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このディレクトリには、スキーマ・ログ・ファイルが含まれています。リポジトリ・ログ・ファイルは、 |
Oracle Management Agentは、Oracle Management Serviceをインストールすると自動的にインストールされます。このOracle Management Agentのローカル・インスタンスにより、Oracle Management Serviceホスト上のターゲットに関する管理情報が収集されます。これにより、これらのターゲット(ホスト自身など)をCloud Controlコンソールから管理できます。
各種のインストール方法を使用して、追加のOracle Management Agentをインストールできます。このため、エンタープライズ全体の各ホストにOracle Management Agentをインストールできます。Oracle Management Agentでは、各ホスト上のターゲットに関する管理データを収集できるため、Cloud Controlコンソールからこれらのターゲットを管理できます。
具体的には、Oracle Management Agentのファイルは、Oracle Management Serviceをインストールした際のagentディレクトリ内の構造と同じディレクトリ構造(図10-1)にインストールされます。
スタンドアロン・エージェントまたはOMSをインストールする場合のエージェント・ディレクトリの構造は同じです。AGENT_BASE_DIRは、エージェントがインストールされるディレクトリで、次のメイン・ディレクトリが含まれます。
AGENT_HOME
AGENT_INSTANCE_HOME
SBIN_HOME
PLUGIN_HOME
Oracle Management Agentの実行に必要なファイルが含まれているディレクトリは、AGENT_INSTANCE_HOMEディレクトリと呼ばれます。たとえば、Oracle Management Agentを起動または停止するには、AGENT_INSTANCE_HOMEのbinディレクトリにあるemctlコマンドを使用します。同様に、Oracle Management Agentのファイルを構成するには、AGENT_INSTANCE_HOMEのsysman/configディレクトリにある構成ファイルを変更します。エージェントのディレクトリ構造については、図10-2を参照してください。
表10-3では、重要なエージェント・ディレクトリの一部について説明します。
表10-3 Oracle Managementホーム内の重要なディレクトリ
Cloud Controlをインストールした結果として作成されるディレクトリ構造に、同じ名前のサブディレクトリが複数含まれる場合があります。たとえば、agent_instance_homeディレクトリ内にbinディレクトリが含まれる場合があります。agent_instance_home/binディレクトリ内のemctlコマンドは、Oracle Management Agentを制御するために使用します。
また、Oracle Management ServiceのOracleホームにもbinディレクトリが作成されます。このディレクトリ内のemctlコマンドは、Oracle Management Serviceを制御するために使用します。
特定のbinディレクトリ内のファイルによって制御されるエージェント・インスタンス・ホームを即座に識別するには、次のコマンドを使用します。
$PROMPT> emctl getemhome
このコマンドを使用すると、emctlコマンドのこのインスタンスによって実行されるコマンドの影響を受ける現行のエージェント・インスタンス・ホームへのパスが表示されます。
オラクル社の製品、サービスおよびサポート・マニュアルを、障害のある方々が利用しやすいようにするための活動の一環として、Enterprise Managerには補助テクノロジを使用するユーザーの管理データへのアクセスを可能にするいくつかの機能が用意されています。Enterprise Managerでは、次のアクセシビリティ機能が用意されています。
スクリーン・リーダーのサポート
高コントラストのサポート
大きいフォントのサポート
スクリーン・リーダーのサポートを有効にするには、次の構成設定を変更する必要があります。
「プリファレンス」で「アクセシビリティ・モード」を有効にします。
uix-config.xmlフラグを設定します。
web.xmlフラグを設定します。
スクリーン・リーダー・モードを有効化するには、次の手順を実行します。
Cloud Controlホームページの「設定」メニューから、「プリファレンス」を選択し、「アクセシビリティ」を選択します。
「アクセシビリティ・プリファレンス」ページで、「スクリーン・リーダーを使用する」を選択します。「適用」をクリックします。
ADFアクセシビリティ・モードは、即座に実行されるセッション・ベースの設定で、Enterprise Manager管理サービスを再起動する必要はありません。
ADFの各ページでは、Cloud Controlに初めてログインした後に「アクセシビリティ・プリファレンス」ダイアログが表示されます。このダイアログの設定は、前述の「アクセシビリティ・プリファレンス」ページの設定と同じです。
UIXの各ページでスクリーン・リーダー・モードを有効にするには、次の手順を実行します。
Cloud Controlインストールでuix-config.xmlファイルを探すには、ディレクトリをOracle Management Serviceホームの次の場所に変更します。
./oms/sysman/archives/emgc/deployments/EMGC_DOMAIN/emgc.ear/em.war/WEB-INF/uix-config.xml
テキスト・エディタを使用してuix-config.xmlファイルを開き、次のエントリを設定します。
<!-- An alternate configuration that disables accessibility features --> <default-configuration> <accessibility-mode>screenReader</accessibility-mode> </default-configuration>
ファイルを保存して閉じます。
Oracle Management Serviceを再起動します。
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注意: UIXアクセシビリティ・モードは、製品全体に適用される設定です。この設定を適用するには、Enterprise Manager管理サービスを再起動する必要があります。 |
web.xmlファイルを構成するには、次の手順に従います。
web.xml構成ファイルを探します。
Cloud Controlインストールでweb.xmlファイルを探すには、ディレクトリをOracle Management Serviceホームの次の場所に変更します。
./oms/sysman/archives/emgc/deployments/EMGC_DOMAIN/emgc.ear/em.war/WEB-INF/web.xml
テキスト・エディタを使用してweb.xmlファイルを開き、ファイル内で次の6行を探します。
<!-- Uncomment this to enable textual chart descriptions <context-param> <param-name>enableChartDescription</param-name> <param-value>true</param-value> </context-param> -->
このセクションの最初の行および最後の行を削除して4行のみを残し、このセクションからコメントを削除します。
<context-param> <param-name>enableChartDescription</param-name> <param-value>true</param-value> </context-param>
ファイルを保存して閉じます。
Oracle Management Serviceを再起動します。
Enterprise Managerでは、パフォーマンス・データの表示にチャートが使用されます。ほとんどのユーザーにとって、このチャートはデータの重要なグラフィカル・ビューであり、傾向の分析やパフォーマンス・メトリックの最小値および最大値の認識に役立ちます。
ただし、チャートにはスクリーン・リーダーで読むことができる情報が付加されていません。この問題を解決するため、各パフォーマンス・チャートに完全な説明テキストが表示されるようにEnterprise Managerを構成できます。デフォルトでは、チャートの説明テキストのサポートは無効になっています。チャートの説明テキストが有効になっている場合、Enterprise Managerでは各チャートに小さなアイコンが表示され、説明テキストへのドリルダウン・リンクとして使用できます。
ADFの各ページでスクリーン・リーダーのサポートが有効になっていることを確認するには、次の手順に従います。
Cloud Controlホームページで、「ヘルプ」をクリックし、「Enterprise Managerバージョン情報」を選択します。
「Enterprise Managerバージョン情報」ダイアログ・ボックスで、「アクセシビリティ・プリファレンス - スクリーン・リーダーのサポート」が「有効」に設定されていることを確認します。
「アクセシビリティ・プリファレンス - スクリーン・リーダーのサポート」が「無効」に設定されている場合は、「Enterprise Managerのアクセシビリティ機能の有効化」に記載されている手順に従います。
UIXの各ページでスクリーン・リーダーのサポートが有効になっていることを確認するには、次の手順に従います。
Cloud Controlホームページの「エンタープライズ」メニューから、「レポート」を選択し、「情報パブリッシャ・レポート」を選択します。
「情報パブリッシャ・レポート」ページで、「ハードウェア・サマリー」を選択します。「ハードウェア・サマリー」ページが表示されます。アクセシビリティティ設定が有効になっている場合は、図10-3に示すアイコンが表示されます。