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Oracle Solaris Studio 12.3: OpenMP API ユーザーガイド     Oracle Solaris Studio 12.3 Information Library (日本語)
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ドキュメントの情報

はじめに

1.  OpenMP API について

2.  OpenMP プログラムのコンパイルと実行

3.  実装によって定義される動作

4.  入れ子並列処理

4.1 実行モデル

4.2 入れ子並列処理の制御

4.2.1 OMP_NESTED

4.2.2 OMP_THREAD_LIMIT

4.2.3 OMP_MAX_ACTIVE_LEVELS

4.3 入れ子並列領域での OpenMP ライブラリルーチンの使用

4.4 入れ子並列処理を使う際のヒント

5.  タスク化

6.  変数の自動スコープ宣言

7.  スコープチェック

8.  パフォーマンス上の検討事項

A.  指令での節の記述

索引

4.1 実行モデル

OpenMP は並列実行の fork-join モデルを使用しています。スレッドは並列構文を検出すると、自身を含めほかのスレッドとチームを構成します (ほかのスレッドがまったくないこともあります)。並列構文を検出したスレッドは、このチームのマスタースレッドとなり、チーム内のその他のスレッドは、スレーブスレッドとなります。すべてのスレッドは、並列構文内のコードを実行します。各スレッドは並列構文内での処理を終了すると、その並列構文の最後にある暗黙バリアーで待ち状態となります。チーム内のすべてのスレッドがバリアで待ち状態に入れば、スレッドは解放されます。マスタースレッドだけは並列構文の処理が終了したあとも続けてユーザーコードを実行しますが、スレーブスレッドは今度は別のチームを構成するための呼び出しの待ち状態に入ります。

OpenMP での並列領域は、互いに入れ子にすることができます。スレッドが並列領域内で並列構文を検出してチームを作成する際に、入れ子並列処理が無効になっていると、チームに含まれるスレッドは並列構文を検出したスレッドだけとなります。入れ子並列処理が有効になっていれば、複数のスレッドでチームが作成されます。

OpenMP 実行時ライブラリにはスレッドがプールされていて、並列領域内でのスレーブスレッドとして使用されます。あるスレッドが並列構文の検出時に複数のスレッドで構成されるチームを作成する必要がある場合は、そのスレッドは、最初にプールを調べてアイドル状態のスレッドを選択し、自身のチームのスレーブスレッドにします。このとき、十分な数のアイドル状態のスレッドがプールにないと、マスタースレッドが取得できるスレーブスレッドの数は必要な数を満たさないこともあります。チームが並列領域での処理を完了すると、スレーブスレッドはプールに返されます。