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リンカーとライブラリ Oracle Solaris 11 Information Library (日本語) |
さまざまなセクションがプログラム情報と制御情報を保持します。次の表に示すセクションはシステムで使用されますが、これらのセクションには指定された型と属性が存在します。
表 12-10 ELF 特殊セクション
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プログラムのメモリーイメージで使用される、初期化されていないデータ。システムは、プログラムが実行を開始すると 0 でデータを初期化することになっています。このセクションは、セクション型 SHT_NOBITS で示しているとおり、ファイル領域を占めません。
コメント情報 (通常、コンパイルシステムのコンポーネントが使用)。このセクションは、mcs(1) により操作できます。
プログラムのメモリーイメージで使用される、初期化済みのデータ。
動的リンク情報。詳細は、「動的セクション」を参照してください。
動的リンクに必要な文字列 (もっとも一般的には、シンボルテーブルエントリに関連付けられている名前を表す文字列)。
動的リンクシンボルテーブル。詳細は、「シンボルテーブルセクション」を参照してください。
スタックを戻すために使用する呼び出しフレーム情報。
このセクションを含む実行可能ファイルまたは共有オブジェクトの単一の終了関数で使用される実行可能命令。詳細は、「初期設定および終了ルーチン」を参照してください。
このセクションを含む実行可能ファイルまたは共有オブジェクトの単一の終了配列に使用される関数ポインタの配列。詳細は、「初期設定および終了ルーチン」を参照してください。
大域オフセットテーブル。詳細は、「大域オフセットテーブル (プロセッサ固有)」を参照してください。
シンボルハッシュテーブル。詳細は、「ハッシュテーブルセクション」を参照してください。
このセクションを含む実行可能ファイルまたは共有オブジェクトの単一の初期化関数で使用される実行可能命令。詳細は、「初期設定および終了ルーチン」を参照してください。
このセクションを含む実行可能ファイルまたは共有オブジェクトの単一の初期化配列に使用される関数ポインタの配列。詳細は、「初期設定および終了ルーチン」を参照してください。
プログラムインタプリタのパス名。詳細は、「プログラムインタプリタ」を参照してください。
x64 固有の初期化されていないデータ。このデータは .bss に似ていますが、2G バイトを超えるセクションをサポートする点が異なります。
x64 固有の初期化済みデータ。このデータは .data に似ていますが、2G バイトを超えるセクションをサポートする点が異なります。
x64 固有の読み取り専用データ。このデータは .rodata に似ていますが、2G バイトを超えるセクションをサポートする点が異なります。
「注釈セクション」に記載された形式の情報。
プロシージャーのリンクテーブル。詳細は、「プロシージャーのリンクテーブル (プロセッサ固有)」を参照してください。
このセクションを含む実行可能ファイルまたは共有オブジェクトの単一の「初期設定前」の配列に使用される関数ポインタの配列。詳細は、「初期設定および終了ルーチン」を参照してください。
特定のセクションに適用されない再配置情報。このセクションの用途の 1 つは、レジスタの再配置です。詳細は、「レジスタシンボル」を参照してください。
再配置情報 (詳細は、「再配置セクション」を参照)。再配置が存在する読み込み可能セグメントがファイルに存在する場合、これらのセクションの属性として SHF_ALLOC ビットがオンになります。そうでない場合、このビットはオフになります。慣例により、name は再配置が適用されるセクションの名前になります。したがって、.text の再配置セクションには、通常 .rel.text または .rela.text という名前が存在します。
読み取り専用データ (通常はプロセスイメージの書き込み不可セグメントに使用)。詳細は、「プログラムヘッダー」を参照してください。
セクション名。
文字列。通常は、シンボルテーブルエントリに関連付けられた名前を表す文字列です。シンボル文字列テーブルが存在する読み込み可能セグメントがファイルに存在する場合、セクションの属性として SHF_ALLOC ビットがオンになります。そうでない場合、このビットはオフになります。
シンボルテーブル (詳細は、「シンボルテーブルセクション」を参照)。シンボルテーブルが存在する読み込み可能セグメントがファイルに存在する場合、セクションの属性として SHF_ALLOC ビットがオンになります。そうでない場合、このビットはオフになります。
このセクションには、.symtab による指定に従い、特別なシンボルテーブルセクションインデックス配列が保持されます。関連付けられたシンボルテーブルセクションに SHF_ALLOC ビットが含まれる場合、このセクションの属性も SHF_ALLOC ビットを含みます。そうでない場合、このビットはオフになります。
このセクションには、プログラムのメモリーイメージで使用される、初期化されていないスレッド固有データが格納されます。データが新しい実行フロー用に具体化されると、システムはデータを 0 で初期化します。このセクションは、セクション型 SHT_NOBITS で示しているとおり、ファイル領域を占めません。詳細は、第 14 章スレッド固有領域 (TLS)を参照してください。
これらのセクションは、プログラムのメモリーイメージで使用される、初期化されたスレッド固有データを保持します。その内容のコピーは、それぞれ新しい実行フロー用にシステムによって具体化されます。詳細は、第 14 章スレッド固有領域 (TLS)を参照してください。
プログラムの「テキスト」すなわち実行可能命令。
プログラムのメモリーイメージで使用される、共有オブジェクト用の部分的に初期化されたデータ。データは実行時に初期化されます。このセクションは、セクション型 SHT_NOBITS で示しているとおり、ファイル領域を占めません。
機能要件。詳細については、「機能セクション」を参照してください。
機能連鎖テーブル。詳細については、「機能セクション」を参照してください。
機能シンボル情報。詳細については、「機能セクション」を参照してください。
dldump(3C) により作成される動的実行可能ファイルのヒープ。
.SUNW_ldynsym と .dynsym の結合シンボルテーブル内のシンボルへのインデックスの配列。インデックスは、アドレスの昇順にシンボルを参照するようにソートされます。変数を表現しないシンボルまたは関数を表現しないシンボルは取り込まれません。大域シンボルとウィークシンボルが冗長な場合には、ウィークシンボルのみが残ります。詳細は、「シンボルソートセクション」を参照してください。
.SUNW_ldynsym と .dynsym の結合シンボルテーブル内のスレッド固有領域シンボルへのインデックスの配列。インデックスは、オフセットの昇順にシンボルを参照するようにソートされます。TLS 変数を表現しないシンボルは取り込まれません。大域シンボルとウィークシンボルが冗長な場合には、ウィークシンボルのみが残ります。詳細は、「シンボルソートセクション」を参照してください。
.dynsym セクションを拡張します。このセクションには、完全な .symtab セクションを使用できない状況で使用される局所関数シンボルが含まれます。リンカーは常に、.SUNW_ldynsym セクションのデータを .dynsym セクションの直前に並べて配置します。両方のセクションは常に同じ .dynstr 文字列テーブルセクションを使用します。この配置と構成により、両方のシンボルテーブルを 1 つの大きなシンボルテーブルとして処理することができます。「シンボルテーブルセクション」を参照してください。
部分的に初期化されたデータに関する追加情報。詳細は、「移動セクション」を参照してください。
再配置情報 (詳細は、「再配置セクション」を参照)。このセクションは再配置セクションが連結されたものであり、個々の再配置レコードに対するより良い参照のローカル性 (局所性) を与えます。再配置レコードのオフセットのみが意味があり、したがってセクション sh_info の値は 0 です。
シンボルテーブルの追加情報。詳細は、「Syminfo テーブルセクション」を参照してください。
バージョン情報。詳細は、「バージョン管理セクション」を参照してください。
ドット(.) 接頭辞付きのセクション名は、システムで予約されています。これらのセクションの既存の意味が満足できるものであれば、アプリケーションはこれらのセクションを使用できます。アプリケーションは、ドット (.) 接頭辞なしの名前を使用して、システムで予約されたセクションとの競合を回避することができます。オブジェクトファイル形式では、予約されていないセクションを定義できます。オブジェクトファイルには、同じ名前を持つ複数のセクションが存在できます。
プロセッサアーキテクチャー用に予約されるセクション名は、アーキテクチャー名の省略形をセクション名の前に入れることで作成されます。セクション名の前に、e_machine に対して使用されるアーキテクチャー名を入れる必要があります。たとえば、.Foo.psect は、FOO アーキテクチャーで定義される psect セクションです。
既存の拡張セクションは、従来から使用されている名前をそのまま使用しています。