Oracle® Fusion Middleware Oracle Business Intelligenceエンタープライズ・デプロイメント・ガイド 11g リリース1(11.1.1) B63036-03 |
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この章では、Oracle Business Intelligenceエンタープライズ・デプロイメントのデータベースを準備する手順について説明します。この手順には、データベースの初期設定、Oracle Business Intelligenceスキーマのロードおよびデータベースのバックアップが含まれます。
重要: セットアップのプロセスを開始する前に、『Oracle Fusion Middlewareリリース・ノート』に目を通してインストールとデプロイメントに関する補足の考慮事項を確認しておくことを強くお薦めします。 |
この章には次のトピックが含まれます。
Oracle Fusion Middlewareコンポーネントを構成する前に、データベースをインストールしてからそこにOracle Business Intelligenceスキーマをロードする必要があります。Oracle Business Intelligenceスキーマは、リポジトリ作成ユーティリティ(RCU)を使用してロードします。
エンタープライズ・トポロジでのデータ層の可用性の向上には、Oracle Real Application Clusters(Oracle RAC)データベースを強くお薦めします。Oracle Business Intelligenceをインストールすると、インストーラによって必要なスキーマを含むデータベースに接続するための情報の入力が求められます。
データベースにOracle Business Intelligenceスキーマをロードする前に、そのデータベースが次の項で説明する要件を満たしていることを確認してください。
データ層内のCUSTDBHOST1およびCUSTDBHOST2には、次の要件があります。
Oracle Clusterware
Linux用11g リリース1(11.1)については、Oracle Clusterwareのインストレーション・ガイドを参照してください。
Oracle Real Application Cluster
Linux用11gリリース1(11.1)については、『Oracle Real Application Clustersインストレーション・ガイドfor Linux and UNIX』を参照してください。Linux用10gリリース2(10.2)については、『Oracle Database Oracle ClusterwareおよびOracle Real Application Clusterインストレーション・ガイドfor Linux』を参照してください。
自動ストレージ管理 (オプション)
ASMでは、ノードが全体としてインストールされます。OracleデータベースのOracleホームとは別のOracleホームにインストールすることをお薦めします。このオプションは、runInstallerの実行時に選択できます。「構成の選択」ページで「自動ストレージ管理の構成」オプションを選択し、ASM用に個別のOracleホームを作成します。
Oracle Business Intelligenceには、サポートされているデータベースとスキーマが存在する必要があります。
使用しているデータベースが認証済かどうかの確認、または認証済のすべてのデータベースの確認を行うには、次のOracle Technology NetworkのOracle Fusion Middlewareのサポートされているシステム構成のページにあるOracle Fusion Middleware 11gリリース1(11.1.1.x)の製品領域を参照してください。
http://www.oracle.com/technology/software/products/ias/files/fusion_certification.html
データベースのリリースをチェックするには、次のようにPRODUCT_COMPONENT_VERSION
ビューに問い合せます。
SQL> SELECT VERSION FROM SYS.PRODUCT_COMPONENT_VERSION WHERE PRODUCT LIKE '%Oracle%';
データベース・キャラクタ・セットとしてAL32UTF8を備えたデータベースを使用することを強くお薦めします。データベースをインストールする場合は、AL32UTF8キャラクタ・セットを選択する必要があります。データベースでAL32UTF8をサポートしていない場合は、リポジトリ作成ユーティリティ(RCU)を実行すると、警告を受け取ります。データベースの文字セットの選択に関する情報は、データベースのドキュメントを確認してください。
複数の製品スイートが同じデータベースを共有する場合でも、製品スイートに固有のデータベース・サービスを使用することをお薦めします。また、使用されるデータベース・サービスはデフォルトのデータベース・サービスとは別のものをお薦めします。データベース・サービス作成の詳細な手順は、『Oracle Database Oracle ClusterwareおよびOracle Real Application Clusters管理およびデプロイメント・ガイド』のワークロード管理に関する章を参照してください。
ランタイム接続でのロードバランシングでは、ロード・バランシングを有効化する対象のサービスごとにサービスレベルの目標に応じたOracle RACロード・バランシング・アドバイザを構成する必要があります。Oracle RACロード・バランシング・アドバイザは、SERVICE_TIMEまたはTHROUGHPUTに対して構成できます。接続ロード・バランシングの目標は、SHORTに設定する必要があります。10gおよび11gのリリース1データベースでは、DBMS_SERVICEパッケージを使用してこの変更を行います。11gのリリース2では、かわりにsrvctl
コマンド・ユーティリティを使用します。
この項には次のトピックが含まれます:
次の手順では、DBMS_SERVICEパッケージを使用したサービスの作成および変更の例を示します。
次のようにSQL*Plusにログオンし、サービスを作成します。
prompt> sqlplus "sys/password as sysdba" SQL> EXECUTE DBMS_SERVICE.CREATE_SERVICE (SERVICE_NAME => 'biedg.mycompany.com', NETWORK_NAME => 'biedg.mycompany.com', );
注意: Oracle RACデータベースのサービス名は、小文字の文字列を使用し、その後にドメイン名が続きます。たとえば、biedg.mycompany.comのようになります。 また、ここに示した |
サービスをデータベースに追加し、srvctl
を使用してインスタンスに割り当てます。
prompt> srvctl add service -d custdb -s biedg.mycompany.com -r custdb1,custdb2
srvctl
を使用してサービスを開始します。
prompt> srvctl start service -d custdb -s biedg.mycompany.com
注意:
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該当するサービス目標に応じてサービスを変更します。
SQL>EXECUTE DBMS_SERVICE.MODIFY_SERVICE (service_name => 'biedg.mycompany.com', goal => DBMS_SERVICE.GOAL_THROUGHPUT, clb_goal =>DBMS_SERVICE.CLB_GOAL_SHORT);
または
SQL>EXECUTE DBMS_SERVICE.MODIFY_SERVICE (service_name => 'biedg.mycompany.com', goal => DBMS_SERVICE.GOAL_SERVICE_TIME, clb_goal =>DBMS_SERVICE.CLB_GOAL_SHORT);
次の手順では、srvctlユーティリティを使用したサービスの作成および変更の例を示します。
次のようにSQL*Plusにログオンし、サービスを作成します。
prompt> sqlplus "sys/password as sysdba" SQL> EXECUTE DBMS_SERVICE.CREATE_SERVICE (SERVICE_NAME => 'biedg.mycompany.com', NETWORK_NAME => 'biedg.mycompany.com', );
注意: Oracle RACデータベースのサービス名は、小文字の文字列を使用し、その後にドメイン名が続きます。たとえば、biedg.mycompany.comのようになります。 また、ここに示した |
サービスをデータベースに追加し、srvctl
を使用してインスタンスに割り当てます。
prompt> srvctl add service -d custdb -s biedg.mycompany.com -r custdb1,custdb2
srvctl
を使用してサービスを開始します。
prompt> srvctl start service -d custdb -s biedg.mycompany.com
注意:
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該当するサービス目標に応じてサービスを変更します。
prompt> srvctl modify service -d biedg -s biedg.mycompany.com -B SERVICE_TIME -j SHORT
または
prompt> srvctl modify service -d biedg -s biedg.mycompany.com -B THROUGHPUT -j SHORT
リポジトリ作成ユーティリティ(RCU)はRCU DVDから入手できます。データベースのシードに使用するRCUのバージョンは、Oracle Business Intelligenceインストールのパッチ・セット・レベルと一致している必要があります。つまり、このエンタープライズ・デプロイメントにOracle Business Intelligence 11g(11.1.1.6.0)をインストールする場合は、RCU 11g(11.1.1.6.0)を使用する必要があります。
次の手順を実行して、データベースにOracle Business Intelligenceスキーマをロードします。
リポジトリ作成ユーティリティ(RCU)のDVDを挿入してから、RCUホーム・ディレクトリのbinディレクトリでRCUを起動します。
prompt> cd RCU_HOME/bin
prompt> ./rcu
「ようこそ」画面で「次へ」をクリックします。
「リポジトリの作成」画面で、「作成」を選択してコンポーネント・スキーマをデータベースにロードします。「次へ」をクリックします。
「データベース接続の詳細」画面で、データベースの接続情報を入力します。
データベース・タイプ: 「Oracle Database」を選択します。
ホスト名: データベースが存在しているノードの名前を指定します。Oracle RACデータベースの場合は、VIP名またはノード名のいずれかをホスト名(CUSTDBHOST1-VIP
)として指定します。
ポート: データベースのリスニング・ポート番号である1521
を指定します。
サービス名: データベースのサービス名を指定します(biedg.mycompany.com
)。
ユーザー名: DBA権限またはSYSDBA権限のあるユーザーの名前(SYS
)を指定します。
パスワード: SYSユーザーのパスワードを入力します。
ロール: データベース・ユーザーのロール(SYSDBA
)をリストで選択します(SYSユーザーに必要)。
「次へ」をクリックします。
「接頭辞の新規作成」を選択し、データベース・スキーマに使用する接頭辞を入力します(DEV
、PROD
など)。6文字まで接頭辞として指定できます。接頭辞は、データベースで複数のリポジトリの論理グループを作成するために使用されます。詳細は、『Oracle Fusion Middleware Repository Creation Utilityユーザーズ・ガイド』を参照してください。
ヒント: スキーマ名を書き留めておきます。この情報は後続の手順で必要になります。 |
AS共通スキーマ: Metadata Services(自動選択されます)
Oracle Business Intelligence: Business Intelligenceプラットフォーム
「次へ」をクリックします。
「コンポーネントの選択」画面が次のように表示されます。
「スキーマ・パスワード」画面で、主要なスキーマ・ユーザーのパスワードを入力して「次へ」をクリックします。
要件に応じて、「すべてのスキーマに同じパスワードを使用」または「すべてのスキーマに異なるパスワードを指定」を選択できます。
「補助スキーマにメイン・スキーマのパスワードを使用」は選択しないでください。補助パスワードは、主要なスキーマ・ユーザーのパスワードから導出します。
ヒント: スキーマ・パスワードの名前を書き留めておきます。この情報は後続の手順で必要になります。 |
「表領域のマップ」画面で、選択したコンポーネントの表領域を選択して「次へ」をクリックします。
「サマリー」画面で「作成」をクリックします。
「完了サマリー」画面で「閉じる」をクリックします。
Oracle WSMポリシーとOWSM MDSスキーマについて
Oracle WSMポリシーを格納するには、アイデンティティ管理用のデータベースを使用することをお薦めします。そのため、OWSM MDSスキーマのアイデンティティ管理データベース情報が使用されることが予想されます。これは、その他のBIスキーマで使用されるものとは異なります。アイデンティティ管理データベースで必要なスキーマを作成するには、アイデンティティ管理データベース情報を使用して前述の手順を繰り返します。ただし、(ステップ5の)「コンポーネントの選択」画面では「AS共通スキーマ」: 「Metadata Services」のみを選択します。Oracle WSMポリシーの格納にアイデンティティ管理データベースを使用する方法の詳細は、第12章「エンタープライズ・デプロイメントとOracle Identity Managementの統合」を参照してください。
データベースにOracle Business Intelligenceスキーマをロードした場合は、バックアップを作成してからエンタープライズ・デプロイメントにソフトウェアをインストールします。
データベースをバックアップすると、今後の手順で問題が発生した場合に迅速にリカバリできます。この目的のためにデータベースのバックアップ計画を使用することも、オペレーティング・システムのツールやOracle Recovery Manager(RMAN)を使用して単純にバックアップすることもできます。データベースにはRMANを使用することをお薦めします(特に、Oracle ASMを使用してデータベースを作成した場合)。可能な場合、オペレーティング・システムのツール(tarなど)を使用してコールド・バックアップも実行できます。