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Oracle® Fusion Middlewareコンセプト・ガイド
11gリリース1(11.1.1)
B55897-04
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3 Oracle Fusion Middlewareのコンポーネントの概要

この章では、Oracle Fusion Middlewareのコンポーネントの概要を示します。次のセクションが含まれます:

3.1 Oracle WebLogic Serverの理解

Oracle WebLogic Serverは、スケーラブルな企業向けのJava Platform, Enterprise Edition(Java EE)アプリケーション・サーバーです。Oracle WebLogic Serverのインフラストラクチャは、様々な分散アプリケーションのデプロイメントをサポートしており、SOAに基づいてアプリケーションを構築するための理想的な基盤です。

Java EEは、Javaプログラミング言語においてサーバー・プログラミング用に広く使用されているプラットフォームです。Java EEプラットフォームでは、JavaのStandard Editionとは異なり、主にアプリケーション・サーバー上で実行されるモジュール形式のコンポーネントに基づいて、フォルト・トレラントな分散多層Javaソフトウェアをデプロイする機能を提供するライブラリが追加されています。

企業は、Oracle WebLogic Serverにより、Java EEの実装だけでなく、堅牢でセキュアな高可用性のある管理しやすいスケーラブルな環境にビジネスクリティカルなアプリケーションをデプロイすることができます。これらの特徴により、企業はOracle WebLogic Serverインスタンスのクラスタを構成し、ロードを分散し、ハードウェアまたはその他の障害が発生した際にかわりとなる処理能力を提供できます。新しい診断ツールにより、システム管理者はデプロイ済アプリケーションのパフォーマンスやOracle WebLogic Serverの環境自体を監視および調整できます。また、人による操作を介さずにアプリケーション・スループットを自動的に監視および調整するようにOracle WebLogic Serverを構成することもできます。広範なセキュリティ機能により、サービスへのアクセスが保護され、企業データの機密が保護され、悪質な攻撃が防止されます。

詳細は、Oracle Fusion Middleware Oracle WebLogic Server管理コンソール・オンライン・ヘルプを参照してください。

3.2 Oracle SOA Suiteの理解

Oracle SOA Suiteは、Oracle Fusion Middlewareのミドルウェア・コンポーネントです。Oracle SOA Suiteでは、サービスを作成および管理し、SOAコンポジット・アプリケーションにまとめることができます。コンポジット・アプリケーションを使用すると、複数のテクノロジ・コンポーネントを1つのSOAコンポジット・アプリケーション内に容易に収集できます。Oracle SOA Suiteは異機種インフラストラクチャにプラグイン可能なため、企業はSOAを段階的に採用できます。

詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle SOA SuiteおよびOracle Business Process Management Suite管理者ガイド』を参照してください。

3.3 Oracle Identity Managementの理解

Oracle Identity Managementは、企業のリソース内のユーザーのアクセス権限を自動的に管理するエンタープライズID管理システムです。Oracle Identity Managementのアーキテクチャは、既存のインフラストラクチャ、ポリシーまたはプロシージャを変更することなく、要求の厳しいビジネス要件の大部分に対応します。Oracle Identity Managementコンポーネントは、最初のアクセス権限の作成から企業のビジネス要件の変化に対する動的な対応に至るまでID管理ライフサイクル全体を管理します。

Oracle Identity Management製品は、すべてのOracleアプリケーションに共有インフラストラクチャを提供します。また、サード・パーティのエンタープライズ・アプリケーションの開発を容易にするサービスやインタフェースも提供します。これらのインタフェースは、アプリケーションにID管理を組み込む必要のあるアプリケーション開発者にとって有用です。

Oracle Identity Management 11gリリース1には、次のコンポーネントが含まれます。

Oracle Identity and Access Management 11gリリース1には、次のコンポーネントが含まれます。

Oracle Identity Managementのコンポーネントの詳細は、次のドキュメントを参照してください。

Oracle Identity Management

Oracle Internet Directory

Oracle Directory Integration Platform

Oracle Virtual Directory

Oracle Directory Services Manager

Oracle Identity Federation

Oracle Identity Manager

Oracle Access Manager

Oracle Adaptive Access Manager

Oracle Identity Navigator

3.4 Oracle WebCenter Portalの理解

Oracle WebCenter Portalは、ユーザーがビジネス・アプリケーションおよびサービスと対話することができる、オープンで標準ベースかつ拡張可能なポータル・フレームワークを提供します。現代の組織が成功するために重要な、一般的に人気のある形式のWebサイト(インターネット・サイト、イントラネット、エクストラネット、ソーシャル・ネットワーク)を開発するための単一の最新フレームワークをサポートします。WebCenter Portalのアプリケーションを使用すると、ユーザーは、ビジネス・プロセスに必要な変更を行うために、必要な情報を入手したり、他のユーザーと協力することが簡単にできるようになります。

WebCenter Portalには、インスタント・メッセージ、ドキュメントおよびコンテンツの管理、ディスカッション・フォーラム、wiki、ブログ、タグ付け、アクティビティの記録、パーソナライズ、投票およびその他のWebCenter Portalサービスが含まれます。アクセシブルで合理化されたユーザー・エクスペリエンスを提供するために、Oracle WebCenter PortalはOracle WebCenter Content、Oracle Identity Management Suite、Oracle SOA Suite、Oracle Enterprise ManagerおよびOracle eBusiness SuiteだけでなくPeopleSoft、SiebelおよびJD Edwardsエンタープライズ・アプリケーションと統合され、動作保証されています。これらのツールおよびサービスによって、エンド・ユーザーおよびITでは、すべてのユーザーの創造性および知性を活用する次世代の共同ポータルを構築およびデプロイできるようになり、内部および外部の主要なビジネス・プロセスの生産性が向上します。

Oracle WebCenter Portal 11gには、インターネットWebサイト、イントラネット、エクストラネットおよびソーシャル・ネットワーキング・アプリケーションを利用している顧客を開拓するための完全な機能を提供するコンポーネントが含まれます。これらのコンポーネントには次が含まれます。

WebCenter Portalの詳細は、Oracle Fusion Middleware Oracle WebCenterポータル管理者ガイドのOracle WebCenter Portalの概要に関する項を参照してください。

3.5 Oracle Business Intelligenceの理解

Oracle Business Intelligence(BI)は、テクノロジとアプリケーションの製品ラインであり、業界で最初に統合されたエンドツーエンドのエンタープライズ・パフォーマンス管理システムです。このシステムには、BIのファウンデーションおよびツール、さらに財務実績管理アプリケーション、運用BIアプリケーションおよびデータ・ウェアハウスが含まれます。『Oracle Fusion Middleware Oracle Business Intelligence Enterprise Editionシステム管理者ガイド』を参照してください。

3.6 Oracle Business Intelligence Discovererの理解

Oracle Business Intelligence Discoverer(Oracle BI Discoverer)は、データ分析のためのビジネス・インテリジェンス・ツールであり、Oracle Fusion Middlewareの主要なコンポーネントです。最新リリースであるOracle Business Intelligence Discoverer 11gは、Discoverer Webservice APIの公開、Oracle WebCenter Portalとの統合、Oracle WebLogic Serverとの統合、Enterprise Manager(Fusion Middleware Control)との統合、そしてパフォーマンスやスケーラビリティの向上といった新機能を提供します。

詳細は、Oracle Fusion Middleware Oracle Business Intelligence Discoverer構成ガイドのOracle BI Discovererの概要に関する項を参照してください。

3.7 Oracle Portalの理解

Oracle Portalは、エンタープライズ・ポータルを構築、デプロイおよび管理するための完全な統合フレームワークを提供します。ビジネス上の可視性と協力を促進し、統合コストを削減し、確実に投資を保護する、すべてのエンタープライズ情報およびサービスへのセキュアな統一アクセス・ポイントを提供するのは、Oracle Portalのみです。

Oracle Portalの詳細は、Oracle Fusion Middleware Oracle Portal管理者ガイドを参照してください。

3.8 Oracle Reportsの理解

Oracle Reportsは、スケーラブルかつセキュアな環境で、組織の内外からすべてのレベルの情報に直接アクセスできるようにするエンタープライズ・レポート作成ツールです。

Oracle Reportsを使用することにより、Oracleデータベース、JDBC、XMLおよびテキスト・ファイルを含むあらゆるデータ・ソースに対して、洗練されたWebおよび紙のレポートを迅速に開発およびデプロイできます。JSPやXMLといったJava EEテクノロジを活用することで、スケーラブルかつ効率的な方法で任意の宛先に様々な形式でレポートを公開できます。

Oracle Reportsの詳細は、Oracle Fusion Middleware Oracle Reports ServicesレポートWeb公開ガイドを参照してください。

3.9 Oracle Forms Servicesの理解

Oracle Forms Servicesは、複合トランザクションFormsアプリケーションをイントラネットやインターネットなどのネットワークにデプロイするための中間層アプリケーション・フレームワークです。開発者は、Oracle Forms Builderを使用してFormsアプリケーションをビルドし、Oracle Forms Servicesを使用してそれらをデプロイします。

詳細は、次のマニュアルを参照してください。

3.10 Oracle HTTP Serverの理解

Oracle HTTP Server (OHS)は、Oracle Fusion Middlewareがサポートするすべてのプログラミング言語およびテクノロジの基盤となるデプロイメント・プラットフォームです。これは、Webリスナーと、Webを介して静的および動的なページやアプリケーションをホストするフレームワークを提供します。Apache 2.2.10インフラストラクチャの実績あるテクノロジを基盤とするOHSには、ロード・バランシング、管理および構成を容易にする重要な拡張が組み込まれています。さらに、拡張モジュール(mod)も多数用意されており、これらをHTTPサーバーに追加することで他のエンタープライズ・アプリケーションやサービス向けの機能を拡張できます。

OHSには、オラクル社が開発したモジュールが組み込まれています。シングル・サインオン、クラスタ・デプロイメント、および高可用性の機能によって、Oracle HTTP Serverの動作が向上しています。

OHSにより、開発者は、Java、Perl、C、C++、PHP、PL/SQLなどの様々な言語およびテクノロジでサイトをプログラミングできます。さらに、これは、フォワードまたはリバース・プロキシ・サーバーとして動作できます。

OHSの詳細は、Oracle Fusion Middleware Oracle HTTP Server管理者ガイドを参照してください。

3.11 Oracle Web Servicesの理解

Webサービスは、ネットワーク上の他のシステムから利用可能な1つのアプリケーションにパッケージされた一連の関数です。ネットワークは企業イントラネットでもインターネットでも構いません。Webサービスは、大部分のシステムに備わっている基本的な標準テクノロジに依存しているため、分散システムを相互接続する場合に適した方法です。これらは、Webベースの分散アプリケーションのコンポーネントとして共有および使用できます。カスタマ・リレーションシップ・マネジメント・システム、注文処理システム、他の既存のバックエンド・アプリケーションなどその他のシステムでは、Webサービス関数をコールし、データを要求したり、操作を実行できます。

Oracle Fusion Middleware 11gのWebサービスの概要、各カテゴリでサポートされているWebサービスとクライアントの説明、およびOracle Fusion Middleware Webサービスの実装のロードマップの詳細は、Oracle Fusion Middleware Webサービスの紹介を参照してください。

3.12 Oracle WebCenter Contentの理解

Oracle WebCenter Contentは、デジタルコンテンツ管理ツールの統合スイートです。これらのツールを企業全体に使用することで、文章やデジタル画像、または電子メールといった多様なデジタルコンテンツをまとめて追跡、管理および処理できます。この統合製品スイートには、ポータル、Webの操作性管理、コンテンツ、ソーシャル、およびコラボレーションの各テクノロジの製品ラインが1つに集約されています。

WebCenter Contentのツール間の相互作用を把握するために、Oracle WebCenter Contentコンセプト・ガイドを通読して、製品ファミリ全体について理解しておくことをお薦めします。

3.13 Oracle Data Integratorの理解

Oracle Data Integratorは、複雑なデータ・ウェアハウスの構築、デプロイおよび管理を目的とした完全に統合されたソリューション、あるいは、SOAまたはビジネス・インテリジェンス環境におけるデータ中心アーキテクチャの一部を提供します。また、データ移動、データ同期化、データ品質、データ管理、データ・サービスといった、データ統合における要素をすべて兼ね備えているため、複雑なシステム全体にわたってタイムリーで正確かつ一貫した情報を確保できます。

Oracle Data Integrator (ODI)の特徴は、データ統合のあらゆるスタイル(データ中心、イベント中心、サービス中心)を組み込んだアクティブな統合プラットフォームです。ODIでは、大量のデータの効率的な変換、高度なチェンジ・データ・キャプチャ(CDC)機能によるリアルタイムのイベント処理、Oracle SOA Suiteに対するデータ・サービスの提供によって、分断化状態の統合が統一されます。また、堅牢なデータ整合性制御機能によって、データの一貫性と正確性が保証されます。異種のE-LT、宣言的な設計、ナレッジ・モジュールなど、中核となる強力な差別化機能によって、Oracle Data Integratorは、統合プラットフォームのパフォーマンス、柔軟性、生産性、モジュール性およびホットプラガブル性の要件を満たします。

Oracle Data Integratorの詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle Data Integrator開発者ガイド』を参照してください。