この項の内容は次のとおりです。
Site Studio Webサイトは、様々なページ内の様々な形式のコンテンツの迅速な配信を可能にする動的Webサイトです。しかし、パフォーマンスをさらに向上させるためにカスタマイズ可能な点がSite Studioにあります。
作成および保守するWebサイトには、あまり使用されないものがある場合があります。このような場合、実際にリクエストされるまでサーバーでこれらのサイトをメモリーにロードしないようにすると、メモリー管理によるサーバー・パフォーマンスの向上を簡単に行えます。
リクエストされた場合にのみロードするサイトは、サーバーの起動時にロードするサイトとリクエストに応じてロードするサイトを選択できるオンデマンド管理を使用して管理者がそのようにマークできます。
サイトがリクエストされた場合、他のサイトと同様にメモリーにとどまります。
オンデマンドWebサイトの詳細は、『Oracle WebCenter Content Site Studio管理者およびマネージャーズ・ガイド』を参照してください。
コントリビューション・リージョンの要素が多い場合、コントリビュータによるロードに時間がかかる場合があります。これは想定されていることです。Site Studioには、オンデマンド・エディタを使用することでコントリビュータのロードを速くするために設定可能な構成フラグがあります。
この項の内容は次のとおりです。
Site Studioでは、様々なアクション用に多数の構成フラグが使用されます。フラグが多いため、最も一般的なインスタンスで使用されるものについてのみ説明します。
コントリビュータには、JavaScriptとCSSに基づいたコードの部分が多くあります。このコードは最適化できます。
最適化されたコントリビュータ・ソース・コードは、圧縮および統合されたJavaScriptおよびCSSコードです。最適化されたソース・コードによって、コントリビュータ・アプリケーションのロード時間とブラウザでの実行速度が向上します。デフォルトでは、Site Studioはデバッグおよび構成で最適化されていないソース・コードを使用するよう最初は構成されています。
この章の内容は次のとおりです。
ビルド・プロセスには、1.5以上の仕様を実装するJava用のJDKが必要です。
ビルド・システムは、デフォルトでは、toolsディレクトリがコントリビューション・アプリケーションのルート・ディレクトリ内にある場合にのみ適切に機能します。ほとんどの場合、toolsディレクトリは次の場所にあります。
CONTENT_SERVER_INSTALL_DIR\weblayout\resources\wcm\tools
注意: コンピュータが、1.5より前のバージョンのデフォルトJava Runtime Environmentを使用するよう構成されている場合、適合するランタイム環境を参照するようbuild.jsスクリプトのWCM.Compress関数の圧縮モジュールの呼出しを変更する必要があります。特に、runCommand関数の最初のパラメータを、javaから1.5以上のjava実行可能ファイルへの完全パス参照に変更する必要があります。 |
最適化されたコントリビュータ・ソース・コードをビルドするロジックはすべて、JavaScriptで記述されたbuild.jsにあります。ビルド・プロセスではRhino (JavaScriptインタープリタ)を使用してビルド・スクリプトを実行し、最適化されたコントリビュータ・ソース・コードを作成します。build.jsスクリプト・ファイルは次のディレクトリにあります。
\tools\optimize\build.js
ビルド・プロセスでは、まず最適化されていないコードの複製コピーを作成します。デフォルトでは、宛先ディレクトリはwcm_minという名前で、次の場所のコントリビュータ・アプリケーションのルート・ディレクトリ外にあります。
CONTENT_SERVER_INSTALL_DIR\weblayout\resources\wcm_min
その後、ビルド・プロセスは、すべてのJavaScriptおよびCSSファイルを圧縮し、各HTMLファイルをスキャンして、最終的にHTMLファイルで参照されているすべてのJavaScriptおよびCSSファイルを連結することで、新たにコピーされたコードを最適化されたソース・コードにします。ビルド・プロセスでは実行時にHTMLファイルを読み取り、HTMLファイル内の既知のコメント構文内にあるすべてのJavaScriptおよびCSSファイルを列挙します。
たとえば、次のようなコメント構文内のJavaScript参照があるとします。
<!-- BEGIN:SCRIPT --> <script type="text/javascript" src="../wcm.js"></script> <script type="text/javascript" src="../base/wcm.dhtml.js"></script> <script type="text/javascript" src="../base/wcm.get.js"></script> <script type="text/javascript" src="../base/wcm.http.js"></script> <script type="text/javascript" src="../base/wcm.popup.js"></script> <script type="text/javascript" src="../base/wcm.compare.js"></script> <script type="text/javascript" src="../base/wcm.diff.js"></script> <script type="text/javascript" src="../sitestudio/wcm.idc.js"></script> <script type="text/javascript" src="../sitestudio/wcm.contentserver.popup.js"></script> <script type="text/javascript" src="../sitestudio/wcm.helpfiles.js"></script> <script type="text/javascript" src="../sitestudio/wcm.help.js"></script> <script type="text/javascript" src="../form/wcm.form.js"></script> <script type="text/javascript" src="wcm.sitestudio.form.js"></script> <script type="text/javascript" src="../custom/sitestudio/wcm.sitestudio.form.js"></script> <!-- END:SCRIPT -->
これが圧縮、連結されて次のように参照されます。
<!-- BEGIN:SCRIPT --> <script type="text/javascript" src="../wcm.sitestudio.form.composite.js"></script> <!-- END:SCRIPT -->
同様に、次のコメント構文内に次のCSS参照があるとします。
<!-- BEGIN:CSS --> <link href="../base/wcm.base.css" rel="stylesheet" type="text/css" /> <link href="wcm.sitestudio.form.css" rel="stylesheet" type="text/css" /> <link href="../custom/sitestudio/wcm.sitestudio.form.css" rel="stylesheet" type="text/css" /> <!-- END:CSS -->
これが圧縮、連結されて次のように参照されます。
<!-- BEGIN:CSS --> <link href="wcm.sitestudio.form.composite.css" rel="stylesheet" type="text/css" /> <!-- END:CSS -->
Windowsでビルド・プロセスを実行するには、次の場所にあるshell-buildショートカットをダブルクリックします。
\tools\optimize\shell-build
Site Studioでサポートされる他のプラットフォーム(Windowsを含む)でビルド・プロセスを実行するには、次のコマンドラインを使用します。
java.exe -cp ..\rhino\rhino1_7R2\js.jar org.mozilla.javascript.tools.shell.Main build.js
コマンドラインからビルド・プロセスを実行する場合、実行の作業ディレクトリがビルド・スクリプトのディレクトリであることを確認することが重要です。たとえば、シェルからビルドを実行する場合、コマンドラインを実行する前にビルド・スクリプトのディレクトリ(\tools\optimize)にディレクトリを変更するようにします。
プロセスは、「Site Studioの管理」の「フラグメント・ライブラリの管理」ページからも実行できます。「コントリビュータJavaScriptの圧縮」をクリックしてプロセスを起動します。
Windowsでビジュアル・デバッガを実行するには、次の場所にあるshell-debugショートカットをダブルクリックします。
\tools\optimize\shell-debug
サポートされる他のプラットフォーム(Windowsを含む)でビジュアル・デバッガを実行するには、次のコマンドラインを使用します。
java.exe -cp ..\rhino\rhino1_7R2\js.jar org.mozilla.javascript.tools.debugger.Main build.js
コマンドラインからビジュアル・デバッガを実行する場合、デバッガの実行の作業ディレクトリがビルド・スクリプトのディレクトリであることを確認することが重要です。たとえば、シェルからデバッガを実行する場合、コマンドラインを実行する前にビルド・スクリプトのディレクトリ(\tools\optimize)にディレクトリを変更するようにします。
最適化されたコントリビュータ・ソース・コードが作成されたら、SSContributorSourceDir値を変更して、最適化されたソース・コードを使用するようSite Studioを構成できます。この値は、次の構成ファイルで設定できます。
CONTENT_SERVER_INSTALL_DIR\custom\SiteStudio\SiteStudio.cfg
sitestudio.cfg内でSSContributorSourceDirを値wcm_min
に設定します。
SSContributorSourceDir=wcm_min
コントリビュータ・ソース・コードへのカスタマイズは、JavaScriptおよびCSSファイル参照が特別なコメント構文内にある場合、ビルド・プロセスによって自動的に選択されます。また、新たに追加されたHTMファイルでJavaScriptおよびCSSファイル参照の箇所に特別なコメント構文が含まれている場合、ビルド・プロセスはそれらのファイルに対して最適化を実行します。
ビルド・スクリプトをユーザーのカスタマイズのニーズに合せて変更することもできます。たとえば、出力ディレクトリ名または場所を変更できます。また、コピー、圧縮または連結されるファイルを決定するための正規表現フィルタもあります。これらのフィルタは、カスタマイズに合うよう必要に応じて更新できます。
キャッシュされたデータのメモリーの使用によって、Site Studioのレスポンス性が影響を受けます。これを制御する方法の1つは、Site Studioプログラム自体で行われており、様々な変更を組み入れることでSite Studio構造のメモリー要件が低減されています。
これらの変更には、Xerces遅延DOMロードの無効化やプロジェクト・ファイルDOMからの意味のない空白テキスト・ノードの削除などがあります。
メモリー使用量は、フラグの使用でも制御できます。この項の内容は次のとおりです。
Xercesパーサーの遅延ノード展開機能は、小規模なDOCでは非常に非効率的な機能と言われています。ただし、これはフラグによって制御できます。
DOC_INFOキャッシュ内のアイテムのサイズを計算するアルゴリズムは、2つの方法で調整できます。1つ目の方法は、ファイル・サイズに対する乗数を使用する方法です。2つ目は、DOMの列挙です。次の構成フラグを使用できます。
SSComputeDocInfoCacheSize: ResultSetのサイズを計算するかどうかを示すブール値。ResultSetのサイズを計算しない場合、SSDocInfoCacheLowerBound値が使用されます。デフォルトは、falseです。
SSDocInfoCacheLowerBound: これは、キャッシュにレポートされるResultSetのサイズの下限を設定します。デフォルトは、2000です。
SSDocInfoCacheMultiplier: キャッシュにレポートされる最終的な値を得るために計算されたキャッシュ・サイズに掛ける乗数。キャッシュ自体の計算で、レポートされた値に10が掛けられます。デフォルトは、0.1です。
SSDocInfoCacheStringMultiplier: メモリーでの最終的な文字列サイズを得るための文字列長に対する乗数。デフォルトは、2です。
SSDocInfoCacheColumnOverhead: 結果セットで1列当たりに追加するバイト数。デフォルトは、40です。
SSDocInfoCacheRowOverhead: 結果セットで1行当たりに追加するバイト数。デフォルトは、24です。
SSDocInfoCacheCellOverhead: 結果セットで1セル当たりに追加するバイト数。デフォルトは、12です。
注意: これらのフラグはSite Studio 10gR4で使用されていますが、Site Studio 11gR1では使用されていません。 |
SSXPathCacheEntryがResourceCacheで消費する領域のサイズを計算するアルゴリズムは、2つの方法で調整できます。1つ目の方法は、ファイル・サイズに対する乗数を使用する方法です。2つ目は、DOMの列挙です。次の構成フラグを使用できます。
SSDomCacheUseFileSize: ファイルのサイズに基づいたキャッシュ・サイズの計算に使用します。デフォルトは、trueです。
SSDomCacheUseDOM: XML DOMの列挙に基づいたキャッシュ・サイズの計算に使用します。デフォルト値は、falseです。
SSDomCacheLowerBound: レポートされるキャッシュ・サイズの下限を設定します。デフォルトは、6000です。
SSDomCacheMultiplier: 最終的な値を得るために、指定された値を計算されたキャッシュ・サイズに掛けます。現在実際的なキャッシュのサイズを計算するために合計値に10を掛けることを推奨しているため、デフォルトは0.1です。
SSDomCacheStringMultiplier: 文字列サイズを求めるためにDOMの文字列長に掛けるバイト数。デフォルトは、2です。
SSDomCacheDefaultFileSizeFactor: キャッシュ・サイズを得るためにファイル・サイズに掛ける値のデフォルト値。デフォルトは、2.0です。
SSDomCacheFileSizeFactors: キャッシュ・サイズの計算を制御するファイル・サイズと乗数のカンマ区切りのリスト。
たとえば、次の文字列があるとします。
1000,6.0,10000,2.7,50000,2.1,100000,1.9,300000,1.6
[0...999]のファイル・サイズに6.0が掛けられます。
[1000...9999]のファイル・サイズに2.7が掛けられます。
[10000...49999]のファイル・サイズに2.1が掛けられます。
[50000...99999]のファイル・サイズに1.9が掛けられます。
[100000...299999]のファイル・サイズに1.6が掛けられます。
(前述の範囲外のファイルには、SSDomCacheDefaultFileSizeFactorの値が掛けられます。)