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Oracle Solaris Cluster Data Service for Oracle Real Application Clusters ガイド     Oracle Solaris Cluster 4.0 (日本語)
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ドキュメントの情報

はじめに

1.  Oracle RAC のサポート のインストール

2.  Oracle ファイル用のストレージの構成

3.  リソースグループの登録と構成

4.  クラスタでの Oracle RAC の実行の有効化

Oracle RAC をクラスタで実行可能にするためのタスクの概要

Oracle RAC ソフトウェアのインストール

共有ファイルシステムへのバイナリファイルと構成ファイルのインストール

Oracle Grid Infrastructure のネットワークデフォルト設定のオーバーライド

次のステップ

Oracle RAC のインストールの確認

Oracle RAC のインストールの確認方法

Oracle ASM インスタンスおよびディスクグループの作成

Oracle ASM インスタンスとディスクグループの作成方法

Oracle Grid Infrastructure フレームワークリソースの作成

Oracle Grid Infrastructure フレームワークリソースの作成方法

Oracle データベースの作成

共有ファイルシステム上のデータファイルの場所の指定方法

Oracle RAC データベースインスタンスのリソースの構成

Oracle RAC データベースインスタンスのリソースを登録および構成するためのツール

Oracle Solaris Cluster と Oracle Grid Infrastructure の相互運用の実現方法

Oracle RAC のサポート のインストールと構成の確認

Oracle RAC フレームワークリソースグループの構成の確認方法

複数所有者ボリュームマネージャーのフレームワークリソースグループの構成の確認方法

Oracle ファイル用のストレージリソースの構成の確認方法

Oracle RAC データベースインスタンスのリソースの構成の確認方法

クラスタの停止およびブートのための適切な動作の確認方法

5.  Oracle RAC のサポート の管理

6.  Oracle RAC のサポート のトラブルシューティング

7.  Oracle RAC のサポートの既存の構成の変更

A.  このデータサービスの構成例

B.  DBMS のエラーおよび記録される警告についての事前設定アクション

C.  Oracle RAC のサポート 拡張プロパティー

D.  コマンド行のオプション

索引

Oracle RAC データベースインスタンスのリソースの構成

Oracle RAC データベースインスタンスのリソースにより、データベースインスタンスを Oracle Solaris Cluster から管理できます。これらのリソースにより、Oracle Grid Infrastructure と Oracle Solaris Cluster の相互運用も可能になります。

このセクションでは、Oracle RAC データベースインスタンスのリソースの構成方法について説明します。

Oracle RAC データベースインスタンスのリソースを登録および構成するためのツール

Oracle Solaris Clusterには、グローバルクラスタまたはゾーンクラスタに存在する Oracle RAC データベースインスタンスのリソースの登録と構成を行うための次のツールが用意されています。

clsetup ユーティリティーには、Oracle RAC データベースインスタンスのリソース構成用ウィザードが用意されています。ウィザードは、コマンドの構文エラーや漏れから生じる構成エラーの可能性を低減します。また、このウィザードは、すべての必須リソースが作成され、リソース間で必要なすべての依存関係が設定されるようにします。

Oracle Solaris Cluster と Oracle Grid Infrastructure の相互運用の実現方法

このタスクを実行すると、clsetup ユーティリティーによって、Oracle Grid Infrastructure との相互運用を実現する次のリソースが作成されます。

始める前に

次の前提条件を満たしていることを確認します。

Oracle データベースが実行中かどうかを判定するには、次のように Oracle srvctl コマンドを使用します。

$ srvctl status database -d db-name

db-name には、Oracle データベースの名前を指定します。

次の情報を用意してください。

  1. クラスタの 1 つのノードで、スーパーユーザーになります。
  2. clsetup ユーティリティーを起動します。
    # clsetup

    clsetup のメインメニューが表示されます。

  3. 「データサービス」メニュー項目を選択します。

    データサービスメニューが表示されます。

  4. 「Oracle Real Application Clusters」メニュー項目を選択します。

    clsetup ユーティリティーは、Oracle RAC のサポート に関する情報を表示します。

  5. Return キーを押して続行します。

    clsetup ユーティリティーは、Oracle RAC のサポート の初期構成を実行するのか、既存の構成を管理するのかを選択するよう要求します。

  6. 「Oracle RAC 構成の作成」メニュー項目を選択します。

    clsetup ユーティリティーは、Oracle RAC クラスタの場所を選択するよう求めます。この場所は、グローバルクラスタまたはゾーンクラスタのどちらかにできます。

  7. Oracle RAC クラスタの場所に対応するオプションの番号を入力し、Return キーを押します。
    • グローバルクラスタのオプションを選択した場合、clsetup ユーティリティーは、構成する Oracle RAC のコンポーネントのリストを表示します。手順 9 に進みます。
    • ゾーンクラスタのオプションを選択した場合、clsetup ユーティリティーは、必要なゾーンクラスタを選択するよう求めます。手順 8 に進みます。
  8. 必要なゾーンクラスタに対応するオプションの番号を入力し、Return キーを押します。

    clsetup ユーティリティーは、構成する Oracle RAC のコンポーネントのリストを表示します。

  9. メニュー項目「Oracle Real Application Clusters データベースインスタンス用のリソース」を選択します。

    clsetup ユーティリティーによって、当該クラスタに構成されている Oracle RAC データベースの名前の一覧が表示されます。

  10. 構成する Oracle RAC データベースの名前を指定します。
    • 名前が一覧に表示されている場合は、選択する名前に対応する番号を入力して、Return キーを押します。

      clsetup ユーティリティーによって、クラスタ上に存在する Oracle ホームディレクトリの一覧が表示されます。

    • 名前が一覧に表示されていない場合は、名前を明示的に指定します。
      1. e と入力して、Return キーを押します。

        clsetup ユーティリティーが、構成する Oracle RAC データベースの名前を入力するよう求めてきます。

      2. 構成する Oracle RAC データベースの名前を入力して、Return キーを押します。

        clsetup ユーティリティーによって、クラスタ上に存在する Oracle ホームディレクトリの一覧が表示されます。

  11. Oracle RAC ソフトウェアのインストールに使用する Oracle ホームディレクトリを指定します。
    • ディレクトリが一覧に表示されている場合は、選択するディレクトリに対応する番号を入力して、Return キーを押します。

      clsetup ユーティリティーによって、クラスタ上に構成されている Oracle システム識別子の一覧が表示されます。また、このユーティリティーによって、Oracle RAC が実行されるノードの一覧の最初にあるノードのシステム識別子を指定するよう求められます。

    • ディレクトリが一覧に表示されていない場合は、ディレクトリを直接指定します。
      1. e と入力して、Return キーを押します。

        clsetup ユーティリティーが、Oracle ホームディレクトリを入力するよう求めてきます。

      2. Oracle ホームディレクトリへのフルパスを入力して、Return キーを押します。

        clsetup ユーティリティーによって、クラスタ上に構成されている Oracle システム識別子の一覧が表示されます。また、このユーティリティーによって、Oracle RAC が実行されるノードの一覧の最初にあるノードのシステム識別子を指定するよう求められます。

  12. 構成するノードの Oracle RAC データベースインスタンスの Oracle SID を指定します。

    一覧表示されたノードのうち Oracle RAC を実行する各ノードについて、この手順を実行します。


    注 - ノードごとに、一意な Oracle SID を指定する必要があります。重複する SID を指定すると、clsetup ユーティリティーから、SID が重複しているので再入力するよう警告されます。


    • SID が一覧に表示されている場合は、選択する SID に対応する番号を入力して、Return キーを押します。

      clsetup ユーティリティーの応答は、Oracle RAC が実行されるすべてのノードについて Oracle SID を指定したかどうかによって異なります。

      • Oracle SID を指定していないノードが存在する場合は、clsetup ユーティリティから、ノードリスト内の次のノードの SID を入力するよう求められます。

      • すべてのノードの Oracle SID を指定している場合は、clsetup ユーティリティーによって、Oracle ファイルの構成済み Oracle Solaris Cluster ストレージリソースの一覧が表示されます。これらのリソースの詳細については、「Oracle ファイル用ストレージリソースの登録と構成」を参照してください。

    • SID が一覧に表示されていない場合は、その SID を明示的に指定します。
      1. e と入力して、Return キーを押します。

        clsetup ユーティリティーから、SID を入力するよう求められます。

      2. SID を入力して、Return キーを押します。

        clsetup ユーティリティーの応答は、Oracle RAC が実行されるすべてのノードについて Oracle SID を指定したかどうかによって異なります。

        • Oracle SID を指定していないノードが存在する場合は、clsetup ユーティリティから、ノードリスト内の次のノードの SID を入力するよう求められます。

        • すべてのノードの Oracle SID を指定している場合は、clsetup ユーティリティーによって、Oracle ファイルの構成済み Oracle Solaris Cluster ストレージリソースの一覧が表示されます。これらのリソースの詳細については、「Oracle ファイル用ストレージリソースの登録と構成」を参照してください。

  13. 使用するストレージリソースに対応する番号のリストをコンマ区切りまたはスペース区切りで入力して、Return キーを押します。
    • 「Oracle Automatic Storage Management (Oracle ASM)」を選択すると、clsetup ユーティリティーによって、Oracle ASM ディスクグループリソースの名前が表示されます。
    • 「その他」を選択すると、clsetup ユーティリティーによって、使用可能なスケーラブルなデバイスグループおよびスケーラブルなマウントポイントリソースが表示されます。
  14. 使用するストレージリソースのオプション番号を入力します。

    clsetup ユーティリティーは、このユーティリティーが作成する Oracle Solaris Cluster オブジェクトの名前を表示します。

  15. Oracle Solaris Cluster オブジェクトに別の名前が必要な場合は、名前を変更します。
    1. 変更する名前に対応するオプションの番号を入力し、Return キーを押します。

      clsetup ユーティリティーは、新しい名前を指定できる画面を表示します。

    2. 「新しい値」プロンプトで、新しい名前を入力し、Return キーを押します。

    clsetup ユーティリティーは、このユーティリティーが作成する Oracle Solaris Cluster オブジェクトの名前のリストに戻ります。

  16. 選択した Oracle Solaris Cluster オブジェクト名を確定するには、Return キーを押します。

    clsetup ユーティリティーは、このユーティリティーが作成する Oracle Solaris Cluster の構成に関する情報を表示します。

  17. 構成を作成するには、c と入力し、Return キーを押します。

    clsetup ユーティリティーは、構成を作成するためにこのユーティリティーがコマンドを実行していることを示す進行状況のメッセージを表示します。構成が完了した時点で、clsetup ユーティリティーは、構成を作成するためにユーティリティーが実行したコマンドを表示します。

  18. Return キーを押して続行します。

    clsetup ユーティリティーは、Oracle RAC のサポート を構成するためのオプションのリストに戻ります。

  19. (省略可能) clsetup ユーティリティーが終了するまで繰り返し q と入力し、Return キーを押します。
リソースの構成

次の表に、タスク完了時に clsetup ユーティリティーによって作成される Oracle Solaris Cluster リソースのデフォルトの構成の一覧を示します。

リソースタイプ、リソース名、およびリソースグループ
依存性
説明
リソースタイプ: SUNW.crs_framework

リソース名: crs_framework-rs

リソースグループ: rac-framework-rg

Oracle RAC フレームワークリソースに対する強い依存性。

Oracle ファイル用のすべてのスケーラブルなデバイスグループリソースに対するオフライン再起動依存関係。

共有ファイルシステムを使用し、ボリュームマネージャーを使用しない場合、このリソースは、Oracle ファイルのすべてのスケーラブルなファイルシステムマウントポイントリソースに対して、オフライン再起動依存関係を持ちます。

共有ファイルシステムもボリュームマネージャーも使用しない場合、このリソースは、ほかのどのリソースに対しても、オフライン再起動依存関係を持ちません。

Oracle Grid Infrastructure フレームワークリソース。
リソースタイプ: SUNW.scalable_rac_server_proxy

リソース名: rac_server_proxy-rs

リソースグループ: rac_server_proxy-rg

Oracle RAC フレームワークリソースに対する強い依存性。

Oracle Grid Infrastructure フレームワークリソースに対するオフライン再起動依存性。

Oracle RAC データベースサーバーのプロキシリソース。

注 - ゾーンクラスタ用のリソースの構成については、付録 A このデータサービスの構成例の図を参照してください。


また、clsetup ユーティリティーは、各種 Oracle コンポーネントが依存するスケーラブルなデバイスグループおよびスケーラブルなファイルシステムマウントポイントについて、Oracle Solaris Cluster リソースごとに Oracle Grid Infrastructure リソースを作成します。

clsetup ユーティリティーが作成する各 Oracle Grid Infrastructure リソースの名前は次のとおりです。

sun.node. sc-rs

この名前の各部分の意味は次のとおりです。

node 上のデータベースインスタンスの Oracle Grid Infrastructure リソースは、そのノード用に clsetup ユーティリティーが作成する Oracle Grid Infrastructure リソースに依存します。データベースインスタンスの Oracle Grid Infrastructure リソースは、Oracle RAC のインストールおよび構成中に作成されます。

ノード上に存在するデータベースインスタンスの Oracle Grid Infrastructure リソースの名前は次のとおりです。

ora.dbname.db

dbname 部分は、Oracle Grid Infrastructure リソースが表すデータベースインスタンスのデータベース名です。

次の手順

「Oracle RAC のサポート のインストールと構成の確認」に進みます。