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Oracle Solaris Cluster システム管理 Oracle Solaris Cluster 4.0 (日本語) |
1. Oracle Solaris Cluster の管理の概要
2. Oracle Solaris Cluster と RBAC
5. グローバルデバイス、ディスクパス監視、およびクラスタファイルシステムの管理
Oracle Solaris Cluster 定足数サーバーの管理
Quorum Server Software の起動および停止
定足数デバイスとは、複数のノードによって共有される共有ストレージデバイスまたは定足数サーバーで、定足数を確立するために使用される票を構成します。このセクションでは、定足数デバイスを管理するための手順について説明します。
clquorum コマンドを使用すると、定足数デバイスの管理手順をすべて実行できます。また、clsetup 対話型ユーティリティーを使用すると、いくつかの手順を行うことができます。このセクションの管理手順は、可能なかぎり clsetup ユーティリティーを使用して説明してあります。詳細は、clquorum(1CL) および clsetup(1CL) のマニュアルページを参照してください。
定足数デバイスを使用して作業する際は、次のガイドラインに注意してください。
定足数コマンドはすべて、グローバルクラスタ投票ノードで実行する必要があります。
clquorum コマンドが中断または失敗すると、定足数の構成情報は、クラスタ構成データベースで矛盾することになります。このような矛盾が発生した場合は、このコマンドを再度実行するか、clquorum reset コマンドを実行して定足数構成をリセットします。
クラスタの可用性を最高にするには、定足数デバイスによる合計の投票数が、ノードによる合計の投票数よりも少なくなるようにします。少なくなければ、すべてのノードが機能していても、すべての定足数デバイスを使用できない場合、そのノードはクラスタを形成できません。
現在定足数デバイスとして構成されているディスクは、Solaris ZFS ストレージプールには追加しないでください。構成済みの定足数デバイスを Solaris ZFS ストレージプールに追加すると、ディスクは EFI ディスクとしてラベルが変更され、また定足数構成情報が失われ、ディスクはクラスタへの定足数投票を提供しなくなります。ディスクがストレージプール内に入ると、そのディスクは定足数デバイスとして構成できます。または、ディスクの定足数デバイス構成を解除し、ディスクをストレージプールに追加した後に、そのディスクを定足数デバイスとして再構成することができます。
注 - clsetup コマンドは、ほかの Oracle Solaris Cluster コマンドに対する対話型インタフェースです。clsetup の実行時、このコマンドは適切な固有のコマンドを生成します。今回の場合は、clquorum コマンドです。これらのコマンドは、各説明の後にある例の中で示しています。
定足数構成を表示するには、clquorum show を使用します。clquorum list コマンドは、クラスタ内の定足数デバイスの名前を表示します。clquorum status コマンドは、ステータスと投票数の情報を提供します。
このセクションで示す例は、主に 3 ノードクラスタです。
表 6-1 タスクリスト : 定足数の管理
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クラスタ内の定足数デバイス上で動的再構成 (DR) を実行するときには、いくつかの問題を考慮する必要があります。
Oracle Solaris の DR 機能の説明で述べられているすべての必要条件、手順、制限は、Oracle Solaris Cluster の DR サポートにも適用されます (オペレーティングシステムでの休止操作は除く)。 したがって、Oracle Solaris Cluster ソフトウェアで DR 機能を使用する前に、Oracle Solaris の DR 機能についての説明を参照してください。 特に、DR の切り離し操作中に、ネットワークに接続されていない入出力デバイスに影響する問題について確認してください。
Oracle Solaris Cluster は、定足数デバイス用に構成されたインタフェースが存在する場合 DR 削除操作を実行できません。
DR 操作がアクティブなデバイスに影響する場合、Oracle Solaris Cluster はその操作を拒否して、その操作から影響を受けるデバイスを識別します。
定足数デバイスを削除するには、次の手順をその順番どおりに行います。
表 6-2 タスクマップ: 定足数デバイスへの動的再構成
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ここでは、定足数デバイスを追加する手順について説明します。 クラスタのすべてのノードがオンラインか確認してから、新しい定足数デバイスを追加します。クラスタに必要な定足数投票数の決定、推奨される定足数構成、および障害フェンシングについては、『Oracle Solaris Cluster Concepts Guide』の「Quorum and Quorum Devices」を参照してください。
注意 - 現在定足数デバイスとして構成されているディスクは、Solaris ZFS ストレージプールには追加しないでください。構成済みの定足数デバイスを Solaris ZFS ストレージプールに追加すると、ディスクは EFI ディスクとしてラベルが変更され、また定足数構成情報が失われ、ディスクはクラスタへの定足数投票を提供しなくなります。ディスクがストレージプール内に入ると、そのディスクは定足数デバイスとして構成できます。ディスクの定足数デバイス構成を解除し、ディスクをストレージプールに追加したあとに、そのディスクを定足数デバイスとして再構成することもできます。 |
Oracle Solaris Cluster ソフトウェアは、次の種類の定足数デバイスをサポートしています。
以下の共有 LUN
共有 SCSI ディスク
Serial Attached Technology Attachment (SATA) ストレージ
Oracle 社製 Sun ZFS Storage Appliance
Oracle Solaris Cluster Quorum Server
これらのデバイスを追加する方法については、次のセクションで説明しています。
注 - 複製されたディスクを定足数デバイスとして構成することはできません。複製されたディスクを定足数デバイスとして追加しようとすると、次のエラーメッセージが表示され、コマンドはエラーコードとともに終了します。
Disk-name is a replicated device. Replicated devices cannot be configured as quorum devices.
共有ディスク定足数デバイスは、Oracle Solaris Cluster ソフトウェアがサポートする任意の接続済みストレージデバイスです。 共有ディスクは、クラスタの複数のノードに接続されます。フェンシングをオンに構成すると、デュアルポートのディスクを定足数デバイスとして構成して、SCSI-2 または SCSI-3 (デフォルトは SCSI-2) を使用できます。フェンシングがオンに構成され、共有デバイスが 3 つ以上のノードに接続されている場合は、SCSI-3 プロトコル (2 ノードを超える場合のデフォルトのプロトコル) を使用する定足数デバイスとして共有ディスクを構成できます。SCSI オーバーライドフラグを使用すると、デュアルポートの共有ディスクで SCSI-3 プロトコルを使用するように Oracle Solaris Cluster ソフトウェアに対して指示できます。
共有ディスクのフェンシングをオフに構成した場合は、ソフトウェア定足数プロトコルを使用する定足数デバイスとしてディスクを構成できます。これは、そのディスクが SCSI-2 と SCSI-3 のどちらのプロトコルをサポートしている場合でも有効です。ソフトウェアの定足数は、SCSI Persistent Group Reservations (PGR) のフォームをエミュレートする、Oracle のプロトコルです。
注意 - 使用するディスクが SCSI (SATA など) をサポートしていない場合は、SCSI フェンシングをオフにするようにしてください。 |
定足数デバイスには、ユーザーデータが含まれているディスク、またはデバイスグループのメンバーであるディスクを使用できます。共有ディスクがある定足数サブシステムで使用されているプロトコルは、cluster show コマンドの出力の、共有ディスクの access-mode 値で確認します。
次の手順で使用されるコマンドについては、clsetup(1CL) および clquorum(1CL) のマニュアルページを参照してください。
Oracle Solaris Cluster ソフトウェアでは、共有ディスク (SCSI と SATA の両方) デバイスを定足数デバイスとして使用できます。 SATA デバイスは SCSI 予約をサポートしていないため、その種類のディスクを定足数デバイスとして構成するには、SCSI 予約フェンシングフラグをオフに構成し、ソフトウェア定足数プロトコルを使用します。
この手順を実行するには、ノードが共有するデバイス ID (Device Identifier、DID) によりディスクドライブを確認します。cldevice show コマンドを使用して、DID 名の一覧を参照します。詳細は、cldevice(1CL) のマニュアルページを参照してください。クラスタのすべてのノードがオンラインか確認してから、新しい定足数デバイスを追加します。
次の手順を実行して、SCSI または SATA デバイスを構成します。
phys-schost# プロンプトは、グローバルクラスタのプロンプトを表します。この手順は、グローバルクラスタ上で実行します。
この手順では、長形式の Oracle Solaris Cluster コマンドを使用して説明します。多くのコマンドには短縮形もあります。コマンド名の形式の長短を除き、コマンドは同一です。
# clsetup
clsetup のメインメニューが表示されます。
「定足数メニュー」が表示されます。
clsetup ユーティリティーにより、追加する定足数デバイスの種類を確認するメッセージが表示されます。
どのグローバルデバイスを使用するかを確認するメッセージが表示されます。
指定したグローバルデバイスに新しい定足数デバイスを追加するか確認を求めるメッセージが表示されます。
新しい定足数デバイスが正常に追加されると、clsetup ユーティリティーではその旨のメッセージが表示されます。
# clquorum list -v
例 6-1 共有ディスク定足数デバイスの追加
次の例は、共有ディスク定足数デバイスを追加する際に clsetup によって生成される clquorum コマンドと、検証ステップを示しています。
Become superuser or assume a role that provides solaris.cluster.modify RBAC authorization on any cluster node. [Start the clsetup utility:] # clsetup [Select Quorum>Add a quorum device] [Answer the questions when prompted.] [You will need the following information.] [Information: Example:] [Directly attached shared disk shared_disk] [Global device d20] [Verify that the clquorum command was completed successfully:] clquorum add d20 Command completed successfully. [Quit the clsetup Quorum Menu and Main Menu.] [Verify that the quorum device is added:] # clquorum list -v Quorum Type ------- ---- d20 shared_disk scphyshost-1 node scphyshost-2 node
クラスタのすべてのノードがオンラインか確認してから、新しい定足数デバイスを追加します。
phys-schost# プロンプトは、グローバルクラスタのプロンプトを表します。この手順は、グローバルクラスタ上で実行します。
この手順では、長形式の Oracle Solaris Cluster コマンドを使用して説明します。多くのコマンドには短縮形もあります。コマンド名の形式の長短を除き、コマンドは同一です。
# iscsiadm modify discovery -s enable # iscsiadm list discovery Discovery: Static: enabled Send Targets: disabled iSNS: disabled # iscsiadm add static-config iqn.LUNName,IPAddress_of_NASDevice # devfsadm -i iscsi # cldevice refresh
# /usr/cluster/bin/cldevice populate
cldevice show コマンドを使用して、DID 名の一覧を参照します。詳細は、cldevice(1CL) のマニュアルページを参照してください。
# clquorum add d20
クラスタには、scsi-2、scsi-3、またはソフトウェア定足数プロトコルのどれを使用するかを判断するためのデフォルトのルールがあります。 詳細は、clquorum(1CL) のマニュアルページを参照してください。
始める前に
Oracle Solaris Cluster Quorum Server を定足数デバイスとして追加する前に、ホストマシンに Oracle Solaris Cluster Quorum Server ソフトウェアをインストールし、定足数サーバーを起動して動作させておく必要があります。定足数サーバーのインストールについては、『Oracle Solaris Cluster ソフトウェアのインストール』の「Oracle Solaris Cluster Quorum Server ソフトウェアをインストールおよび構成する方法」を参照してください。
phys-schost# プロンプトは、グローバルクラスタのプロンプトを表します。この手順は、グローバルクラスタ上で実行します。
この手順では、長形式の Oracle Solaris Cluster コマンドを使用して説明します。多くのコマンドには短縮形もあります。コマンド名の形式の長短を除き、コマンドは同一です。
スイッチは RSTP (Rapid Spanning Tree Protocol) をサポートしています。
スイッチ上で高速ポートモードが有効になっています。
クラスタノードと定足数サーバー間ですぐに通信できるようにするには、これらの機能の 1 つが必要です。この通信がスイッチによって大幅に遅延すると、クラスタはこの通信の中断を定足数デバイスが失われたものと解釈します。
クラスフルサブネットを使用する場合は、これらの手順を実行する必要はありません。
パブリックネットワークの IP アドレスとネットマスクを含むエントリの例を次に示します。
10.11.30.0 255.255.255.0
nodename netmask + broadcast +
次のように、ホスト名とアドレスのマッピングをファイルに追加します。
ipaddress qshost1
定足数サーバーが実行中であるコンピュータのホスト名。
# clsetup
clsetup のメインメニューが表示されます。
「定足数メニュー」が表示されます。
定足数デバイスを追加することを確認するには、「yes」と入力します。
追加する定足数デバイスの種類を確認するメッセージが表示されます。
新しい定足数デバイスの名前を入力するように、clsetup ユーティリティーのプロンプトが表示されます。
定足数デバイスの名前は任意に選択できます。この名前は、今後の管理コマンドの処理だけに使用されるものです。
定足数サーバーのホスト名を入力するように、clsetup ユーティリティーのプロンプトが表示されます。
この名前で、定足数サーバーが動作するマシンの IP アドレス、またはネットワーク上のマシンのホスト名を指定します。
ホストの IPv4 または IPv6 構成に応じて、マシンの IP アドレスを /etc/hosts ファイル、/etc/inet/ipnodes ファイル、またはその両方で指定します。
注 - 指定したマシンはすべてのクラスタノードから到達可能で、定足数サーバーをマシン上で実行してある必要があります。
clsetup ユーティリティーは、定足数サーバーのポート番号を入力するようメッセージを表示します。
新しい定足数デバイスを追加するか確認を求めるメッセージが表示されます。
新しい定足数デバイスが正常に追加されると、clsetup ユーティリティーではその旨のメッセージが表示されます。
# clquorum list -v
例 6-2 定足数サーバー定足数デバイスの追加
次の例は、定足数サーバー定足数デバイスを追加する際に clsetup によって生成される clquorum コマンドを示しています。またこの例では検証ステップも示します。
Become superuser or assume a role that provides solaris.cluster.modify RBAC authorization on any cluster node. [Start the clsetup utility:] # clsetup [Select Quorum > Add a quorum device] [Answer the questions when prompted.] [You will need the following information.] [Information: Example:] [Quorum Device quorum_server quorum device] [Name: qd1] [Host Machine Name: 10.11.124.84] [Port Number: 9001] [Verify that the clquorum command was completed successfully:] clquorum add -t quorum_server -p qshost=10.11.124.84 -p port=9001 qd1 Command completed successfully. [Quit the clsetup Quorum Menu and Main Menu.] [Verify that the quorum device is added:] # clquorum list -v Quorum Type ------- ---- qd1 quorum_server scphyshost-1 node scphyshost-2 node # clquorum status === Cluster Quorum === -- Quorum Votes Summary -- Needed Present Possible ------ ------- -------- 3 5 5 -- Quorum Votes by Node -- Node Name Present Possible Status --------- ------- -------- ------ phys-schost-1 1 1 Online phys-schost-2 1 1 Online -- Quorum Votes by Device -- Device Name Present Possible Status ----------- ------- -------- ------ qd1 1 1 Online d3s2 1 1 Online d4s2 1 1 Online
このセクションでは、定足数デバイスを削除または交換するための次の手順を説明します。
定足数デバイスが削除されると、そのデバイスは定足数を確立するための投票に参加しなくなります。2 ノードクラスタでは、定足数デバイスが少なくとも 1 つは構成されている必要があります。構成されているデバイスが、クラスタの最後の定足数デバイスの場合は、clquorum(1CL) はデバイスを構成から削除できません。ノードを削除する場合は、そのノードに接続されている定足数デバイスをすべて削除してください。
phys-schost# プロンプトは、グローバルクラスタのプロンプトを表します。この手順は、グローバルクラスタ上で実行します。
この手順では、長形式の Oracle Solaris Cluster コマンドを使用して説明します。多くのコマンドには短縮形もあります。コマンド名の形式の長短を除き、コマンドは同一です。
# clquorum list -v
# clsetup
メインメニューが表示されます。
削除プロセス中に表示される質問に答えます。
# clquorum list -v
例 6-3 定足数デバイスの削除
次に、2 つ以上の定足数デバイスが構成されているクラスタから定足数デバイスを削除する例を示します。
Become superuser or assume a role that provides solaris.cluster.modify RBAC authorization on any cluster node. [Determine the quorum device to be removed:] # clquorum list -v [Start the clsetup utility:] # clsetup [Select Quorum>Remove a quorum device] [Answer the questions when prompted.] Quit the clsetup Quorum Menu and Main Menu.] [Verify that the quorum device is removed:] # clquorum list -v Quorum Type ------- ---- scphyshost-1 node scphyshost-2 node scphyshost-3 node
注意事項
定足数サーバー定足数デバイスの削除中に、クラスタと定足数サーバーホストの間の通信が失われた場合、定足数サーバーホストに関する無効な構成情報をクリーンアップする必要があります。このクリーンアップの実行に関する説明は、「期限切れの定足数サーバークラスタ情報のクリーンアップ」を参照してください。
この手順では、clquorum force オプション、-F を使用して、2 ノードクラスタから最後の定足数デバイスを削除します。 通常、不具合が起きたデバイスをまず削除し、代わりの定足数デバイスを追加します。これが 2 ノードクラスタの最後の定足数デバイスでない場合は、「定足数デバイスを削除する方法」の手順に従ってください。
定足数デバイスを追加する処理では、ノードが再構成されるため、障害のあった定足数デバイスに影響が及び、マシンでパニックが発生します。F (強制) オプションを使用すると、マシンでパニックを発生させることなく、障害があった定足数デバイスを削除できます。clquorum コマンドでは、構成からデバイスを削除できます。詳細は、clquorum(1CL) のマニュアルページを参照してください。 不具合が発生した定足数デバイスを削除したあと、clquorum add コマンドで新しいデバイスを追加することができます。「定足数デバイスの追加」を参照してください。
phys-schost# プロンプトは、グローバルクラスタのプロンプトを表します。この手順は、グローバルクラスタ上で実行します。
この手順では、長形式の Oracle Solaris Cluster コマンドを使用して説明します。多くのコマンドには短縮形もあります。コマンド名の形式の長短を除き、コマンドは同一です。
定足数デバイスに障害が発生した場合は、-F (強制) オプションを使用して、障害が発生したデバイスを削除します。
# clquorum remove -F qd1
注 - また、削除するノードを保持状態とし、定足数デバイスを clquorum removequorum コマンドを使用して削除することができます。clsetup クラスタ管理メニューオプションは、クラスタがインストールモードのときは使用できません。詳細は、「ノードを保守状態にする」および clsetup(1CL) のマニュアルページを参照してください。
# clquorum list -v
例 6-4 最後の定足数デバイスの削除
この例では、クラスタを保持モードにし、クラスタ構成で最後の定足数デバイスを削除する方法を示しています。
[Become superuser or assume a role that provides solaris.cluster.modify RBAC authorization on any cluster node.] [Place the cluster in install mode:] # cluster set -p installmode=enabled [Remove the quorum device:] # clquorum remove d3 [Verify that the quorum device has been removed:] # clquorum list -v Quorum Type ------- ---- scphyshost-1 node scphyshost-2 node scphyshost-3 node
この作業は、既存の定足数デバイスをほかの定足数デバイスに交換する場合に行います。定足数デバイスは、類似したデバイスタイプに交換することも (例: NAS デバイスをほかの NAS デバイスに置き換える)、あるいは類似点がないデバイスに交換することも (例: NAS デバイスを共有ディスクに置き換える) こともできます。
phys-schost# プロンプトは、グローバルクラスタのプロンプトを表します。この手順は、グローバルクラスタ上で実行します。
この手順では、長形式の Oracle Solaris Cluster コマンドを使用して説明します。多くのコマンドには短縮形もあります。コマンド名の形式の長短を除き、コマンドは同一です。
最初に、古いデバイスの代わりに、新しい定足数デバイスを構成に追加する必要があります。クラスタに新しい定足数デバイスを追加する方法は、「定足数デバイスの追加」を参照してください。
構成から古い定足数デバイスを削除する方法は、「定足数デバイスを削除する方法」を参照してください。
ディスク格納装置のハードウェアマニュアルのハードウェア手順を参照してください。『Oracle Solaris Cluster Hardware Administration Manual』も参照してください。
このセクションでは、定足数デバイスを保守するための次の手順を説明します。
clsetup ユーティリティーを使用すると、既存の定足数デバイスのノードリストにノードを追加したり、ノードリストからノードを削除したりできます。定足数デバイスのノードリストを変更するには、定足数デバイスを削除し、削除した定足数デバイスへのノードの物理的な接続を変更して、定足数デバイスをクラスタ構成に追加し直す必要があります。定足数デバイスが追加されると、clquorum コマンドによって、そのディスクに接続されているすべてのノードに対応する、ノードからディスクへのパスが自動的に構成されます。詳細は、clquorum(1CL) のマニュアルページを参照してください。
phys-schost# プロンプトは、グローバルクラスタのプロンプトを表します。この手順は、グローバルクラスタ上で実行します。
この手順では、長形式の Oracle Solaris Cluster コマンドを使用して説明します。多くのコマンドには短縮形もあります。コマンド名の形式の長短を除き、コマンドは同一です。
# clquorum list -v
# clsetup
メインメニューが表示されます。
「定足数メニュー」が表示されます。
指示に従います。削除するディスクの名前を問い合わせられます。
指示に従います。定足数デバイスとして使用するディスクの名前を問い合わせられます。
# clquorum list -v
例 6-5 定足数デバイスノードリストの変更
次の例に、clsetup ユーティリティーを使用して、定足数デバイスのノードリストにノードを追加したり、ノードリストからノードを削除する方法を示します。この例では、定足数デバイスの名前は d2 であり、この手順の最終目的は別のノードを定足数デバイスのノードリストに追加することです。
[Become superuser or assume a role that provides solaris.cluster.modify RBAC authorization on any node in the cluster.] [Determine the quorum device name:] # clquorum list -v Quorum Type ------- ----- d2 shared_disk sc-phys-schost-1 node sc-phys-schost-2 node sc-phys-schost-3 node [Start the clsetup utility:] # clsetup [Type the number that corresponds with the quorum option.] . [Type the number that corresponds with the option to remove a quorum device.] . [Answer the questions when prompted.] [You will need the following information:] Information: Example: Quorum Device Name: d2 [Verify that the clquorum command completed successfully:] clquorum remove d2 Command completed successfully. [Verify that the quorum device was removed.] # clquorum list -v Quorum Type ------- ----- sc-phys-schost-1 node sc-phys-schost-2 node sc-phys-schost-3 node [Type the number that corresponds with the Quorum option.] . [Type the number that corresponds with the option to add a quorum device.] . [Answer the questions when prompted.] [You will need the following information:] Information Example: quorum device name d2 [Verify that the clquorum command was completed successfully:] clquorum add d2 Command completed successfully. Quit the clsetup utility. [Verify that the correct nodes have paths to the quorum device. In this example, note that phys-schost-3 has been added to the enabled hosts list.] # clquorum show d2 | grep Hosts === Quorum Devices === Quorum Device Name: d2 Hosts (enabled): phys-schost-1, phys-schost-2, phys-schost-3 [Verify that the modified quorum device is online.] # clquorum status d2 === Cluster Quorum === --- Quorum Votes by Device --- Device Name Present Possible Status ----------- ------- -------- ------ d2 1 1 Online
clquorum コマンドを使用して定足数デバイスを保守状態にします。詳細は、clquorum(1CL) のマニュアルページを参照してください。現在、clsetup ユーティリティーにこの機能はありません。
サービスから定足数デバイスを長時間はずす場合は、その定足数デバイスを保守状態にします。定足数デバイスの定足数投票数 (quorum vote count) はゼロに設定されるため、そのデバイスが稼働中でも定足数確立の投票には参加しません。保守状態でも定足数デバイスの構成情報は保持されます。
注 - 2 ノードクラスタでは、定足数デバイスが少なくとも 1 つは構成されている必要があります。構成されているデバイスが 2 ノードクラスタの最後の定足数デバイスの場合は、clquorum は失敗してデバイスは保守状態になりません。
クラスタノードを保守状態にする方法については、「ノードを保守状態にする」を参照してください。
phys-schost# プロンプトは、グローバルクラスタのプロンプトを表します。この手順は、グローバルクラスタ上で実行します。
この手順では、長形式の Oracle Solaris Cluster コマンドを使用して説明します。多くのコマンドには短縮形もあります。コマンド名の形式の長短を除き、コマンドは同一です。
# clquorum disable device
変更するディスクデバイスの DID 名 (d4 など) を指定します。
保守状態にしたデバイスの出力は、定足数デバイスの投票数 (以下の例の Quorum device votes) がゼロになっていなければなりません。
# clquorum status device
例 6-6 定足数デバイスを保守状態にする
次に、定足数デバイスを保守状態にし、結果を検証する例を示します。
# clquorum disable d20 # clquorum status d20 === Cluster Quorum === --- Quorum Votes by Device --- Device Name Present Possible Status ----------- ------- -------- ------ d20 1 1 Offline
参照
定足数デバイスを有効にし直す方法については、「定足数デバイスを保守状態から戻す」を参照してください。
ノードを保守状態にする方法については、「ノードを保守状態にする」を参照してください。
この作業は、定足数デバイスが保守状態にある場合にその状態から定足数デバイスを戻して定足数投票数をデフォルトにリセットするときに実行します。
注意 - globaldev または node オプションのどちらも指定しない場合、定足数投票数はクラスタ全体でリセットされます。 |
定足数デバイスを構成する場合、Oracle Solaris Cluster ソフトウェアは定足数デバイスに投票数として N-1 を割り当てます (N は定足数デバイスに結合された投票の数)。たとえば、2 つのノードに接続された、投票数がゼロ以外の定足数デバイスの投票数は 1 (2マイナス1) になります。
クラスタノードと、そのクラスタノードに関係付けられた定足数デバイスを保守状態から戻す方法については、「ノードを保守状態から戻す」を参照してください。
定足数投票数の詳細は、『Oracle Solaris Cluster Concepts Guide』の「About Quorum Vote Counts」を参照してください。
phys-schost# プロンプトは、グローバルクラスタのプロンプトを表します。この手順は、グローバルクラスタ上で実行します。
この手順では、長形式の Oracle Solaris Cluster コマンドを使用して説明します。多くのコマンドには短縮形もあります。コマンド名の形式の長短を除き、コマンドは同一です。
# clquorum enable device
リセットする定足数デバイスの DID 名 (d4 など) を指定します。
# clquorum show +
例 6-7 定足数投票数 (定足数デバイス) のリセット
次に、定足数デバイスの投票数をリセットしてデフォルト設定に戻し、結果を検証する例を示します。
# clquorum enable d20 # clquorum show + === Cluster Nodes === Node Name: phys-schost-2 Node ID: 1 Quorum Vote Count: 1 Reservation Key: 0x43BAC41300000001 Node Name: phys-schost-3 Node ID: 2 Quorum Vote Count: 1 Reservation Key: 0x43BAC41300000002 === Quorum Devices === Quorum Device Name: d3 Enabled: yes Votes: 1 Global Name: /dev/did/rdsk/d20s2 Type: shared_disk Access Mode: scsi3 Hosts (enabled): phys-schost-2, phys-schost-3
定足数構成を一覧表示するには、スーパーユーザーになる必要はありません。RBAC の承認 solaris.cluster.read を提供する任意の役割になることができます。
注 - 定足数デバイスに対するノード接続の数を増減させる場合、定足数が自動的に再計算されることはありません。すべての定足数デバイスをいったん削除し、その後それらを構成に追加し直すと、正しい定足数が再構成されます。2 ノードクラスタの場合、定足数デバイスを取り外して、もとの定足数デバイスに戻す前に一時的に新しい定足数デバイスを追加します。次に一時的に追加した定足数デバイスを取り外します。
phys-schost# プロンプトは、グローバルクラスタのプロンプトを表します。この手順は、グローバルクラスタ上で実行します。
この手順では、長形式の Oracle Solaris Cluster コマンドを使用して説明します。多くのコマンドには短縮形もあります。コマンド名の形式の長短を除き、コマンドは同一です。
例 6-8 定足数構成の一覧表示
% clquorum show + === Cluster Nodes === Node Name: phys-schost-2 Node ID: 1 Quorum Vote Count: 1 Reservation Key: 0x43BAC41300000001 Node Name: phys-schost-3 Node ID: 2 Quorum Vote Count: 1 Reservation Key: 0x43BAC41300000002 === Quorum Devices === Quorum Device Name: d3 Enabled: yes Votes: 1 Global Name: /dev/did/rdsk/d20s2 Type: shared_disk Access Mode: scsi3 Hosts (enabled): phys-schost-2, phys-schost-3
この作業は、動作が不正な定足数デバイスを交換する場合に行なってください。
phys-schost# プロンプトは、グローバルクラスタのプロンプトを表します。この手順は、グローバルクラスタ上で実行します。
この手順では、長形式の Oracle Solaris Cluster コマンドを使用して説明します。多くのコマンドには短縮形もあります。コマンド名の形式の長短を除き、コマンドは同一です。
注 - 削除するデバイスが最後の定足数デバイスである場合は、必要に応じて初めにほかのディスクを新しい定足数デバイスとして追加してください。この手順により、交換作業中に障害が発生した場合も定足数デバイスが有効になります。新しい定足数デバイスを追加する方法については、 「定足数デバイスの追加」を参照してください。
定足数デバイスとしてのディスクデバイスを削除する方法については、「定足数デバイスを削除する方法」を参照してください。
ディスクデバイスを交換する場合は、ハードウェアガイドのディスク格納装置の手順を参照してください。『Oracle Solaris Cluster Hardware Administration Manual』も参照してください。
ディスクを新しい定足数デバイスとして追加する方法については、「定足数デバイスの追加」を参照してください。
クラスタ再構成時の定足数の操作を完了するまでのタイムアウトは、デフォルトで 25 秒に構成されています。定足数タイムアウトの値は、『Oracle Solaris Cluster ソフトウェアのインストール』の「定足数デバイスを構成する方法」の指示に従って増分することができます。タイムアウト値を増分する代わりに、別の定足数デバイスに切り替えるという方法もあります。
その他のトラブルシューティング情報については、『Oracle Solaris Cluster ソフトウェアのインストール』の「定足数デバイスを構成する方法」を参照してください。
注 - Oracle RAC (Oracle Real Application Clusters) では、デフォルトの定足数タイムアウトである 25 秒を変更しないでください。一部のスプリットブレーンシナリオでは、タイムアウト時間を長くすると、VIP リソースのタイムアウトが原因で Oracle RAC VIP フェイルオーバーが失敗する可能性があります。使用している定足数デバイスがデフォルトの 25 秒のタイムアウトに適合しない場合は、別の定足数デバイスを使用してください。