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Oracle Solaris の管理: 一般的なタスク     Oracle Solaris 11 Information Library (日本語)
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ドキュメントの情報

はじめに

1.  Oracle Solaris のコマンドに関する情報の検索

2.  ユーザーアカウントとグループの管理 (概要)

3.  ユーザーアカウントとグループの管理 (手順)

4.  Oracle Solarisシステムのブートとシャットダウン

5.  Oracle Configuration Manager の操作

6.  サービスの管理 (概要)

7.  サービスの管理 (手順)

サービスの監視 (作業マップ)

SMF サービスの監視

サービスの状態を一覧表示する方法

サービスのカスタマイズを一覧表示する方法

特定のサービスに依存するサービスを表示する方法

特定のサービスが依存するサービスを表示する方法

SMF 遷移イベントの電子メール通知を設定する方法

SMF サービス (作業マップ)

SMF サービスの管理

RBAC 権利プロファイルを使って SMF を管理する

サービスインスタンスを無効にする方法

サービスインスタンスを有効にする方法

サービスを再起動する方法

保守状態のサービスを復元する方法

SMF プロファイルを作成する方法

SMF プロファイルを適用する方法

SMF サービスの設定 (作業マップ)

SMF サービスの設定

SMF サービスプロパティーの変更方法

ファイルで設定されているサービスの変更方法

サービスの環境変数を変更する方法

inetd 制御サービスのプロパティーを変更する方法

サービスのカスタマイズを削除する方法

inetd 制御サービスのコマンド行引数を変更する方法

inetd.conf エントリを変換する方法

実行制御スクリプトの使用 (作業マップ)

実行制御スクリプトの使用

実行制御スクリプトを使用して従来のサービスを起動または停止する方法

実行制御スクリプトを追加する方法

実行制御スクリプトを無効にする方法

サービス管理機能のトラブルシューティング

起動していないサービスをデバッグする

破壊されたリポジトリを修復する方法

どのサービスも起動しないでブートする方法

ブート中に system/filesystem/local:default サービスで障害が発生した場合に sulogin プロンプトを強制的に表示する方法

8.  障害管理の使用

9.  システム情報の管理 (手順)

10.  システムプロセスの管理 (手順)

11.  システムパフォーマンスの監視 (手順)

12.  ソフトウェアパッケージの管理 (手順)

13.  ディスク使用の管理 (手順)

14.  システムタスクのスケジュール設定 (手順)

15.  CUPS を使用したプリンタの設定と管理 (手順)

16.  システムコンソール、端末デバイス、および電源サービスの管理 (手順)

17.  システムクラッシュ情報の管理 (手順)

18.  コアファイルの管理 (手順)

19.  システムおよびソフトウェアのトラブルシューティング (手順)

20.  その他各種のシステムおよびソフトウェアの トラブルシューティング (手順)

索引

SMF サービスの設定

次の各作業は、SMF サービスの設定方法を示したものです。特に、サービスプロパティーの変更方法と、サービスまたはサービスインスタンスに関するその他の設定情報を示します。

SMF サービスプロパティーの変更方法

この手順は、サービスを起動できるユーザーを特定するプロパティーの変更方法を示しています。

  1. 管理者になるか、Service Management 権利プロファイルを含む役割になります。

    詳細は、『Oracle Solaris の管理: セキュリティーサービス』の「管理権限を取得する方法」を参照してください。

  2. start/user プロパティーに割り当てられた値を変更します。

    最初に、FMRI を指定して適切なサービスを特定します。次に、サービスを起動する UID を割り当てます。

    # svccfg -s FMRI
    svc:/service: setprop start/user = astring: newlogin
  3. サービスを再表示します。
    # svcadm refresh FMRI

ファイルで設定されているサービスの変更方法

次の手順は、inetd サービスによって管理されていないサービスの設定を変更する方法を示します。

  1. 管理者になるか、Service Management 権利プロファイルを含む役割になります。

    詳細は、『Oracle Solaris の管理: セキュリティーサービス』の「管理権限を取得する方法」を参照してください。

  2. 必要に応じて設定ファイルを変更します。

    多くのサービスは、起動方法などの設定情報を定義するための設定ファイルを 1 つ以上持っています。それらのファイルはサービス実行中でも変更可能です。ファイルの内容がチェックされるのはサービス起動時です。

  3. サービスを再起動します。
    # svcadm restart FMRI

例 7-12 新しい NTP サーバーを追加する

NTP クライアントをサポートするために新しい NTP サーバーを追加するには、そのサーバー用の新しいエントリを /etc/inet/ntp.conf ファイルに追加します。次に、NTP サービスを再起動します。この例は、ntp.conf ファイルの内容とサービスの再起動方法を示しています。

# cat /etc/inet/ntp.conf
   .
   .
server ntpserver1.example.com
server ntpserver2.example.com
# svcadm restart svc:/network/ntp:default

サービスの環境変数を変更する方法

この手順は、デバッグに役立つよう cron 環境変数を変更する方法を示します。

  1. 管理者になるか、Service Management 権利プロファイルを含む役割になります。

    詳細は、『Oracle Solaris の管理: セキュリティーサービス』の「管理権限を取得する方法」を参照してください。

  2. サービスが実行されていることを確認します。
    # svcs system/cron
    STATE          STIME    FMRI
    online         Dec_04   svc:/system/cron:default
  3. 環境変数を設定します。

    次の例では、環境変数 UMEM_DEBUG および LD_PRELOAD を設定しています。setenv サブコマンドについては、svccfg(1M) のマニュアルページを参照してください。

    # svccfg -s system/cron:default setenv UMEM_DEBUG default
    # svccfg -s system/cron:default setenv LD_PRELOAD libumem.so
  4. サービスの再表示と再起動を行います。
    # svcadm refresh system/cron
    # svcadm restart system/cron
  5. 正しく変更されたことを確認します。
    # pargs -e `pgrep -f /usr/sbin/cron`
    100657: /usr/sbin/cron
    envp[0]: LOGNAME=root
    envp[1]: LD_PRELOAD=libumem.so
    envp[2]: PATH=/usr/sbin:/usr/bin
    envp[3]: SMF_FMRI=svc:/system/cron:default
    envp[4]: SMF_METHOD=/lib/svc/method/svc-cron
    envp[5]: SMF_RESTARTER=svc:/system/svc/restarter:default
    envp[6]: TZ=GB
    envp[7]: UMEM_DEBUG=default

inetd 制御サービスのプロパティーを変更する方法

  1. 管理者になるか、Service Management 権利プロファイルを含む役割になります。

    詳細は、『Oracle Solaris の管理: セキュリティーサービス』の「管理権限を取得する方法」を参照してください。

  2. 特定のサービスのプロパティーを一覧表示します。

    このコマンドを実行すると、FMRI で指定されたサービスのすべてのプロパティーが表示されます。

    # inetadm -l FMRI
  3. サービスのプロパティーを変更します。

    inetd 制御サービスの各プロパティーは、プロパティー名とその値によって定義されます。値を指定せずにプロパティー名を指定した場合、そのプロパティーはデフォルト値にリセットされます。特定のサービスのプロパティーの詳細については、そのサービスのマニュアルページを参照してください。

    # inetadm -m FMRI property-name=value
  4. プロパティーが変更されたことを確認します。

    プロパティーを再度一覧表示し、適切に変更されていることを確認します。

    # inetadm -l FMRI
  5. 変更が適用されていることを確認します。

    プロパティーに対する変更が期待どおりに適用されていることを確認します。

例 7-13 telnettcp_trace プロパティーを変更する

次の例は、telnettcp_trace プロパティーを true に設定する方法を示しています。telnet コマンドの実行後の syslog 出力の結果から、変更が適用されていることがわかります。

# inetadm -l svc:/network/telnet:default
SCOPE    NAME=VALUE
         name="telnet"
 .
 .
default  inherit_env=TRUE
default tcp_trace=FALSE
default  tcp_wrappers=FALSE
# inetadm -m svc:/network/telnet:default tcp_trace=TRUE
# inetadm -l svc:/network/telnet:default
SCOPE    NAME=VALUE
         name="telnet"
 .
 .
default  inherit_env=TRUE
         tcp_trace=TRUE
default  tcp_wrappers=FALSE
# telnet localhost
Trying 127.0.0.1...
Connected to localhost.
Escape character is '^]'.
login: root
Password: 
.
.
.
Last login: Mon Jun 21 05:55:45 on console
Sun Microsystems Inc.   SunOS 5.10      s10_57  May 2004
# ^D
Connection to localhost closed by foreign host.
# tail -1 /var/adm/messages
Jun 21 06:04:57 yellow-19 inetd[100308]: [ID 317013 daemon.notice] telnet[100625]
    from 127.0.0.1 32802

サービスのカスタマイズを削除する方法

inetd 制御サービスのコマンド行引数を変更する方法

  1. 管理者になるか、Service Management 権利プロファイルを含む役割になります。

    詳細は、『Oracle Solaris の管理: セキュリティーサービス』の「管理権限を取得する方法」を参照してください。

  2. 特定のサービスの exec プロパティーを表示します。

    このコマンドを実行すると、FMRI で指定されたサービスのすべてのプロパティーが表示されます。grep コマンドを追加することで、サービスの exec プロパティーに出力を制限しています。

    # inetadm -l FMRI|grep exec
  3. サービスの exec プロパティーを変更します。

    exec プロパティーに設定される command-syntax は、サービス起動時に実行されるコマンド文字列を定義します。

    # inetadm -m FMRI exec="command-syntax"
  4. プロパティーが変更されたことを確認します。

    プロパティーを再度一覧表示し、適切に変更されていることを確認します。

    # inetadm -l FMRI

例 7-14 ftp コマンドに接続ロギング (-l) オプションを追加する

この例では、ftp デーモンの起動オプションに -l オプションを追加しています。この変更が適用されたことを確かめるには、ftp ログインセッション完了後に syslog 出力を調べます。

# inetadm -l svc:/network/ftp:default | grep exec
        exec="/usr/sbin/in.ftpd -a"
# inetadm -m svc:/network/ftp:default exec="/usr/sbin/in.ftpd -a -l"
# inetadm -l svc:/network/ftp:default
SCOPE    NAME=VALUE
         name="ftp"
         endpoint_type="stream"
         proto="tcp6"
         isrpc=FALSE
         wait=FALSE
         exec="/usr/sbin/in.ftpd -a -l"
 .
 .
# ftp localhost
Connected to localhost.
220 yellow-19 FTP server ready.
Name (localhost:root): mylogin
331 Password required for mylogin.
Password:
230 User mylogin logged in.
Remote system type is UNIX.
Using binary mode to transfer files.
ftp> quit
221-You have transferred 0 bytes in 0 files.
221-Total traffic for this session was 236 bytes in 0 transfers.
221-Thank you for using the FTP service on yellow-19.
221 Goodbye.
# tail -2 /var/adm/messages
Jun 21 06:54:33 yellow-19 ftpd[100773]: [ID 124999 daemon.info] FTP LOGIN FROM localhost 
     [127.0.0.1], mylogin
Jun 21 06:54:38 yellow-19 ftpd[100773]: [ID 528697 daemon.info] FTP session closed

inetd.conf エントリを変換する方法

次の手順では、inetd.conf エントリを SMF サービス目録に変換します。inetd に依存する Sun 以外のアプリケーションをシステムに追加するたびに、この手順を実行する必要があります。また、/etc/inetd.conf 内のエントリに設定変更を行う必要がある場合にも、この手順を実行してください。

  1. 管理者になるか、Service Management 権利プロファイルを含む役割になります。

    詳細は、『Oracle Solaris の管理: セキュリティーサービス』の「管理権限を取得する方法」を参照してください。

  2. inetd.conf エントリを変換します。

    inetconv コマンドは、選択されたファイル内の各エントリをサービス目録に変換します。

    # inetconv -i filename

例 7-15 /etc/inet/inetd.conf エントリを SMF サービス目録に変換する

# inetconv -i /etc/inet/inetd.conf