ここでは、このガイドで説明されているOracle WebCenter Content Server(コンテンツ・サーバー)のシステム管理における新機能と変更機能について説明します。
このリリースには、次の新機能があります。
フォルダ移行ユーティリティにより、フォルダのコンテンツと構造が、コントリビューション・フォルダ(Folders_gコンポーネントでサポート)からフォルダ(FrameworkFoldersコンポーネントでサポート)に移行されます。詳細は、8.12項を参照してください。
JpsUserProviderによる複数の認証プロバイダのサポート。詳細は、5.2.1項、5.2.3.4項および4.5.1.2.6項を参照してください。
Sun Solarisオペレーティング・システムで実行される階層型ファイル・ストレージ・システムであるSun Storage Archive Manager(SAM-QFS)のサポート。詳細は、4.3.6項を参照してください。
Oracle Fusion Middlewareでは、アプリケーション・サーバーとしてIBM WebSphereがサポートされており、IBM WebSphereは、コンテンツ・サーバーを管理するOracle Enterprise Manager Fusion Middleware Controlの使用に影響を与えます。詳細は、Oracle Fusion Middlewareサード・パーティ・アプリケーション・サーバー・ガイドを参照してください。
GridLinkデータソースのサポート。『Oracle Fusion Middleware Oracle WebLogic Server JDBCデータ・ソースの構成と管理』を参照してください。
このガイドで追加された事項には次のものがあります。
コンテンツ・サーバーのOracle Fusion Middleware BPELコンポーネントのサポート。付録Cを参照してください。
Oracle WebCenter Content用Kofax Capture Export Connectorのサポート。付録Dを参照してください。
11gリリース1(11.1.1)の新機能は次のとおりです。
このガイドには、次のコンテンツ・サーバー10gバージョンのドキュメントにすでに記載されている情報も含まれています。
Enterprise Searchの管理
セキュリティおよびユーザー・アクセスの管理
システムの移行の管理
システム設定とプロセスの管理
システムの概要
コンポーネントの処理
Need to Knowコンポーネントのインストールおよび管理ガイド
これには、コンテンツ・サーバー構成を管理するためのOracle Enterprise Manager Fusion Middleware Controlの使用に関する章が含まれています。
コンテンツ・サーバー・インスタンスは、Oracle WebLogic ServerシステムにOracle WebCenter Content(WebCenter Content)ドメインの一部としてデプロイされ、これにより、コンテンツ・サーバー構成がいくつか変更されます。
Oracle Enterprise Manager Fusion Middleware Controlの使用: コンテンツ・サーバーの機能には、サーバーの起動と停止、特定のサーバー構成パラメータや電子メール構成パラメータの変更、ログ情報の表示、およびパフォーマンス情報の表示など、Fusion Middleware Controlのユーザー・インタフェースで管理できるものがあります。
システム・データベースへの接続: コンテンツ・サーバーは、Oracle WebLogic Serverのデータ・ソースを使用して、メタデータやその他の情報が格納されているリレーショナル・データベースと通信します。データベース接続および通信の情報は、コンテンツ・サーバーのシステム・プロパティ・ユーティリティではなく、JpsUserProviderを経由してOracle WebLogic Server管理コンソールで管理されます。そのため、JDBCユーザー名およびパスワードの情報は、コンテンツ・サーバーのconfig.cfgファイルに格納されません。(システム・プロパティ・ユーティリティを使用してJdbcUserNameなどのデータベース接続情報を設定する場合、情報は暗号化されて秘密の場所に格納され、悪質な攻撃を阻止します。)
スタンドアロン・アプリケーションとしての管理ユーティリティの実行: 特定のコンテンツ・サーバー・アプリケーションまたは管理ユーティリティをスタンドアロン・モードで(つまり、コマンドラインまたはWindowsの「スタート」メニューから)実行するには、管理者はシステム・プロパティ・ユーティリティを実行して、データベース接続情報(データベース・タイプ、データベース・ユーザー名、データベース・ユーザー・パスワードなど)をコンテンツ・サーバーのconfig.cfgファイルに入力する必要があります。この構成を実行しないと、コンテンツ・サーバーのスタンドアロンのアプリケーションおよびユーティリティは、データベースに接続できないため、スタンドアロン・モードで機能できません。管理者、またはコンテンツ・サーバー・インスタンスで作成された割当て済のローカル・ユーザーのみが、管理アプレットをスタンドアロン・モードで実行できます。
データベース接続プーリングおよび管理: コンテンツ・サーバーは、Oracle WebLogic Serverのデータベース接続プーリングのメカニズムを使用して、データベース通信を処理します。SystemDatabaseProviderはまだ存在しており、Oracle WebLogic Serverのデータ・ソースを使用して、実際のデータベース認証および通信を処理します。
デフォルトのユーザー・プロバイダ: JpsUserProviderは、コンテンツ・サーバー・インスタンスとOracle WebLogic Serverドメイン間の通信の、デフォルトのユーザー・プロバイダです。
データベース・プロバイダ: コンテンツ・サーバーの管理者は、次の2つのうちいずれかの方法で、コンテンツ・サーバー・インスタンスにデータベース・プロバイダを引き続き作成できます。1つ目の方法では、管理者は、Oracle WebLogic Serverのデータ・ソースをデータベースに作成し、コンテンツ・サーバーのデータベース・プロバイダを構成して、そのデータ・ソースを使用できます。もう1つの方法では、管理者は、Oracle WebCenter Content Serverのデータベース・プロバイダを作成して、Oracle WebLogic Serverのデータ・ソースを使用せずに、JDBCでデータベースに直接接続します。この2つ目の方法は、主にリリース10gR3のデプロイメントでこのように接続してアップグレードしているサイト向けに提供されています。
管理サーバー: 各コンテンツ・サーバー・インスタンスには、コンテンツ・サーバーの管理サーバー・インスタンスが1つ存在する必要があります。管理サーバーは、同じOracle WebLogic Serverドメインにインストールされているコンテンツ・サーバー・インスタンスのみ管理できます。管理サーバーは、サーバーの起動、停止または再起動はサポートしていませんが、構成変更、ステータス情報およびログはサポートしています。コンテンツ・サーバー・インスタンスの停止および開始は、Enterprise Manager Fusion Middleware ControlコンソールまたはOracle WebLogic Server管理コンソールで管理される必要があります。
プロキシ・サーバーおよびマスター・サーバー: Oracle WebCenter Contentは、プロキシ・コンテンツ・サーバー・インスタンスをサポートしていません。各Oracle WebLogic Serverドメインに、コンテンツ・サーバーを1つのみデプロイできます。単一のOracle WebLogic Serverドメインでは、1つのOracle WebCenter Content Serverインスタンス、1つのOracle WebCenter Content: Inbound Refineryインスタンスおよび1つのOracle WebCenter Content: Recordsインスタンスに加えて、その他のOracle WebCenter Contentアプリケーションを実行できます。複数のコンテンツ・サーバー・インスタンスを実行する場合は、各コンテンツ・サーバー・インスタンス(およびOracle WebCenter Content: Inbound RefineryインスタンスとOracle WebCenter Content: Recordsインスタンス)に対して、個別のOracle WebLogic Serverドメインが必要です。
コンテンツ・サーバー・ポート: Oracle WebCenter Content Serverソフトウェアの初期インストール後は、コンテンツ・サーバー・インスタンスはすべてのポートでリスニングしません。構成後のページでIntradocServerPort
パラメータを設定すると、コンテンツ・サーバー・インスタンスは、指定したポートでリスニングを開始します。必要に応じて、Fusion Middleware Controlを使用して、ポート番号を再構成できます。
HTTPおよびHTTPS: デフォルトでは、コンテンツ・サーバー・インスタンスはHTTPとHTTPSの両方にアクセスできます。Oracle WebLogic Server管理コンソールで、アクセス方法を構成できます。
セキュリティ構成: Oracle WebCenter Content Serverのセキュリティ構成は、別々に管理されます。ユーザー作成および認証は、Oracle Platform Services Security (OPSS)およびOracle Access Manager (OAM)を使用して、Oracle WebLogic Server管理コンソールで管理されます。シングル・サインオン(SSO)はサポートされています。
ユーザー管理: デフォルトでは、WebCenter ContentはOracle WebLogic Serverユーザー・ストアを使用して、Oracle WebCenter Content Serverのユーザー名およびパスワードを管理します。そのため、コンテンツ・サーバー・インスタンスのユーザー管理アプレットではなく、Oracle WebLogic Serverのユーザー管理ツールを使用して、ユーザー管理を実行する必要があります。すべてのユーザー認証は、Oracle WebLogic Serverユーザー・ストアに対して実行されます。管理アプレットを使用して、ローカル・ユーザーを作成し、パスワードを割り当てることができますが、Oracle WebLogic Serverユーザー・ストアでもユーザーを作成し、パスワードを割り当てる必要があります。
エンタープライズ・レベルのシステムの場合、ユーザーを認証および認可するために、Oracle WebLogic Serverユーザー・ストアではなく、Oracle Platform Security Services (OPSS)を使用できます。
システム設定およびプロセスの管理に関する新しい情報は、次のとおりです。
ファイル・ストア・システム: データを管理するファイル・ストア・システムは、コンテンツを保管および編成する従来のファイル・システムの代わりとなります。ファイル・ストア・プロバイダ・コンポーネントは、コンテンツ・サーバー・インタフェースでファイル・ストア機能を公開し、追加の構成オプションを許可します。コンテンツ・サーバーをインストールすると、デフォルトで、ファイル・ストア・プロバイダ・コンポーネントがインストール、有効化およびアップグレードされます。詳細は、4.3項を参照してください。
セキュリティおよびユーザー・アクセスの管理に関する新しい情報は、次のとおりです。
アクセス制御リスト: アクセス制御リスト(ACL)をサポートするように、コンテンツ・サーバー・インスタンスを構成できます。アクセス制御リストは、ユーザー、グループまたはエンタープライズ・ロールのリストであり、コンテンツ・アイテムに対するアクセス権限または操作権限が指定されています。詳細は、5.6項を参照してください。
拡張ユーザー属性: 拡張ユーザー属性コンポーネントによって、管理者はコンテンツ・サーバー・ユーザーに拡張属性を追加できます。拡張属性は既存のユーザー属性とマージされ、ユーザーの管理の柔軟性を向上させることができます。コンテンツ・サーバーをインストールすると、デフォルトで、拡張ユーザー属性コンポーネントがインストールおよび有効化されます。詳細は、5.9.3項を参照してください。
検索ツールの管理に関する新しい情報は、次のとおりです。
Oracle SES構成: コンテンツ・サーバー・インスタンスの外部検索エンジンとしてOracle Secure Enterprise Search(Oracle SES)を使用するように、WebCenter Contentを構成できます。詳細は、7.2項を参照してください。
SESCrawlerExport: SESクローラ・エクスポート・コンポーネントは、コンテンツ・サーバー・インスタンスにRSSフィード・ジェネレータとしてとしての機能を追加し、Oracle Secure Enterprise Search(Oracle SES)による検索を可能にします。このコンポーネントは、コンテンツ・サーバー・インスタンスの現在のコンテンツのスナップショットを生成して、Oracle SES Crawlerに提供します。詳細は、7.2.2項を参照してください。
11gリリース1(11.1.1)の変更点は次のとおりです。
Sysadminユーザー: 以前はコンテンツ・サーバー・インスタンスのシステム管理者としての役割を果たしていたsysadminユーザーは、デフォルトでは作成されなくなりました。コンテンツ・サーバー・インスタンスの管理権限を持つユーザーを明示的に作成できます。
ディレクトリ構造: インストール済のOracle WebCenter Contentシステムのディレクトリ構造が変更されました。リリース10gR3とは異なり、ランタイム・ファイル、構成ファイル、サーバー構成ファイル、ファイル・ストア、およびOracle WebCenter Content Server、Oracle WebCenter Content: Inbound Refinery、Oracle WebCenter Content: Recordsの各インスタンス間で共有する必要があるファイルは、別々の場所にある可能性があります。
WebCenter Contentのドキュメントでは、WebCenter Contentのインストール、構成およびデプロイメントに関連するディレクトリの変数を参照するするときに、次の語を使用しています。
IdcHomeDir: この変数は、WebCenter Content Serverメディアが配置されている、Oracle WebCenter Contentホームのucm/idc
ディレクトリを参照します。サーバー・メディアは、Oracle WebCenter Content Server、Oracle WebCenter Content: Inbound RefineryまたはOracle WebCenter Content: Recordsのソフトウェアを実行できます。これは、基本的に読取り専用のディレクトリです。デフォルトの場所はWC_CONTENT_ORACLE_HOME
/ucm/idc
です。デフォルトの場所の変数部分は変更可能ですが、パスをucm/idc
から変更することはできません。
DomainHome: この変数は、Oracle WebLogic Serverのアプリケーション・サーバー上で実行するためにWebCenter Contentアプリケーションがデプロイされる、ユーザー指定のディレクトリを参照します。DomainHome
/ucm/
short-product-id
/bin
ディレクトリには、intradoc.cfgファイルおよび実行可能ファイルが含まれています。DomainHome
のデフォルトの場所はMW_HOME
/user_projects/domains/
base_domain
ですが、パスおよびドメイン名(base_domain)
は、WebCenter Contentアプリケーションをアプリケーション・サーバーにデプロイするときに変更できます。
short-product-id: この変数は、アプリケーション・サーバーにデプロイされるWebCenter Content Serverのタイプを参照します。この名前はコンテキスト・ルート(デフォルトはHttpRelativeWebRoot
構成値)として使用されます。次の値を指定できます。
cs
(Oracle WebCenter Content Server)
ibr
(Oracle WebCenter Content: Inbound Refinery)
urm
(Oracle WebCenter Content: Records)
IntradocDir: この変数は、アプリケーション・サーバーにデプロイされているWebCenter Contentアプリケーションの一部であるコンテンツ・サーバー・インスタンスに固有の、構成およびデータ・ファイルのルート・ディレクトリを参照します。コンテンツ・サーバー・インスタンスのいずれかのタイプ(コンテンツ・サーバー(cs
)、Inbound Refinery(ibr
)またはRecords(urm
))用に、このIdocスクリプト変数を構成します。このディレクトリは別の場所にあってもかまいませんが、デフォルトの場所はDomainHome
/ucm/
short-product-id
です。指定したディレクトリは、インスタンス・ディレクトリへの絶対パスで、特定のサーバーまたはノードに一意である必要があります。これらのディレクトリ・ファイルには、起動ファイル(intradoc.cfgおよび実行可能ファイル)が含まれています。
OracleTextSearch: OracleTextSearchコンポーネントはWebCenter Contentメディアに組み込まれているため、OracleTextSearchエンジンは検索および索引作成のオプションの1つです。OracleTextSearchインタフェースはリポジトリ・マネージャのインデクサ機能と統合されているため、個別のOracleTextSearchページはありません。詳細は、7.1項を参照してください。