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Oracle® Enterprise Manager Cloud Controlアドバンスト・インストレーションおよび構成ガイド
12cリリース2 (12.1.0.2)
B65085-06
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13 拡張インストール・オプションを使用したJVMDのインストール

この章では、Enterprise Manager Cloud Control環境でJVM診断(JVMD)をインストールする方法について説明します。

この章の具体的な内容は次のとおりです。

JVMDのアーキテクチャ

JVM診断は、Oracle Enterprise Manager Cloud Controlに統合されています。これにより、管理者は本番環境でのJavaアプリケーションのパフォーマンスの問題を診断できます。問題を再現する必要がなく、これらの問題解決に要する時間が短縮されるため、アプリケーションの可用性とパフォーマンスが向上します。JVMDを使用すると、管理者は、パフォーマンスの問題をテスト環境または開発環境で再現することなく、本番環境で問題の根本原因を特定できます。

次の図に、JVMDのアーキテクチャを示します。

図13-1 JVMDアーキテクチャ

JVMDのアーキテクチャ

JVMDマネージャは、JVMD監視システムのコア分析エンジンです。JVMDマネージャは、OMSからのリクエスト時または監視中にJVMDからランタイム・データを収集します(監視中にJVMDエージェントに定期的にリクエストを送信し、ランタイムJVMデータを収集してリポジトリに保存します)。複数のJVMDマネージャを構成できます。

JVMDエージェントは、ターゲットJVMのデータ・コレクタです。JVMDエージェントは管理アプリケーション・サーバーにデプロイされ、JVMスレッド・スタック、ヒープおよびCPU使用率に関するJVM監視データを最小限のオーバーヘッドでリアルタイムに収集します。

JVMDマネージャは、WebLogic ServerのEnterprise JavaBeans (EJB)テクノロジとして実行されます。JVMDエージェントは、ターゲットJVM (本番環境のWebLogic Serverを実行するJVM)にデプロイされます。リアルタイムのデータを収集し、JVM診断マネージャに転送します。このデータは管理リポジトリに保存され、収集された情報はEnterprise Manager Cloud Controlコンソールに監視情報として表示されます。JVMDマネージャとJVMDエージェント間の通信は、セキュア(SSL)または非セキュア接続が可能です。

開始前

JVMDマネージャまたはJVMDエージェントをインストールする前に、『基本インストレーション・ガイド』に記載されている要点を確認してください。

前提条件

JVMDマネージャまたはJVMDエージェントをインストールする前に、『基本インストレーション・ガイド』に記載されている前提条件を満たしていることを確認してください。

インストール手順

この項で説明する項目は、次のとおりです。

JVMDマネージャのデプロイ

事前に作成した管理対象サーバーにJVMDマネージャをデプロイするには、SYSMANアカウント(デフォルトでは、Enterprise Managerとともにインストールされているスーパー管理者アカウント)でログインする必要があります。

次のデプロイ・オプションが可能です。

OMSホストへのJVMDマネージャのデプロイ

事前に作成し、OMSホストで稼働中の管理対象サーバーにJVMDマネージャをデプロイするには、次の手順を実行します。

  1. Cloud Controlの「設定」メニューから、「アプリケーション・パフォーマンス管理」を選択します。

  2. 「アプリケーション・パフォーマンス管理」ページの「追加」メニューから、「JVM診断エンジン」を選択します。

    「JVM診断エンジンのデプロイ」ページが表示されます。

  3. OMSで稼働中の管理対象サーバーにJVMDマネージャをデプロイするには、次の手順を実行します。

    1. 「既存の管理対象サーバーにデプロイします」を選択します。

    2. 「管理対象サーバー」メニューから、JVMDマネージャをデプロイする管理対象サーバーを選択します。たとえばEMGC_JVMDMANAGER1EMGC_JVMDMANAGER2などです。

      JVMDマネージャのデプロイ

      JVMDマネージャのデプロイで選択した管理対象サーバーは、Enterprise Manager Cloud Controlドメインの一部である必要があります。

  4. 「Oracle Management Serverホストの資格証明」および「Oracle WebLogic Serverドメインの資格証明」を指定します。

    ここで、

    「Oracle Management Serverホストの資格証明」は、管理対象サーバーが作成されるホスト・マシンの資格証明です。

    「Oracle WebLogic Serverドメインの資格証明」は、Enterprise Manager Cloud ControlのWebLogicドメインの資格証明です。

  5. デプロイをクリックしてジョブを発行します。

    進行状況ページが開き、ジョブ処理ページへのリンクが表示されます。このリンクをクリックすると、発行したジョブのステータスを確認できます。

OMSと別個のホストへのJVMDマネージャのデプロイ(リモート・デプロイ)

OMSと別個のホストにJVMDマネージャをデプロイ(リモート・デプロイ)するには、次の操作を実行します。

前提条件

OMSと別個のホストにJVMDマネージャをデプロイ(リモート・デプロイ)する前に、次の手順を実行します。


注意:

この項では、次の表記規則を使用します。
  • host-aは、OMSが稼働中のホストです。

  • host-bは、OMSがマシンにないリモート・ホストです。


  1. host-b(リモート・ホスト)に管理エージェントをインストールします。

    管理エージェントのインストールの詳細は、『基本インストレーション・ガイド』を参照してください。

  2. Enterprise Managerの「ソフトウェアのみのインストール」オプションを使用して、host-bにWebLogic Serverをインストールします。

    ソフトウェアのみのインストールの詳細は、『基本インストレーション・ガイド』を参照してください。

    これらのWebLogic Serverビットは、host-aで実行中のEnterprise Managerドメインに登録する必要があるため、すべての管理対象サーバーは同じWebLogicドメインの下に表示されます。


    注意:

    インストールを正常に行うため、WebLogicドメインの異なるホスト上で稼働中のすべての管理対象サーバーが同じバージョンおよびパッチ・レベルである必要があります。

  3. 次の手順に従い、WebLogic Server管理コンソールを使用して新しい管理対象サーバー(JVMDRemoteServer)を構成します。

    1. host-aのEnterprise Manager WebLogicドメイン・コンソール(EMGC_DOMAIN)にログインします。

      WebLogic Server管理コンソール・ホームページが表示されます。

    2. WebLogic Server管理コンソールのドメイン構造セクションから「環境」を選択して、「サーバー」をクリックします。

    3. 新規サーバーの作成ページで、サーバー名、サーバーのリスニング・アドレスおよびサーバーのリスニング・ポートを入力します。


      注意:

      サーバーのリスニング・アドレスがリモート・ホストのリスニング・アドレスに対応し、サーバーのリスニング・ポートがリモート・ホストで空いていることを確認します。

  4. 次の手順に従い、WebLogic Server管理コンソールを使用して新しいマシンを構成します。

    1. host-aのEnterprise Manager WebLogicドメイン・コンソール(EMGC_DOMAIN)にログインします。

      WebLogic Server管理コンソール・ホームページが表示されます。

    2. WebLogic Server管理コンソールのドメイン構造セクションから「環境」を選択して、「マシン」をクリックします。

    3. このマシンをhost-bで実行中のノード・マネージャに関連付けるには、新規マシンの作成ページで、リモート・ホストのリスニング・アドレスとマネージャのポート番号(デフォルトでは5556)を入力します。

      このノード・マネージャでは、主にリモート・ホストの起動と停止を制御します。

    4. 「終了」をクリックして、マシンを作成します。

  5. 新しく作成したマシンを選択し、「サーバー」をクリックして管理対象サーバー(JVMDRemoteServer)をこのマシンに追加します。この手順により、host-bで実行中のノード・マネージャにマシンが関連付けられます。


    注意:

    JVMDアプリケーションがターゲットの管理対象サーバーに正常にデプロイされた後に、WebLogicドメインの管理対象サーバーを表示するか、JVMDエージェントを追加するには、次の手順に従い、WebLogicドメインをリフレッシュしてください。
    1. Cloud Controlで、「ターゲット」メニューから「ミドルウェア」を選択します。「ミドルウェア」ホームページで、JVMDマネージャ・アプリケーションがデプロイされるWebLogicドメインを選択します。

    2. 「WebLogicドメイン」メニューから、「WebLogicドメインのリフレッシュ」を選択し、「続行」をクリックします。

    3. 新しく追加されたターゲットが「WebLogicドメイン」で検出されたら、「ターゲットの追加」をクリックます。

    4. ターゲットが正常に追加されたら、ダイアログ・ボックスを閉じ、「OK」をクリックします。


  6. WebLogicドメインを拡張するには、次のコマンドを使用し、host-aで実行中のEnterprise Manager Cloud Controlドメインのテンプレートを作成します。

    ./pack.sh -domain = $DOMAIN_HOME -template = <absolute_path_to_the_new_weblogic_template> - template_name="My WebLogic Domain" -managed={true}
    
    Where:
    
    $DOMAIN_HOME is the location of EMGC domain on host-a.
    
    <absolute_path_to_the_new_weblogic_template> is the location where you want to create the template.
    
  7. emgcdomain.jarhost-a(OMSが稼働中の場所)からhost-b(リモート・ホスト)にコピーします。

  8. 次のコマンドを実行し、emgcdomain.jarテンプレートをhost-bに解凍します。

    ./unpack.sh -domain = $DOMAIN_HOME -template= <absolute_path_to_domain_template_created>
    
    Where:
    
    $DOMAIN_HOME is the domain location of EMGC on host-b (remote host)
    
    <absolute_path_to_domain_template_created> is the location of the template on host-b where emgcdomain.jar template is present.
    
  9. WebLogicドメインをノード・マネージャに登録するには、host-bで次の手順を実行します。

    1. 次のコマンドを実行して、ノード・マネージャのプロパティ・ファイルを更新し、リモート・ホストの監視を開始できるようにします。

      $WEBLOGIC_HOME/common/bin/wlst.sh

      nmEnroll($DOMAIN_HOME)

    2. 次のようにノード・マネージャを起動します。

      <Weblogicホーム>server/bin/startNodeManager.sh


      注意:

      ノード・マネージャを起動する前に、必ずノード・マネージャのプロパティ・ファイル内のプロパティを設定してください。プロパティは、次のいずれかの方法で設定できます。
      • プロパティstartScriptEnabled=trueを設定するには、nodemanager.propertiesファイルを手動で編集します。

      • $MIDLLEWARE_HOME/oracle_common/common/bin/setNMProps.shのように、setNMProps.shスクリプトを実行します


    3. 次の手順を実行して、startWebLogic.shを変更します。

      1. 次の場所に移動します。

        - Unixの場合: $DOMAN_HOME/bin/startWebLogic.sh

        - Windowsの場合: $DOMAN_HOME/bin/startWebLogic.cmd

      2. 次のように、最大ヒープ・サイズ(-Xmx)を1GB (64ビット・システム)に設定し、最大Permanent Generation (-XX:MaxPermSize)を768M (64ビット・システム)に設定します。

        USER_MEM_ARGS="-Xms256m -Xmx1024m -XX:MaxPermSize=768m"

        注意: Sun JVMを使用してリモートの管理対象サーバーを起動する場合は、次のメモリー・オプションをUSER_MEM_ARGS: XX:+UnlockDiagnosticVMOptionsおよびXX:+UnsyncloadClassに追加する必要があります。

      3. 次のように、最大ヒープ・サイズを1GB (32ビット・システム)に設定し、最大Permanent Generationを512M (32ビット・システム)に設定します。

        USER_MEM_ARGS="-Xms256m -Xmx1024m -XX:MaxPermSize=512m"

  10. host-aで次の手順を実行し、次のようにJVMDRemoteServerを起動します。

    1. $OMS_HOME/sysman/jlibにあるemreposauthbean.jar<middleware_home>/wlserver_10.3/server/lib/mbeantypesにコピーします。ここで、$OMS_HOMEはhost-aのOMSサーバーの場所で、<middleware_home>はhost-b上にあります。

    2. emCoreCommon.jarをhost-aの$WEBLOGIC_HOME/sysman/jlibからhost-bの$WEBLOGIC_HOME/server/libにコピーします。

    3. 管理対象サーバー(JVMDRemoteServer)が稼働中のホストに存在するEnterprise Managerエージェントのトラスト・ストアに、SSL証明書をインポートします。

    4. WebLogic Server管理コンソールから管理対象サーバー(JVMDRemoteServer)を起動し、WebLogic Serverの設定を完了します。

  11. host-bで稼働中の新しい管理対象サーバーを検出するには、次の手順を実行します。

    1. Cloud Controlで、「ターゲット」メニューから「ミドルウェア」を選択します。

      「ミドルウェア」ページで、稼働中のWebLogic Serverのリストから、管理対象サーバーがデプロイされるWebLogicドメイン(EMGC_DOMAIN)を選択します。

    2. Cloud Controlの「ドメイン」ページで、「Oracle WebLogicドメイン」メニューから「WebLogicドメインのリフレッシュ」を選択します。

      新規のサーバーがEnterprise Manager Cloud Controlドメインに登録されます。

  12. サーバーを再起動し、すべての変更内容を有効にします。

インストール手順

OMSと別個のホストにJVMDマネージャをデプロイ(リモート・デプロイ)するには、次の手順を実行します。


注意:

リモート・デプロイを正常に行うには、次の点を確認します。
  • Enterprise Managerエージェントをリモート・マシンにインストールし、同じEnterprise Manager Cloud Controlドメイン(EMGC_DOMAIN)内に存在する別の管理対象サーバーで稼働中のOMSを指すようにします。

  • リモートのWebLogic Serverのバージョンおよびパッチ・レベルが、Enterprise Managerドメイン(EMGC_DOMAIN)のサーバーのものと一致している必要があります。バージョンおよびパッチ・レベルが確実に一致するように、Enterprise ManagerのOUIインストールで、「ソフトウェアのみのインストール」オプションを選択してWeblogicをインストールすることをお薦めします。


  1. Cloud Controlの「設定」メニューから、「アプリケーション・パフォーマンス管理」を選択します。

  2. 「アプリケーション・パフォーマンス管理」ページの「追加」メニューから、「JVM診断エンジン」を選択します。

    「JVM診断エンジンのデプロイ」ページが表示されます。

  3. OMSと別個のホストで稼働中の管理対象サーバーにJVMDマネージャをデプロイするには、次の手順を実行します。

    1. 「既存の管理対象サーバーにデプロイします」を選択します。

    2. 「管理対象サーバー」メニューから、JVMDマネージャをデプロイする管理対象サーバーを選択します。たとえばEMGC_JVMDMANAGER1EMGC_JVMDMANAGER2などです。

  4. 「Oracle WebLogic管理対象サーバー・ホストの資格証明」および「Oracle WebLogicドメインの資格証明」を指定します。

    ここで、

    「Oracle WebLogicドメインの資格証明」は、Enterprise Manager Cloud ControlのWebLogicドメインの資格証明です。

    「Oracle WebLogic管理対象サーバー・ホストの資格証明」は、管理対象サーバーが作成されるホスト・マシンの資格証明です。

  5. デプロイをクリックしてジョブを発行します。

    進行状況ページが開き、ジョブ処理ページへのリンクが表示されます。このリンクをクリックすると、発行したジョブのステータスを確認できます。

JVMDマネージャの手動デプロイ

JVMDマネージャを手動でデプロイするには、次のタスクを実行する必要があります。

jvmd.zipのダウンロード

JVMDマネージャをデプロイする前に、jvmd.zipをダウンロードしたことを確認します。これを行うには、Enterprise Manager 12cで次のデフォルトの場所に移動し、jvmd.zipファイルにアクセスします。

<Middleware HOME>/plugins/oracle.sysman.emas.oms.plugin_12.1.0.0.0/archives/jvmd.

このファイルをローカル・マシンにダウンロードし、次のコマンドを実行してzipファイルの中身を抽出します。

unzip jvmd.zip

jvmd.zipファイルの内容は次のとおりです。

inflated: jamagent.war
inflated: jammanager.war
inflated: janmanager_dummy.ear
extracted: loadheap.zip
inflated: Dep1oyAD4JManager.cmd
inflated: Dep1oyAD4JManager.py
inflated: Dep1oyAD4JManager.sh
created: customprov/
inflated: customprov/DeployJVMDAgent.cmd
inflated: customprov/DeployJVMDAgent.py
inflated: customprov/DeployJVMDAgent.sh
inflated: customprov/deploy_jvmdagent.pl 
inflated: customprov/README.txt 
inflated: customprov/sample_jymdagent_deploy.properties
inflated: upgrade/README.txt 
inflated: upgrade/jvmd_monitoringupgradell_12.sql 
inflated: upgrade/jvmd_targetupgradell-12.sql 
inflated: upgrade/jvmd_traceupgrade1l_12.sq1 

jvmd.zipファイルには、次のスクリプトが含まれています。

  • DeployAD4jManager.cmd: このスクリプトを使用してJVMDマネージャをWindowsホストにデプロイします。

  • DeployAD4jManager.sh: このスクリプトを使用してJVMDマネージャをLinuxホストにデプロイします。

  • DeployAD4jManager.py: このスクリプトはDeployAD4jManager.cmdおよびDeployAD4jManager.shスクリプトによって起動され、JVMDマネージャをデプロイします。

  • jamagent.war: JVMDエージェント。

  • jammanager_dummy.ear: デプロイメント・スクリプトによってダミーのJVMDマネージャがOMSにデプロイされ、JVMDマネージャのデプロイメントが完了すると削除されます。

  • jammanager.ear: JVMDマネージャ。

  • loadheap.zip: このzipファイルには、各プラットフォーム用のプロセスログとヒープをロードするためのスクリプトが含まれます。

  • customprovフォルダ: customprovフォルダには、コマンドラインからのJVMDエージェントのデプロイに使用されるスクリプトが含まれ、特に一括デプロイメントに適しています。

  • upgradeフォルダ: このフォルダには、アップグレード用のスクリプトが含まれます。

JVMDマネージャのデプロイ

コマンドラインからJVMDマネージャをデプロイするには、次の手順に従います。

  1. 次の場所に移動し、ここからjvmd.zipをダウンロードします。

    <middleware_home>/oms/jvmd

  2. 次のコマンドを実行して、jvmd.zipファイルからすべてのスクリプトを抽出します。

    unzip jvmd.zip

  3. 管理対象サーバーに割り当てられるSSLポートまたは非SSLポートを選択します。管理対象サーバーは、JVMDマネージャのデプロイ先のホストに作成されます。


    注意:

    ポートが空いているかどうかを確認するには、次のコマンドを実行します。

    netstat -a|grep <port_number>


  4. コマンドラインから次のスクリプトを実行してJVMDマネージャをデプロイします。

    Linuxの場合:

    ./DeployAD4JManager.sh

    Windowsの場合:

    DeployAD4JManager.cmd

    スクリプトによって、様々なパラメータのデフォルト値が更新されます。パラメータ値を変更する場合、プロンプトに応じて値を指定します。変更しない場合、[Enter]を押してデフォルト値を選択します。


    注意:

    JVMDマネージャがリポジトリにアクセスできるように、一時ファイルjammanager_dummy.earがOMSにデプロイされます。このファイルは、デプロイメントが完了すると削除されます。

    デプロイメントに成功すると、次のようなステータスになります。

    Current Status of your Deployment:
    Deployment command type : deploy
    Deployment State        : completed
    Deployment Message      : no message
    
  5. リポジトリへの接続が確立されると、JVMDマネージャのインストール先のEnterprise Manager Cloud Control WebLogicドメインにサーバーが作成されます。デフォルトでは、このサーバーはEMAD4JAMANAGER.と呼ばれます。次のような出力が表示されます。

    Starting server EMAD4JMANAGER
    Server with name EMAD4JMANAGER started successfully
    

JVMDマネージャの再デプロイ

JVMDマネージャを再デプロイするには、次の手順に従います。

  1. https://<machine_name>:<EM_ADMINSERVER_SSL_PORT>/consoleというURLを入力し、WebLogic管理コンソールにログインします。

  2. 「強制停止」を実行して既存のJVMDマネージャを停止し、「削除」をクリックしてJVMDマネージャに関連付けられているすべてのファイルを削除します。


    注意:

    インスタンスを停止し、削除した後も、Javaプロセスが完全に削除されず、実行が続けられる場合があります。これを回避するには、JVMDマネージャを再デプロイする場合、ポート番号の新しいセットを使用することをお薦めします。

  3. jvmd.zipアーカイブ・ファイルをローカル・ドライブにコピーし、使用していたjvmd.zip fileと差し替えます。

  4. 「JVMDマネージャの手動デプロイ」に記載された手順を実行してJVMDマネージャを手動でデプロイするか、「OMSホストへのJVMDマネージャのデプロイ」に記載された手順を使用してJVMDマネージャをUIからデプロイします。


    注意:

    それまでにデプロイされたJVMDマネージャは、JVMDマネージャを再デプロイする際に同じサーバー名使用しないかぎり、引き続き「アプリケーション・パフォーマンス管理」ページに表示されます。

JVMDエージェントのデプロイ

この項は次のトピックで構成されています。

Enterprise Manager Cloud Controlを使用したJVMDエージェントのデプロイ

Enterprise Manager WebLogicドメイン内に存在する管理エージェントで監視されるWebLogicドメインにJVMDエージェントをデプロイするには、次の手順を実行します。


注意:

この項では、次の表記規則を使用します。
  • host-aは、JVMDエージェントがデプロイされるWebLogicドメインに対応します。

  • host-bは、host-aでWebLogicドメインを監視するために管理エージェントがデプロイされるEnterprise Managerドメイン(EMGC_DOMAIN)に対応します。


  1. Cloud Controlで、「ターゲット」メニューから「ミドルウェア」を選択します。

    ミドルウェア・ページには、検出され、Cloud Controlで管理中のすべてのミドルウェア関連ターゲットの一覧が表示されます。ターゲット名をクリックして、対象のターゲットを選択します。

  2. 「ミドルウェア」ページで、「Oracle WebLogicドメイン」をクリックします。

    ドメイン内に存在するすべての管理対象サーバーがドメインのホームページに表示されます。


    注意:

    JVMDエージェントは、ADPマネージャ・アプリケーションが実行されているWebLogic管理対象サーバーにはデプロイできません。JVMDエージェントは、Enterprise Managerドメインまたはその他のWebLogicドメインの管理サーバー、OMSサーバーまたはJVMD管理対象サーバーにデプロイできます。

  3. 「WebLogicドメイン」メニューから「診断エージェントのデプロイ」を選択して、選択した管理対象サーバーにエージェントをデプロイします。

  4. 「診断エージェントのデプロイ」ページで、JVMDエージェントをデプロイするOracle WebLogic Server (管理対象サーバー)を選択します。


    注意:

    それぞれの管理対象サーバーにデプロイする診断エージェントだけが選択されていることを確認し、その他の選択は解除してください。

    デフォルトでは、次のサーバーが選択解除されています。

    • 管理サーバー。

    • 稼働中でないすべての管理対象サーバー。

    • 「デプロイされたバージョン」「デプロイするバージョン」が同じ場合、デプロイ済のJVMDエージェントのステータスは稼働中です。

  5. 「診断エージェント構成」セクションで、選択したエージェントのJVMD構成プロパティを入力します。

    「JVMDマネージャ」リストから目的のJVMDマネージャを選択します。デプロイ用に選択されたJVMDエージェントは、このJVMDマネージャにレポートします。


    重要:

    host-bで管理エージェントを使用して、host-aでWebLogicドメインが検出された場合は、次の手順を実行する必要があります。
    1. 次の場所に移動します。

      <WEBLOGIC_HOME>/server/lib
      
      Where,
      <WEBLOGIC_HOME> is the full abstract path to the Weblogic home for the monitored WebLogic domain on host-a.
      
    2. 次の操作を実行してwlfullclient.jarを生成します。

      WebLogic Serverのバージョンが10.3.x以上の場合は、次のコマンドを実行します。

      java -jar wljarbuilder.jar
      

      WebLogic Serverのバージョンが10.3.x未満または10.3.0の場合は、それ以外のWebLogicインストール(10.3.x以上)を使用してwlfullclient.jarを作成します。

      たとえば、Enterprise ManagerではJDK6を使用するため、wlfullclient.jarの生成には、EMGCドメインに対応する<WEBLOGIC_DOMAIN>を使用できます。

    3. 次のファイルを<WEBLOGIC_HOME>/server/lib/から<AGENT_HOME>/sysman/jlibディレクトリにコピーします。

      - wlfullclient.jar

      - wljmxclient.jar

      - webserviceclient+ssl.jar

      - wlcipher.jar

      <AGENT_HOME>は、host-b上の管理エージェントのOracleホームです。


  6. host-b上に存在する管理エージェントが、JVMDエージェントがデプロイされるhost-a (リモート・エージェント)上のWebLogicドメインの監視に使用される場合は、「Oracle WebLogic管理サーバー・ホストの資格証明」および「Oracle WebLogicドメインの資格証明」を指定します。

    ここで、

    「Oracle WebLogic管理サーバー・ホストの資格証明」は、監視対象のドメインの存在を検出するのに管理エージェントが使用されるhost-bの資格証明です。

    「Oracle WebLogicドメインの資格証明」は、JVMDエージェントがデプロイされるhost-aのWebLogicドメインの資格証明です。

  7. デプロイをクリックしてジョブを発行します。

    進行状況ページが開き、ジョブ処理ページへのリンクが表示されます。このリンクをクリックすると、発行したジョブのステータスを確認できます。


    注意:

    JVMDエージェントのデプロイがSSLハンドシェイク・エラーで失敗する場合は、「SSLハンドシェイクの失敗によるエージェント・デプロイメント・エラー」を参照し、問題を修正してください。

JVMDエージェントのダウンロードとデプロイ

JVMDエージェントのデプロイのプロセスを完了するには、この項に示す手順に従います。

手順1: jamagent.warファイルのダウンロード

次のいずれかの方法で、jamagent.warファイルをダウンロードします。

Cloud Controlを使用したjamagent.warファイルのダウンロード

次の手順を実行します。

  1. Cloud Controlの「設定」メニューから、「アプリケーション・パフォーマンス管理」を選択します。

  2. 「アプリケーション・パフォーマンス管理」ページで「JVM診断エンジン」を選択します。

    「アプリケーション・パフォーマンス管理エンジン」ページの「構成」アイコンが有効になります。

  3. 「構成」をクリックします。「JVM診断の設定」ページが表示されます。

  4. 「JVM診断の設定」ページで「JVMおよびプール」をクリックし、「ダウンロード」をクリックします。「JVM診断コンポーネントのダウンロード」ダイアログ・ボックスが表示されます。

    jvmagent.gifについては周囲のテキストで説明しています。
  5. 「JVMDコンポーネント」メニューで「JVMDエージェント」を選択し、「OK」をクリックします。「JVM診断エージェントWeb xmlパラメータ」ダイアログ・ボックスが表示されます。

    downloadjvmagent.gifについては周囲のテキストで説明しています。
  6. 「使用可能なマネージャ」メニューで、次のいずれかのポートの管理対象サーバーをリストから選択し、「ダウンロード」をクリックします。

    • 非SSLポート(3800)を選択してJVMDマネージャに接続します。

    • SSLポート(3801)を選択してJVMDマネージャにセキュアに接続します。

    次に例を示します。

    非SSLポート: slc01.us.example.com:3800

    SSLポート: slc01.us.example.com:3801(セキュアな通信)


    注意:

    既存のマネージャを選択しない場合、「使用可能なマネージャ」メニューで「その他」を選択し、エージェントが接続するホスト名とポートを指定します。これは、複数のJVMDマネージャの負荷を分散する場合に特に有用です。

    jvmwebxml.gifについては周囲のテキストで説明しています。
  7. ダウンロードしたjamagent.warファイルは、WebLogic管理コンソールから、あるいはWebLogic Server以外を使用してデプロイできます。

    WebLogic Server以外を使用してJVMDエージェントをデプロイするには、次のようにします。

    1. jamagent.warファイルをアプリケーション・サーバー・ホスト・マシンにコピーし、その場所を書き留めます。

    2. 次のJVMオプションをアプリケーション・サーバーの起動コマンドに追加します。

      -classpath <original classpath>:<full path to jamagent.war inclusive> jamagent.jamrun jamconshost=<jamconshost> jamconsport=<jamconsport> jamjvmid=<a unique identifier, e.g. 1234> jamtimeout=30 jamloglevel=3
      

シップホームの場所からのjvmd.zipファイルの入手

次の手順を実行します。

  1. 次の場所に移動し、ここからjvmd.zipをダウンロードします。

    <middleware_home>/oms/jvmd

  2. 次のコマンドを実行して、jvmd.zipファイルにあるJVMDエージェントのスクリプトを抽出します。

    unzip jamagent.war

  3. WEB-INF/web.xmlに移動します。

  4. web.xmlファイルを編集し、パラメータjamconshostおよびjamconsportの値を更新します。

    ここで、

    jamconshostは、JVMDマネージャ(jammanager)のデプロイ先のマシンのIPです。

    jamconsportは、JVMDマネージャのデプロイ先のホストのポートです。


    注意:

    選択されたJVMDマネージャとセキュアな通信をできるようにするには、web.xmlファイルに次の変更を行います。

    jamsecureCommunication = 1


    次に例を示します。

     <init-param>
            <param-name>jamconshost</param-name>
            <param-value>slc01axn</param-value>
            <description>Jam console host - demolnx.auptyma.com</description>
     </init-param>
     <init-param>
            <param-name>jamconsport</param-name>
            <param-value>3800</param-value>
            <description>Jam console port</description>
     </init-param>
    

    注意:

    JVMDマネージャがデプロイされたら、IPとポートがJVMDデプロイメント・ページに<Machine Name:Port Number>のように表示されます。

  5. 次のコマンドを実行してjamagent.warファイルを再アセンブルします。

    jar -cMvf jamagent.war META-INF WEB-INF jamagent oracle

  6. 更新したjamagent.warファイルは、WebLogic管理コンソールから、あるいはWebLogic Server以外を使用してデプロイできます。

手順2: JVMDエージェントのデプロイ

JVMDエージェントのデプロイメントは、Oracle WebLogic Serverを使用して、あるいはWebLogic Server以外から行えます。

WebLogic ServerでのJVMDエージェントのデプロイ

次のいずれかの方法を使用して、JVMDエージェントをデプロイします。

WebLogic管理サーバー・コンソールを使用してJVMDエージェントをデプロイするか、カスタム・プロビジョニング・スクリプトを使用してデプロイします。カスタム・プロビジョニング・スクリプトを使用してデプロイするには、次の手順に従います。

  1. jvmd.zipファイルにあるデプロイメント・プロファイルsample_jvmdagent_deploy.propertiesのコピーを作成します。基本的には、jamagent.warファイルの場所、WebLogicドメイン、サーバーの情報などの詳細を更新して、プロファイルをjvmdagent_deploy.propertiesとして保存します。

    パラメータの詳細は、customprovフォルダにあるREADME.txtファイルを参照してください。

  2. customprovフォルダにあるperlのスクリプトを実行して、指定されたすべてのサーバーにJVMDエージェントをデプロイします。

    perl deploy_jvmdagent.pl


    注意:

    デプロイメント・プロファイルjvmdagent_deploy.propertiesとperlスクリプトが同じフォルダにあることを確認します。

WebLogic Server以外でのJVMDエージェントのデプロイ

WebLogic Server以外を使用してJVMDエージェントをデプロイするには、次のようにします。

  1. jamagent.warファイルをアプリケーション・サーバー・ホスト・マシンにコピーし、その場所を書き留めます。

  2. 次のJVMオプションをアプリケーション・サーバーの起動コマンドに追加します。

    -classpath <original classpath>:<full path to jamagent.war inclusive> jamagent.jamrun jamconshost=<jamconshost> jamconsport=<jamconsport> jamjvmid=<a unique identifier, e.g. 1234> jamtimeout=30 jamloglevel=3
    
    For example:
    
    If earlier the command to start the server was:
    java –classpath x.jar -Dfoo=value server.Main 
    now it would be:
    java –classpath x.jar:<absolute path of jamagent.war> -Dfoo=value jamagent.jamrun jamconshost=<jamconshost> jamconsport=<jamconsport> jamjvmid=<a unique identifier, e.g. 1234> jamtimeout=30 jamloglevel=3 server.Main
    

WebLogic ServerでのJVMDエージェントの再デプロイ

「診断エージェントのデプロイ」ページで「デプロイされたバージョン」「デプロイするバージョン」が異なる場合、新しいバージョンのJVMDエージェントが使用できる可能性があります。エージェントを新しいバージョンに再デプロイするには、UIを使用して「JVMDエージェントのダウンロードとデプロイ」に示されている手順に従います。

あるいは、手動でJVMDエージェントを停止してデプロイされている古いエージェントを削除し、「手順2: JVMDエージェントのデプロイ」に示された手順を実行して手動でJVMDエージェントをデプロイします。

JVMDデータベース・エージェントのデプロイ

JVMDデータベース・エージェントが必要な場合、Cloud ControlからJVMDエージェントをダウンロードします。JVMDエージェントはデータベース・エージェントとしても機能します。JVMDエージェントがダウンロードされ、データベースと同じホストにインストールされている場合、データベース・エージェントは別途必要ありません。JVMDエージェント自体がデータベースとJVMDマネージャとを統合します。ただし、JVMDエージェントとデータベースが別のホストにある場合、データベース固有の情報を収集してJVMDマネージャにデータを送信するデータベース・エージェントが必要です。


注意:

JVMDデータベース・エージェントは、JVMDエージェントがサポートされるプラットフォーム(Windows以外)でサポートされます。実行にはJava 1.4.X以上が必要です。

JVMDエージェントをダウンロードしてデプロイするには、次のようにします。

  1. 「手順1: jamagent.warファイルのダウンロード」に示された手順に従い、Cloud Controlを使用してjamagent.warファイルをダウンロードします。

  2. データベース・エージェントを起動するには、次のコマンドを実行します。

    $JAVA_HOME/bin/java -Xms126M -Xmx512M -cp ./jamagent.war jamagent.Dbagent jamconshost=<Machine on which manager is running> jamconsport=<Port of the server on which Manger is installed>
    
    For Example: /usr/local/packages/jdk14/bin/java -Xms126M -Xmx512M -cp ./jamagent.war jamagent.Dbagent jamconshost=adc2190661.us.example.com jamconsport=3900
    

注意:

エラー・メッセージ「TIMEOUT from console JAM Agent: Error receiving data from console」が表示される場合、オプションjamconsretr = 5を使用してデータベース・エージェントを再起動します。

JVMDマネージャのセキュアなポートへのJVMDエージェントの接続

コマンドラインからJVMDエージェントをデプロイするには、「JVMDエージェントのダウンロードとデプロイ」に示された手順に従います。


注意:

JVMDマネージャとのセキュアな通信を保証するためには、JVMは、マネージャのデプロイ先の管理対象サーバーの証明書が追加されるキーストアにアクセスできる必要があります。管理対象サーバー(MANAGER)が作成されるCloud Controlドメインのキーストアは同様に使用されます。

Enterprise Manager Cloud Controlドメインにアクセスできる場合、次のようにします。

  1. キーストアの場所を特定します。通常、次の場所にあります。

    <weblogic_directory>/server/lib/DemoTrust.jks

    ここで、WebLogicホームはWebLogic Serverのインストール・ディレクトリのことです。

  2. 次の指定をJVMDエージェントのコマンドラインに追加して起動します。

    -Djavax.net.debug=ssl -Djavax.net.ssl.trustStore=<location of DemoTrust.jks of the manager server> -Djavax.net.ssl.trustStorePassword=DemoTrustKeyStorePassPhrase


    注意:

    WebLogicキーストアのデフォルトのパスワードは、DemoTrustKeyStorePassPhraseです。

Enterprise Manager Cloud Controlドメインにアクセスでない場合、次のようにします。

  1. ターゲット・サーバーにキーストアがすでにある(たとえば、DemoTrust.jks)場合、DemoTrust.jksを使用します。そうではない場合、キーストアを新たに作成する(たとえば、Keystore.jks)必要があります。キーストアを新たに作成する場合、手順3を参照してください。

  2. 次の手順に従って、管理対象サーバーの証明書をダウンロードします。

    1. URL https://<jamconshost>:<jamconsport(secure)>を入力します。

    2. JVMDエージェントのホームページで「詳細」タブを選択し、「エクスポート」をクリックします。

    3. 証明書をmyCert.crtとして保存します。

  3. 証明書を既存のキーストアDemoTrust.jksに追加するか、新たにキーストアkeystore.jksを作成して証明書を追加するには、次のコマンドを実行します。

    keytool -import -trustcacerts -alias root -file myCert.crt -keystore <keystore/DemoTrust>.jks

    このコマンドでは、デフォルトのパスワードchangeitを使用して新規キーストアが作成されます。

インストール後

JVMD管理対象サーバーまたはJVMDエージェントをインストールしたら、『基本インストレーション・ガイド』に記載されている手順に従います。