この章では、Oracle Service Bus管理コンソールを使用したOracle Service Bus(OSB)プロジェクトとリソースのインポートおよびエクスポートの方法について説明します。
この章の内容は次のとおりです。
「リソースのインポート」ページは、以前他のOracle Service Busドメインからエクスポートされたプロジェクト全体のJARファイルまたはリソースJARファイルをインポートするために使用します。エクスポートされたデータの一部だけをインポートするように選択することもできます。インポート先システムにリソースがすでに存在する場合は更新されます。存在しない場合は、新たに作成されます。リソースの削除は、インポートするJARがプロジェクト全体のJARであり、インポートするJARファイルに存在しないリソースがインポート先システムの同じプロジェクトに存在する場合にのみ行われます。他のプロジェクトにあるリソースは削除されません。
プロジェクト・レベルでエクスポートされたリソースであっても、リソース・レベルでインポートすることができます。たとえば、プロジェクト全体のJARファイルにエクスポートしたシステム・リソースを、インポート時に選択解除できます。
構成をエクスポートする場合、ユーザー、グループ、または証明書はエクスポートできません。このため、エクスポートされた構成をインポートするときに、再度これらのオブジェクトを作成する必要があります。
注意: Oracle Service Bus構成に含まれないリソースのインポートの詳細は、4.15項「Zipファイルからのリソースのロード」および4.17項「URLからのリソースのロード」を参照してください。 |
セッションをまだ作成していない場合は、「作成」をクリックして新しいセッションを作成するか、「編集」をクリックして既存のセッションを入力します。3.1項「チェンジ・センターの使用」を参照してください。
「システム管理」→「リソースのインポート」を選択します。
エクスポートしたプロジェクトまたはリソースのJARファイルを選択します。
「ファイル名」フィールドで「参照」をクリックし、JARファイルが格納されているディレクトリを見つけます。
JARファイルを選択して、「開く」をクリックします。
「次へ」をクリックします。29.1.1項「インポートするプロジェクトとリソースの選択」に進みます。
インポートするプロジェクトとリソースを選択するには:
リソースJARファイルをインポートする場合に、関連するすべてのリソースが確実にインポートされるようにするには、「依存関係を含める」を選択します。
注意: 「依存関係を含める」は、プロジェクト全体のJARファイル、またはバージョン2.6以前の構成ファイルをインポートする場合には選択できません。 |
インポートしているシステムで値を保持するために「詳細設定」を表示するには、「開く」アイコンをクリックします。
リソースを再インポートする際に、既存のリソースへの変更内容を保護する場合は、「環境変数の保持」を選択します。
グローバル操作設定リソース、または関連するサービス・レベルの操作設定を含むビジネス・サービスまたはプロキシ・サービスなどの他のリソースをインポートするときに、インポートするシステムで操作値を保持する必要がある場合は、「操作値の保持」を選択します。
リソースで更新中のセキュリティ関連の既存の構成が上書きされるのを防ぐには、以下のオプションを選択します。
セキュリティおよびポリシーの構成を保持 - セキュリティの構成(アクセス制御ポリシーを除く)と、サービスに直接バインドされるWS-Policyへの参照を(WSDLへのバインドのかわりに)保持します。
詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle Service Bus開発者ガイド』のセキュリティに関する項を参照してください。
資格証明の保持 - サービス・キー・プロバイダのPKI資格証明、サービス・アカウントのユーザー名とパスワード、およびSMTPサーバー、プロキシ・サーバー、JNDIプロバイダ、UDDIレジストリのユーザー名とパスワード資格証明を保持します。
アクセス制御ポリシーの保持 - アクセス制御ポリシーを保持します。
表29-1にリソースのサマリー情報を示します。
表29-1 リソース情報
プロパティ | 説明 |
---|---|
名前 |
プロジェクトの名前。 UDDIレジストリ情報、SMTPサーバー、プロキシ・サーバー、JNDIプロバイダ、グローバル操作設定などのグローバル・リソースは、「システム」プロジェクトの下にあるそれぞれのフォルダで表示されます。 |
種類 |
リソースの種類。ここではプロジェクト。 リソースを表示および選択解除するには、プロジェクト・フォルダを展開します。 |
操作 |
リソースで実行される操作(作成、更新、削除)を表示するには、プロジェクト・フォルダを展開します。 リソースが削除されないようにするには、選択解除します。リソースの削除は、インポートするJARがプロジェクト全体のJARであり、インポートするJARファイルに存在しないプロジェクト・リソースがインポート先システムに存在する場合にのみ行われます。 |
参照 |
プロジェクト・フォルダを展開して、リソースが参照しているオブジェクトの数を表示します。 |
操作(作成、更新、または削除)の対象となるオブジェクトを選択します。
JARファイルに含まれる各オブジェクトを表示するには、ファイルのフォルダを展開します。各オブジェクトに関連付けられたチェックボックスが選択されています。
各オブジェクトに対して表示されるリソース・ファイルの詳細を表29-2に示します。
表29-2 リソース・ファイルの詳細
プロパティ | 説明 |
---|---|
名前 |
リソースの名前とパス。このパスは、プロジェクト名と、リソースが存在するフォルダ名です。 |
種類 |
Oracle Service Busリソース・タイプ。 注意: リソースに重要なセキュリティ・データが含まれる場合は、暗号化アイコンが表示されます。 注意: サービス・アカウントまたはサービス・キー・プロバイダを選択した場合、インポート中にセキュリティ設定の保持が指定されないかぎり、既存のセキュリティ・データが上書きされることがあります。29.1.3項「サービス・アカウントまたはサービス・キー・プロバイダのインポート」を参照してください。 |
操作 |
作成、更新、または削除。 リソースの削除は、インポートするJARがプロジェクト全体のJARであり、インポートするJARファイルに存在しないプロジェクト・リソースがインポート先システムに存在する場合にのみ行われます。 |
参照 |
このリソースが参照するオブジェクトの数。 |
インポートしないリソースの横のチェックボックスのチェックをはずします。
「インポート」をクリックします。
終了後
必要に応じて、29.1.2項「インポートするセキュリティ設定の指定」に進みます。または、29.1.4項「インポートの概要の確認」に進みます。
エクスポート時に暗号化されたユーザー名データおよびパスワード・データを持つリソースがJARファイルに含まれる場合は、「リソースのインポート - セキュリティ設定」ページが表示されます。
データの暗号化に使用したパスワードを入力します(29.2項「リソースのエクスポート」を参照)。
リソース・データの暗号化に使用したパスワードが不明な場合は、前へボタンをクリックし、リソースの横にあるチェックボックスを選択解除します。他の暗号化されていないリソースは、パスワードを指定せずにインポートできます。
「インポートの終了」をクリックします。
「構成データを処理しています」ポップアップ・ウィンドウが表示されます。管理コンソールで何かを行うには、このウィンドウが閉じるまで待つ必要があります。このウィンドウは、オブジェクトのインポートが完了すると自動的に閉じます。「リソースのインポート」ページに、データが正常にデプロイされたことを示すメッセージが表示されます。
終了後
29.1.4項「インポートの概要の確認」に進みます。
注意: Oracle Service Busの以前のバージョンでは、サービス・キー・プロバイダは、プロキシ・サービス・プロバイダと呼ばれていました。 |
JARファイルがAquaLogic Service Bus 3.0以降で作成され、サービス・アカウントまたはサービス・キー・プロバイダが含まれる場合、これらのリソースをユーザー名、パスワード、ローカル・ユーザーからリモート・ユーザーへのマッピング、およびそれらに含まれるキー・ペア・バインディングへのエイリアスと共にインポートすることができます。
各プロキシ・サービス・プロバイダについて、キー・ペア・バインディングへのエイリアスがPKI資格証明マッピング・プロバイダにインポートされます。このデータがエクスポート時に暗号化された場合は、データの暗号化に使用したパスワードを入力する必要があります。パスワードがわからない場合でも、暗号化されていない他のすべてのリソースはインポートできます。
サービス・アカウントまたはサービス・キー・プロバイダをインポートするときに、対応する同じ名前のリソースがドメインにすでに存在する場合は、インポートされるリソースによってドメインのリソースが上書きされます。29.1.1項「インポートするプロジェクトとリソースの選択」の説明に従って、インポート時にセキュリティ設定を保持するよう指定しないかぎり、ドメインに存在するリソースが現在のセッション中に変更された場合でも上書きされます。
表29-3にインポートのサマリー情報を示します。
表29-3 インポートの概要情報
プロパティ | 説明 |
---|---|
ステータス |
リソースが正常にインポートされたかどうか。 WSDLは、依存関係がすべてインポートされるまで、一時的に無効としてマークされる場合があります。インポート・アクションが完了すると、無効とマークされたファイルが構成サービスによって再検証されます。 |
名前 |
リソース名。 |
パス |
リソースのパス。このパスは、プロジェクト名と、リソースが存在するフォルダ名です。 |
種類 |
Oracle Service Busリソース・タイプが表示されます。 |
診断メッセージ |
このリソースのエラー・メッセージや情報メッセージが表示されます(存在する場合)。 |
「別のインポートを行う」をクリックします。
別のJARファイルをインポートするか、「チェンジ・センター」の下にある「変更の表示」をクリックして、インポートの詳細を表示することができます。3.4項「構成の変更内容の表示」を参照してください。
終了したら、「チェンジ・センター」の「アクティブ化」をクリックします。
「リソースのエクスポート」ページは、プロジェクトのエクスポートまたはリソースのエクスポートを実行するために使用します。プロジェクト全体をエクスポートする場合は、エクスポートする1つまたは複数のプロジェクトを選択できます。プロジェクトを展開するとフォルダやリソースが表示されますが、選択できるのはプロジェクト・レベルのみです。また、「依存関係を含める」を選択することはできません。
セッション内またはセッション外で作業していても、プロジェクトとリソースをエクスポートすることができます。セッション内でエクスポートする場合、リソースはセッション・リソースおよび構成が不完全または競合する場合があります。セッション外でエクスポートする場合、リソースはアクティブ化されたコア・リソースです。
Oracle Service Busでは、Oracle Service Bus管理コンソールの「セキュリティ構成」モジュールで作成するユーザー、グループ、ロールはエクスポートできません。また、WebLogic Server管理コンソールで作成した資格証明マップやその他のセキュリティ・プロバイダ・データもエクスポートできません。このデータをエクスポートするには、かわりにWebLogic Server管理コンソールを使用します。『Oracle Fusion Middleware Oracle WebLogic Serverの保護』のセキュリティ・データの移行に関する項を参照してください。
「システム管理」→「リソースのエクスポート」を選択します。
「リソースのエクスポート」ページに構成のオブジェクト・リストが表示されます。各オブジェクトの名前、タイプ、最終変更日時、参照が表示されます。
サービスでは、最終変更のタイム・スタンプには、サービス・トランスポートまたはパイプライン構成に対する変更と、サービス定義に対する変更が反映されます。ただし、そのサービスで定義されたアラートに対する変更は反映されません。
「プロジェクトのエクスポート」または「リソースのエクスポート」を選択します。
エクスポートするプロジェクトまたはリソースを選択します。「プロジェクトのエクスポート」を選択した場合、個々のリソースのチェックボックスを選択解除することはできません。
プロジェクト・フォルダを展開します。プロジェクトに含まれる各リソースの名前、タイプ、最終変更日時、参照が表示されます。
エクスポートするプロジェクトまたはリソースに対応するチェックボックスを選択します。
エクスポートしないプロジェクトまたはリソースに対応するチェックボックスのチェックをはずします。
「リソースのエクスポート」を選択した場合は、「依存関係を含める」チェックボックスを選択するか、選択解除します。このオプションを使用すると、このリソースが参照している他のリソースをすべてエクスポートできます。
「エクスポート」をクリックして、JARファイルを作成し、これをエクスポートします。
終了後
必要に応じて、29.2.1項「エクスポートするセキュリティ設定の指定」に進みます。
エクスポート対象にサービス・アカウントまたはサービス・キー・プロバイダが含まれる場合、「リソースのエクスポート - セキュリティ設定」ページが表示されます。
各サービス・アカウントに対し、そのサービス・アカウントに格納されていたデータの種類に応じて、ユーザー名およびパスワードまたはローカル・ユーザーからリモート・ユーザーへのマッピングがエクスポートされます。各プロキシ・サービス・プロバイダに対しては、PKI資格証明マッピング・プロバイダからのキー・ペア・バインディングのエイリアスがエクスポートされます。プライベート・キー、資格証明証明、またはキー・ストアのその他のデータはエクスポートされません。キー・ストアのデータは、キー・ストアのベンダーが提供するツールを使用してエクスポートする必要があります。
サービス・アカウント、プロキシ・サービス・プロバイダ、UDDIレジストリ、JNDIプロバイダ、SMTPプロバイダの各リソースにあるユーザー名およびパスワード・データをOracle Service Busで暗号化してからJARファイルにエクスポートする場合、以下の手順に従います。
「機密データの保護」チェックボックスを選択します。
パスワードを入力し、確認用にもう一度入力します。
JARをインポートする場合、パスワードを指定しない限り、暗号化したユーザー名およびパスワード・データを含むリソースはインポートされません。JAR内の他の暗号化されていないリソースは、パスワードを指定せずにインポートできます。
「エクスポートの終了」ボタンをクリックします。
「エクスポート」または「エクスポートの終了」をクリックすると、「構成データを処理しています」ポップアップ・ウィンドウが表示されます。管理コンソールで何かを行うには、このウィンドウが閉じるまでお待ちください。このウィンドウは、「ファイルのダウンロード」ダイアログ・ボックスが表示されると自動的に閉じます。
「ファイルのダウンロード」ダイアログ・ボックスで、「開く」をクリックしてエクスポートされたJARファイルを開くか、「保存」をクリックしてJARファイルをデスクトップに保存します。