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Oracle Fusion Middleware Oracle Portalユーザーズ・ガイド
11gリリース1 (11.1.1)
B61383-02
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21.3 ポートレットのキャッシュ

ポートレットのキャッシュ・オプションは、ページのレスポンス時間の高速化に役立ちます。この項では、ポートレットのキャッシュ・オプションとその適用方法について説明します。この項の内容は次のとおりです。

21.3.1 ポートレットのキャッシュ方法の変更

ポートレットのキャッシュ方法を変更するには、次のようにします。

  1. ポートレット・インスタンスが置かれているページに移動します。

    ページの検索方法は、8.1項「Oracle Portalでのページの検索」を参照してください。

  2. 編集モードに切り替えます。

  3. ポートレット・インスタンスの横にある「操作」アイコンをクリックします(図21-1)。

    図21-1 「操作」アイコン

    「操作」アイコン
  4. 「操作」ページで、「ポートレット・インスタンスの編集」リンクをクリックします。

  5. 「ポートレット・キャッシュ」セクションでは、このポートレット・インスタンスのキャッシュ方法を指定します。

    詳細は、21.3.2項「ポートレット・キャッシュ・オプション」を参照してください。

  6. 「ポートレットのキャッシュ・レベル」セクションで、このポートレット・インスタンスのキャッシュ・レベルを指定します。

    各キャッシュ・レベルの詳細と説明は、21.3.3項「ポートレットのキャッシュ・レベル・オプション」を参照してください。

  7. 「OK」をクリックして変更を保存し、ページに戻ります。

21.3.2 ポートレット・キャッシュ・オプション

表21-2は、「ポートレット・インスタンスの編集」ページの「ポートレット・キャッシュ」オプションのリストとその説明です。

  • ポートレットを使用してキャッシュを実装する

  • ポートレットを [ ] 分間強制キャッシュ

表21-2 ポートレット・キャッシュ・オプション

オプション 説明

ポートレットを使用してキャッシュを実装する

デフォルトでは、ポートレット・インスタンスは、ポートレットの作成者がそのポートレットにキャッシュを実装している場合のみキャッシュされます。ポートレットのキャッシュの実装は、ほとんどのポートレット・インスタンスに適しています。ページのポートレットのパフォーマンスが許容レベルを下回っている場合は、次に説明するオプション「ポートレットを [ ] 分間強制キャッシュ」を選択して、ポートレットのキャッシュ方法を変更できます。

ポートレットを [ ] 分間強制キャッシュ

このポートレット・インスタンスをOracle Portalファイル・システムのキャッシュに入れる時間(分数)を入力します。

ポートレット・コンテンツの生成後、コンテンツは指定された分数の間Portalキャッシュに格納されます。これは、有効期限ベースのキャッシュと呼ばれます。この時間中にページ・コンテンツのアセンブル時にポートレット・コンテンツがリクエストされた場合、キャッシュがヒットし、ポートレットに接続する必要はありません。このキャッシュは、ポートレットで実装されている他のキャッシュに加えて使用されます。

ポートレットでキャッシュが実装されていない場合やキャッシュを実装してもパフォーマンスが向上しない場合は、このオプションを選択すると、ページ・パフォーマンスが向上します。たとえば、ポートレットで検証ベースのキャッシュを使用し、検証チェックに負荷がかかりすぎている場合や、ポートレットの有効期限ベースのキャッシュを使用しているものの有効期限が短すぎる場合などです。

このオプションを設定すると、リクエストのたびにポートレットにアクセスする必要がないため、ページ・パフォーマンスが向上します。ただし、ポートレットのコンテンツが指定された時間内に変更された場合、古いコンテンツが表示されることがあります。頻繁にリフレッシュされるコンテンツより高速なレスポンスの方が重要なポートレット・コンテンツの場合は、特に問題はありません。

このオプションを設定する場合は、次の点に注意してください。

  • ポートレットでコンテンツの有効期限も指定している場合、長い方の有効期限が使用されます。

  • ポートレットで検証ベースのキャッシュが指定されている場合、このオプションを設定すると、指定されている時間中はこのオプションが優先されます。

  • ページ・ポートレットの場合、アセンブルされたページ・ポートレットのコンテンツは、「ページ」ポートレットで指定されたページ・キャッシュのみでなく、Portalキャッシュにも格納されます。


21.3.3 ポートレットのキャッシュ・レベル・オプション

表21-3は、「ポートレット・インスタンスの編集」ページの「ポートレットのキャッシュ・レベル」オプションのリストとその説明です。

  • ページのキャッシュ・レベル

  • ユーザー・レベル・キャッシュ

  • システム・レベル・キャッシュ

「ポートレットのキャッシュ・レベル」オプションを使用して、ポートレットの作成者によって定義されたキャッシュ・ポリシーまたは強制的なキャッシュ・ポリシー(表21-2「ポートレット・キャッシュ・オプション」「ポートレットを [ ] 分間強制キャッシュ」を参照)のいずれかでキャッシュ・レベルを変更できます。

このオプションは、ポートレットのキャッシュを強制しません。このオプションでは、ポートレットのリクエストでユーザーまたはシステム・レベルの情報を送信するかどうかを制御します。

次の場合は、「ポートレットのキャッシュ・レベル」オプションを使用できません。

  • ポートレットそのものでシステム・レベルのキャッシュが指定されている場合。この場合、ポートレットは常にシステム・レベルでキャッシュされます。

  • オプション「ページの定義およびコンテンツをシステム・レベルで[ ]分間キャッシュ」を使用してページがキャッシュされる場合。ページがこのレベルでキャッシュされる場合、ページのポートレット・インスタンスにはパブリック・データのみ表示できます。


注意:

WSRPポートレットが正常に動作することを保証するために、ユーザー・レベルでキャッシュされるWSRPポートレットはユーザー・レベルでキャッシュされるページに、システム・レベルでキャッシュされるWSRPポートレットはシステム・レベルでキャッシュされるページに置くことをお薦めします。


表21-3 ポートレットのキャッシュ・レベル・オプション

オプション 説明

ページのキャッシュ・レベル

ポートレットがキャッシュされる場合、ページのキャッシュ・レベル(ユーザー・レベルまたはシステム・レベル)でキャッシュされます。

ユーザー・レベル・キャッシュ

ポートレットがキャッシュされる場合、ユーザー・レベルでキャッシュされます。ポートレット・コンテンツはユーザーに対してキャッシュされます。ポートレットがユーザー・レベルでキャッシュされる場合、ユーザーはポートレットをパーソナライズできます(ポートレットのパーソナライズが有効な場合)。

ポートレットのキャッシュ・ポリシーで、ポートレットがキャッシュされず、「ポートレットを [ ] 分間強制キャッシュ」の設定を使用して強制キャッシュされないように指定されている場合、ポートレットはキャッシュされません。ただし、ユーザー・レベル情報は、ポートレット・リクエストとともに送信されます。

ページ・ポートレットの場合、このオプションは、ソース・ページのページ定義で指定されたページ・キャッシュに影響しません。ただし、「ポートレットを [ ] 分間強制キャッシュ」オプションを使用している場合は、アセンブルされたページ・ポートレットのコンテンツのキャッシュに影響します。

システム・レベル・キャッシュ

ポートレットがキャッシュされる場合、システム・レベルでキャッシュされます。ポートレット・コンテンツはすべてのユーザーに対して1回キャッシュされます。

ポートレットがシステム・レベルでキャッシュされる場合、ポートレット・コンテンツはすべてのユーザーに共通です。ポートレットはパブリック・ユーザーとして実行され、パブリック・データのみが表示されます。パブリック・データを含まないポートレット(「最近使用したオブジェクト」ポートレットまたは「外部アプリケーション」ポートレットなど)は表示されません。

ポートレットでユーザー固有のデータを表示する必要がなく、ポートレットのキャッシュ・ポリシーがシステム・レベルで設定されておらず、ポートレットがポートレット独自のキャッシュ・ポリシーまたは「ポートレットを [ ] 分間強制キャッシュ」オプションを使用してキャッシュされる場合は、このオプションを選択すると、ページ・パフォーマンスが向上します。

ページ・ポートレットの場合、このオプションと「ポートレット・キャッシュ」オプションを同時に使用すると、ページ・ポートレットの表示方法に影響します。

  • 「システム・レベル・キャッシュ」および「ポートレットを使用してキャッシュを実装する」を選択した場合、ページ・ポートレットの表示は、ページ・キャッシュ・オプションのシステム・レベルでページ定義をキャッシュを選択したときと同じになります。

  • 「システム・レベル・キャッシュ」および「ポートレットを[ ]分間強制キャッシュ」を選択した場合、ページ・ポートレットの表示は、ページ・キャッシュ・オプションの「ページの定義およびコンテンツをシステム・レベルで[ ]分間キャッシュ」を選択したときと同じになります(システム・レベルの有効期間ベースのキャッシュ)。

    この組合せでは、アセンブルされたページ・ポートレットのコンテンツは、システム・レベルでPortalキャッシュに格納されます。