この章では、Oracle Virtual Assembly Builderの使用方法について説明します。内容は次のとおりです。
Oracle Virtual Assembly Builderには、製品のどの部分をインストールしたかに応じて、次のユーザー・インタフェースが用意されています。
Oracle Virtual Assembly Builder Studioをインストールした場合、次のインタフェースがサポートされます。
Oracle Virtual Assembly Builder Studioグラフィカル・ユーザー・インタフェース
abctl
(コマンドライン・ツール)。
Oracle Virtual Assembly Builder Studioおよびabctl
は、Oracle Virtual Assembly Builder DeployerとWebクライアントとしてやり取りします。適切に構成されたOracle Virtual Assembly Builder Studio環境では、グラフィカル・ユーザー・インタフェースまたはabctlのいずれかを使用し、Oracle Virtual Assembly Builder Deployerへの構成された接続を介してデプロイを実行できます。
Oracle Virtual Assembly Builder Deployerをインストールした場合、次のインタフェースがサポートされます。
abctl
(コマンドライン・ツール)。
Oracle Virtual Assembly Builder Deployer WebサービスとのインタフェースをとるためのWebサービスAPI (『Oracle Virtual Assembly開発者ガイド』を参照)。
Oracle Virtual Assembly Builder Deployerのみがインストールされている場合、一部のコマンドにのみアクセスできます。Oracle Virtual Assembly Builder Studioがインストールされている場合、またはOracle Virtual Assembly Builder StudioおよびOracle Virtual Assembly Builder Deployerがインストールされている場合、すべてのコマンドにアクセスできます。付録A「コマンドライン・リファレンス」を参照してください。
注意: Oracle Virtual Assembly Builder Studioインタフェースまたは |
Oracle Virtual Assembly Builder Studioは、次のコマンドを実行して起動します。
$AB_INSTANCE/bin/abstudio.sh
注意: インストールの詳細は、『Oracle Virtual Assembly Builderインストレーション・ガイド』を参照してください。 |
図5-1に、Oracle Virtual Assembly Builder Studioを示します。
ログ・ファイルは、$AB_INSTANCE/logs/assemblybuilder.log
に格納されます。
ログ・ファイルには手動でアクセスします。そうしないと、Oracle Virtual Assembly Builder Studioの「メッセージ」ウィンドウにメッセージが表示されます。
Oracle Virtual Assembly Builder Studioインタフェースとabctl
インタフェースは互いに補完しますが、まったく同じ機能ではありません。主な相違点は次のとおりです。
デプロイヤのみモードで実行している場合は、abctl
インタフェースのみサポートされます。
Oracle Virtual Assembly Builder Studioにのみ、編集機能があります。つまり、abctl
では次の操作がサポートされていません。
ファイル・セット定義の管理: ファイル・セット定義の作成、更新および削除
ターゲット接続の管理: 既存のターゲット接続の作成、削除または編集
プロパティ値の編集
デプロイメント・プランの作成または編集
Oracle Virtual Assembly Builder Studioでは、複数の参照システムのイントロスペクトし、結果を新しいアセンブリまたは既存のアセンブリに入れることができます。abctl
では、参照システムを1つずつイントロスペクトし、その後アセンブリに追加する必要があります。
abctl
にのみ、Oracle VM 3.0環境へのターゲット接続を作成する機能があります。Oracle Virtual Assembly Builder Studioには、接続ウィザードがありません。
また、デプロイヤ接続は、abctl
を使用してのみ作成できます。
外部仮想マシン・テンプレートは、abctl
を使用してのみ外部アプライアンスとしてカタログにインポートできます。
これらの相違点の詳細は、5.3項「アセンブリの作成に関連する操作」を参照してください。
通常、次の方法でOracle Virtual Assembly Builderを使用します。
アセンブリおよびアプライアンスを作成します。
参照システムをイントロスペクトし、アセンブリ内のアプライアンスを構成するすべてのコンポーネントについて必要なメタデータおよび構成情報を取得します。
アセンブリおよびアプライアンスを編集し、アプライアンスと外部リソース間の関係を構成します。
アセンブリ内でネットワークを作成します。
アプライアンス内でネットワーク・インタフェースを作成します。
アプライアンス入力をネットワーク・インタフェースに、ネットワーク・インタフェースをネットワークにバインドします。
アプライアンス出力から外部リソースを作成します。
アセンブリに必要なデプロイメント・アーティファクトを準備します。
カスタマイズされたOracle Enterprise Linuxオペレーティング・システムのディストリビューションおよび構成可能なメタデータを使用してブート可能な仮想マシン・ディスク・イメージを作成し、ソフトウェア・コンポーネントのデプロイ時のカスタマイズを可能にします。
デプロイ: アセンブリを環境にデプロイします。
セキュリティを構成します。Oracle VMまたはOracle Exalogicのバックエンド・エンドポイントへの接続を定義し、デプロイメント・ターゲットをバックエンドに追加します。
デプロイメント・プランを作成および編集します。
アセンブリ・アーカイブをターゲットに登録します。
アセンブリ・インスタンスをデプロイします。
他のライフサイクル操作をアセンブリ・インスタンスに対して実行します。
この項では、Oracle Virtual Assembly Builder Studioまたはabctl
コマンドライン・ユーティリティを使用してアセンブリの作成に関連する操作を実行する方法について説明します。
イントロスペクション操作により、アプライアンスとアセンブリ(Oracle Virtual Assembly Builder Studioを使用して操作を実行し、アセンブリを作成した場合)がカタログに作成されます。
イントロスペクション時、アプライアンスおよびアセンブリのメタデータは$AB_INSTANCE/catalog/metadata
ディレクトリに作成されます。一意のID (取得IDまたはcidと呼びます)がアプライアンスまたはアセンブリごとに生成され、メタデータに格納されます。さらに、ファイル・セット定義がカタログの共有領域に作成されます。
注意: イントロスペクションとファイル・セットの取得の間に、参照システムの構成またはコンテンツを変更すると、望ましくない結果となる可能性があるため、変更しないでください。たとえば、参照システムをある日にイントロスペクトし、後日"同じ"参照システムでファイル・セットを取得することはサポートされません。 |
イントロスペクションを成功させるために、一部のイントロスペクション・プラグインには参照システムの実行状態について特定の要件があります。表5-1に、Oracle Virtual Assembly Builderでサポートされる製品の前提条件を示します。
表5-1 イントロスペクション・プラグインの要件
イントロスペクション対象の製品 | 実行状態の前提条件 |
---|---|
Oracle WebLogic Server |
管理サーバーが起動し、実行状態である(管理状態ではない)こと。管理対象サーバーは起動していても、停止していてもかまいません。 |
Oracle Coherence*Web |
管理サーバーが起動し、実行状態である(管理状態ではない)こと。管理対象サーバーは起動していても、停止していてもかまいません。 |
Oracle SOA for WebLogic Server |
管理サーバーが起動し、実行状態である(管理状態ではない)こと。管理対象サーバーは起動していても、停止していてもかまいません。 |
Oracle HTTP Server(OHS) |
要件なし。Oracle HTTP Serverは起動していても、停止していてもかまいません。 |
Oracle Web Cache |
要件なし。Oracle Web Cacheは起動していても、停止していてもかまいません。 |
Oracle RDBMS (DB) |
イントロスペクション・フェーズでは、データベースは起動していても、停止していてもかまいません。 |
Oracle RACDB |
イントロスペクション・フェーズでは、データベースは起動していても、停止していてもかまいません。 |
Oracle Traffic Director |
イントロスペクション・フェーズでは、Oracle Traffic Directorアプリケーションは起動していても、停止していてもかまいません。 |
Oracle Tuxedo |
イントロスペクション・フェーズでは、Tuxedoアプリケーションは起動していても、停止していてもかまいません。 |
Oracle Virtual Assemblyでは、マウントされたNFSファイル・システムを使用した参照システムのイントロスペクションまたはデプロイメントをサポートしていません。
カスタム再構成スクリプトを使用すると、アプライアンスのデプロイメントの一環として仮想マシンで実行されるカスタム・スクリプトをアプライアンスに追加できます。この機能により、アプライアンス内のOracle製品とともにデプロイされるカスタム製品またはアプライアンスを構成、操作できます。
この機能を使用するには、シェル・スクリプトを参照システムの一般的に知られている場所に配置して、そのシステムのイントロスペクション時に取得されるようにします。取得されたスクリプトは、対応する操作がデプロイされたOracle製品に対して実行されるときに、VMで実行されます。
注意: この機能は、Oracle Virtual Assembly Builderカタログに外部アプライアンスとしてインポートされた外部仮想マシン・テンプレートに対してはサポートされません。 |
カスタム・スクリプトは、/ovab/scripts.d/
という名前の一般的に知られているルート・カスタム・スクリプト・ディレクトリ下にある一連のサブディレクトリに入れます。このディレクトリは、一般的に知られている名前(rc0.d/、rc1.d/、rc2.d/、...
)の一連のサブディレクトリが含まれるLinuxの/etc/rc.d/
ルート・ディレクトリに似ています。/etc/rc.d/
と同様、各サブディレクトリには、適宜実行される1つまたは複数のスクリプトのセットが格納されます。/ovab/scripts.d/
ディレクトリ内には、次のサブディレクトリを作成できます。
pre-config.d/
post-config.d/
pre-start.d/
post-start.d/
pre-stop.d/
post-stop.d/
注意: 不要なカスタム・スクリプト・ディレクトリを作成する必要はありません。 |
これらのディレクトリは、VMで実行される3つのアクション、つまり構成、起動および停止に対応します。"pre-"で始まるディレクトリに格納されたカスタム・スクリプトは、対応するアクションがデプロイされたOracle製品に対して実行される前に実行され、"post-"で始まるディレクトリに格納されたカスタム・スクリプトは、その後に実行されます。
"構成"アクションは、VMが完全に起動した後、最初のデプロイ時に1回のみ実行されます。"開始"アクションは、"構成"アクション後、Oracle Virtual Assembly Builderから起動されたアセンブリ開始操作の一環としてデプロイされたOracle製品を起動するときに、実行されます。"停止"アクションは、Oracle Virtual Assembly Builderから起動されたアセンブリ停止操作の一環としてデプロイされたOracle製品を停止するときに、実行されます。
イントロスペクションの最後に、Oracle Virtual Assembly Builderでは、カスタム・スクリプト・ディレクトリが参照システムに存在するかどうかをチェックし、見つかったスクリプトをアプライアンスに追加します。
例5-1に、ルート・カスタム・スクリプト・ディレクトリを示します。
例5-1 ルート・カスタム・スクリプト・ディレクトリ
/ovab/scripts.d/ pre-config.d/ 00configthis.sh 01configthat.sh post-config.d/ 00configotherthing.sh pre-start.d/ 00startthisfirst.sh 01startthatsecond.sh post-start.d/ 00startotherthinglast.sh ...
スクリプトは、イントロスペクション時に残りのアプライアンス・メタデータとともにアプライアンス・テンプレートに自動的に追加されます。
Oracle Virtual Assembly Builderでは、次のようにしてスクリプトを実行します。
すべてのスクリプトは、Oracle Virtual Assembly Builderによってデプロイ時にrootとして起動されます。カスタム・スクリプトが、必要に応じて別のユーザーへの切替えを行います。
スクリプトは、一度に1つずつ辞書式順序で実行されます。
カスタム・スクリプトは、タイムリに完了する必要があります。実行中のアクションは、すべての必要なカスタム・スクリプトが実行され、デプロイされたOracle製品に対してもそのアクションが実行された後にのみ完了できます。
スクリプトに引数は渡されません。
カスタム・スクリプトの終了ステータスは無視されます。
スクリプトが起動されると、各起動の詳細がVMの/assemblybuilder/logs/
ディレクトリにある"command.out"という名前のファイルに記録されます。各スクリプトの出力は、スクリプトによって別の場所にリダイレクトされないかぎり、/assemblybuilder/logs/
ディレクトリの別個のファイルに送信されます。各スクリプトが実行されると、各ファイルの名前が"command.out"に記録されます。
この機能を使用すると、イントロスペクションで参照システムの1つ以上のプロパティ・ファイルからプロパティを取得し、結果のアプライアンスまたはアセンブリにユーザー・プロパティとして追加できるため、これらのプロパティを編集できます。
デプロイ時、ユーザーによる変更を含む元のプロパティ・セットは、これらのプロパティに基づいてカスタム処理を実行するためにユーザーが指定するスクリプトで使用可能になります。
デハイドレーション時にプロパティ・ファイルが自動的に取得されるようにするには、プロパティ・ファイルを次の一般的に知られているディレクトリに入れる必要があります。
/ovab/scripts.d/properties/
このディレクトリは、取得される基礎となる製品と同じマシンに存在する必要があります。このディレクトリ内では、プロパティ・ファイルは次のネーミング方式に準拠する必要があります。
<filename>.userprops
<filename>
には、コロン(:)を含めることはできません。この文字はプロパティ名の生成でデリミタとして機能するためです。
プロパティ・ディレクトリ内の前述のネーミング方式に準拠しないファイルは、追加のユーザー・プロパティを生成するために読み取られず、アプライアンスとともに盲目的に転送されます。これにより、内部プロパティや、再構成時にユーザー・プロパティの処理に役立つ他の情報を含む追加ファイルを指定できるようになります。
プロパティ・ファイルはゼロ以上の行で構成され、各行はプロパティ宣言、コメントまたは空白行である必要があります。さらに正式には、プロパティ・ファイルは次の構文に準拠する必要があります。
property-file = *line line = prop-decl | comment | blank-line prop-decl = name "=" value NL comment = *WS "#" *CHAR NL blank-line = *WS NL name = <any character in "a".."z", "A".."Z", "0".."9", "_", "-", "."> value = *XATTRCHAR XATTRCHAR = <any CHAR, escaped as necessary for XML element attribute interpretation> CHAR = <any character, excluding CTL (and NL), but including WS> CTL = <any control character (octets 0 -31) and DEL (127)> NL = <platform dependent line termination sequence> WS = <white space character>
前述の構文規則に準拠していないプロパティ・ファイルはエラーとなり、アプライアンスは作成されません。
プロパティ宣言は、1行で記述する必要があります。行を"\"で終わると、行は継続されません。
すべてのプロパティは、アプライアンス・メタデータで"required"のマークが付けられます。値が割り当てられていない("="の後に何もない)プロパティ宣言は、アプライアンス・メタデータでnullに設定されるため、デプロイ前にそのプロパティに値を割り当てる必要があります。
プロパティ宣言では、"="の左側のどこにも空白を指定することができません。"="の右側の空白は、目的の値の一部であると見なされ、維持されます。
コメントおよび空白行は、デハイドレーション時に維持され、リハイドレーション時にファイルが再生成されたときに再作成されます。
プロパティ・ディレクトリ内の各*.userpropsファイルが読み取られ、アプライアンス・ユーザー・プロパティが各ファイルのプロパティごとに生成されます。プロパティ名は、プロパティがカスタムプロパティであり、特定のプロパティ・ファイルに属することを指定するため、次のように接頭辞を追加して変更されます。
custom:<filename>:<propname>
<filename>
部は、接尾辞".userprops"を削除したプロパティ・ファイル名からきています。<propname>
部は、プロパティ・ファイルで見つかったプロパティ名から変更なしで直接コピーされます。
編集時、プロパティ名全体が表示されます。再構成時に、プロパティ・ファイルが再作成されるときに接頭辞"custom:<filename>:
"は削除され、プロパティ・ファイルに表示されません(つまり、ファイルで見つかった元のプロパティ名は再作成されたファイルで維持されます)。
アセンブリの作成ダイアログを使用すると、新しいアセンブリを作成して名前を付け、イントロスペクトするアプライアンスを選択し、そのアプライアンスにイントロスペクタで必要な値を指定することができます。このダイアログにアクセスするには、「ファイル」 > 「新規」 > 「アセンブリ」を選択します。
「アセンブリの名前付け」ペイン(図5-2)で、次のフィールドに情報を入力します。
アセンブリ名: 新しいアセンブリの名前
デフォルトVnet名: Vnetのデフォルト名
説明: 省略可。テキストの説明を入力します。
空のアセンブリ: 空のアセンブリの作成を選択します。アプライアンスまたはこのアセンブリのプロパティを定義するかわりに、終了を選択します。
上書き: 同じ名前のアプライアンスまたはアセンブリがすでに存在し、登録されていない場合、上書きできます。
「次へ」をクリックして、イントロスペクション用のアプライアンスをアセンブリに定義します。
「イントロスペクトするコンポーネントの選択」ウィンドウ(図5-3)で、1つ以上のアプライアンスを新しいアセンブリに定義できます。
「+」アイコン(図5-4)をクリックして、アプライアンスをアセンブリに追加します。
イントロスペクションでサポートされるアプライアンスのリストが表示されます。
一般製品
Oracle Coherence*Web (WLSの別名)
Oracle HTTP Server
Oracle Database
Oracle RAC Database
Oracle SOA (WLSの別名)
Oracle Web Cache
Oracle WebLogic Server
Oracle Traffic Director
Oracle Tuxedo
アプライアンスに名前を付け、ローカル・ホストまたはリモート・ホストと作業ディレクトリ(リモート・イントロスペクション時に、構成ファイルをキャッシュ目的でローカルにコピーするために使用されるディレクトリ)を指定できます。
リモート・ホストを指定した場合、接続と認証パラメータを定義する必要があります。
「実行ユーザー」フィールドに、操作の実行前と同様の、sudoを実行するリモート・マシンのユーザーの名前を入力できます。たとえば、「ユーザー名」にbob、「実行ユーザー」にjillと指定してログインすると、イントロスペクション・プロセスはbobではなくjillとして実行されます。その場合、bobはjillに対するsudo操作を実行する必要があります。
リモート・ホストのパラメータを定義した後に、「接続のテスト」を選択し、指定した資格証明を使用してリモート・ホストへのSSH接続を確立できることを検証します。
「リモート・クリーン・アップ」を選択すると、リモート作業ディレクトリにコピーされたアーティファクトをイントロスペクションの完了後に削除できます。
「パスワード」を選択してパスワードを入力するか、「秘密鍵」を選択して、パスワードを指定するのではなく使用するSSH鍵を参照します。「秘密鍵」を選択した場合は、「参照」ボタンを選択し、ローカル・マシン上の秘密SSH鍵ファイルの場所までナビゲートします。秘密鍵ファイルを使用すると、Oracle Virtual Assembly Builderでパスワードを扱う必要がなくなるため、より高いセキュリティを実現できます。
「プロパティの構成」ウィンドウ(図5-6)で、前のウィンドウでイントロスペクション用に含めたアプライアンスのイントロスペクション・プロパティを設定できます。必須のプロパティはプロパティ名の隣のアスタリスクで示されます。
プロパティの値を編集するには、「アプライアンス」ペインからアプライアンスを選択し、イントロスペクションのプロパティ・ペインからプロパティを選択します。プロパティの値を入力します。イントロスペクション・プロパティの詳細は、付録B「Oracle Virtual Assembly Builderのイントロスペクション・プラグイン」を参照してください。
「ファイル・セットの取得」チェック・ボックスはデフォルトで選択されています。このオプションでは、イントロスペクション時に作成されたファイル・セット定義で指定された参照システムからファイルを取得します。ファイルは、カタログの共有領域に格納される1つ以上のzip (または他のRAW)ファイルにアーカイブされます。このチェック・ボックスの選択解除は、ファイル・セットをカスタマイズする予定のため、イントロスペクション時にファイル・セットを取得しない場合にのみ行います。
すべてのアプライアンスについてすべての必須プロパティの値を設定したら、「次へ」(サマリーを参照する場合)または「終了」(サマリーを表示せずにイントロスペクションを開始する場合)をクリックします。
「サマリー」ウィンドウ(図5-7)には、イントロスペクション用に選択したアプライアンス、そのホストおよび入力されたイントロスペクション・プロパティの論理ツリー・ビューが表示されます。
終了をクリックして、イントロスペクションを開始します。確認用のボックスが表示され、操作には多くの時間とリソースが必要になることが通知されます。「OK」を選択して確定すると、イントロスペクションが開始されます。
イントロスペクションの進捗は、カタログ・ナビゲータで確認できます。Oracle Virtual Assembly Builder Studioでイントロスペクションが実行されているアプライアンスのノードが表示されます。イントロスペクションが失敗した場合、Oracle Virtual Assembly Builder Studioにそのアプライアンスのログへのリンクが表示されます。付録D「トラブルシューティング」も参照してください。
イントロスペクション・ウィザードは、新しいアセンブリまたは既存のアセンブリに1つのアプライアンスを追加できるスタンドアロン・インタフェースです。アクセスするには、「ファイル」 > 「新規」 > 「アプライアンス・イントロスペクション」を選択します。
「アプライアンスの名前付け」ウィンドウで、コンポーネントに名前を付け、既存の親アセンブリの子として作成するか、スタンドアロン・コンポーネントとして作成するかを決定します。次の情報を入力します。
アプライアンス名: アプライアンスに名前を付けます。任意の文字列を使用できます。名前は4から40文字で、先頭文字には数字以外の文字を使用する必要があり、スペースと特殊文字は使用できません(アンダースコアは使用できます)。アセンブリ名とアプライアンス名はローカライズできません。
上書き: 最上位でイントロスペクションを実行する場合、このボックスを選択すると最上位アセンブリまたはアプライアンス・オブジェクトを上書きできます(未登録の場合)。既存のアセンブリのイントロスペクションを実行する場合、このチェック・ボックスを選択すると、アセンブリおよびそのアセンブリ内のアプライアンスのみ上書きされます。
親アセンブリ: (省略可)ドロップダウン・リストから親アセンブリを選択するか、「<選択なし>」を選択し、カタログの最上位に新規アプライアンスを配置します。
説明: 説明を入力します(省略可)。
「次へ」をクリックします。
「ホストの識別」ウィンドウで、次の情報を入力し、イントロスペクトするアプライアンスが実行されているホストを特定します。
リモート・ホストまたはローカル・ホスト: リモート・ホストまたはローカル・ホストを選択します。
「リモート・ホスト」を選択した場合は、次の情報を構成します。
ホスト名: イントロスペクトするホストの名前を入力します。
ポート: このホストのSSH用のポート番号を入力します。デフォルトのポート番号は22です。
ユーザー名: リモート・ホストにログインするSSHユーザーのユーザー名を入力します。このユーザーには、イントロスペクションが実行される構成へのアクセス権が必要です。
認証: 「パスワード」を選択してパスワードを入力するか、「秘密鍵」を選択して、パスワードを指定するのではなく使用するSSH鍵を参照します。「秘密鍵」を選択した場合は、「参照」ボタンを選択し、ローカル・マシン上の秘密SSH鍵ファイルの場所までナビゲートします。秘密鍵ファイルを使用すると、Oracle Virtual Assembly Builderでパスワードを扱う必要がなくなるため、より高いセキュリティを実現できます。
実行ユーザー: 操作の実行前と同様の、sudoを実行するリモート・マシンのユーザーの名前を入力します。
リモート作業ディレクトリ: イントロスペクションに必要なファイルをOracle Virtual Assembly Builderがステージングする、リモート・ホスト上のディレクトリへのパスを入力します。このファイルは再利用されることがあります。
リモート・クリーン・アップ: リモート作業ディレクトリにコピーされたアーティファクトをイントロスペクションの完了後に削除する場合に、このチェック・ボックスを選択します。
注意: データベース・インストール所有者のアカウントでデータベース・マシンにログインできない場合、データーベースのリモート・イントロスペクションを実行できません。リモート・イントロスペクションが必要な場合は、リモート・アクセス用のアカウントを有効にする必要があります。 |
「アプライアンス・タイプの選択」ウィンドウで、次の情報を入力し、イントロスペクトするアプライアンスのタイプを特定します。
タイプ: 「タイプ」ドロップダウン・メニューからイントロスペクトするアプライアンスのタイプを選択します。
選択したアプライアンスのタイプに応じて、異なるセットのプロパティが表示されます。プロパティのセルを選択し、プロパティ値を入力して、アプライアンスのプロパティを設定します。必須のプロパティはアスタリスクで示されます。
abctl
には、ローカルとリモートの両方のイントロスペクション機能があります。リモート・イントロスペクションの場合、Oracle Virtual Assembly Builderホストにはサブジェクト・マシンへのSSHアクセスが必要です。
-name
フラグはオプションです。
次に2つの例を示します。
例5-2 Oracle HTTP Serverのリモート・イントロスペクション
$ ./abctl introspectOHS -oracleInstance /path/to/oi –componentName ohs1 –name myOHS -remoteHost myReferenceSystemHost –remoteUser abdemo
例5-3 Oracle WebLogic Serverのローカル・イントロスペクション
$ ./abctl introspectWLS -wlsHome /path/to/wls/wlserver_10.3 -domainRoot /path/to/user_projects/domains/basic_domain -adminUser weblogic -name myWLS
詳細は、付録A「コマンドライン・リファレンス」を参照してください。この付録には、コマンドに渡すことができるパラメータの詳細が記載されています。
ファイル・セットの取得では、イントロスペクションから生成されたファイル・セット定義を取得し、これらのファイル・セットを1つ以上のzip (または他のRAW)ファイルにアーカイブして、結果のファイルをカタログの共有領域に格納します。
取得を成功させるために、一部のプラグインには参照システムの実行状態について特定の要件があります。表5-2に、Oracle Virtual Assembly Builderでサポートされる製品の前提条件を示します。
表5-2 取得プラグインの要件
イントロスペクション対象の製品 | 実行状態の前提条件 |
---|---|
Oracle WebLogic Server |
要件なし。Oracle WebLogic Serverは起動していても、停止していてもかまいません。 |
Oracle Coherence*Web |
要件なし。Oracle WebLogic Serverは起動していても、停止していてもかまいません。 |
Oracle HTTP Server(OHS) |
要件なし。Oracle HTTP Serverは起動していても、停止していてもかまいません。 |
Oracle Web Cache |
要件なし。Oracle Web Cacheは起動していても、停止していてもかまいません。 |
Oracle RDBMS (DB) |
Oracle Virtual Assembly Builder Studioとabctlのいずれの場合も、ファイル・セットの取得がイントロスペクションの一環として実行される場合、データベースは停止している必要があります。
Oracle Virtual Assembly Builder Studioの場合、テンプレートの作成フェーズでは、データベースは停止している必要があります。 |
Oracle Tuxedo |
要件なし。Oracle Tuxedoは起動していても、停止していてもかまいません。 |
ファイル・セットの取得操作は、テンプレートの作成ウィザードで使用できます。このウィザードの詳細は、5.3.3項「アプライアンスまたはアセンブリのテンプレートの作成」を参照してください。
ローカルおよび共有ファイル・セットの構成
「ファイル・セット定義の構成」ウィンドウで、アプライアンスのローカルおよび共有ファイル・セットを構成します(図5-8)。表示されるファイル・セットは、イントロスペクタのプラグインによって構成されます(この時点では読取り専用)。
ファイル・セットを追加できます。たとえば、Oracle HTTP ServerにDocumentRoot
パスがあるときに、このファイル・セットを取得する場合があります。新しいファイル・セットには、「編集可能」と「共有可能」のマークが付けられます。
ファイル・セットの詳細
ファイル・セットについて次のパラメータを構成します。
名前: ファイル・セットの名前を入力します。
ルート・ディレクトリ:ルート・ディレクトリを入力します。
OS所有者およびOSグループ: 各ファイル・セットに、OS所有者とOSグループを指定できます。製品では、ベース・イメージに所有者またはグループ(あるいは、その両方)が定義されているという保証はありません。デプロイ時、指定した所有者とグループを使用してファイル・セットが展開されます。所有者とグループのデフォルトは"oracle"です。
除外: 各ファイル・セットに、取得しない、ルート・ディレクトリ下の場所を複数指定できます。この場所は、ルート・ディレクトリを基準とします。除外に指定できるパターンは、次のとおりです。
リテラル・パス。例: foo/bar
後続のファイル名またはディレクトリ名の中に*。例:
foo/bar/*
foo/bar/*.log
foo/bar/tmp.*
foo/barとfoo/bar/*の違いは、foo/barはbarを除外する一方、foo/bar/*はfoo/bar下のすべてを除外しますが、foo/bar自体は除外しません。
注意: ベース・イメージには、所有者およびグループが定義されている必要があります。 |
ファイル・セットの取得
ファイル・セット定義を取得することができるディレクトリをこのファイル・セット内に作成します。ファイル・セット定義は、ファイル・セットを作成するための一連の手順です。ファイル・システム・タイプで許可されている場合は、ローカルとリモートの両方のファイル・セットを取得できます。「ファイルシステム・タイプ」を参照してください。
共有ファイル・セット
「編集可能」は、ファイル・セットの詳細を変更できるファイル・セットを示します。「共有可能」は、共有ファイル・セットに対して変更できるローカル・ファイル・セットを示します。また、「ローカライズ可能」は、ローカル・ファイル・セットに対して変更できる共有ファイル・セットを示します。
各ファイル・セットを共有またはローカルとして構成できます。シャトル・ボタンを使用すると、ある方向またはその逆方向にファイル・セットを移行できます。共有の場合、ファイル・セットの取得を決定してもしなくてもかまいません。場合によっては、ローカルから共有、あるいはその逆にファイル・セットを移行できません。これは、初期ファイル・セットを作成したイントロスペクタのプラグインによって定義され、Oracle Assembly Builder Studioではその設定に従います。
また、共有ファイル・セットにはマウント・オプションを指定できます。これは、デプロイメント・プランの編集時にプロパティ・インスペクタ・ビューでのみ発生します。
ファイルシステム・タイプ
指定したファイル・セットの空き領域サイズを指定できます(図5-9)。各ファイル・セットに空き領域を定義できます。この値はファイル・セットごとに設定されます。ローカル・ファイル・セットの場合、ファイル・セットを取得しないことを選択し、VM上に空き領域を作成することもできます。
ファイル・システム・タイプを選択します。ローカル・ファイル・セットの場合は、次を選択できます。
Linux
ファイル・セットを取得できます。
空き領域を定義できます。
「共有ファイル・セット」の場合は、次を選択できます。
NFS
ファイル・セットを取得できます。
空き領域を定義できません。
RAW
ファイル・セットを取得できません。
空き領域を定義できます。
Linux
ファイル・セットを取得できます。
空き領域を定義できます。
ファイル・セットの空き領域の定義
指定したファイル・セットの空き領域を定義します。空き領域の単位として、「メガバイト」、「ギガバイト」または「パーセント」を選択し、値を入力します。
空き領域の単位を「パーセント」として定義できるのは、ファイル・セットが取得される場合のみです。RAWファイル・システム・タイプでは、ファイル・セットを取得できないため、「パーセント」を使用できません。
確認ウィンドウで、決定したファイル・セットの取得を確認できます。確認後、「終了」をクリックします。
進捗メッセージは、メッセージ・ログ・ウィンドウにポストされます。「テンプレートの作成」タブを選択して「アセンブリ・ステータスの概要」を開いて確認すると、進捗が発生していることを確認できます。
abctl
のintrospect*
コマンドは現在、デフォルトではイントロスペクションの最後にファイル・セットを取得します。これは、captureFileSets
コマンドによってファイル・セットを個別に取得することを許可するフラグでオーバーライドできます。
abctl
には、ローカルとリモートの両方のファイル・セット取得機能があります。リモート・ファイル・セット取得の場合、Oracle Virtual Assembly Builderホストにはサブジェクト・マシンへのSSHアクセスが必要です。
次に2つの例を示します。
例5-4 Oracle HTTP Serverのリモート・ファイル・セット取得
$ ./abctl captureFileSets –name myOHS -remoteHost myReferenceSystemHost –remoteUser abdemo
詳細は、付録A「コマンドライン・リファレンス」を参照してください。この付録には、コマンドに渡すことができるパラメータの詳細がコマンドのサンプル出力とともに記載されています。
テンプレート作成では、仮想化されたプラットフォームにデプロイする準備ができた仮想マシン・テンプレートを生成します。Oracle Virtual Assembly Builderでは、Oracle VMが唯一サポートされるプラットフォームです。Oracle Virtual Assembly Builderでは、すべてのアプライアンスに対してOracle Enterprise LinuxゲストOSがサポートされます。
テンプレートを作成するには、オペレーティング・システムを含むシステム・ベース・イメージを指定する必要があります。サンプル・システム・ベース・イメージがニーズを満たさない場合は、独自のシステム・ベース・イメージを作成できます。
Oracle Virtual Assembly Builderには、Oracle Enterprise Linuxテンプレートのサンプル・システム・ベース・イメージが用意されています。Oracle Enterprise Linuxテンプレートの作成時、Oracle Virtual Assembly BuilderではOracle VMのmodifyjeos
ツールを透過的に起動して仮想マシン・テンプレートを作成します。このツールを使用すると、ベース・イメージを変更またはカスタマイズできます(たとえば、ディスク領域をベース・イメージに追加したり、特定のRPMを指定できます)。カスタム・システム・ベース・イメージの作成方法の詳細は、『Oracle Virtual Assembly Builderインストレーション・ガイド』のシステム・ベース・イメージに関する項を参照してください。
テンプレートは、Oracle Virtual Assembly Builderインスタンスのカタログ・ディレクトリに格納されます。テンプレート作成は、Oracle VMのmodifyjeosがインストールされているOracle Virtual Assembly Builderホストで実行する必要があります。
注意: ベース・イメージは、$AB_INSTANCEまたは$ORACLE_HOMEに格納されます。ベース・イメージ検出の優先順位は、次のとおりです。
|
Oracle VMまたはOracle Exalogicのいずれかのターゲット・プラットフォームを選択できます。Oracle Exalogicを選択した場合、Oracle Exalogicプラットフォームと互換性のある(適切なRPMがインストールされている)ベース・イメージを選択する必要があります。また、ウィザードを使用してOracle Exalogicのベース・イメージを検証することもできます。
この操作により、アセンブリ・ノード・コンテキスト・メニューから「テンプレートの作成」を選択するか、「カタログ」 > 「テンプレートの作成」を選択して、アセンブリのテンプレートを作成できます。
「イメージの場所の指定」ウィンドウ(図5-10)では、次のようにしてターゲット・プラットフォームを選択し、ベース・イメージを構成します。
Oracle VMまたはOracle Exalogicのいずれかのターゲット・プラットフォームを選択します。「Exalogic」を選択した場合、Oracle Exalogicプラットフォームと互換性のある(適切なRPMがインストールされている)ベース・イメージを選択する必要があります。この値は、個々のアプライアンス・テンプレートとアセンブリ・アーカイブの両方に対する意味があります。アプライアンスにはOracle ExalogicとOracle VMの両方のテンプレートが同時に存在する場合があります。しかし、アセンブリ・アーカイブはどのような場合でも1つのみ存在できます。
参照アイコンを選択し、ベース・イメージまでナビゲートし選択して、ベース・イメージの場所を指定します。ベース・イメージをデフォルトの場所のいずれかに配置しておく場合は、このフィールドをそのままにしておくことができます。
OSのルート・パスワードとVNCパスワードを入力します。
Oracle Exalogicターゲット・プラットフォームを選択した場合は、「ExaLogicイメージの検証」をクリックして、Oracle Exalogicプラットフォーム用に適切なRPMがベース・イメージにインストールされているかどうかを確認します。
「次へ」をクリックして続行します。
「サマリー」ウィンドウには、「終了」をクリックした後に作成されるすべてのテンプレートがリストされます。テンプレートの作成にしばらく時間がかかる可能性があることを示す警告も表示されます。
アセンブリ・アプライアンスにテンプレートがすでに作成されている場合は、テンプレートを再作成できます。「コンポーネント・テンプレート再作成の確認」ウィンドウでは、すでに作成されている関連テンプレートがあるアプライアンスを確認します。「再作成」ボックスに選択すると、再作成の必要があるものを選択できます。
「次へ」をクリックします。
コンポーネント・ファイル・セット定義の確認ウィンドウでは、既存のファイル・セットを使用するか(使用可能な場合)、ファイルがあるホストを指定するかを選択します。
「次へ」をクリックしてから、「終了」をクリックしてテンプレートを再作成します。
進捗メッセージは、メッセージ・ログ・ウィンドウにポストされます。「テンプレートの作成」タブを選択して「アセンブリ・ステータスの概要」を開いて確認すると、進捗が発生していることを確認できます。
非原子性アセンブリのコンテキストで、テンプレートの作成ウィザードを起動すると、指定したアセンブリのアセンブリ・アーカイブを作成できます。さらに、アセンブリ・アーカイブの圧縮を選択できます。
アセンブリ・アーカイブが正常に完了すると、アセンブリはロックされます。この時点でアセンブリは変更不能になり、変更する場合はアセンブリ・アーカイブを明示的に削除する必要があります。
構造ペインでアセンブリ・アーカイブを選択して、[Delete]キーを押すか右クリックして「削除」を選択すると、アセンブリ・アーカイブを明示的に削除できます。
例5-6から例5-7は、createTemplate
コマンドの例です。
例5-7 OHSのOracle VMゲストOSテンプレートの作成
$ ./abctl createTemplate -name myOhs -platform OVM -baseImage /private/baseImage/OVM/OEL/System.img
詳細は、付録A「コマンドライン・リファレンス」を参照してください。この付録には、コマンドに渡すことができるパラメータの詳細が記載されています。
abctl
を使用して、指定された最上位レベル・アセンブリのアセンブリ・アーカイブを作成できます。このコマンドは、最上位アセンブリに対してのみ呼び出すことができます。また、アセンブリ内のすべてのサブアプライアンスは、createTemplate
コマンドを使用してすでにテンプレート化されている必要があります。
-platform
オプションを使用して、プラットフォームをOracle VMまたはOracle Exalogicと指定します。
例5-8は、createAssemblyArchive
コマンドの例です。
詳細は、付録A「コマンドライン・リファレンス」を参照してください。この付録には、コマンドに渡すことができるパラメータの詳細が記載されています。
この項では、Oracle Virtual Assembly Builder Studioを使用したアセンブリの編集方法について説明します。
アセンブリの作成後に、デプロイして接続を作成したり、オプションで他の変更を加えたりできるようにするには、アセンブリの編集が必要な場合があります。
接続構成の管理には、出力への入力の接続、入力および出力のプロパティ値(JDBC接続文字列など)の設定または変更、アセンブリのデプロイメントの一環としてデプロイされないコンポーネントに接続する出力の外部リソース・アプライアンスの作成があります。
一般に接続の定義は、出力を入力に接続し、必要に応じて入力および出力のプロパティを設定または変更することを意味します。"入力への出力の接続"ステップは、アプライアンスの出力を別のアプライアンスの入力に接続するか、アプライアンスの出力を外部リソース・アプライアンスの入力に接続することで達成できます。
値を必要とするすべての入力または出力プロパティには値を設定する必要があります。また、デプロイ時に設置する環境に応じて、他のすべてのプロパティを設定または変更することが必要な場合があります。
Webサーバー・ポート転送の構成: myohsで出力を選択し、mywlsアセンブリの管理対象サーバー入力との間に矢印を描いて、この2つのを接続します。
各JDBC接続のJDBC接続文字列の指定: Oracle WebLogic ServerアセンブリのJDBC出力を選択して開きます。
JDBC接続の場合、外部リソースを作成するか、データベースをイントロスペクトした後、Oracle WebLogic ServerのJDBC出力と外部リソースまたはイントロスペクトされたデータベース・アプライアンスの間に接続を作成します。
JDBC接続ごとに異なる記述をします。その記述を使用して、それぞれがどのJDBCデータベース・スキーマに接続するかを把握します。JDBCエントリごとに、original-url
を調べ、hostname
およびglobal-db-name
をmydbにコピーします。
たとえば、jdbc:oracle:thin:@machine999.example.com:1521/orcl
では、hostname
はmachine999.example.com、port
は1521、global-db-name
はorclです。
また、global-db-name
およびport
を外部データベース・リソース入力のプロパティとして、hostをデータベース・アプライアンス自体のプロパティとして指定します。
portは、外部データベース・リソース入力のプロパティです。hostnameは、外部データベース・リソース自体に属する唯一のプロパティです。
参照システムからの値が適切な場合、プロパティを変更する必要がないこともあります。必要な場合は、プロパティ・インスペクタを使用して変更します。
プロパティ・インスペクタ(図5-13)には、プロパティ値が表示されます。必要に応じて、プロパティを設定します。
カタログ・ノードを選択すると必ず、構造ペインにデータが移入されます。アセンブリを選択すると、構造ペインには、すべてのアプライアンスの他にそのアプライアンスの入力、出力およびネットワーク・インタフェースを含め、そのアセンブリの構造が表示されます。構造ペインでアイテムを選択すると、その特定の選択にスコープ指定されたプロパティがプロパティ・インスペクタに移入されます。
Oracle HTTP Server/Oracle Web Cachのデプロイメントの一環として、Oracle HTTP Server/Oracle Web CacheおよびOracle WebLogic Serverが含まれるアセンブリをEnterprise Managerとともにデプロイした場合、Oracle WebLogic ServerでホストされるEnterprise Managerアプリケーションにそのアプライアンスを登録するために"opmnctl registerInstance"がコールされます。この操作を有効にして正常に完了するには、アセンブリの編集時に次の手順を実行する必要があります。
Oracle HTTP Server/Oracle Web CacheのEMRegistrationとOracle WebLogic Serverの間に接続を定義します。
プロパティ・インスペクタを使用して、Oracle HTTP Server/Oracle Web Cacheの依存関係をOracle WebLogic Serverに設定します。この操作を実行するには、「一般」セクションで「依存」ドロップダウン・メニューを選択します。
この構成を行わないと、管理サーバーが起動していないためEnterprise Manager登録は失敗します。
Oracle WebLogic Server管理サーバーがSSL接続のみ受け入れるように構成されていないことを確認します。"opmnctl registerInstance"では、Oracle WebLogic ServerへのSSL接続はサポートされていません。
Oracle HTTP Server構成ファイルmod_wl_ohs.conf
でOracle HTTP ServerとOracle WebLogic Server間のアプリケーション・ルーティングを定義する場合、エディタでOracle HTTP ServerをOracle WebLogic Serverに接続する必要があります。
アセンブリが作成されると、そのアセンブリに対してデフォルトVnetが作成されます。デフォルトVnetの名前および説明は、アセンブリの作成時に変更できます。アセンブリが作成されると、デフォルトで作成されたものとは異なるVnetを追加作成することもできます。
新しいVnetを作成するには、アセンブリを右クリックして「新規」 > 「Vnet」を選択するか、アセンブリを選択して構造ペインで「Vnet」フォルダを右クリックし、コンテキスト・メニューから「新規Vnet」を選択します(図5-15)。新しいVnetの名前および説明を入力します。
アセンブリの編集中、物理または仮想ネットワーク・インタフェースを作成できます。物理インタフェースは、vServerのOSスタックの観点からは物理的ですが、OSがvServerで実行されているため、物理インタフェースは実際には仮想ネットワーク・インタフェースです。したがって、これは別の仮想ネットワーク・インタフェースの上部にある仮想ネットワーク・インタフェースを意味します。インタフェースを作成する手順は、次のとおりです。
アセンブリ・エディタでアプライアンスを右クリックして「ネットワーク・インタフェースの追加」を選択するか、アセンブリ・ナビゲータでアセンブリを選択してアプライアンスまたはアプライアンス下の「ネットワーク・インタフェース」フォルダを右クリックし、「ネットワーク・インタフェースの追加」を選択して、物理ネットワーク・インタフェースを作成します。
物理ネットワーク・インタフェースを右クリックし、「ネットワーク・インタフェースの追加」を選択して、仮想ネットワーク・インタフェースを作成します。新しいインタフェースの名前および説明を要求されます。プロパティ・インスペクタを使用して他のプロパティを設定します。結果は、物理ネットワーク・インタフェースの子として構造ペインに表示されます。仮想ネットワーク・インタフェースは、VLANの概念をモデル化するために存在します。
デフォルト・インタフェースをアプライアンスに設定するには、構造ペインでインタフェースを右クリックし、コンテキスト・メニューから「デフォルトに設定」を選択します。デフォルトは、仮想インタフェースまたは物理インタフェースのいずれかです。仮想インタフェースは、アセンブリ・エディタに表示されないことに注意してください。構造ペインでのみ選択できます。
アセンブリおよびアプライアンスには、Vnetおよびネットワーク・インタフェースがあります。各ネットワーク・インタフェースがバインドできるVnetは1つのみです。デプロイメント・プランは、Vnetおよびネットワーク・インタフェースを、デプロイメント環境に存在する物理ネットワークおよびIPアドレスと関連付けるために使用します。
バインディングは、プロパティ・インスペクタを使用して別のVnet (別のものが存在する場合)に変更できます。各論理ネットワークは、デプロイ時にデプロイメント・プランを使用して解決する必要があります(つまり、各ネットワークはデプロイメント・プランにプロパティを保持します)。
この項では、abctl
を使用して実行できるアセンブリ編集操作について説明します。
空の最上位アセンブリの作成
createAssembly
コマンドを使用して、空の最上位アセンブリを作成します。例5-9に、createAssembly
コマンドを示します。
例5-9 createAssemblyコマンド
$ ./abctl help –command createAssembly $ ./abctl createAssembly -name myAssembly -defaultNetwork intranet
最上位アセンブリへのアプライアンス(またはWLSアセンブリ)の追加
addToAssembly
コマンドを使用して、アプライアンスを最上位アセンブリに追加します。例5-10に、addToAssembly
コマンドを示します。
例5-10 addToAssemblyコマンド
$ ./abctl help –command addToAssembly $ ./abctl addToAssembly -name myAppliance -into myAssembly
入力への出力の接続
connectEndpoints
コマンドを使用して、出力と入力の間に新しい接続を作成します。出力および入力のプロトコルは一致する必要があります。また、出力および入力の所有者は同じアセンブリに属する必要があります。例5-11に、connectEndpoints
コマンドを示します。
この項では、Oracle Virtual Assembly Builder Studioまたはabctl
コマンドライン・ユーティリティを使用してデプロイメントに関連する操作を実行する方法について説明します。
この項では、Oracle VMまたはOracle Exalogicのバックエンド・エンドポイントへの接続を定義し、必要に応じて資格証明を指定して、デプロイメント・ターゲットをバックエンドに追加する方法について説明します。
HTTPプロトコルのかわりにTCPを使用してOracle VM 3のターゲット接続を構成することをお薦めします。
TCPを使用して構成するには、"tcp://their-ovm-host:54321"形式のURLを指定します。
接続の資格証明を構成する手順は、次のとおりです。
Oracle VMの場合、abctlのcreateTarget
コマンドを使用してターゲットを作成します。
この操作は、Cloud Adminによってのみ実行できますが、接続情報と、バックエンド・タイプに応じてバックエンドのユーザー資格証明を定義します。Oracle VMの場合、ここで資格証明を指定します。
Oracle Exalogicの場合、1つのターゲットが事前構成されるため、createTarget
コマンドを実行しません。個々のユーザーがaddTargetUser
ステップで各自の資格証明を指定します。
addTargetUser
abctlコマンドを使用して、ユーザーをターゲットに追加します。
バックエンド・システムのセキュリティ・モデルにおける相違により、バックエンド・タイプに応じて、これはCloud AdminコールまたはApplication Adminコールになります。
Oracle VMターゲットの場合、この操作はCloud Adminによってのみ実行でき、プールにアクセスできるユーザーの制御に使用されます。Cloud Adminによって指定される資格証明は一般ユーザーから保護する必要があるため、これはCloud Admin操作です。
Oracle Exalogicターゲットの場合、これはApplication Admin操作で、Application Admin資格証明の指定に使用されます(この場合、バックエンドで資格証明をチェックするため、Cloud Adminは特定のアクセス権を付与する必要がありません)。ユーザーの資格証明はCloud Adminを含め他のユーザーから保護する必要があるため、これはApplication Admin操作です。
例5-12に、Oracle VMのターゲットを作成する方法を示します。
例5-12 Oracle VMのターゲットの作成
./abctl createTarget -name slcTarget_tcp -type ovm -properties ovm.poolName=ab_ovm_30_stand_alone_pool ovm.vmOperationTimeout=3600 ovm.vmmversion=3.0 ovm.user=admin ovm.pwd ovm.url=tcp://example.oracle.com:54321 -connectionName localDeployer
例5-13に、Oracle VMのターゲットにユーザーを追加する方法を示します。
例5-14に、Oracle Exalogicのターゲットにユーザーを追加する方法を示します。-properties
オプションには、ユーザーの資格証明をプロパティ=値のペアとして指定します。
デプロイメント・プランにより、アセンブリのメタデータに定義されたプロパティ値をオーバーライドできるようになります。アセンブリのデプロイ時に、プランが適用されます。最上位アセンブリのみデプロイメント・プランを保持できます。
デプロイメント・プランを作成する手順は、次のとおりです。
「デプロイメント・プラン」ナビゲータで、アセンブリを右クリックし、「新規デプロイメント・プラン」を選択します。
デプロイメント・プランの作成ウィザードが表示されます(図5-16)。
デプロイメント・プランの名前を入力します。
「アセンブリ」ドロップダウン・メニューから関連付けられたアセンブリを選択します。
「OK」をクリックします。デプロイメント・プラン・エディタが開きます。
デプロイメント・プラン・エディタには、アセンブリの読取り専用ビューが表示されます。このビューは、概要として役立ちます。また、プロパティ値をオーバーライドできるようにアイテムを選択するのに便利です。
既存のデプロイメント・プランを編集する手順は、次のとおりです。
「デプロイメント・プラン」ナビゲータで、プランを右クリックし、「開く」を選択します。
あるいは、「デプロイメント・プラン」ナビゲータでプランのアイコンを右クリックします。
デプロイメント・プランの編集では、構造ペインとプロパティ・インスペクタの両方を使用します。どちらのビューも表示されていることを確認してください。
構造ペインを開くには、「ビュー」 > 「構造」を選択します。
プロパティ・インスペクタを開くには、「表示」 > 「プロパティ・インスペクタ」を選択します。
アプライアンス、入力、出力または他のアイテムのプロパティをオーバーライドするには、まず該当するアイテムを選択します。
デプロイメント・プラン・エディタでアイテムを選択するには、そのアイテムをクリックします。
データが移入されると、構造ペインにはプランの他の詳細が表示されます。
構造ペインにデータを移入する手順は、次のとおりです。
「デプロイメント・プラン」ナビゲータで、該当するプランを選択します。
構造ペインにアセンブリ構造が移入されます。移入された構造ペインでアイテムを選択するには、そのアイテムをクリックします。
デプロイメント・プラン・エディタでアイテムを選択しても、構造ペインに移入されます。
選択したアイテムのプロパティは、プロパティ・インスペクタに表示されます。
値をオーバーライドする手順は、次のとおりです。
プロパティ・インスペクタで、フィールドに新しい値を入力します。
青の箇条書きがオーバーライドされた値の横に表示されます。
オーバーライドを削除する手順は、次のとおりです。
プロパティ・インスペクタで、プロパティ値の右側にある下向き矢印(山形)をクリックします。
ポップアップ・メニューから、リセットを選択します。
リセット・メニュー項目に表示される値は常に、アセンブリ・メタデータに指定された元の値です。オーバーライドが削除されます。
アプライアンスのスケーラビリティ・プロパティをオーバーライドできます。オーバーライドすると、アセンブリのデプロイ時に存在する可能性があるアプライアンス・インスタンスの数が変わることがあります。このような潜在的アプライアンス・インスタンスにはそれぞれ、ホスト名、IPアドレス、MACアドレスおよびネットマスク・プロパティを含め、独自のネットワーク設定が必要です。プロパティ・インスペクタには、適切な数のインスタンス固有のネットワーク・プロパティが表示されます。スケーラビリティ値を変更すると、プロパティ・インスペクタでは、ネットワーク・プロパティの数が潜在的アプライアンス・インスタンスの数と一致するように自動的に調整されます。
アプライアンスのネットワーク・プロパティを表示する手順は、次のとおりです。
構造ペインまたはデプロイメント・プラン・エディタで、アプライアンスをクリックして選択します。
プロパティ・インスペクタで、「ネットワーク」カテゴリをクリックして開きます。
default-gateway、dns-domainsおよびdns-serversの各プロパティ値は、アプライアンスのすべてのネットワーク・インタフェースがDHCPを使用するように構成されていないかぎり、必須です。これらの値は、アプライアンスのすべてのインスタンスで共有されます。
hostname.0プロパティは必須です。アプライアンスがスケーラブルである場合、プロパティ・インスペクタには適切な数のプロパティ(hostname.0、hostname.1など)が表示されます。値はすべて必須です。
ネットワーク・インタフェースのデプロイメント・プラン・プロパティを表示するには、デプロイメント・プラン・エディタでネットワーク・インタフェースをクリックするか、構造ペインで「ネットワーク・インタフェース」フォルダを展開してフォルダ内のネットワーク・インタフェースをクリックします。
インタフェースのusedhcpプロパティをtrueに設定すると、これらのネットワーク・プロパティがデプロイメント・ターゲット環境で自動的に構成されるようにアサートします。usedhcpがtrueのとき、プロパティ・インスペクタには他のネットワーク・インタフェース・プロパティのすでに設定された値が表示されますが、これらのプロパティの値は変更できません。
usedhcpがfalseの場合、ip_address.0、mac_address.0およびnetmaskの各プロパティは必須です。アプライアンスがスケーラブルである場合、プロパティ・インスペクタには適切な数のアドレス・プロパティ(ip_address.0、ip_address.1、...、mac_address.0、mac_address.1、...)が表示されます。値はすべて必須です。
Vnetは、デプロイメント・プラン・エディタには表示されないため、エディタで選択することはできません。Vnetのデプロイメント・プラン・プロパティを表示するには、構造ペインで「Vnet」フォルダを展開し、Vnetを選択します。
is_privateプロパティは、デプロイされたアセンブリ内部で使用するためにネットワークが高パフォーマンス・ネットワークとして自動的に構成されることを指定します。デプロイメント・ターゲット環境が高パフォーマンスのプライベート・ネットワークに必要なプラットフォームをサポートをしない場合、この値はfalseにする必要があります。Oracle Virtual Machineバージョン3.0に直接デプロイする場合は、この値をfalseに設定します。
network_nameプロパティは、デプロイメント・ターゲット環境で定義されるネットワークの名前を指定します。このプロパティは必須です。
デプロイメント・ターゲット環境によっては、ネットワーク名が一意であることが必要でない場合があります。ネットワーク名が一意でない場合、オプションのnetwork_idプロパティを使用して、デプロイメント・ターゲット環境で定義されるネットワークを一意に指定できます。is_privateプロパティがtrueの場合、このプロパティの値は無視されます。
デプロイメント・プランを検証する手順は、次のとおりです。
「デプロイメント・プラン」ナビゲータで、プランを右クリックし、「検証」を選択します。
検証の結果は、ダイアログ・ボックスに表示されます。
デプロイメント・プランが変更されていると、「デプロイメント・プラン」ナビゲータとデプロイメント・プラン・エディタのタブの両方に名前がイタリック・フォントで表示されます。
デプロイメント・プランを保存する手順は、次のとおりです。
「ファイル」 > 「保存」を選択します。
「ファイル」 > 「保存」メニュー項目が有効になっていない場合、デプロイメント・プランが選択されていない可能性があります。「デプロイメント・プラン」ナビゲータでプランを選択し、「ファイル」 > 「保存」を選択します。
1つのアセンブリに対して複数のデプロイメント・プランを作成、編集および保存できます。デプロイ時に、デプロイメントに対してプランを1つ選択します。このように、1つのアセンブリが複数のデプロイメントの基準として機能でき、各デプロイメントは固有のネットワークと他のプロパティ設定を保持します。
Oracle Virtual Assembly Builder Deployerにアセンブリ・アーカイブをアップロードすると、アセンブリ・アーカイブを特定のターゲットに登録できます。
登録は、次の2つのいずれかの方法で実行します。
「デプロイメント」ナビゲータの「使用可能なアセンブリ」で、特定のアセンブリ・アーカイブ・バージョンを右クリックし、「登録」を選択します。
特定のアセンブリ・アーカイブ・バージョンを目的のターゲットにドラッグ・アンド・ドロップします。「デプロイメント」ナビゲータの「使用可能なアセンブリ」でアセンブリ・アーカイブを選択し、「デプロイメント・ターゲット」のターゲットにドロップします。
どちらの方法でも登録が開始します。ターゲット・ノードがアセンブリ・アーカイブ・バージョンを表す新しい子で更新されます。ターゲット・ノードには読込み中のアイコンが表示され、登録が完了すると、標準のアセンブリ・アーカイブのアイコンに切り替わります。メッセージ・フィードバックが登録の進捗としてメッセージ・ログ・ウィンドウに表示されます。登録が失敗すると、ノードは非表示になり、失敗を説明するポップアップ・メニューが表示されます。
登録解除するには、登録されたノードを右クリックし、「登録解除」を選択します。ノードは、登録解除が完了すると削除されます。進捗メッセージはメッセージ・ログに出力されます。失敗時には、ダイアログが表示されます。
registerAssemblyArchive
コマンドを使用して、アセンブリのテンプレートを登録解除します。例5-15に、unregisterAssemblyArchive
コマンドを示します。
例5-15 unregisterAssemblyArchiveコマンド
$ ./abctl help –command registerAssemblyArchive $ ./abctl registerAssemblyArchive -connectionName MyDeployerConnection -name TheAssembly -version 1
詳細は、付録A「コマンドライン・リファレンス」を参照してください。この付録には、コマンドに渡すことができるパラメータの詳細が記載されています。
この項では、Oracle Virtual Assembly Builder Studioまたはabctl
を使用してアセンブリ・インスタンスをデプロイする方法について説明します。
アセンブリ・インスタンスをデプロイすると、アセンブリのアプライアンス・インスタンスが作成および開始されます。さらに、アプライアンス・インスタンス内のアプリケーションも起動します。アセンブリ・インスタンスのデプロイメントは、長時間実行される操作になる可能性があります。数分かかる場合があります。アセンブリ・インスタンスをデプロイするのにかかる時間は、作成および起動する必要があるVMの数によって変わります。
初めにアプライアンス・インスタンスがゼロのアセンブリをデプロイできます。しかし、後続のスケーリング操作では、アセンブリ構成の一部であるのに初めにインスタンス数がゼロで"デプロイされた"アプライアンスに、アプライアンス・インスタンスを追加できます。
アセンブリ・アーカイブが特定のターゲットに登録されると、そのアセンブリ・アーカイブを1回以上デプロイできます。
「デプロイメント」ナビゲータを開くには、「表示」 > 「デプロイメント」を選択します。
「デプロイメント」ナビゲータの「デプロイメント・ターゲット」ペインで、ターゲットを展開し、デプロイできるアセンブリ・アーカイブのリストを表示できます。
アセンブリ・アーカイブを右クリックし、「デプロイ」を選択します。
アセンブリ・インスタンスは、「デプロイメント・プラン」ナビゲータからデプロイメント・プランをドラッグして、登録されたアセンブリ・アーカイブの上にドロップしても起動できます。
アセンブリ・アーカイブのデプロイ・ウィンドウで次の情報を入力します。
デプロイメント・プラン: デプロイメント・プランを選択します。ダイアログでは、ドロップダウン・リストに、デプロイするアセンブリの名前と一致するデプロイメント・プランを移入します。プランが存在しない場合は、デプロイする前にプランを作成する必要があります。
Vnetマッピング: デプロイメント・プランのVnetマッピングを確認(場合によっては修正)します。デプロイメント・プランの作成時点ではアセンブリのデプロイ先を認識できないため、Oracle Virtual Assembly BuilderはターゲットVnetの名前を検証できません。
アセンブリに定義されたVnetごとに1行が表示されます。Vnetの論理名(アセンブリに定義されているとおり)がラベルとして表示され、対応するドロップダウンにはデプロイメント・ターゲットによって定義されているVnetが表示されます。デプロイメント・プランからの値をユーザーに示す目的で、デプロイメント・プランからの値は、たとえそのプランが無効な場合でもドロップダウン・リストに表示されます。デプロイメント・プランからの値(マッピング)は、アスタリスク(*)接尾辞付きです。
現在のマッピングが無効の場合、値に赤のエラー枠線が表示され、「デプロイ」ボタンが無効になります。デプロイメント・プランに無効なマッピングが含まれている場合、アセンブリはデプロイできません。Vnetマッピングに加えられた変更は、アセンブリ・インスタンスの開始前にデプロイメント・プランに保存されます。
「デプロイ」をクリックして、デプロイメント・プランを新しいマッピングで更新し、アセンブリ・インスタンスを開始します。
デプロイメント・オプションを確認すると、アセンブリ・インスタンスが開始します。新しい子ノードが登録済ノード下に作成され、進捗を示します。新しい子ノードの名前はデプロイメントIDです。アセンブリ・インスタンスが最終状態になるまで読込み中のアイコンが表示されます。
ネットワークが初期化されると、アプライアンスを展開して、そのアプライアンス用に起動された各仮想マシンのIPアドレスを表示できます。
緑のアイコンは成功を示します。アセンブリ・インスタンスの開始が失敗した場合は、赤のアイコンが失敗を示します。進捗メッセージは、メッセージ・ログ・ウィンドウに表示されます。
例5-16に示すようにcreateAssemblyInstance
コマンドを使用して、アセンブリ・インスタンスを作成します。createAssemblyInstance
コマンドは、deployAssemblyInstance
コマンドに必要なassemblyInstanceId
を返します。
例5-16 createAssemblyInstanceコマンド
$ ./abctl help –command createAssemblyInstance $ ./abctl createAssemblyInstance -deploymentPlan c:/zeroAppliancesSite_plan.xml -name SMALLOVA -version 1 -c cloudAdmin Plan upload File Size: 700 Assembly Instance Id: gdc4_29x5_SMALLOVA_1 Assembly instance has been created.
アセンブリ・インスタンスを作成すると、例5-17に示すようにdeployAssemblyInstance
コマンドを使用してアセンブリ・インスタンスをデプロイできます。
例5-17 deployAssemblyInstanceコマンド(完了を待機しない場合)
$ ./abctl help –command deployAssemblyInstance $ ./abctl deployAssemblyInstance -assemblyInstanceId gdc4_29x5_SMALLOVA_1 -c cloudAdminRequest ID: 1d1599a0-434b-426a-ab29-7c6230b5fa33Request to deploy assembly instance has been submitted to deployer.
deployAssemblyInstance
コマンドは、非同期操作です。このコマンドは、デプロイ・リクエストを開始して、リクエストIDを返します。リクエストのステータスは、describeRequests
操作を使用して問い合せることができます。操作が完了するまで待機する場合、-waitForComplete -pollTime 30
のように追加パラメータを指定して、待機することもできます。
例5-18 deployAssemblyInstanceコマンド(完了を待機する場合)
$ ./abctl help –command deployAssemblyInstance $ ./abctl deployAssemblyInstance -assemblyInstanceId gdc4_29x5_SMALLOVA_1 -c cloudAdmin -waitForComplete -pollTime 30Request ID: 1d1599a0-434b-426a-ab29-7c6230b5fa33Request to deploy assembly instance has been submitted to deployer.
例5-19に示すようにdescribeAssemblyInstances
コマンドを使用して、現在のデプロイメントをリストできます。
例5-19 describeAssemblyInstancesコマンド
$ ./abctl help –command describeAssemblyInstances $ ./abctl describeAssemblyInstances -c cloudAdmin---------------------------------------------------------------------------------- Name | Version | State | Assembly Instance Id | Target | Appliances---------------------------------------------------------------------------------- SMALLOVA | 3 | Undeployed | c1Lm-GyML_SMALLOVA_3 | LOCBOX1 | c1Lm-GyML_SMALLOVA_3:zeroAppliancesSite/myWls/Server_3Assembly Instances have been described.$
詳細は、付録A「コマンドライン・リファレンス」を参照してください。この付録には、コマンドに渡すことができるパラメータの詳細が記載されています。
この項では、Oracle Virtual Assembly Builder Studioまたはabctl
を使用してアセンブリ・インスタンスを停止する方法について説明します。
アセンブリ・インスタンスを停止すると、VMとVM内で実行されているアプリケーションが停止します。停止状態のVMは、コンテキストを保持します。停止したVMは、VMを作成する必要がないため、元のデプロイメントよりもずっと短時間で再起動できます。
「デプロイメント」ナビゲータの「デプロイメント・ターゲット」ペインで、アセンブリ・インスタンスを開始、停止、デプロイまたはアンデプロイできます。アセンブリ・インスタンスを停止するには、停止する必要があるアセンブリ・インスタンスを選択し、「停止」をクリックします。
stopAssemblyInstance
コマンドを使用して、アセンブリ・インスタンスを停止します。アセンブリ・インスタンスは、assemblyInstanceId
によって参照されます。describeAssemblyInstances
コマンドを使用して、アセンブリ・インスタンスのリストを取得できます。例5-20および例5-21に、stopAssemblyInstance
コマンドを示します。
例5-20 stopAssemblyInstanceコマンド(完了を待機しない場合)
$ ./abctl help –command stopAssemblyInstance $ ./abctl stopAssemblyInstance -assemblyInstanceId gdc4_29x5_SMALLOVA_1 -c cloudAdminRequest ID: 8486522b-8a5e-4348-bdf1-a7d55fccf848Request for stop has been submitted to deployer.
例5-21 stopAssemblyInstanceコマンド(完了を待機する場合)
$ ./abctl help –command stopAssemblyInstance $ ./abctl stopAssemblyInstance -assemblyInstanceId gdc4_29x5_SMALLOVA_1 -c cloudAdmin -waitForComplete -pollTime 30Request ID: 8486522b-8a5e-4348-bdf1-a7d55fccf848Request for stop has been submitted to deployer.
詳細は、付録A「コマンドライン・リファレンス」を参照してください。この付録には、コマンドに渡すことができるパラメータの詳細が記載されています。
この項では、Oracle Virtual Assembly Builder Studioまたはabctl
を使用してアセンブリ・インスタンスを開始する方法について説明します。
「デプロイメント」ナビゲータの「デプロイメント・ターゲット」ペインで、アセンブリ・インスタンスを開始、停止、デプロイまたはアンデプロイできます。アセンブリ・インスタンスを開始するには、アセンブリ・インスタンスを選択し、「開始」をクリックします。
startAssemblyInstance
コマンドを使用してデプロイメントを開始します。アセンブリ・インスタンスは、assemblyInstanceId
によって参照されます。describeAssemblyInstances
コマンドを使用して、デプロイメントのリストを取得できます。例5-22および例5-23に、startAssemblyInstance
コマンドを示します。
例5-22 アセンブリ・インスタンスの開始(完了を待機しない場合)
$ ./abctl help –command startAssemblyInstance $ ./abctl startAssemblyInstance -assemblyInstanceId gdc4_29x5_SMALLOVA_1 -c cloudAdminRequest ID: 1936dff2-f8a7-4407-83f8-08521bb48fefRequest for start has been submitted to deployer.
例5-23 アセンブリ・インスタンスの開始(完了を待機する場合)
$ ./abctl help –command startAssemblyInstance $ ./abctl startAssemblyInstance -assemblyInstanceId gdc4_29x5_SMALLOVA_1 -c cloudAdmin -waitForComplete -pollTime 30Request ID: 1936dff2-f8a7-4407-83f8-08521bb48fefRequest for start has been submitted to deployer.
詳細は、付録A「コマンドライン・リファレンス」を参照してください。この付録には、コマンドに渡すことができるパラメータの詳細が記載されています。
この項では、Oracle Virtual Assembly Builder Studioまたはabctl
を使用してアセンブリ・インスタンスを再開する方法について説明します。
停止されていたアセンブリ・インスタンスを再開できます。アセンブリ・インスタンスを再開すると、停止したすべてのVMが起動し、VM内のアプリケーションも起動します。アセンブリ・インスタンスは、停止する前の状態にリストアされます。この操作は、デプロイメント操作よりも短時間で完了します。
「デプロイメント」ナビゲータの「デプロイメント・ターゲット」ペインで、アセンブリ・インスタンスを開始、停止、デプロイまたはアンデプロイできます。アセンブリ・インスタンスを再開するには、アセンブリ・インスタンスを選択し、「開始」をクリックします。
restartAssemblyInstance
コマンドを使用して、アセンブリ・インスタンスを再開します。アセンブリ・インスタンスは、assemblyInstanceId
によって参照されます。describeAssemblyInstances
コマンドを使用して、アセンブリ・インスタンスのリストを取得できます。例5-24および例5-25に、restartAssemblyInstance
コマンドを示します。
例5-24 アセンブリ・インスタンスの再開(完了を待機しない場合)
$ ./abctl help –command restartAssemblyInstance $ ./abctl restartAssemblyInstance -assemblyInstanceId gdc4_29x5_SMALLOVA_1 -c cloudAdminRequest ID: 126a97ef-89db-4b05-88d5-17b70e5cc3d2Request to restart assembly instance has been submitted to deployer.
例5-25 アセンブリ・インスタンスの再開(完了を待機する場合)
$ ./abctl help –command restartAssemblyInstance $ ./abctl restartAssemblyInstance -assemblyInstanceId gdc4_29x5_SMALLOVA_1 -c cloudAdmin -waitForComplete -pollTime 30Request ID: 126a97ef-89db-4b05-88d5-17b70e5cc3d2Request to restart assembly instance has been submitted to deployer.
詳細は、付録A「コマンドライン・リファレンス」を参照してください。この付録には、コマンドに渡すことができるパラメータの詳細が記載されています。
この項では、アセンブリの初期デプロイ後に、Oracle Virtual Assembly Builder Studioまたはabctl
を使用して、選択したアプライアンス・インスタンスをスケーリングする方法について説明します。
アセンブリのデプロイ後、各アプライアンスのターゲット数のVMインスタンスが開始されます。各アプライアンス・インスタンスの初期ターゲット数は、デプロイメント・プランで指定されます。アセンブリのデプロイ後に新規ターゲットを動的に指定できます。新規ターゲットに達するまで、Oracle Virtual Assembly BuilderはVMインスタンスを動的に開始または停止(スケール・アップまたはスケール・ダウン)します。スケール・ダウン操作では、正しくデプロイされているインスタンスのみが停止されます。
アプライアンスのインスタンス数をスケーリングする手順は、次のとおりです。
「デプロイメント」ナビゲータでアセンブリ・インスタンスを選択し、構造ペインでアセンブリ構造を展開します。
スケーラブル・アプライアンスを右クリックし、「アプライアンスのスケール」を選択します。
「スケール」ダイアログに、現在稼働中のVMの数と同様、VMインスタンスの最小数と最大数が表示されます。
「ターゲット」ドロップダウン・リストからアプライアンスのVMインスタンスのターゲット数を設定します。最小数から最大数の範囲の値を選択します。
「OK」をクリックします。
describeScalingGroups
コマンドを使用してscalingGroupId
を取得し、scale
コマンドに渡します。(例5-26)
例5-26 describeScalingGroupコマンド
$ ./abctl help -command describeScalingGroups $ ./abctl describeScalingGroups
詳細は、付録A「コマンドライン・リファレンス」を参照してください。この付録には、コマンドに渡すことができるパラメータの詳細が記載されています。
scale
コマンドを使用して、アプライアンスをスケールします(例5-27および例5-28)。
例5-27 scaleコマンド(完了を待機しない場合)
$ ./abctl help -command scale $ ./abctl scale -scalingGroupId 1gWT-t0Np_SMALLOVA_1:zeroAppliancesSite/myWls/Server_3 -target 1 -c cloudAdminRequest ID: c1d2c742-d2fe-4698-bf61-99d619be4fcaRequest for scaling operation has been submitted to deployer.
例5-28 scaleコマンド(完了を待機する場合)
$ ./abctl help -command scale $ ./abctl scale -scalingGroupId 1gWT-t0Np_SMALLOVA_1:zeroAppliancesSite/myWls/Server_3 -target 1 -c cloudAdmin -waitForComplete -pollTime 30Request ID: c1d2c742-d2fe-4698-bf61-99d619be4fcaRequest for scaling operation has been submitted to deployer.
詳細は、付録A「コマンドライン・リファレンス」を参照してください。この付録には、コマンドに渡すことができるパラメータの詳細が記載されています。
この項では、Oracle Virtual Assembly Builder Studioまたはabctl
を使用してアセンブリ・インスタンスをアンデプロイする方法について説明します。
アセンブリ・インスタンスをアンデプロイすると、稼働中のVMはすべて停止します。また、障害が発生したVMが存在する場合は、そのVMのクリーンアップも行います。
「デプロイメント」ナビゲータで、デプロイされたアセンブリ・インスタンスを右クリックし、「アンデプロイ」を選択すると、アセンブリ・インスタンスをアンデプロイできます。成功した場合は、ノードが削除されます。操作が失敗した場合は、赤のアイコンが表示されます。進捗メッセージは、メッセージ・ログ・ウィンドウに表示されます。
undeployAssemblyInstance
コマンドを使用すると、アセンブリ・インスタンスをアンデプロイできます。アセンブリ・インスタンスは、assemblyInstanceId
によって参照されます。describeAssemblyInstances
コマンドを使用して、アセンブリ・インスタンスのリストを取得できます。例5-29に、undeployAssemblyInstance
コマンドを示します。
例5-29 undeployAssemblyInstanceコマンド(完了を待機しない場合)
$ ./abctl help –command undeployAssemblyInstance $ ./abctl undeployAssemblyInstance -assemblyInstanceId gdc4_29x5_SMALLOVA_1 -c cloudAdminRequest ID: 6b0f1b14-466e-4b23-bcc3-8b8506fd40acRequest to undeploy assembly instance has been submitted to deployer.
例5-30 undeployAssemblyInstanceコマンド(完了を待機する場合)
$ ./abctl help –command undeployAssemblyInstance $ ./abctl undeployAssemblyInstance -assemblyInstanceId gdc4_29x5_SMALLOVA_1 -c cloudAdmin -waitForComplete -pollTime 30Request ID: 6b0f1b14-466e-4b23-bcc3-8b8506fd40acRequest to undeploy assembly instance has been submitted to deployer.
詳細は、付録A「コマンドライン・リファレンス」を参照してください。この付録には、コマンドに渡すことができるパラメータの詳細が記載されています。
この項では、abctl
を使用してOracle Virtual Assembly Builder Deployerからアセンブリ・アーカイブを登録解除する方法について説明します。この操作でアセンブリ・アーカイブの登録は解除されますが、アップロード済アーカイブは削除されません。
登録済のアセンブリ・アーカイブ・バージョンを右クリックし、「登録解除」を選択すると、バージョンの登録が解除されます(デプロイメント・ターゲットから)。
要求されたら、アセンブリの登録解除を確認します。
unregisterAssemblyArchive
コマンドを使用して、アセンブリのテンプレートを登録解除します。例5-31および例5-32に、unregisterAssemblyArchive
コマンドを示します。
例5-31 unregisterAssemblyArchiveコマンド(完了を待機しない場合)
$ ./abctl help –command unregisterAssemblyArchive $ ./abctl unregisterAssemblyArchive -name SMALLOVA -version 1 -target LOCBOX1 -c cloudAdminRequest ID: f9f9d0b7-e334-4020-a038-2b728e9a0a37Request to unregister assembly has been submitted to deployer.
例5-32 unregisterAssemblyArchiveコマンド(完了を待機する場合)
$ ./abctl help –command unregisterAssemblyArchive $ ./abctl unregisterAssemblyArchive -name SMALLOVA -version 1 -target LOCBOX1 -c cloudAdmin -waitForComplete -pollTime 30Request ID: f9f9d0b7-e334-4020-a038-2b728e9a0a37Request to unregister assembly has been submitted to deployer.
詳細は、付録A「コマンドライン・リファレンス」を参照してください。この付録には、コマンドに渡すことができるパラメータの詳細が記載されています。
stopAssemblyInstance
コマンドを使用して、アセンブリ・インスタンスを再デプロイします。例5-33および例5-34に、redeployAssemblyInstance
コマンドを示します。
例5-33 redeployAssemblyInstanceコマンド(完了を待機しない場合)
$ ./abctl help –command redeployAssemblyInstance $ ./abctl redeployAssemblyInstance -assemblyInstanceId gdc4_29x5_SMALLOVA_1 -c cloudAdminRequest ID: eff86a4c-d064-4794-b1ae-0624a972ab06Request to redeploy assembly instance has been submitted to deployer.
例5-34 redeployAssemblyInstanceコマンド(完了を待機する場合)
$ ./abctl help –command redeployAssemblyInstance $ ./abctl redeployAssemblyInstance -assemblyInstanceId gdc4_29x5_SMALLOVA_1 -c cloudAdmin -waitForComplete -pollTime 30Request ID: eff86a4c-d064-4794-b1ae-0624a972ab06Request to redeploy assembly instance has been submitted to deployer.
詳細は、付録A「コマンドライン・リファレンス」を参照してください。この付録には、コマンドに渡すことができるパラメータの詳細が記載されています。
アセンブリ・インスタンスがアンデプロイ状態になったら、deleteAssemblyInstance
コマンドを使用して、アセンブリ・インスタンスを削除します。例5-35に、deleteAssemblyInstance
コマンドを示します。
例5-35 deleteAssemblyInstanceコマンド
$ ./abctl help –command deleteAssemblyInstance $ ./abctl deleteAssemblyInstance -assemblyInstanceId gdc4_29x5_SMALLOVA_1 -c cloudAdminAssembly instance gdc4_29x5_SMALLOVA_1 has been deleted.
詳細は、付録A「コマンドライン・リファレンス」を参照してください。この付録には、コマンドに渡すことができるパラメータの詳細が記載されています。
OVAB管理では、abctl
のdeleteAssemblyArchive
コマンドを使用して、デプロイヤ・リポジトリからアセンブリ・アーカイブを削除できます。この操作は、アセンブリ・アーカイブの登録がない場合にのみ実行できます。
例5-36 deleteAssemblyArchiveコマンド(完了を待機しない場合)
$ ./abctl help –command deleteAssemblyArchive $ ./abctl deleteAssemblyArchive -name TheAssembly -version 1 -connectionName myDeployerConnection
例5-37 deleteAssemblyArchiveコマンド(完了を待機する場合)
$ ./abctl help –command deleteAssemblyArchive $ ./abctl deleteAssemblyArchive -name TheAssembly -version 1 -connectionName myDeployerConnection -waitForComplete -pollTime 30
詳細は、付録A「コマンドライン・リファレンス」を参照してください。この付録には、コマンドに渡すことができるパラメータの詳細が記載されています。
次の各項では、使用可能なエクスポート・シナリオについて説明します。
Oracle Virtual Assembly Builder Studioカタログから別のOracle Virtual Assembly Builder Studioカタログへのエクスポートおよび(エクスポートにより作成されたアーティファクトの)インポート。次の項を参照してください。
アセンブリ・アーカイブのコピー。他のユーザーが消費するためにOracle Virtual Assembly Builderの外部へのアセンブリ・アーカイブの公開。たとえば、アセンブリ・アーカイブを作成し、他のユーザーがダウンロードおよびデプロイするために企業内で公開します。
デプロイヤ・リポジトリからOracle Virtual Assembly Builder Studioカタログへのアセンブリ・アーカイブのインポート(importコマンドまたはStudioからのインポート)。
この項では、Oracle Virtual Assembly Builder Studioまたはabctl
を使用してアプライアンスまたはアセンブリをカタログからエクスポートする方法について説明します。
あるカタログから別のカタログにアプライアンスまたはアセンブリをコピーするには、Oracle Virtual Assembly Builderのエクスポートおよびインポート機能を使用する必要があります。
注意: あるカタログから別のカタログにディスク・ファイルを手動でコピーすることはサポートされておらず、機能しません。 |
「エクスポート」ダイアログ・ボックス(図5-17)にアクセスし、「ファイル」 > エクスポートを選択するか、「アセンブリ」ナビゲータでアセンブリを右クリックして「エクスポート」を選択し、アプライアンスまたはアセンブリをカタログからエクスポートします。
次の情報を入力します。
名前: このフィールドには、エクスポート対象として選択したアプライアンスまたはアセンブリの名前が事前に移入されます。
ディレクトリ: エクスポートする場所のディレクトリ名を参照して選択するか、入力します。このディレクトリは空である必要があり、そのディレクトリが存在しない場合は作成されます。
メタデータのみ: メタデータのみ(関連するテンプレートまたはファイル・セットは除く)をエクスポートするには、このチェック・ボックスを選択します。
「OK」をクリックします。
export
コマンドを使用して、アセンブリまたはアセンブリ・メタデータをエクスポートします。例5-38に、メタデータと、関連するテンプレートおよびファイル・セットをエクスポートするためのexport
コマンドを示します。例5-39に、メタデータのみのエクスポートを示します。
例5-38 exportコマンド
$ ./abctl help –command export $ ./abctl export -name myOhs -toDir /tmp/myOhs.export/ (some progress messages) Successfully exported to /tmp/myOhs.export/.
例5-39 exportコマンド(メタデータのみ)
$ ./abctl export -name myOhs -to /tmp/myOhs.export/ -metadataOnly (some progress messages) Successfully exported to /tmp/myOhs.export/.
詳細は、付録A「コマンドライン・リファレンス」を参照してください。この付録には、コマンドに渡すことができるパラメータの詳細がコマンドのサンプル出力とともに記載されています。
この項では、Oracle Virtual Assembly Builder Studioまたはabctl
を使用してアプライアンス、アセンブリまたはアセンブリ・アーカイブをインポートする方法について説明します。
あるカタログから別のカタログにアプライアンスまたはアセンブリをコピーするには、Oracle Virtual Assembly Builderのエクスポートおよびインポート機能を使用する必要があります。
「インポート」ダイアログ・ボックス(図5-18)にアクセスし、「ファイル」 > インポートを選択して、カタログにアプライアンスまたはアセンブリをインポートします。次の情報を入力します。
パス: エクスポートされたアセンブリまたはアプライアンスのディレクトリ名を参照して選択するか、入力します。パスおよび関連付けられているアセンブリがウィンドウに表示されます。
上書き: 既存のメタデータ、関連するファイル・セットおよびテンプレートのオーバーライドを指定するには、このチェック・ボックスを選択します。これは名前競合の修正に使用します。既存のアプライアンスをオーバーライドできるのは、既存のアプライアンスを削除できる場合のみです。
「OK」をクリックします。
import
コマンドを使用して、エクスポートされたメタデータと、関連するファイル・セットおよびテンプレートの疎コピーが含まれる1つ以上のファイルのコンテンツを(ターゲット・カタログに)インポートします。
新しいエントリがターゲット・カタログ内に作成されます。名前の競合がある場合(importコマンドが"mySite"を作成しようとして、カタログに"mySite"がすでにある場合など)、操作は失敗します。
例5-40に、前にexportコマンドを実行したディレクトリからのimport
コマンドを示します。
例5-40 ディレクトリからのimportコマンド
$ ./abctl help –command import $ ./abctl import -from /tmp/myOhs.export/ Successfully imported myOhs to /example/ab_home/catalog.
例5-41に、アセンブリ・アーカイブからのimport
コマンドを示します。
例5-41 アセンブリ・アーカイブからのimportコマンド
$ ./abctl help –command import $ ./abctl import -from /tmp/myOhs.ova Successfully imported myOhs to /example/ab_home/catalog.
詳細は、付録A「コマンドライン・リファレンス」を参照してください。この付録には、コマンドに渡すことができるパラメータの詳細が記載されています。
外部VMテンプレートを指定したカタログにインポートし、デプロイメント用に後でアセンブリに追加できる外部アプライアンスを作成できます。
この操作は、abctl
を使用してのみ実行できます。
例5-42に、外部VMテンプレートのインポート・コマンドを示します。
例5-42 外部VMテンプレートのインポート
$ ./abctl importExternalTemplate -fromDir /dir/containing/image/file -name myExternalAppliance Executing importExternalTemplate command. Set the root and vnc passwords that will be configured in the imported template. Enter root password: Retype root password: Enter vnc password: Retype vnc password: (some progress messages) Successfully imported template.
Oracle Virtual Assembly Builder Studioカタログ内のアセンブリ・アーカイブは、$AB_INSTANCE/ova
ディレクトリに格納されます。コピーまたはFTPを使用して、エクスポート・ユーティリティを使用せずにアセンブリ・アーカイブをこのディレクトリから転送できます。通常、アセンブリ・アーカイブをデプロイヤによって管理される「デプロイメント」ナビゲータにコピーします。
アセンブリ・アーカイブをインポートすると、アセンブリ・アプライアンスの編集ができるように、アセンブリ・アーカイブ・テンプレート・ファイルをディスクの場所からローカル・カタログにインポートできます。インポートでは、元のカタログと同じファイル・セットおよびテンプレート・アーティファクトでメタデータ構造を作成します。
アセンブリ・アーカイブをインポートするには、abctl
のdownloadAssemblyArchive
コマンドを使用します。
例5-43 downloadAssemblyArchiveコマンド
$ ./abctl help –command downloadAssemblyArchive $ ./abctl downloadAssemblyArchive -name MyAssembly -version 1 -fileName RenamedAssembly.ova
詳細は、付録A「コマンドライン・リファレンス」を参照してください。この付録には、コマンドに渡すことができるパラメータの詳細が記載されています。
Enterprise Manager Grid Control Cloud Management Packを使用してデプロイメント操作をアセンブリ・アーカイブに対して実行する予定の場合、これらの操作を使用します。このシナリオでは、Oracle Virtual Assembly Builderを使用してアセンブリ・アーカイブを作成し、Enterprise Managerソフトウェア・ライブラリにアップロードします。Enterprise Manager Grid Control Cloud Management Packを使用して、アセンブリ・インスタンスをデプロイします。
Enterprise Managerソフトウェア・ライブラリへの接続を構成するには、abctl
のcreateEMConnection
コマンドを使用します。Enterprise Managerソフトウェア・ライブラリへの接続は、接続ファイルで維持されます。
リモートEnterprise Managerマシンの完全修飾ホスト名を指定する必要があります。例: myhost
のかわりにmyhost.example.com
。
例5-44 createEMConnection
$ ./abctl createEmConnection -connectionURL emMachine:7791 -connectionUser admin -namedHostCredential hostCredential -remoteUser mySshUser -remoteWorkingDir /scratch/myovas [-sshPort 23] [-privateKeyFile ~/.ssh/id_rsa]
connectionPassword
を要求されます。
詳細は、付録A「コマンドライン・リファレンス」を参照してください。この付録には、コマンドに渡すことができるパラメータの詳細が記載されています。
Oracle Virtual Assembly Builder StudioカタログからEnterprise Managerソフトウェア・ライブラリにアセンブリ・アーカイブをアップロードするには、abctl
のuploadEMAssemblyArchive
コマンドを使用します。アセンブリ・アーカイブは、アセンブリを使用して作成しておく必要があります。
例5-45 Enterprise Managerソフトウェア・ライブラリへのアセンブリのアップロード
$ ./abctl uploadEMAssemblyArchive -name archiveName -description "my assembly archive" Assembly archive upload started Assembly archive upload at 10% Assembly archive upload at 20% Assembly archive upload at 30% Assembly archive upload at 40% Assembly archive upload at 50% Assembly archive upload at 60% Assembly archive upload at 70% Assembly archive upload at 80% Assembly archive upload at 90% Assembly archive upload at 100% Assembly archive upload complete Assembly archive version 0.1 uploaded Successfully uploaded the assembly archive mySite to EM Software Library. Check the status of the assembly archive with describeEMAssemblyArchives before using.
詳細は、付録A「コマンドライン・リファレンス」を参照してください。この付録には、コマンドに渡すことができるパラメータの詳細が記載されています。
Enterprise Managerソフトウェア・ライブラリに存在する アセンブリ・アーカイブとそのバージョンをリストするには、abctl
のdescribeEMAssemblyArchives
コマンドを使用します。
例5-46 EMソフトウェア・ライブラリのアセンブリ・アーカイブの記述
$ ./abctl describeEMAssemblyArchives [-name nameOfAssemblyArchive] ------------------------------------------------ Name | Version | Description | Status ------------------------------------------------ mySite | 0.3 | mysite3 | READY | 0.2 | mysite3 | READY | 0.1 | mysite3 | READY ------------------------------------------------
詳細は、付録A「コマンドライン・リファレンス」を参照してください。この付録には、コマンドに渡すことができるパラメータの詳細が記載されています。
Enterprise Managerソフトウェア・ライブラリから指定したバージョンのアセンブリ・アーカイブを削除するには、abctl
のdeleteEMAssemblyArchive
コマンドを使用します。
注意:
|
例5-47 Enterprise Managerソフトウェア・ライブラリからのアセンブリ・アーカイブの削除
abctl deleteEMAssemblyArchive -name archiveName -version 1.2
詳細は、付録A「コマンドライン・リファレンス」を参照してください。この付録には、コマンドに渡すことができるパラメータの詳細が記載されています。
Enterprise Managerソフトウェア・ライブラリからOracle Virtual Assembly Builder Studioカタログにアセンブリをダウンロードするには、abctl
のdownload
コマンドを使用します。
注意:
|
アセンブリ・アーカイブは、Oracle Virtual Assembly Builderメタデータ、ファイル・セットおよびテンプレートを作成してOracle Virtual Assembly Builder Studioカタログで維持するために、リバース・エンジニアリングされます。
例5-48 アセンブリのダウンロード
abctl downloadEMAssemblyArchive -name archiveName -version 1.0 -force -downloadAs newName
詳細は、付録A「コマンドライン・リファレンス」を参照してください。この付録には、コマンドに渡すことができるパラメータの詳細が記載されています。