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Oracle® WebCenter Content Content Server開発者ガイド
11gリリース1(11.1.1)
B66702-01
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18 環境へのWebCenter Contentの統合の開始

この章では、Oracle WebCenter Contentとエンタープライズ・アプリケーションの統合方法について説明します。

この章では、次の項目について説明します。

18.1 統合方法について

Oracle WebCenter Contentとエンタープライズ・アプリケーションの統合では、アプリケーション・サーバー、カタログ・ソリューション、パーソナライズ・アプリケーション、エンタープライズ・ポータル、クライアント側ソフトウェアなど、いくつかの方法を使用できます。一般に、これらの統合方法は、既存のOracle WebCenter Content Serverサービスを実行するためのメソッドおよび関連パラメータの変換と受け渡しを行います。

コンテンツ・サーバー・サービスは、Oracle WebCenter Content内のコンテンツおよびコンテンツ管理機能にアクセスするためのウィンドウとしての役割を果たします。たとえば、単純な統合オプションとしては、WebCenter Content内で管理されているコンテンツを永続URLによって参照するオプションがあります。他のいくつかの統合オプションは、Java API、Microsoft Component Object Model (COM)インタフェース、またはActiveXコントロールの使用を可能にします。

この章の主眼は、使用可能な統合オプションを示し、実行の方法(IdcCommand Xか、永続URLか、SOAPかなど)を提示し、その方法についての詳細ドキュメントの入手先に関する情報を提供することです。特に、この章では、様々なプロトコル、インタフェースおよびマッピング・サービスを使用しているネットワーク・システム環境内でのOracle WebCenter Contentの統合に関する基本概念について説明します。

IdcCommandユーティリティを使用して他のアプリケーションからコンテンツ・サーバー・サービスにアクセスする方法については、第21章「IdcCommandユーティリティを使用したコンテンツ・サーバーへのアクセス」を参照してください。

COMインタフェースについては、第22章「統合のためのCOM APIの使用」を参照してください。

Remote Intradoc Client (RIDC)統合については、第23章「RIDCを使用したコンテンツ・サーバーへのアクセス」を参照してください。

18.2 Webサービスの概要

Webサービスは、アプリケーション・サーバー、.NETサーバー、コンテンツ・サーバーなどの既存のソフトウェア・システムの上のレイヤーとして存在します。通信のためのモデルとしてインターネットに適応したWebサービスは、デフォルトのネットワーク・プロトコルとしてHyperText Transfer Protocol (HTTP)に依存します。Webサービスを、異種オペレーティング・システムまたはプログラミング言語間の架け橋として使用して、コンポーネントを組み合せてアプリケーションを作成できます。


注意:

このドキュメント内のWebサービスに関する情報は、Oracle WebLogic Serverに適用されます。IBM WebSphereのWebサービスについては、Oracle Fusion Middlewareサードパーティ・アプリケーション・サーバー・ガイドを参照してください。

WebCenter Contentは、Webサービスを使用してコンテンツ・サーバーと統合されたアプリケーションを作成するための2つの方法をサポートしています。

Webサービスをいずれの方法で使用した場合でも、セキュリティのためにOracle Web Services Manager (Oracle WSM)を使用することができます。Oracle WSMの詳細は、第19章「統合のためのWebCenter Content Webサービスの構成」およびOracle Fusion Middleware Web Servicesセキュリティおよび管理者ガイドを参照してください。

18.3 仮想フォルダおよびWebDAV統合

フォルダ・コンポーネントおよびWebDAVコンポーネント(Folders_gおよびCoreWebdav)は、WebCenter Contentとともにコンテンツ・サーバーの一部としてインストールされます。システム・コンポーネントであるCoreWebdavは、デフォルトで有効化されます。Folders_gコンポーネントを有効にして、Oracle WebCenter Content Serverへのインタフェースを仮想フォルダの形式で設定できます。仮想フォルダは、マルチレベル・フォルダ構造の作成に使用できます。CoreWebdavコンポーネントにより、WebDAV (Web-Based Distributed Authoring and Versioning)プロトコルをサポートするクライアントを使用して、コンテンツをリモートで作成および管理できます。

18.3.1 仮想フォルダ

フォルダ・コンポーネントは、Oracle WebCenter Content Serverへのインタフェースを仮想フォルダ(階層フォルダとも呼ばれる)の形式で設定します。仮想フォルダを使用すると、マルチレベル・フォルダ階層を作成できます。

仮想フォルダには、次のような2つの主な利点があります。

  • ユーザーは、使い慣れたフォルダ・タイプのインタフェースでドリルダウンし、コンテンツを検索できます。

  • ユーザーは特定のフォルダからコンテンツ・アイテムをチェックインすることで、デフォルト・メタデータをコンテンツ・アイテムに適用できます。

フォルダ・コンポーネントには、次の構造が使用されます。

  • 各Oracle WebCenter Content Serverインスタンスには、仮想フォルダの共通セットがあります。フォルダへの変更はシステム全体に適用されます。

  • コントリビューション・フォルダというシステムレベルのデフォルト・フォルダが1つあります。カスタム・フォルダ・インタフェースを使用している場合、それらの製品のフォルダは、システム・レベルのフォルダ階層にも表示される可能性があります。

  • システム管理者はシステムレベル・フォルダの名前を変更できますが、システムレベル・フォルダを削除したり、システムレベルのカスタム・フォルダを追加するには、データベースへの変更が必要です。(システムレベルのフォルダを削除すると、そのフォルダは無効になりますが、システムからは除去されていません。)

  • 階層内の各フォルダには、フォルダの作成時に自動的に割り当てられた値と同じフォルダ値(数値)のコンテンツ・アイテムが含まれています。コンテンツ・アイテムの「フォルダ」フィールドの値を変更すると、そのコンテンツ・アイテムは別のフォルダに配置されます。

  • システム管理者は、仮想フォルダの機能がシステム・パフォーマンスに影響を与えないように、フォルダ数と各フォルダ内のファイル数を制限できます。

WebDAV統合のためのコンテンツ・サーバーの構成の詳細は、『Oracle Fusion Middleware Content Serverアプリケーション管理者ガイド』を参照してください。

18.3.2 WebDAV統合

WebDAV (Web-Based Distributed Authoring and Versioning)は、WebDAVプロトコルをサポートするクライアントを使用してコンテンツをリモートで作成および管理する手段を提供します。たとえば、Webブラウザ・インタフェースを使用するのではなく、Microsoft Windowsエクスプローラを使用して、リポジトリ内のコンテンツをチェックイン、チェックアウトおよび変更できます。

WebDAVはHTTP/1.1プロトコルの拡張機能で、クライアントがリモートWebコンテンツのオーサリング操作を実行できるようにします。WebDAVプロトコルはRFC 2518.0で規定されています。

詳細は、次のURLのWebDAV Resources Webサイトを参照してください。

http://www.webdav.org

WebDAVは、次のオーサリング機能およびバージョニング機能をサポートしています。

  • バージョン管理

  • 上書き防止用のロック

  • Webページのプロパティ

  • Webリソースの収集

  • ネームスペース管理(Webサーバー上でのページのコピーまたは移動)

  • アクセス制御

コンテンツ・サーバーなどのコンテンツ管理システムでWebDAVを使用すると、WebDAVクライアントは、コンテンツ・リポジトリ内のネイティブ・ファイルへの代替ユーザー・インタフェースとして機能します。作成者がコンテンツ・サーバーのWebブラウザ・インタフェースとWebDAVクライアントのいずれを使用しても、同じバージョニングとセキュリティ制御が適用されます。

コンテンツ・サーバーのWebDAVインタフェースは、階層フォルダ・インタフェースに基づいています。詳細は、第18.3.1項「仮想フォルダ」を参照してください。

18.3.2.1 WebDAVクライアント

WebDAVクライアントは、WebDAVプロトコルを使用してリクエストを送信し、レスポンスを受信できるアプリケーションです(Microsoft Windowsエクスプローラ、Word、Excel、PowerPoint)。サポートされているバージョンについては、最新のWebDAVクライアントのドキュメントを確認してください。WebCenter Content WebDAVクライアントは、Oracle WebCenter Content ServerへのWebDAVインタフェースを拡張する別の製品です。

WebDAV以外のクライアントで作成されたファイルを、WindowsエクスプローラでWebDAV仮想フォルダを使用して管理できますが、ネイティブ・アプリケーションを使用して、Oracle WebCenter Content Serverリポジトリとの間でコンテンツのチェックインやチェックアウトを行うことはできません。

デスクトップ・ソフトウェア・パッケージには、WebDAVクライアント・コンポーネントと、チェックアウトおよびオープン・コンポーネントも含まれています。

18.3.2.2 WebDAVサーバー

WebDAVサーバーは、WebDAVプロトコルを使用してリクエストの受信とレスポンスの送信を行うことができ、オーサリング機能およびバージョニング機能を提供するサーバーです。WebDAVリクエストはHTTPプロトコル経由で送信されるため、WebDAVサーバーは通常、標準のWebサーバーに対するアドオン・コンポーネントとして作成されます。コンテンツ・サーバーでは、WebDAVサーバーは、クライアントとコンテンツ・サーバー間のインタプリタとしてのみ使用されます。

18.3.2.3 WebDAVアーキテクチャ

WebDAVは、WebDAVコンポーネントによってOracle WebCenter Content Serverに実装されます。WebDAVリクエストのアーキテクチャは、次のようなものです。

  1. Oracle WebCenter Content ServerへのリクエストがWebDAVクライアントで作成されます。

  2. メッセージは、(IISのDLLを介して)Webサーバーで処理されます。

  3. Oracle WebCenter Content Serverで、WebDAVコンポーネントは次の機能を実行します。

    • クライアント・リクエストをWebDAVと認識する。

    • クライアント・リクエストをOracle WebCenter Content Serverの該当するWebDAVサービス・コールにマップする。

    • WebDAVリクエストから該当するOracle WebCenter Content Serverリクエストにクライアント・リクエストを変換する。

    • コアのOracle WebCenter Content Serverに接続し、Oracle WebCenter Content Serverリクエストを実行する。

  4. WebDAVコンポーネントによってOracle WebCenter Content ServerレスポンスがWebDAVレスポンスに変換され、WebDAVクライアントに返されます。