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Oracle® Fusion Middleware Oracle SOA Suite、WebCenter PortalおよびADFアップグレード・ガイド
11g リリース1 (11.1.1.6.0)
B55926-05
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4 Oracle BPEL長時間実行プロセスに関する特別な考慮事項

Oracle SOA Suite 11g環境のアップグレードを始める前に、この章の情報を使用して、Oracle BPEL Process Manager長時間実行プロセスに対するアップグレードの影響を考慮する必要があるかどうかを確認してください。

4.1 Oracle BPEL Process Manager長時間実行プロセスとは

他のBPELプロセスと同様、長時間実行プロセスも、サービスにアクセスして値または結果をOracle BPEL Process Managerに戻します。ただし、他のプロセスと異なる点は、長時間実行プロセスでは値が戻されるまでに比較的長時間かかる場合があることです。

たとえば、外部タスクを起動して顧客注文を処理するように設計されたこのプロセスは、注文の処理を開始する非同期バックエンド・アプリケーションを起動します。バックエンド・アプリケーションは注文の承認のためユーザーと対話します。注文が承認されると、バックエンド・アプリケーションはプロセスへのコールバックを実行し、プロセスはクライアント・アプリケーションへのコールバックを実行します。このタイプの複合プロセスが長時間実行プロセスの一例です。

長時間実行プロセスは、既存のOracle BPEL Process Manager 10g環境を停止するタイミングや、Oracle BPEL Process Manager 11g環境を開始するタイミングを考慮する必要があるため、アップグレード計画に影響を及ぼします。長時間実行プロセスがすべて正常終了してから既存のOracle BPEL Process Manager 10g環境を停止して終了し、11g環境の使用を開始することが理想的です。

4.2 長時間実行プロセスの2通りのアップグレード方法

Oracle SOA Suiteは、広範囲にわたって組織や企業をサポートしています。そのため、すべての環境を満たせる最良のアップグレード戦略を決定することは容易ではありません。しかし、長時間実行プロセスについては、検討できる2つの解決策があります。ここで説明する2つの解決策がすべてのお客様に適しているわけではありません。組織にとってどれが最良の戦略か確信が持てない場合は、これらの解決策の代替となる解決策についてOracleサポートにお問い合せください。

4.2.1 長時間実行プロセスに対するアップグレード時の同時並行アプローチの使用

長時間実行プロセスに対する同時並行アプローチでは、長時間実行プロセスがタスクを終了するまでOracle Application Server 10g環境を稼働したまま、Oracle Fusion Middleware 11g環境へアップグレードします。

表4-1に、アップグレード時のOracle BPEL Process Manager長時間実行プロセスをサポートする同時並行アプローチを検討している場合に使用するアップグレード処理の概要を示します。

表4-1 長時間実行プロセスに同時並行アプローチを使用するステップ

ステップ番号 タスク 詳細情報

1

新しいOracle Fusion Middleware 11g環境をインストールして構成します。

第6章「Oracle SOA Suite 10g環境のアップグレード」


2

Oracle JDeveloper 11gでアプリケーションをアップグレードします。

第8章「Oracle SOA Suite、WebCenterおよびADFアプリケーションのアップグレードの概要」


3

Oracle Fusion Middleware 11gにアプリケーションをデプロイします。

第8.9項「タスク9: アプリケーションのデプロイ」


4

クライアント・アプリケーションをコピーしてアップグレードし、Oracle Fusion Middleware 11gにデプロイしたアプリケーションを使用してテストします。

第14.5項「Oracle SOA Suiteクライアント・アプリケーションのアップグレード」


5

Oracle BPEL Process Manager 10gのすべてのプロセスをリタイアします。これにより、新しいプロセスの開始は阻止され、既存の10gプロセスは終了するまで許可されます。

Oracle Application Server 10g リリース3 (10.1.3.1.0)の『Oracle SOA Suite開発者ガイド』にある、プロセス・ライフサイクルの管理方法に関する項(次に示すOracle Technology Network (OTN)から入手できます)

http://www.oracle.com/technology/documentation

6

10gシステムが稼働している状態で10gのクライアント・アプリケーションを停止し、アップグレードしたアプリケーション・クライアントを開始すると、リクエストが新しい11gのOracle BPEL Process Managerに送られます。

Oracle Fusion Middlewareの管理者ガイドにある、Oracle Fusion Middlewareの起動と停止に関する項

7

10gのすべての長時間実行プロセスを完了まで監視します。

Oracle Application Server 10g リリース3 (10.1.3.1.0)の『Oracle SOA Suite開発者ガイド』にある、「インスタンス」タブを使用したプロセス・インスタンスの監視に関する項(次に示すOracle Technology Network(OTN)から入手できます)

http://www.oracle.com/technology/documentation

8

Oracle BPEL Process Manager 10gを停止して終了します。

  • Oracle Application Server 10g リリース3 (10.1.3.1.0)の『Oracle BPEL Process Managerクイック・スタート・ガイド』にある、Oracle BPEL Process Managerコンポーネントの起動と停止に関する項

  • Oracle Application Server 10g リリース3(10.1.3.1.0)の『Oracle Application Server管理者ガイド』にある、アプリケーション・サーバー・インスタンスの起動と停止に関する項

Oracle Application Server 10g リリース3(10.1.3)のドキュメントは、次に示すOracle Technology Network(OTN)から入手できます。

http://www.oracle.com/technology/documentation

4.2.2 長時間実行プロセスに対する猶予期間と強制終了の使用

Oracle BPEL Process Manager長時間実行プロセスの数が多くない、長時間実行プロセスがビジネス・モデルにとってクリティカルではない、またはアップグレードのタイミングや期間に余裕がある場合は、長時間実行プロセスに対するアップグレード時の同時並行アプローチの代替として、この項で説明するアプローチを検討します。

この代替する猶予期間アプローチは、長時間実行プロセスがクライアント・メッセージを受信するまで完了できない場合も使用できます。たとえば、クライアントがメッセージを送信してプロセスを開始した後、プロセスの途中で別のメッセージを送信すると、同時並行アプローチのプロセスは終了しません。これは、プロセスが11gにアップグレードされたクライアントに依存しているためです。そのため、10gシステムは2番目のクライアント・メッセージを受信しません。

表4-2に、長時間実行プロセスに対する同時並行アプローチの代替方法を検討している場合に使用するアップグレード処理の概要を示します。

表4-2 長時間実行プロセスに猶予期間と強制終了アプローチを使用するステップ

ステップ番号 タスク 詳細情報

1

新しいOracle Fusion Middleware 11g環境をインストールして構成します。

第6章「Oracle SOA Suite 10g環境のアップグレード」


2

Oracle JDeveloper 11gでアプリケーションをアップグレードします。

第8章「Oracle SOA Suite、WebCenterおよびADFアプリケーションのアップグレードの概要」


3

Oracle Fusion Middleware 11gにアプリケーションをデプロイします。

第8.9項「タスク9: アプリケーションのデプロイ」


4

クライアント・アプリケーションをコピーしてアップグレードし、Oracle Fusion Middleware 11gにデプロイしたアプリケーションを使用してテストします。

第14.5項「Oracle SOA Suiteクライアント・アプリケーションのアップグレード」


5

Oracle BPEL Process Manager 10gのすべてのプロセスをリタイアします。これにより、新しいプロセスの開始は阻止され、既存の10gプロセスは終了するまで許可されます。

Oracle Application Server 10g リリース3 (10.1.3.1.0)の『Oracle SOA Suite開発者ガイド』にある、プロセス・ライフサイクルの管理方法に関する項(次に示すOracle Technology Network (OTN)から入手できます)

http://www.oracle.com/technology/documentation

6

Oracle Application Server 10g環境の猶予期間を定義し、停止する期限を設定して、Oracle Fusion Middleware 11g環境をカットオーバーします。

Oracle Application Server 10g Oracle BPEL Controlを使用して長時間実行プロセスを監視します。この情報を使用して、Oracle Fusion Middleware 11gにアップグレードする適切な時期を決定します。

7

事前設定された期限に、すべての既存のOracle BPEL Process Managerのプロセス・インスタンスを中断します。

次の2つの方法でプロセスを中断できます。

  • BPEL Controlからのインスタンスの削除

    詳細は、Oracle Application Server 10g リリース3(10.1.3.1.0)の『Oracle SOA Suite開発者ガイド』にある、「インスタンス」タブを使用したプロセス・インスタンスの監視に関する項を参照してください。次に示すOracle Technology Network(OTN)から入手できます。

    http://www.oracle.com/technology/documentation
    
  • すべてのアクティブ・インスタンスを検出して中断するJavaプログラムの作成

    この方法には、インスタンスcom.oracle.bpel.client.IInstanceHandleabort()メソッドを使用できます。

    詳細は、10g リリース3(10.1.3)のOracle BPEL Process ManagerクライアントのJava APIリファレンスを参照してください。

8

Oracle Application Server 10g環境を停止して終了します。

  • Oracle Application Server 10g リリース3 (10.1.3.1.0)の『Oracle BPEL Process Managerクイック・スタート・ガイド』にある、Oracle BPEL Process Managerコンポーネントの起動と停止に関する項

  • Oracle Application Server 10g リリース3(10.1.3.1.0)の『Oracle Application Server管理者ガイド』にある、アプリケーション・サーバー・インスタンスの起動と停止に関する項

Oracle Application Server 10g リリース3(10.1.3)のドキュメントは、次に示すOracle Technology Network(OTN)から入手できます。

http://www.oracle.com/technology/documentation

9

アップグレードされた新しいクライアント・アプリケーションを起動して展開します。このアプリケーションにより、新しいOracle BPEL Process Manager 11gにリクエストが送られます。

Oracle Fusion Middlewareの管理者ガイドにある、Oracle Fusion Middlewareの起動と停止に関する項