Oracle® WebCenter Contentは、各種コンテンツの管理を目的とした統合アプリケーションです。構造化されていないコンテンツを格納する統合されたリポジトリを提供し、そのコンテンツを適切な形式、および各組織の事業形態に適合する使い慣れたアプリケーションのコンテキストでビジネスユーザーに配信します。
この章の内容は、次のとおりです。
WebCenter Contentの詳細は次の各マニュアルに記載されており、それについてこの章全体で言及しています。
Oracle WebCenter Contentのインストレーション・ガイド
Oracle WebCenter Content Content Serverシステム管理者ガイド
Oracle WebCenter Content Content Server開発者ガイド
Oracle WebCenter Content Content Serverユーザーズ・ガイド
Oracle WebCenter Contentサービス・リファレンス・ガイド
Oracle WebCenter Content Idocスクリプト・リファレンス・ガイド
Oracle WebCenter Content Conversion管理者ガイド
WebCenter Content 11gはWebLogic Server (WLS)にデプロイされるようになったため、前回リリースされた内容から大幅に変更されています。この項では、それらの変更点についてまとめます。
WebCenter Contentでは、Oracle Universal Installerおよびリポジトリ作成ユーティリティ(RCU)を使用します。製品をインストールするには、Oracle WebCenter Contentのインストレーション・ガイドに記載されている次の手順を実行する必要があります。
WebLogic Suiteのインストール
更新パッチのインストール(必要な場合)
データベース・スキーマの設定
RCUの展開および実行
インストーラの展開および実行
構成ウィザードを使用したドメインの作成
ドメインでのサーバーの起動
管理対象サーバーのメモリー引数の変更やノード・マネージャの設定など、他のオプションのタスクも実行できます。
インストールおよびオプションの詳細は、Oracle WebCenter Contentのインストレーション・ガイドを参照してください。
WebCenter Contentでは、WLSデータソースを使用して、メタデータおよびその他の情報が格納されているデータベースと通信します。このデータベースの接続性および通信パラメータは、以前のようなContent Serverのシステム・プロパティ・ユーティリティではなく、WebLogic管理コンソールを使用して管理されます。
その他の管理上の変更を次にまとめます。
スタンドアロン・モードでの実行: スタンドアロン・モードでアプリケーションやユーティリティを実行するには、システム・プロパティ・ユーティリティを使用してデータベースの接続情報をconfig.cfgファイルに入力する必要があります。
接続プールの使用および管理: WLSデータソースの接続プール・メカニズムによってデータベース接続が処理されます。
IBM WebSphere Application Server (WAS)のサポートが追加されています。
ユーザー管理: WebCenter Contentでは、WLSユーザー・ストアを使用してユーザー名およびパスワードを管理します。そのため、Content Serverのユーザー管理アプレットではなく、WLSユーザー管理ツールを使用してユーザー管理を実行する必要があります。すべてのユーザー認証は、WLSユーザー・ストアに対して実行されます。管理アプレットを使用して、ユーザーを作成し、パスワードを割り当てることができますが、WLSユーザー・ストアでもユーザーを作成し、パスワードを割り当てる必要があります。
WebCenter ContentをWebLogic環境で使用する場合のその他の重要な変更について、次に概説します。詳細は、製品ドキュメントを参照してください。
管理サーバーの使用: 各Content Serverインスタンスは、管理サーバー・インスタンスを1つ持ちます。管理サーバーでは、同じWLSドメインにインストールされたContent Serverに対する管理タスクのみを実行できます。
プロキシ・サーバー: 各WLSドメインにインストールできるContent Serverは1つのみです。プロキシ設定されたContent Serverインスタンスを実行することはできなくなりました。
ポート: デフォルトで、Content Serverはいずれのポートもリスニングしなくなりました。特定のポートを使用するように構成設定を変更できます。
ログイン: WebCenter Contentでは、Basic認証のかわりにフォームベース認証を使用するログイン方法が提供されます。そのため、ブラウザを閉じることなくContent Serverからログアウトできます。
アクセス・モード: WebCenter Contentには、デフォルトで、HTTPおよびHTTPSを介したアクセスが可能です。
国際化: プロファイル・ページを使用してタイム・ゾーンを指定できます。プロファイルにロケールが指定されてない場合は、HTTPヘッダー変数からタイム・ゾーンが特定されます。
サービスおよびWLST: WLSを使用して、Content ServerをWindowsサービスのように簡単に実行することはできません。WLSTコマンドを介してアクセス可能なMbeanが用意されており、これを使用することで一部の構成パラメータを表示および設定できます。
ディレクトリ構造: ディレクトリ構造およびファイルの保存場所が大幅に変更されています。詳細は、製品ドキュメントを参照してください。
WebCenter Contentとエンタープライズ・アプリケーション(アプリケーション・サーバー、カタログ・ソリューション、パーソナライズ・アプリケーション、エンタープライズ・ポータル、およびクライアント側ソフトウェアなど)を統合する方法はいくつかあります。通常、これらの統合方法では、Oracle WebCenter Content Serverサービスの実行を目的として、メソッドおよび関連パラメータの変換または受け渡しが行われます。Content Serverサービスは、Oracle WebCenter Content内のコンテンツおよびコンテンツ管理機能にアクセスするための窓口となります。たとえば、簡単な統合オプションの1つに、WebCenter Content内で永続的なURLによって管理されているコンテンツを参照するものがあります。他の統合オプションでは、Java API、Microsoft Component Object Model (COM)インタフェースまたはActiveXコントロールを使用できるものもあります。
統合オプションの詳細は、Oracle WebCenter Content Content Server管理者ガイドを参照してください。
IdcCommandユーティリティは、Content Serverサービスを実行するスタンドアロンのJavaアプリケーションです。Content Serverのブラウザ・インタフェースまたは管理アプレットから実行できるアクションのほとんどは、IdcCommandから実行できます。
プログラムは、サービス・コマンドおよびパラメータを含むコマンド・ファイルを読み取った後、指定されたサービスを呼び出します。ログ・ファイルには、呼出しの実行時間、サービスの実行の成否、および実行エラーの有無を記録できます。
IdcCommandユーティリティは、コマンドの成否に関する情報のみを返します。対話型セッションでContent Serverから情報を取得するには、Microsoft Windowsプラットフォームで使用可能なJava COMラッパーのIdcCommandXを使用します。
COMインタフェースを使用することで、Content ManagementをMicrosoftの環境やアプリケーションと統合できます。インタフェース・オプションとして提供されるActiveXコントロールおよびOCXコンポーネントを使用すれば、Content Server内のコンテンツおよびコンテンツ管理機能にアクセスできます。COMインタフェースを介して、ODMA対応アプリケーションと通信することもできます。
リモートのOracle WebCenter Content Serverインスタンスに接続してContent Serverサービスを実行するために、Object Linking and Embedding Control Extension (OCX)コントロールが用意されています。IdcClient OCXコントロールをWindows Visual Basic開発環境で使用することにより、Content Server内のコンテンツおよびコンテンツ管理機能へのアクセスが可能になります。
Content ServerサービスはIdcClient OCXコントロールを使用して呼び出すことができます。リモートのOracle WebCenter Content Serverインスタンスへの接続および標準的なサーバー機能の実行には、IdcClient.ocxコントロールを使用します。
Open Document Management Application (ODMA)は、デスクトップ・アプリケーションと管理ソフトウェア間のインタフェースとして使用される標準APIです。Content ServerのODMA統合は、個別製品のDesktopによって実現されます。このODMA統合製品を使用することで、Content Server内のコンテンツおよびコンテンツ管理機能へのアクセスが(ODMA準拠のデスクトップ・アプリケーションに対して)可能になります。
ODMA準拠のあらゆるアプリケーション(Microsoft Word、Corel WordPerfect、およびAdobe FrameMakerなど)からWebリポジトリにファイルを直接公開できます。Webを軸としたODMAの採用により、Webに情報を直接チェックインして公開できます。この点は従来のODMAクライアント/サーバー実装から大幅に進歩しています。以前は、情報はまずサーバーに公開していたため、ただちにWebで使用することはできませんでした。
この機能はContent Integration Suiteにかわるものです。
以前に説明したように、Remote Intradoc Client (RIDC)はContent Serverとの通信用に軽量な通信APIを提供します。このAPIは、データの抽象化をContent Serverに移動する一方、ラッパーを提供することで、接続プール、セキュリティおよびプロトコルの仕様を処理します。
RIDCでは、Intradocソケット・ベースの通信およびHTTPプロトコルがサポートされます。
Intradoc通信はContent ServerのIntradocポート(通常は4444)を経由して処理されます。この通信方法では、クライアントとContent Serverとの間に信頼された接続が要求されます。SSLを介して実行するようにIntradoc通信を構成することもできます。
HTTPプロトコルの実装では、ApacheのJakarta HttpClientが使用されます。HTTPプロトコルを使用したContent Serverとの通信では、各リクエストに認証資格証明が必要です。
詳細は、Oracle WebCenter Content Content Server開発者ガイドのRIDCを使用したContent Serverへのアクセスに関する項を参照してください。
WebCenter Content製品は、コンテンツだけでなくデジタル・アセットも管理します。この項では、ドキュメント・コンテンツの管理に使用される製品について説明します。内容は、次のとおりです。
Content Serverは、様々なOracleコンテンツ管理製品の基盤となるものです。Content Serverが提供する柔軟かつセキュアで集中化されたWebベースのリポジトリによって、コンテンツ・ライフサイクルのすべてのフェーズ(作成と承認から公開、検索、失効およびアーカイブや配置に至るまで)を管理できます。
組織全体のすべてのコントリビュータが、ネイティブ・デスクトップ・アプリケーションからコンテンツを簡単に提供し、リッチ・ライブラリ・サービスを介してビジネス・コンテンツを効率的に管理し、Webブラウザを使用してどこからでもそれらのコンテンツに安全にアクセスできます。
拡張機能を提供する多数のコンポーネントがContent Serverとともに提供されます。それらのコンポーネントはコアにまとめることも、インストール後に有効化することもできます。
コンテンツ・タイプに関係なく、すべてのコンテンツが、管理、再利用およびアクセスのためにWebリポジトリまたはデータベースに保存されます。リポジトリに保存されている間、すべてのコンテンツ・タイプ(電子メール、ディスカッション、ドキュメント、レポート、スプレッドシートおよびレコードからイメージ、マルチメディアまたはその他のデジタル形式まで)に対して、一連の同じ基本コア・サービスが提供されます。
Content Serverの詳細は、次の各マニュアルに記載されています。
Oracle WebCenter Content Content Serverシステム管理者ガイド
Oracle WebCenter Content Content Server開発者ガイド
Oracle WebCenter Content Content Serverユーザーズ・ガイド
コンテンツ・フォリオはオプションのコンポーネントで、Content Serverとともにインストールされます。有効な場合は、複数のコンテンツ・アイテムの論理グループをContent Serverのセキュアな環境内から収集、追跡およびアクセスするための迅速かつ効果的な方法を提供します。たとえば、次回のパンフレットに関連するすべてのアイテム(イメージ、ロゴ、法的表示、広告コピーなど)をワークフロー・プロセスを介して収集し、送信できます。承認された後、関連付けられたすべてのコンテンツをダウンロードして、印刷用に送信できます。
また、多くの場合、新しいプロジェクトには、関連するすべてのコンテンツ・アイテムがチェックインされたときに、階層の特定の領域へのアクセスを制限して、そのコンテンツ・アイテムを特定の階層に収集するための仮想の場所が必要です。また、ビデオには、権利放棄書およびナレーション・テキストへの関連付けと追跡が必要な場合があります。コンテンツ・フォリオでは、このすべてを実行できます。
技術的には、コンテンツ・フォリオはリポジトリにチェックインされたXMLファイルであり、エレメントを使用してContent Serverのノード、スロットおよび指定したコンテンツ・アイテムの階層構造を定義します。コンテンツ・フォリオは実際には論理的グループで、つまり、リポジトリに格納されているコンテンツを構造化できるフレームワークです。簡易フォリオは単一階層のコンテナで、詳細フォリオはフォルダ内の階層でコンテンツをネストできます。拡張フォリオの階層は、コンテンツ・アイテムの収集前に構築されるか、アイテムの収集中または収集後に作成されます。
既存のフォリオにはコンテンツを追加でき、変更されないようにロックすることもできます。簡易フォリオにはContent Serverを検索してコンテンツ・アイテムを追加でき、拡張フォリオには、リポジトリに新しいアイテムをチェックインするか、すでにチェックインされているコンテンツを検索してコンテンツ・アイテムを追加できますが、これらすべてはフォリオ・インタフェースを介して実行します。拡張フォリオには、Webサイトや共有ネットワーク・ドライブなどの外部リソースへのハイパーリンクを含めることもできます。
FrameworkFoldersはオプションのコンポーネントで、Content Serverとともに自動的にインストールされます。有効な場合、Foldersは、従来のファイル・システムと同様に、リポジトリ内の一部またはすべてのコンテンツを編成および配置するための階層フォルダ・インタフェースを提供します。フォルダ機能はデフォルトでインストールされ、有効化されます。Foldersはスケーラブルな企業ソリューションで、以前のコントリビューション・フォルダ・インタフェース(または Folders_gインタフェース)に置き換わるコンポーネントです。
クエリ・フォルダを使用すると、フォルダに関連付けられたクエリに基づいてコンテンツを返すことができます。また、これらのタイプのフォルダには、関連付けられた保存処理機能があります。
さらに、移行ユーティリティを使用することで、以前のFolders_gコンポーネントからフォルダおよびフォルダ・コンテンツを移動することもできます。
Desktop製品は、デスクトップ環境をContent Serverとシームレスに統合する際に役立つ一連の埋込みアプリケーションを提供します。すなわち、Microsoft Windowsエクスプローラ、Microsoft WordやExcelなどのデスクトップ・アプリケーションおよびMicrosoft OutlookやLotus Notesなどの電子メール・クライアントからリポジトリに容易にアクセスできるようになります。
これにより、リポジトリのファイルを簡単に管理でき、Content ServerにログインしてWebブラウザを使用するかわりに、デスクトップから直接他のユーザーとファイルを共有できます。
Dynamic Converterは、重要なビジネス・ドキュメントのための変換テクノロジおよびオンデマンド公開ソリューションです。Dynamic Converterでは、ドキュメントの作成に使用したアプリケーションを使用しなくてもドキュメントを参照できるよう、特定の閲覧者用にあらゆるビジネス・ドキュメントをWebページに簡単に変換できます。この利点は即時性があることです。固有のアプリケーションのボトルネックを発生させることなく、自由に情報を交換できます。
Webブラウザが最初にドキュメントをリクエストするときに、ドキュメントをWebページとして表示する方法を決定する一連のルールが適用されます。これらのルールは、Dynamic Converterのコア・コンポーネントであるテンプレートで定義できます。
Dynamic Converterには、ユーザーにとって数多くの利点があります。
ビジネス・ドキュメントをWebブラウザで簡単に表示できます。
ネイティブ・アプリケーション(Adobe Acrobat、Microsoft Wordなど)が不要です。
各種デバイス(Webブラウザ、ワイヤレス・デバイスなど)用にドキュメントの複数のレンディションを使用できます。
レガシー・フォーマットを含む多数のビジネス・ドキュメント・タイプがサポートされます。
詳細は、『Oracle WebCenter Content Dynamic Converter管理者ガイド』を参照してください。
Content Categorizerを使用すると、Content Server内で複数の分類法を使用できます。Content Categorizerには、すぐに使えるカテゴリ化ツールや機能に加えて、サード・パーティ製のカテゴリ化エンジン用のオープンAPIがあります。このオープン・アーキテクチャにより、ユーザーはサード・パーティ製のカテゴリ化ツールによって提供されるルール・セットや分類法を活用できます。結果として、組織のビジネス・ニーズに最も適したカテゴリ化エンジンを選択できます。たとえば、業界の既存の垂直分類を使用して、管理対象コンテンツを特定のカテゴリやサブカテゴリに編成できます。
Content Categorizerを使用すれば、管理者およびコンテンツ投稿者は、リポジトリにチェックインするコンテンツを、自動的に一貫した方法でインテリジェントに分類できるようになります。Content Categorizerはバッチ・モードで使用でき、大量の既存コンテンツをContent Serverに読み込むのに適しています。これにより、管理者は、個々のコンテンツ・アイテムにメタデータを割り当てる必要がありません。一方エンド・ユーザーは、新規コンテンツをチェックインする際、適切なメタデータを示すContent Categorizerの機能を利用できます。
各メタデータ・フィールドにカテゴリまたは特定の値を示すため、Content Categorizerは一連のルールを使用してコンテンツ・アイテムを分析します。自動カテゴリ化ルールには、ファイル・プロパティやテキスト参照を使用した直接相関、単語の一致に基づくスコア計算、ファイルから自動的に抽出された文または段落のサマリー、あるいは特定の言語パターンの認識などがあります。ルール・セットは、他のサード・パーティ製のカテゴリ化エンジンからも使用できます。
この機能の詳細は、Oracle WebCenter Content Content Serverアプリケーション管理者ガイドに記載されています。
Content Trackerを使用すると、Webサイト管理者は、主要なメトリックを使用して、Content Serverの使用状況を分析するためのレポートを定義できます。Content TrackerとContent Serverの緊密な統合により、特定のユーザー・プロファイル情報、ユーザー・グループ、または問合せやメタデータ値のグループによって定義できる任意のコンテンツ・セットに基づくレポートを実行できます。この柔軟性によってきわめて粒度の細かいコンテンツ分析が可能になり、Webチームは、サイトをより戦略的に管理および改良するために不可欠な情報を得ることができます。
Content Trackerは、Webサーバーのログ・ファイル、Webフィルタのログ・ファイル、およびContent Serverのデータベース表から収集したデータを使用して、アクセスされたコンテンツ・アイテムに関する情報を生成します。この情報には、メタデータおよびユーザー・プロファイル・データに加えて、ユーザー自身の情報が含まれることがあります。次にContent Trackerは、この情報をOracleまたはMicrosoft SQL Serverなどの任意のRDBMSデータベースのデータベース表に移入します。データベースに情報が移入されたら、ユーザーの必要に応じてカスタマイズされたレポートを生成できます。
この機能の詳細は、Oracle WebCenter Content Content Serverアプリケーション管理者ガイドに記載されています。
PDFウォーターマークはオプションのコンポーネントで、Content Serverとともに自動的にインストールされます。有効な場合は、PDF Converterにより生成されたPDFファイルにウォーターマークを適用し(静的ウォーターマーク)、リポジトリに返すことができます。
また、リポジトリに既存のPDFファイルにもウォーターマークを適用できます(動的ウォーターマーク)。動的ウォーターマークは必要に応じて生成され、様々な情報(ユーザー名、ダウンロード日時、ファイル名など)を含めることができます。システム管理者は、変数を定義して動的ウォーターマークを生成するための特定な条件を設定できます。
PDFウォーターマークでは、表示の目的でダウンロードするPDFファイルにセキュリティ機能を追加することもできます。ファイルの印刷や変更などのアクセス設定は有効または無効にできます。
静的ウォーターマークは、Inbound RefineryおよびPDF Converterと協同して実施されます。ウォーターマークを適用できるのは、PDF ConverterでPDFに変換したコンテンツのみです。PDFに変換する予定のコンテンツに対する静的ウォーターマークは、チェックイン時に有効なウォーターマーク・テンプレートID(dDocName)をxPdfwTemplateIDメタデータ・フィールドに入力することでリクエストできます。
静的ウォーターマークは、自動化されたプロセス(WebDAVやBatchLoaderなど)でチェックインしたコンテンツにも適用できますが、前述のIBR/PDFC制限の対象であり、xPdfwTemplateIDフィールドに有効なテンプレートIDが含まれていることが条件です。
PDFコンテンツの動的ウォーターマークは、ルールベースです。ルールセットは「PDFウォーターマークの管理」画面の「ルール」タブで定義します。PDFドキュメントに対する特定のリクエストが事前定義のルールを満たしている場合は、そのルールに関連するテンプレートを使用して、リクエスト・ユーザーに戻す前のコンテンツのコピーにウォーターマークが適用されます。ウォーターマークが適用されるのはWebレイアウト・フォームのみで、ボールトの場所にある元のPDFファイルはそのままです。
詳細は、Oracle WebCenter Content Content Serverアプリケーション管理者ガイドおよびOracle WebCenter Content Content Serverユーザーズ・ガイドを参照してください。
コンテンツ・バスケットを使用すると、複数のコンテンツ・アイテムをすばやく検索してグループ化し、ダウンロードできます。たとえば、ニュースレターを印刷会社に送信したり、一連のドキュメントをベンダーに電子メールで送信したりする場合など、組織のロゴを様々な記事とともに送信することが必要な場合があります。コンテンツ・バスケットを使用すると、任意のコンテンツ情報または検索結果ページからコンテンツ・バスケットに追加するアイテムを選択できます。
コンテンツ・バスケットにアイテムを追加したら、コンテンツ・サーバー・トレイからコンテンツ・バスケットにアクセスして、必要なコンテンツ・アイテムの単一の圧縮ファイルをダウンロードできます。
WebCenter Contentと組み合わせて、次のアダプタを使用できます。
Oracle E-Business Suite Adapter (第6.2項「Oracle E-Business Suite Adapter for Content Server and Imaging」を参照)
Siebel Adapter for Content Server (第6.3項「Oracle Siebel Adapter for Content Server」を参照)
Oracle PeopleSoft Adapter (第6.4項「Oracle PeopleSoft Adapter for Content Server and Imaging」を参照)
デジタル・アセットを管理し、それらをContent Serverリポジトリで使用できるように変換するためのソリューションがいくつか用意されています。
このセクションのトピックは次のとおりです:
ユーザー・サイトの必要に応じて、各種の形式でネイティブ・コンテンツ・アイテムを公開するために使用できるいくつかの変換製品があります。この項では、次の変換製品について説明します。
詳細は、Oracle WebCenter Content Content Serverユーザーズ・ガイドおよびOracle WebCenter Content Conversion管理者ガイドを参照してください。
このリリースのContent Serverでは、オプションで、サポートされているファイル・タイプの基本的なサムネイルが作成されますが、ユーザーはContent Serverのアドオン・モジュールであるInbound Refineryを使用して、Content Serverの入力側(Inbound)でのすべてのファイル変換を管理できます。これはサムネイルの生成機能も提供します。ファイルは、Content Serverへのコンテンツのチェックイン時に変換されます。
Inbound RefineryにはOutside In Image Exportが含まれており、次の場合に使用できます。
リポジトリにチェックインされたファイルのサムネイルを作成します。サムネイルは、コンテンツの小さなプレビュー・イメージです。Outside In Image Exportを使用して、PDF Converterで生成されたPDFファイルのサムネイルを作成することもできます。
リポジトリにチェックインされたファイルを、プライマリWeb表示可能レンディションとして複数ページのTIFFファイルに変換します。
Outside In Image Exportを使用してInbound Refineryで実行できる変換の他にも、いくつかの変換アドオンを購入してInbound Refineryとともに使用できます。Inbound Refineryで変換可能なその他のファイル・タイプおよびそれぞれの変換の結果は、Inbound Refineryコンピュータにインストールされている変換アドオンによって異なります。
Refineryのプロセス
ファイルがリポジトリにチェックインされると、ネイティブ・ファイルのコピーがネイティブ・ファイル・リポジトリ(vaultディレクトリ)に格納されます。ネイティブ・ファイルの形式は、Microsoft Wordなど、元のファイルの作成形式です。
変換するファイル形式が構成されている場合、対象となるファイルはキューに置かれて処理を待機します。Inbound Refineryは、設定された間隔でキューをチェックします。ファイルが存在する場合、Inbound Refineryは適切な変換アドオンを呼び出して、実際に変換を実行します。厳密な変換プロセスはInbound Refineryの設定内容によって異なります。場合によっては、目に見える形での対話が行われることなく、変換が完全にバックグラウンドで行われることがあります。あるいは、ファイルがネイティブ・アプリケーションで開かれ、PostScriptファイルに出力されて、その後別の形式(PDFファイルなど)に変換されることもあります。この場合、Inbound Refineryマシン上でウィンドウが自動的に開閉します。その後、変換されたファイル(Web表示可能なPDFファイルなど)は、Web表示可能なファイル・リポジトリ(weblayoutディレクトリ)にコピーされます。これによりユーザーは、ファイルをWebブラウザで表示できます。
変換するファイル形式が構成されていない場合(または変換が失敗した場合)、Web表示可能なファイルは作成されず、ネイティブ・ファイルのコピーがweblayoutディレクトリに配置されます。これは、ファイルがネイティブ・フォーマットのままライブラリに渡されることを意味します。そのためファイルを表示するには、ネイティブ・アプリケーションをユーザーのコンピュータにインストールする必要があります。
PDF Converterを使用すると、ネイティブ・コンテンツ・アイテムをWeb表示可能なPDF (Portable Document Format)ファイルで自動的に公開できます。ネイティブ形式のPDFレンディションは、新規コンテンツをリポジトリにチェックインするとただちに生成されます。このPDFレンディションにより、ユーザーはネイティブ・アプリケーションをインストールすることなく、コンテンツ・アイテムをWeb表示できます。PDF Converterは、Adobe Framemaker、Illustrator、InDesign、PageMaker、Photoshopに加えて、Hangul、JustSystemの一太郎、Lotus Smartsuite、Microsoft Office、Microsoft Visio、およびOracle OpenOfficeなど、35を超えるファイル形式をPDFに変換します。
PDF Converterは、最適化されていないPDFファイルを最適化し、Microsoft Wordのハイパーリンク、mailtoリンクおよび目次リンクなどのリンク処理も行います。
XML Converterを使用すると、構造化されていないビジネス・コンテンツの情報にXMLベースでアクセスできます。XML Converterでは、Content Serverに投稿されたコンテンツが、チェックイン時にXMLに変換されます。XML Converterは225を超えるドキュメント・タイプを変換し、Microsoft Word、Lotus WordProおよびCorel WordPerfectなどの主要なワード・プロセッサ形式をサポートします。これには、一般的なスプレッドシート形式、プレゼンテーション形式およびグラフィック形式のサポートも含まれます。
新しいコンテンツ・アイテムがリポジトリにチェックインされると、XML Converterは、そのコンテンツをSearchMLまたはFlexionDocのいずれかの形式に変換します。FlexionDocは非常に冗長で、Microsoft Wordドキュメントのスタイルなどの属性を含めたすべての情報を取得します。そこから管理者は、SearchMLまたはFlexionDocドキュメントを任意のXML形式に変換する各種XSLファイルをチェックインできます。
管理者は、XSL変換から生成されたXMLを検証するために、DTD (Document Type Definition)を使用することもできます。変換中にエラーが発生した場合は、すべての関連ドキュメント(元のSearchMLまたはFlexionDocファイル、XSL変換後に生成されたXMLファイル、エラー・レポートなど)がチェックインされ、デバッグのためにワークフローを介して開発者または管理者に送信することができます。
XMLファイルはWebベースのリポジトリに格納して管理されるため、Webブラウザを使用して任意の場所からアクセスできます。これにより、他のエンタープライズ・アプリケーション、データ交換、再利用、および他の形式への変換などに利用できます。XML Converterには、企業レベルのパフォーマンスを備えたすぐに利用可能なXMLソリューションがある一方で、W3C標準規格との互換性が確保されています。
Tiff Converterを使用すると、TIFF (Tagged Image File Format)ファイルをContent Serverにチェックインして、それらを複数ページのPDFファイルとして公開できます。
Tiff Converterは、CVISION CVista PdfCompressorまたはAdobe Acrobat Captureのいずれかを使用して、単一ページのTIFFファイル、複数ページのTIFFファイル、または複数のTIFFファイルを内包するzipファイル(TIFZ、TIZまたはZIPのファイル拡張子)を単一のPDFファイルに変換します。また、TIFFからPDFへの変換時にOCR(光学式文字認識)が実行されるため、Content Server内の管理対象TIFFファイルに全文検索を実行できます。
Tiff Converterは非常に有用なスキャニング・アプリケーションです。リポジトリへのチェックイン時にTIFFイメージをPDF形式に自動変換することで、レガシー・コンテンツを簡単に表示できるようにします。リリースされたTIFFイメージの変換がクライアント側またはサーバー側で発生することがあり、Adobe Acrobat Captureテクノロジが使用されます。TIFF Converterを使用すれば、ブラウザおよびAdobe Readerを使用して、管理対象のレガシー・コンテンツ(スキャン済ドキュメント)を簡単に表示してアクセスできるようになります。
Digial Asset Manager (DAM)を使用すれば、指定された形式とサイズでイメージおよびビデオを定義して提供し、必要なユーザーがそれをダウンロードできます。これにより、組織のブランディングおよびデジタル・コンテンツの使用において一貫性のある基準を維持できるようになります。
イメージまたはビデオがContent Serverにチェックインされると、DAMでは複数形式のデジタル・アセットが自動的に作成され、それらの形式が1つのコンテンツIDの下に一覧表示されます。これにより、企業ロゴやプロモーション・ビデオなどのアセットの標準サイズおよび品質が、組織で要求される複数形式において維持される一方、Content Serverのコンテンツ管理機能およびワークフロー機能が提供されます。たとえば、あるユーザーがWebサイトで使用するロゴ・イメージをダウンロードする場合も、別のユーザーが社内プレゼンテーションや促販カタログ用に同じロゴ・イメージをダウンロードしてバンドルする場合も、元はすべてリポジトリにチェックインされている単一のデジタル・アセットになります。
デジタル・アセットは、レンディションと呼ばれる複数の出力形式で使用可能にする価値のある、組織内の電子的なイメージおよびビデオです。レンディションの量およびタイプは、システム管理者がレンディション・セットに定義します。ユーザーは、リポジトリへのチェックイン時、デジタル・アセットのレンディションの作成に使用するレンディション・セットを選択します。
DAMを動作させるには、Inbound Refineryをインストールし、DAMがインストールされているコンテンツ・サーバーと連動するように適切に設定する必要があります。
Image Managerを使用すると、様々なサイズおよび解像度のイメージをすばやく検索してグループ化し、ダウンロードできます。たとえば、組織のロゴを、広告、Webページおよびプレゼンテーション用に様々なサイズで使用可能にすることが必要な場合があります。チェックイン時、イメージは定義済の形式およびサイズに自動的に変換されます。その後、ユーザーは標準のメタデータを使用してイメージを検索し、レンディションをコンテンツ・バスケットにグループ化して、必要なイメージ・レンディションの単一の圧縮ファイルをダウンロードできます。
Digital Asset Managerによって、Image Alchemyで使用するための次の6つの定義済レンディション・セットがインストールされます。
DefaultGraphicSet: 必須のデフォルト・レンディション・セット
CorporateImage: 共通のコーポレート・フォーマット要件
ProductCatalog: 高解像度CMYKおよび印刷用プルーフ・イメージ
DigitalPhoto: プロセス・デジタル・フォト
WebImages: WebアプリケーションおよびWebイメージ用のレンディション
Print: 生産性アプリケーションおよびレイアウト・アプリケーション用のレンディション
Video Managerを使用すると、様々なサイズおよび解像度のビデオをすばやく検索してグループ化し、ダウンロードできます。たとえば、イントラネットでのストリーミング、視聴者への公開、またはテープへのコピー用に、企業のトレーニング・ビデオを様々なサイズで使用可能にすることが必要な場合があります。チェックイン時、ビデオは定義済の形式およびサイズに自動的に変換されます。その後、ユーザーは標準のメタデータを使用してビデオを検索し、レンディションをコンテンツ・バスケットにグループ化して、必要なビデオ・レンディションの単一の圧縮ファイルをダウンロードできます。ビデオ・ファイルを複数の形式に変換するには、サード・パーティ製の変換アプリケーションであるFlipFactoryが必要になります。
WebCenter Contentにより、Webサイトのコンテンツ管理に使用するツールが提供されます。その中には、コンテンツのデプロイ方法および格納方法に関するものがあります。
このセクションのトピックは次のとおりです:
Site Studioは、企業規模のWebサイトを設計、構築およびメンテナンスするための包括的なアプローチを提供するWeb開発アプリケーション・パッケージです。Webサイトに関連付けられたものは、サイト・アセット(テンプレート、グラフィック、CSSファイルなど)およびすべてのサイト・コンテンツを含めて、すべてコンテンツ・サーバーに格納され、管理されます。Site Studioを使用すると、組織は正確でタイムリな最新のWebコンテンツを保持し、すべての企業サイトで一貫したブランディングとプレゼンテーションを提供できます。
Webサイトの作成および投稿機能には、次のものがあります。
Webサイトからの直接のインコンテキストでの投稿および更新
階層型のWebサイト構造およびナビゲーション
複数の領域で構成されるテンプレート・ベースのページ
コンテンツと表示の分離
ナビゲーション構造とその表示の分離
安全な領域レベルのコンテンツ作成および編集
WYSIWYGでXMLベースの投稿フォーム
再利用可能なコンテンツおよびXMLベースのフラグメント
単一ソースのコンテンツ管理
複数サイトの管理
また、組織がWebサイトの開発を複数のサイト設計者に分散しながら、中央の開発者チームでブランドや外観に対する管理を行う場合にも、Site Studioを使用してWebサイトを構築できます。Site Studioにより、開発者は、再利用可能なドラッグ・アンド・ドロップのレイアウト、フラグメント、ナビゲーション、および独自のWebサイトを開発するためのバックエンド・アプリケーションを統合するコードをサイト設計者に提供するための、カスタマイズ可能なライブラリを作成できます。
Site Studioのカスタマイズ可能なライブラリとWebサイト設計用の組込みフレームワークを使用すると、サイト設計者は、HTMLやその他のプログラミング言語の知識がほとんど(あるいはまったく)なくても、適切に設計された堅固なサイトを作成できます。
Oracle Site Studioの詳細は、次の各マニュアルに記載されています。
Oracle WebCenter Content Site Studio Contributorユーザーズ・ガイド
Oracle WebCenter Content Site Studio Designerユーザーズ・ガイド
Oracle WebCenter Content Site Studio Publisherユーザーズ・ガイド
Oracle WebCenter Site Studio管理者およびマネージャ・ガイド
Oracle WebCenter Site Studioテクニカル・リファレンス・ガイド
Oracle WebCenter Site Studio for External Applications開発者ガイド
Site Studio for External Applicationsは、強力で柔軟性の高いWeb開発ツールです。Application Server環境で企業規模のWebサイトを設計、構築およびメンテナンスするための包括的なアプローチを提供します。
Webサイトの開発およびテンプレートの作成はJDeveloper環境で行います。ファイルやグラフィックなどのサイト・アセットは、Content Serverに格納して管理されます。ページ・テンプレート、領域テンプレートおよびサブテンプレート(通常はJSP/JSPXページ)は、JDeveloperプロジェクトに関連付けられたWebアプリケーションのWARファイルに配置されます。
Site Studio for External Applicationsを使用すると、生産性が大幅に向上します。また、組織は正確でタイムリな最新のWebコンテンツを維持し、すべての企業サイトで一貫したブランディングとプレゼンテーションを提供できます。Site Studio for External Applicationsを使用すると、サイト・アーキテクチャとプレゼンテーションの制御を一元管理する一方で、コンテンツ開発と継続的なメンテナンスを部署またはその他のチームに分散できます。Site Studio for External Applicationsは、サード・パーティ製のアプリケーション・サーバーと統合することもできます。
ポートレットを使用して、コンテンツ作成および配信プロセスを管理できます。これらのポートレットは、組織におけるユーザーのロールおよび権限に基づいて、様々なユーザーに対して有効にできます。ユーザーは権限レベルに応じて、コンテンツの参照または検索、新しいコンテンツ・アイテムの投稿、およびワークフロー全体でのコンテンツの進行状況の表示ができます。
Content Portlet Suiteを使用してポータルとContent Serverを統合すると、簡単な方法でポータルを最新の状態に維持できます。これによって利用性が向上し、メンテナンス・コストが減少してポータル投資に対する収益が増加します。Content Portlet Suiteは、リポジトリに格納されたコンテンツへのアクセスを提供し、ユーザーが効率的で使いやすい方法でポータル・コンテンツを更新、検索および表示できるようにします。
Content Portlet Suiteは、WebCenter Portal、IBM WebSphere、PlumtreeおよびSun ONEの各ポータル・サーバー用に多数の組込み済参照ポートレットを提供します。これはRemote Intradoc Client (RIDC) APIを使用して、Oracle Content Serverと通信します。
ポートレットの動作はカスタムMVCフレームワークにマッピングされ、このフレームワークがRIDC APIを使用してタスクを実行します。このアーキテクチャにより、ポートレットがRIDCメソッドを呼び出して、要求されたコンテンツ・サーバーのサービスを実行します。
各スイートは、次の8つの機能参照ポートレットを提供します。
ゲスト・ライブラリ
ライブラリ
ゲスト検索
保存済の検索
検索
投稿
ワークフロー・キュー
メタデータ管理
これらはただちに使用でき、ポートレットの実装方法のサンプルとしても使用可能です。
詳細は、Oracle WebCenter Content Portlet Suiteデプロイメント・ガイドを参照してください。
アダプタは、コンテンツ管理ポリシーおよびアダプタ・サーバーのコンテンツ・ボールト(追加のコンテンツを保持)を格納する、Oracle WebCenter Content: Records間のブリッジになります。これにより企業は、複数システムにわたるレコード、保存ポリシーおよび訴訟の保留を一箇所から管理できます。
アダプタはRecordsサーバーに情報を返信するため、企業の重要なコンテンツのカタログを最新に維持できます。これにより、企業はより多くのコンテンツに、より一貫性のある方法でレコードおよび保存ポリシーを適用でき、管理の手間およびユーザーへの悪影響はより少なくなります。これら利点は、起訴の検索および保留についても同様に適用されます。Content ServerのRecordsアダプタは、サーバーからそれらのポリシーを取得して、ボールトに格納されているコンテンツ・アイテムに適用します。
複数のアダプタをOracle WebCenter Content: Recordsで使用して、企業のコンテンツ要件を管理できます。Records管理の詳細は、第4章「Oracle WebCenter Content: Records」を参照してください。
一般的なContent Server Adapterのインストールに含まれる主要コンポーネントには次のものがあります。
Records: 中央リポジトリにおけるコンテンツ、保存ポリシー、配置処理、起訴または監査の保留を管理できます。さらにこれらのポリシー、配置および保留を、UCM Adapterによって外部のリポジトリ・コンテンツに適用できます。
Content Server: リポジトリ内にコンテンツを格納して管理します。
Content Server Adapter: RecordsシステムとContent Server Adapterのコンテンツ・ボールトとの間で通信を行います。Content Server Adapterは、次のような共通の保存機能を提供します。
Recordsシステムに関わるリポジトリ内コンテンツの識別
検索の実行、およびRecordsシステムに適用可能なコンテンツ・アイテムの宣言
既存のコンテンツ・アイテムの保存期間終了時における配置処理の実行
コンテンツ・アイテムの保留および凍結の設定と削除(必要な場合)
Recordsシステムは、中央リポジトリにおけるレコード、保存ポリシー、配置処理、起訴の保留または凍結を管理します。アダプタを使用することで、これらのポリシー、配置および保留を、複数のリポジトリに格納されたコンテンツに適用できます。リポジトリは、保存を制御するコンテンツを保持している任意のサーバーまたはアプリケーションになります。
Content Server Adapterのコンテンツ・ボールトは、保存期間維持して、企業の保存スケジュールに指定し、企業の配置処理に従っての破棄する必要のあるコンテンツを保持します。保存期間中はアダプタによってレコードの不変性が保証されるため、レコードは所定の場所で保管されます。要求があれば、アダプタ・サーバーのコンテンツ・ボールトは保存期間の終了時にコンテンツを除去できます
また、アダプタ・サーバーのボールトには、保存する必要のないコンテンツが保持されている場合もあります。このコンテンツの保存が必要なくなった場合は、Recordsシステム内に格納されている配置処理に従って処分できます。
起訴または監査の保留(凍結)対象となる要素は、ユーザーの手動による処理または配置処理の一環であっても、絶対に削除されないという強制的な順守事項があります。Content Server Adapterにより、Recordsシステムでの削除は発生しないことが保証されます。
注意: レコードではなく、起訴または監査対象でもないコンテンツ・アイテムはRecordsシステムには転送されません。かわりに、それらのドキュメントはContent Server Adapterのコンテンツ・ボールトに保持され、そのメタデータのみがRecordsシステムに格納されます。 |
Content Server Adapterは、Recordsシステムとアダプタのリポジトリとの間の通信を処理します。Recordsシステムが、格納されているコンテンツに対して企業の保存ポリシー、配置処理および訴訟の保留を同時に実行しても、コンテンツはアダプタのコンテンツ・ボールトに格納され、そこで維持されます。