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Oracle® Fusion Middleware Oracle Business Intelligence Publisher管理者ガイド
リリース11g (11.1.1)
B66709-02
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8 サーバー・プロパティの構成

この章では、キャッシュ仕様、監視と監査、およびカタログ・プロパティなどのBI Publisherサーバーのプロパティの構成方法について説明します。

内容は次のとおりです。

8.1 構成フォルダへのパスの設定

構成フォルダには、データソース接続、配信サーバー定義、スケジューラ設定などのサーバー構成設定を含むファイルが格納されます。

構成フォルダへのパスは、xmlp-server-config.xml構成ファイルに格納されています。

BI Publisherをインストールすると、これは自動的に次のように構成されます。

${xdo.server.config.dir}/repository

環境変数${xdo.server.config.dir}を使用して、xmlp-server-config.xml構成ファイルの場所へのパスが格納されます。デフォルトでは、BI Publisher構成フォルダとxmlp-server-config.xmlファイルの両方が<DOMAIN_HOME>/config/bipublisherにインストールされます。

たとえば、/OBI_HOME/user_projects/domains/bifoundation_domain/config/bipublisherなどです(図8-1を参照)。

図8-1 構成フォルダのパス

図8-1は、周囲のテキストで説明されています。

8.2 カタログの構成

BI Publisherは次のカタログ・タイプをサポートしています。

8.2.1 Oracle BI Publisherファイル・システム・カタログの構成


注意:

リポジトリ用にNFS、Windows、NASなどのファイル・システムを使用する場合、ファイル・システムのセキュリティが確保されていることを確認してください。


BI Publisherをインストールすると、デフォルトでは次の場所にカタログが構成されます。

${xdo.server.config.dir}/repository

リポジトリの場所を変更する手順は次のとおりです。

  1. カタログ」で、「カタログ・タイプ」として「Oracle BI Publisher - ファイル・システム」を選択します。

  2. 「パス」に絶対パスを入力します。

  3. 変更を適用してから、BI Publisherアプリケーションを再起動します。


注意:

リポジトリはファイル・システム内にあるため、フォルダ名およびレポート名で大文字と小文字が区別されるかどうかは、BI Publisherを実行しているプラットフォームで決まります。Windowsベースの環境の場合、リポジトリのオブジェクト名は大文字と小文字が区別されません。Unixベースの環境の場合、リポジトリのオブジェクト名は大文字と小文字が区別されます。


8.2.2 Oracle BI EEカタログを使用するためのBI Publisherの構成

BI PublisherをOracle Business Intelligence Enterprise Editionの一部としてインストールした場合、BI Publisherは、共有されたOracle BI EE(Oracle BI Presentation)のカタログを使用するように自動的に構成されます。

8.2.2.1 BI検索フィールドの構成

Oracle Business IntelligenceにOracle Secure Enterprise Search(Oracle SES)を構成している場合は、次のフィールドを構成してBI Publisherオブジェクトの全文検索を有効にしてください。

前提条件

BI Publisherのフィールドを構成する前に、まず次のことを実行しておく必要があります。

  1. Oracle Secure Enterprise Search(Oracle SES)の設定

  2. Oracle SESとOracle Business Intelligence Presentation Servicesの統合

前提条件を満たすための手順は、『Oracle Fusion Middleware Oracle Business Intelligence Enterprise Editionシステム管理者ガイド』の全文カタログ検索の構成に関する項を参照してください。

BI Publisherの次のフィールドに入力します。

  • BI検索URL: Oracle Business Intelligenceの基本URLに検索のコンテキスト名を追加したものを、次の形式で入力します。

    http://computer_name:port/bisearch

    たとえば、http://localhost:7001/bisearchなどです。

  • BI検索URL接尾辞: このフィールドは、デフォルトで「rest/BISearchQueryService/search」になります。このフィールドは編集しないでください。

  • BI検索グループ名: Oracle SESで作成した、bisearch_wsなどの検索グループ名を入力します。

  • BI検索タイムアウト: 応答で検索結果が返されるまでのOracle BI Publisherの最大待ち時間をミリ秒単位で入力します。このフィールドのデフォルト値は22000です。最小値と最大値はありません。

図8-2にBI検索フィールドを示します。

図8-2 BI検索フィールド

BI検索フィールド

8.3 一般プロパティの設定

一般的なプロパティのリージョンには、次の設定が含まれています。

8.3.1 システム一時ディレクトリ

この設定はオプションです。BI Publisherがデプロイされるディスク・ドライブに、BI Publisherを実行するのに十分なスペースがある限り、設定する必要はありません。

8.3.1.1 一時ファイルについて

BI Publisherは、次のタイプの一時ファイルおよびキャッシュ・ファイルを作成します。

一時ファイル:

  • 書式設定エンジン(FOプロセッサ、PDFフォーム・プロセッサ、PDFジェネレータなど)により作成された一時ファイル

  • データファイル

レポートが正常に生成されると、これらのファイルは削除されます。

HTML出力用の動的イメージ・ファイル:

  • 動的チャート

  • RTFテンプレート内の埋込みイメージ

キャッシュ・ファイル:

  • データ・キャッシュ

  • LOV(List of Values: 値リスト)キャッシュ

  • ドキュメント・キャッシュ

  • RTFテンプレートからのXSLキャッシュ

8.3.1.2 システム一時ディレクトリの設定

ここで一時ディレクトリを指定しない場合、一時ファイルおよび動的イメージ・ファイルはbip_deployment_directory}/xdo/tmpの下に生成されます。キャッシュ・ファイルは、{bip_deployment_directory}/xdo/cacheの下に生成されます。

このフィールドを使用して、"/disk1/BIP_Temp"などのシステム一時ディレクトリを構成すると、BI Publisherサーバーにより自動的に次のディレクトリが作成されます。

  • /disk1/BIP_Temp/xdo

  • /disk1/BIP_Temp/xdo/tmp

  • /disk1/BIP_Temp/xdo/cache

一時ファイルは、/disk1/BIP_Temp/xdo/tmpの下に生成されます。

キャッシュ・ファイルは、/disk1/BIP_Temp/xdo/cacheの下に生成されます。

動的イメージ・ファイルは、引き続き{bip_deployment_directory}/xdo/tmpディレクトリ内に作成され、この構成の影響は受けません。

BI Publisherサーバーを再起動すると、/disk1/BIP_Temp/xdoの下のファイルはすべて削除されます。


注意:

クラスタ環境でBI Publisher WebサービスのuploadReportDataChunk()またはdownloadReportDataChunk()を使用する場合は、「システム一時ディレクトリ」をクラスタ内のすべてのサーバーからアクセス可能な共有ディレクトリに設定する必要があります。

このディレクトリの絶対パスを入力する必要があります。たとえば、ディレクトリが${xdo.server.config.dir}/tempの下にある場合でも、/net/subfoldera/scratch/subfolderb/11gcat/tempのように絶対パスを入力する必要があります。

クラスタ内のすべてのサーバーについてこの手順を繰り返します。その際、「システム一時ディレクトリ」には同じ値を入力します。


8.3.1.3 システム一時ディレクトリのサイズ

サイズの要件は、生成されるデータファイルとレポートの大きさ、キャッシュを有効にしたレポートの数および同時ユーザーの数に依存します。1GBのデータを処理した後、1GBのレポートを生成する必要がある場合、一時ディスクでは、レポートを1回実行するために2GBを超えるディスク領域が必要になります。同様のサイズのレポートを10件同時に実行する必要がある場合、20GBを超えるディスク領域が必要になります。さらに、この10人のユーザーに対してデータとレポートをキャッシュする必要がある場合は、追加で20GBのディスク領域が必要になります。このキャッシュは1人のユーザー当たりであることに注意してください。

8.3.2 レポートの可変しきい値の設定

このプロパティは、ディスク上にデータをキャッシュする際のしきい値を指定します。データ量が大きい場合、データをキャッシュするとメモリーが節約されますが、処理速度が遅くなります。値はバイト単位で入力します。このプロパティのデフォルト値および一般的な推奨値は、10000000(10メガバイト)です。

8.3.3 データベース・フェッチ・サイズの設定

このプロパティは、必要となる行が増えた場合に、データベースから一度にフェッチする行数を指定します。この設定をデータ・モデル・レベルでオーバーライドするには、データ・モデルの一般プロパティでデータベース・フェッチ・サイズを設定します(『Oracle Fusion Middleware Oracle Business Intelligence Publisherデータ・モデリング・ガイド』のデータ・モデル・プロパティの入力に関する項を参照)。どちらの値も設定されていない場合、システムのデフォルト値である300が使用されます。

8.4 サーバーのキャッシュ仕様の設定

BI Publisherがレポートを処理する場合、データおよびレポート・ドキュメントはキャッシュに格納されます。アイテムごとに別個のキャッシュ・ファイルが作成されます。次のプロパティを設定して、このキャッシュのサイズと有効期限を構成します。

BI Publisherでは、レポートを処理するときにレポート定義がメモリーに格納されます。これにより、その後、同じレポートに対するリクエストが発生したときに、レポート定義をディスクからではなく、メモリーから取得することができます。このキャッシュを構成するには、次のプロパティを設定します。


注意:

レポート固有のデータセットのキャッシュは、レポート・プロパティとして設定できます。『Oracle Fusion Middleware Oracle Business Intelligence Publisherレポート・デザイナーズ・ガイド』のレポート・プロパティの構成に関する項を参照してください。


8.5 データベース・フェイルオーバーの再試行プロパティの設定

これらのプロパティは、BI Publisherが定義済のJDBCまたはJNDI接続を介したデータソースへの接続に失敗した場合に、データベースのバックアップ接続に切り替えるまでに実行される再試行回数を制御します。

8.6 監視と監査の有効化

この設定を行うと、BI Publisherの監査と監視が可能になります。パフォーマンスの監視では、問合せ、レポートおよびドキュメント生成のパフォーマンスを監視したり、収集した詳細情報を分析できます。

システムのパフォーマンス監視とユーザー監査を行う場合は、まず「サーバー構成」ページで「監視と監査の有効化」チェック・ボックスを選択します。詳細は、第13.5項「パフォーマンスの監視とユーザー監査について」を参照してください。

8.7 レポート・ビューアのプロパティの設定

「レポート・ビューア構成」タブでは、レポート・ビューアのプロパティである「「適用」ボタンの表示」の設定ができます。

Trueに設定されている場合は、レポート・ビューアでパラメータ・オプションのあるレポートに「適用」ボタンが表示されます。パラメータ値を変更した場合、新しい値でレポートを表示するためには、ユーザーは「適用」をクリックする必要があります。

Falseに設定されている場合は、レポート・ビューアに「適用」ボタンは表示されません。新しいパラメータ値を入力する場合は、ユーザーが新しい値の選択や入力を終えると、自動的にレポートが表示されます。

また、このプロパティをレポート・レベルで設定すると、システムの設定をオーバーライドできます。レポート・レベルでのプロパティ設定の詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle Business Intelligence Publisherレポート・デザイナーズ・ガイド』のレポートのパラメータ設定の構成に関する項を参照してください。