| Oracle® Fusion Middleware Oracle Application Development Framework Webユーザー・インタフェース開発者ガイド 11g リリース1 (11.1.1.6.0) B52029-06 |
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この章では、ページにドラッグ・アンド・ドロップ機能を追加する方法について説明します。これにより、コンポーネントの属性やオブジェクトの値を別のコンポーネントにドラッグしたり、コンポーネントをドラッグ・アンド・ドロップしたりすることができます。
この章では、次の項目について説明します。
ADF Facesフレームワークでは、1つのページ上で、ある場所から別の場所にアイテムをドラッグ・アンド・ドロップする機能が提供されます。たとえば、ファイル・エクスプローラ・アプリケーションでは、図32-1に示すように、「表」タブからファイルをドラッグして、別のディレクトリのフォルダにドロップできます。
このシナリオでは、あるコレクション(Folder0)のオブジェクトを実際にドラッグして、別のコレクション(Folder3)にドロップします。これは、サポートされている数多くのドラッグ・アンド・ドロップ・シナリオの1つです。ADF Facesでは、次のシナリオがサポートされます。
あるコンポーネント・インスタンスの属性値をドラッグして、別のインスタンスにコピーします。たとえば、ユーザーはoutputTextコンポーネントをinputTextコンポーネントにドラッグできます。ドラッグすると、outputTextコンポーネントのtext属性の値がinputTextコンポーネントのtext属性の値になります。
あるオブジェクトの値が別のオブジェクトの値になるように、値をドラッグしてドロップします。たとえば、outputTextコンポーネントを別のoutputTextコンポーネントにドラッグできます。ドラッグすると、Stringオブジェクトの配列が2番目のoutputTextコンポーネントのtext属性に移入されます。
図32-1に示すように、あるコレクションのオブジェクトをドラッグして別のコレクションにドロップします。
1つのページ上で、ある場所から別の場所にコンポーネントをドラッグします。たとえば、既存のpanelBoxコンポーネントを、panelGridコンポーネント内の新しい場所にドラッグできます。
カレンダのアクティビティを、ある開始日時から別の開始日時にドラッグします。
コンポーネントをpanelDashboardコンポーネントに(から)ドラッグします。
DVT散布図またはバブル・グラフのマーカーをドラッグして、その値を変更します。
DVTガント・チャートのオブジェクトを別のコンポーネントにドラッグします。
ユーザーがソースをクリックしてドラッグを開始すると、ブラウザには、マウス・ポインタに付属するゴースト要素として、ドラッグする要素が表示されます。ゴースト要素が有効なターゲット上に来ると、ターゲット・コンポーネントには、いくつかのフィードバック(強調表示など)が表示されます。ゴースト要素を無効なターゲット上にドラッグすると、カーソルが変わり、ターゲットが無効であることが示されます。
属性値をドラッグする場合、ターゲットへの値のコピーのみが可能です。他のドラッグ・アンド・ドロップ・シナリオの場合、ドロップでは、要素のコピー(コピーして貼付け)、移動(切り取って貼付け)、リンク(コピーしてリンクとして貼付け(テキストをコピーして実際のURLとして貼付けなど))が可能です。
ドラッグするコンポーネントで、値が含まれるものをソースと呼びます。ドロップを受け入れるコンポーネントをターゲットと呼びます。ドロップの許可をフレームワークに指示する特定のタグを、ソース・コンポーネントとターゲット・コンポーネントの子として使用します。表32-1に、様々なドラッグ・アンド・ドロップのシナリオ、有効なソースとターゲット、該当のシナリオに使用する関連タグを示します。
表32-1 ドラッグ・アンド・ドロップのシナリオ
| シナリオ | ソース | ターゲット |
|---|---|---|
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属性値のドラッグ |
コンポーネントの属性値 |
別のコンポーネントの属性値(同じオブジェクト・タイプに限る) |
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タグ: |
タグ: |
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あるコンポーネントから別のコンポーネントへのオブジェクトのドラッグ |
任意のコンポーネント |
任意のコンポーネント |
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タグ: |
タグ: |
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あるコレクションのアイテムをドラッグして別のコレクションにドロップ |
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タグ: |
タグ: |
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あるコンテナから別のコンテナへのコンポーネントのドラッグ |
任意のコンポーネント |
任意のコンポーネント |
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タグ: |
タグ: |
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ある開始時間または開始日から別の開始時間または開始日へのカレンダ・アクティビティのドラッグ |
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タグ: |
タグ: |
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タグ: |
タグ: |
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panelBoxコンポーネントの |
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任意のコンポーネント |
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タグ: |
タグ: |
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DVTグラフのマーカーのドラッグ |
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タグ: |
タグ: |
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DVTガント・チャートのオブジェクトをドラッグして別のコンポーネントにドロップ |
ガント・チャート |
任意のコンポーネント |
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タグ: |
タグ: |
ターゲットにドロップできるオブジェクトのタイプを制限するには、dataFlavorタグを追加します。これは、ターゲットで受入れ可能なオブジェクト・タイプを1つのみにする場合に役立ちます。ただし、ソースは各種タイプのうちのいずれかになります。dataFlavorタグでは、ターゲットで複数のソースまたは複数の型を含む可能性のあるソースからオブジェクトを受け入れることができるよう、複数の型を設定することもできます。ドロップが成功するには、ターゲットとソースの両方にdataFlavorタグを含め、値が同じである必要があります。
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注意: ドラッグ・アンド・ドロップ機能は、ウィンドウ間ではサポートされていません。ウィンドウ境界を越えるドラッグは取り消されます。ポップアップ・ウィンドウとポップアップのベース・ページとの間のドラッグ・アンド・ドロップ機能はサポートされています。 ドラッグ・アンド・ドロップ機能は利用できない点にも注意してください。つまり、ドラッグ・アンド・ドロップの実行に使用できるキーボード・ストロークはありません。したがって、アプリケーションですべての機能を利用できるようにする場合、このロジックを備える必要があります。たとえば、使用するページに、オブジェクトを選択するメソッドと、選択したオブジェクトを移動できる移動ボタンやメニュー・アイテムを表示することもできます。 |
属性のドラッグ・アンド・ドロップ機能は、あるコンポーネントの属性をターゲットとして定義し、別のコンポーネントの属性をソースとして定義して追加します。
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注意: ターゲットとソースの属性値は同じデータ型である必要があります。 |
次の手順では、ターゲットとソースのコンポーネントはJSFページにすでにあるものとします。
属性のドラッグ・アンド・ドロップ機能を追加する手順:
コンポーネント・パレットの「操作」パネルで、「属性ドロップ・ターゲット」をターゲット・コンポーネントの子としてドラッグ・アンド・ドロップします。
「属性ドロップ・ターゲットの挿入」ダイアログで「属性」ドロップダウンを使用して、ドラッグ・アンド・ドロップ・アクションによる移入先の属性を選択します。このドロップダウン・リストには、ターゲット・コンポーネントの有効な属性がすべて表示されます。
ターゲットへの値の代入元のコンポーネントの子として、属性ドラッグ・ソースをコンポーネント・パレットからドラッグ・アンド・ドロップします。
「属性ドラッグ元の挿入」ダイアログで「属性」ドロップダウンを使用して、ターゲット属性への移入に使用される値の属性を選択します。このドロップダウン・リストには、ソース・コンポーネントの有効な属性がすべて表示されます。
ユーザーが属性値以外をドラッグできるようにする場合、またはあるコンポーネントから別のコンポーネントへ属性をコピーする以外の操作をユーザーができるようにする場合、dropTargetタグを使用します。また、DataFlavorオブジェクトを使用して、ドロップ・ターゲットに対して有効なソースのJava型を決めます。ドロップ・ターゲットとドラッグ・ソースが複数ある場合のために、識別値を使用して有効な組合せを制限できます。ドラッグ・アンド・ドロップ・アクションを受けて必要となる機能の実装も必要です。
たとえば、図32-6に示すように、outputTextコンポーネントがあり、ユーザーがoutputTextコンポーネントをpanelBoxコンポーネントにドラッグできるようにし、そのコンポーネントにarrayを表示するとします。
outputTextコンポーネントにはattributeDragSourceタグが含まれます。ただし、(属性のString値のみでなく)arrayをドラッグするため、attributeDropTargetタグではなくdropTargetタグを使用する必要があります。また、dataFlavorタグを使用してarrayオブジェクトのみがターゲットで受け入れられるようにします。
dataFlavorタグの識別値の定義もできます。同じオブジェクト型の2つのターゲットと2つのソースがある場合に、これは有用です。識別値を作成することで、各ターゲットで有効なソースのみが受け入れられることが保証されます。たとえば、EMPLOYEEオブジェクトを受け入れるTargetAとTargetBの2つのターゲットがあるとします。EMPLOYEEオブジェクトのソースも2つあるとします。TargetAにalphaという値を使用して識別値を設定することにより、識別値alphaを持つEMPLOYEEソースのみが受け入れられます。
ドロップ・イベントのリスナーも実装する必要があります。ドロップ・イベントのオブジェクトはtransferableと呼ばれ、ドロップのペイロードを含みます。リスナーはtransferableオブジェクトにアクセスし、ここからDataFlavorオブジェクトを使用してオブジェクトがドロップ可能なことを確認します。その後、ドロップ・イベントを使用してターゲット・コンポーネントを取得し、ドロップされたオブジェクトを使用してプロパティを更新します。このリスナーの詳細は、32.9.1項「DVTコンポーネントのドラッグ・アンド・ドロップ機能の追加方法」の手順で説明します。
ドラッグ・アンド・ドロップ機能を追加するには、まず、コンポーネントをドラッグ・アンド・ドロップ・アクションのターゲットとして定義するタグをコンポーネントに追加します。次に、ドラッグ・アンド・ドロップ・アクションのロジックを処理するイベント・ハンドラ・メソッドを実装します。最後に、ドラッグ・アンド・ドロップのソースを定義します。
この手順では、ソースとターゲットのコンポーネントはすでにページあるものとします。
ドラッグ・アンド・ドロップ機能を追加する手順:
ターゲットを含むJSFページで、コンポーネント・パレットから(「操作」パネルにある)「ドロップ・ターゲット」タグをドラッグ・アンド・ドロップし、dropTargetタグをターゲット・コンポーネントの子として追加します。
「ドロップ・ターゲットの挿入」ダイアログで、イベントを処理するマネージドBeanのメソッド(このコードはステップ5で作成)に評価される式を入力します。
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ヒント:
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「データ・フレーバの挿入」ダイアログで、ターゲットにドロップ可能なオブジェクトのクラス(java.lang.Objectなど)を入力します。この選択を使用してdataFlavorタグを作成します。これにより、ターゲットにドロップできるオブジェクトのタイプ(StringやDateなど)が決まります。1つのドロップ・ターゲットに複数のdataFlavorタグを使用し、ドロップ・ターゲットでこれらの型のいずれも受け入れるようにすることができます。
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ヒント:
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構造ウィンドウで、dropTargetタグを選択します。プロパティ・インスペクタで、actions属性に値を選択します。これによって、ドロップ・ターゲットでサポートされるアクションが定義されます。有効な値は、COPY(コピーして貼付け)、MOVE(切り取って貼付け)およびLINK(コピーしてリンクとして貼付け)です。
MOVE COPY
アクションが指定されない場合、デフォルトはCOPYです。
例32-1に、panelBoxコンポーネントに挿入され、配列オブジェクトをドロップ・ソースとするdropTargetコンポーネントのコードを示します。アクションが定義されていないため、許可されるアクションはCOPYのみであることに注意してください。
ステップ2で作成したEL式で参照されるマネージドBeanに、ドラッグ・アンド・ドロップ機能を処理するイベント・ハンドラ・メソッドを(EL式での名前と同じ名前を使用して)作成します。
このメソッドは、DropEventイベントをパラメータとして取り、DnDActionオブジェクトを返します。このオブジェクトは、ソースのドロップ時に実行されるアクションです。有効な戻り値は、DnDAction.COPY、DnDAction.MOVE、and DnDAction.LINKであり、これらは手順5でターゲット属性を定義したときに設定されています。このメソッドは、DropEventイベントをチェックして、それがドロップを受け入れるかどうかを判断します。メソッドがドロップを受け入れる場合、ドロップを実行して、実行されたDnDActionオブジェクトを返します。それ以外の場合、ドロップが拒否されたことを示すDnDAction.NONEを返します。
このメソッドでは、各dataFlavorオブジェクトの存在も優先順に確認される必要があります。
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ヒント: ターゲットに複数の |
DataFlavorオブジェクトでは、ドロップされるデータの型(java.lang.Objectなど)が定義されます。これは、手順3で作成したJSPのDataFlavorタグでの定義と同じである必要があります。
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ヒント:
ドラッグ・アンド・ドロップ・フレームワークで、サーバーの |
例32-2に、イベント・ハンドラ・メソッドが呼び出すprivateメソッドを示します(イベント・ハンドラ自体はこのメソッドの呼出しのみを行います。このメソッドではpanelBoxコンポーネントのoutputTextコンポーネントの値になるStringパラメータも必要になるため、イベント・ハンドラが必要になります)。このメソッドは、イベント・ペイロードから配列オブジェクトをコピーして、イベントを開始したコンポーネントに割り当てます。
例32-2dropListenerのイベント・ハンドラ・コード
public DnDAction handleDrop(DropEvent dropEvent)
{
Transferable dropTransferable = dropEvent.getTransferable();
Object[] drinks = dropTransferable.getData(DataFlavor.OBJECT_ARRAY_FLAVOR);
if (drinks != null)
{
UIComponent dropComponent = dropEvent.getDropComponent();
// Update the specified property of the drop component with the Object[] dropped
dropComponent.getAttributes().put("value", Arrays.toString(drinks));
return DnDAction.COPY;
}
else
{
return DnDAction.NONE;
}
}
コンポーネント・パレットから(「操作」パネルにある)クライアント属性をドラッグしてclientAttributeタグをソース・コンポーネントの子として追加します。このタグは、イベントに対するソースのペイロードの定義に使用されます。プロパティ・インスペクタで、clientAttributeタグに次の定義を行います。
名前: ペイロードの名前を入力します。
値: ペイロードの値と評価されるEL式を入力します。飲み物を例とすると、これは異なる飲み物の値を含むArrayに解決されます。
ソース・コンポーネントの別の子として、パレットから(「操作」パネルにある)属性ドラッグ・ソースをドラッグ・アンド・ドロップします。「属性ドラッグ・ソースの挿入」ダイアログで、前述の手順で作成したclientAttributeタグに定義するnameをドロップダウン・リストから選択します。これにより、clientAttributeタグの値がソースのペイロードになります。例32-3に、ドラッグ・アンド・ドロップ操作のソースであるoutputTextコンポーネントのコードを示します。
ドラッグ・アンド・ドロップ操作時、ユーザーはキーボードのキーを押して(キーボード修飾子と呼ばれます)、ドラッグ・アンド・ドロップで行われるアクションを選択できます。ドラッグ・アンド・ドロップ・フレームワークでは、次のキーボード修飾子がサポートされます。
[Shift]: MOVE
[Ctrl]: COPY
[Ctrl]+[Shift]: LINK
ユーザーがドラッグ・アンド・ドロップ操作を行うと、ドロップ・ターゲットで、まず、ドラッグ・ソースのデータ形式の値が受け入れ可能かどうかを判断します。ソースとターゲットがコレクションの場合、次に、フレームワークでドラッグ・ソースとドロップ・ターゲットとの間で可能なアクションの論理積を求め、論理積のアクション(COPY、MOVEまたはLINKのうち1つ)をこの順に実行します。有効なアクションが1つのみの場合、そのアクションが実行されます。複数のアクションが可能で、ユーザーのキーボード修飾子がそのうちの1つに合致する場合、それが実行されます。キーボード修飾子が使用されない、あるいはキーボード修飾子と可能なアクションが合致しない場合、可能なアクションのセットからCOPY、MOVE、LINKがこの順にフレームワークで選択されます。
たとえば、COPYおよびMOVEをサポートするドロップ・ターゲットがあるとします。最初に、ドロップ・ターゲットは、ドラッグ・ソースが有効なデータ・フレーバかどうかを判断します。次に、ドロップの実行時に行われるアクションを決定します。この例では、セットはCOPYおよびMOVEになります。[Shift]キーを押しながらドラッグすると(MOVEの場合のキーボード変更子)、フレームワークはMOVEアクションを選択します。ユーザーがドラッグ時に[Shift]キーを押す以外の操作を実行した場合、アクションはCOPYになります。これは、変更子を選択しない場合のデフォルトがCOPYであるためです(順序の最初)。[Ctrl]キーを押す場合、その変更子はCOPYと一致するためCOPYが実行されます。[Ctrl]+[Shift]キーを押した場合、アクションはCOPYのままです。これは、その変更子が、許可されるアクションの共通セット内にないLINKアクションと一致するためです。
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注意: JavaとJavaScriptとの間のラウンドトリップで情報が失われるため、ドロップでのデータが見込みとは異なる型の場合があります。たとえば、すべての数値型は |
dropTargetタグには、クライアントでドロップ・イベントを処理するJavaScriptを参照できるclientDropListner属性が含まれます。クライアント・ハンドラは、パラメータを取らず、AdfDnDContextアクションを返します。たとえばメソッドがAdfDnDContext.ACTION_NONEを返すと、ドロップ操作は取り消され、サーバーでコールされません。メソッドがAdfDnDContext.ACTION_COPYを返すと、コピー操作が許可され、dropListenerメソッドが存在する場合には、それを実行するコールがサーバーで発生します。
たとえば、ドロップ・イベントの起動時にメッセージをログ出力するとします。メッセージの出力を処理し、サーバー・リスナーが起動されるよう適切なアクションを返すクライアント・ハンドラを作成します。例32-4に、メッセージの出力にロガーを使用するクライアント・ハンドラを示します。
collectionDropTargetおよびdragSourceタグを使用して、ユーザーがコレクションからアイテム(表から行など)をドラッグし、ツリーなどの別のコレクション・コンポーネントにドロップできるドラッグ・アンド・ドロップ機能を追加します。たとえば、File Explorerアプリケーションでは、ユーザーは、ディレクトリの内容を表示する表からディレクトリ・ツリーのフォルダにファイルをドラッグできます。図32-3に、Folder0ディレクトリの内容を表示する表からFolder3ディレクトリにドラッグされるFile0.docオブジェクトを示します。ドロップが完了すると、オブジェクトはFolder3を構成するコレクションの一部になります。
単一オブジェクトのドラッグ・アンド・ドロップ同様、ドロップによってコピー、移動またはコピーしてリンクとして貼り付けたり(あるいは3つを組み合せたり)、dataFlavorタグを使用してターゲットでの受け入れ対象を限定できます。
ターゲット・ソースがコレクションで、移動操作をサポートする場合、dragDropEndListener属性のメソッドも実装できます。これは、ソース・コンポーネントから参照され、ドラッグ・アンド・ドロップ操作後のコレクションの削除に使用されます。詳細は、32.4.2項「dragDropEndListenerについて」を参照してください。
コレクションのドラッグ・アンド・ドロップ機能を追加するには、dropTargetタグを使用するかわりにcollectionDropTargetタグを使用します。その後、ドラッグ・アンド・ドロップ・アクションのロジックを処理するイベント・ハンドラ・メソッドを実装する必要があります。次に、dragSourceタグを使用して、ドラッグ・アンド・ドロップ操作のソースを定義します。
この手順では、ソースとターゲットのコンポーネントはすでにページあるものとします。
ドラッグ・アンド・ドロップ機能を追加する手順:
コンポーネント・パレットからコレクション・ドロップ・ターゲットをドラッグし、collectionDropTargetタグをターゲット・コレクション・コンポーネントの子として追加します。
「コレクション・ドロップ・ターゲットの挿入」ダイアログで、イベントを処理するマネージドBeanのメソッド(このコードはステップ4で作成)に評価される式をdropListener属性に入力します。
プロパティ・インスペクタで次の設定を行います。
actions: ドラッグ・アンド・ドロップ操作時にソースで行われるアクションを選択します。
アクションが指定されない場合、デフォルトはCOPYです。
modelName: コレクションのモデルを定義します。
modelName属性の値は、互換性の目的でドラッグ・ソースの特定に使用されるStringオブジェクトです。この属性の値は、手順6で使用するdragSourceタグのdiscriminant属性の値に一致する必要があります。つまり、これは任意の名前で、ターゲットとソースが同じmodelNameの値または識別値を共有する場合に機能します。
ステップ2でEL式に挿入されたマネージドBeanに、ドロップ・イベントのハンドラを実装します。
このメソッドは、パラメータにDropEventイベントを取り、DnDActionを返す必要があります。このメソッドでは、DropEventを使用してTransferableオブジェクトを取得し、そこからRowKeySet(ドラッグ用に選択された行)を取得します。Transferableオブジェクトから取得されたCollectionModelを使用すると、実際のrowDataを取得してドロップを完了できます。このメソッドはDropEventをチェックして、ドロップを受け入れるかどうかを判断します。メソッドがドロップを受け入れる場合は、ドロップを実行して、実行されたDnDAction(DnDAction.COPY、DnDAction.MOVEまたはDnDAction.LINK)を返します。受け入れない場合は、DnDAction.NONEを返して、ドロップが拒否されたことを示します。
例32-5に、2つの表の間で行のコピーを処理するcollectionDropTargetデモに使用されるCollectionDnd.javaマネージドBeanのイベント・ハンドラ・メソッドを示します。
例32-5 コレクションのdropListenerのイベント・ハンドラ・コード
public DnDAction handleDrop(DropEvent dropEvent)
{
Transferable transferable = dropEvent.getTransferable();
// The data in the transferable is the row key for the dragged component.
DataFlavor<RowKeySet> rowKeySetFlavor =
DataFlavor.getDataFlavor(RowKeySet.class, "DnDDemoModel");
RowKeySet rowKeySet = transferable.getData(rowKeySetFlavor);
if (rowKeySet != null)
{
// Get the model for the dragged component.
CollectionModel dragModel = transferable.getData(CollectionModel.class);
if (dragModel != null)
{
// Set the row key for this model using the row key from the transferable.
Object currKey = rowKeySet.iterator().next();
dragModel.setRowKey(currKey);
// And now get the actual data from the dragged model.
// Note this won't work in a region.
DnDDemoData dnDDemoData = (DnDDemoData)dragModel.getRowData();
// Put the dragged data into the target model directly.
// Note that if you wanted validation/business rules on the drop,
// this would be different.
getTargetValues().add(dnDDemoData);
}
return dropEvent.getProposedAction();
}
else
{
return DnDAction.NONE;
}
}
コンポーネント・パレットの「操作」パネルで、「ドラッグ元」をソース・コンポーネントの子としてドラッグ・アンド・ドロップします。
dragSourceタグを選択している場合、プロパティ・インスペクタで、ターゲットに構成される、許容アクションと必要な識別値を設定します。
ドロップ・イベントの後でソース・コレクションをクリーンアップする必要がある場合が考えられます。たとえば、ドラッグで移動を行った場合、移動した項目がコレクションの一部ではなくなるように、ソース・コンポーネントをクリーンアップする必要があることがあります。
dragSourceタグには、ドラッグ・アンド・ドロップ操作の終了後のロジックを含むハンドラを登録できるdragDropEndListener属性が含まれます。
たとえば、ドラッグ・アンド・ドロップでオブジェクトを移動する場合、ドロップの正常終了後にソース・コンポーネントからオブジェクトを物理的に削除する必要があります。例32-6に、dragDropEndListener属性のハンドラを示します。
例32-6 dragDropEndListenerのハンドラ
public void endListener(DropEvent dropEvent)
{
Transferable transferable = dropEvent.getTransferable();
// The data in the transferrable is the row key for the dragged component.
DataFlavor<RowKeySet> rowKeySetFlavor =
DataFlavor.getDataFlavor(RowKeySet.class, "DnDDemoModel");
RowKeySet rowKeySet = transferable.getData(rowKeySetFlavor);
if (rowKeySet != null)
{
Integer currKey = (Integer)rowKeySet.iterator().next();
// Remove the dragged dta from the source model directly.
Object removed = getSource2Values().remove(currKey.intValue());
}
// Need to add the drag source table so it gets redrawn.
AdfFacesContext.getCurrentInstance().addPartialTarget(dropEvent.getDragComponent());
ある親から別の親へのコンポーネントの移動を可能にしたり、親コンポーネントの子コンポーネントの並替えを可能にできます。例として、図32-4に、panelGridコンポーネントの最初の子で最後に移動される暗色のpanelBoxコンポーネントを示します。
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注意: panelDashboardコンポーネントにコンポーネントを移動したり、このコンポーネントから移動したりする場合、該当コンポーネントに固有の手順を使用する必要があります。詳細は、32.6項「panelDashboardコンポーネントに対するドラッグ・アンド・ドロップ機能の追加」を参照してください。 |
コンポーネントに対するドラッグ・アンド・ドロップ機能の追加は、オブジェクトに対するものと同様です。ただし、attributeDragSourceタグを使用するかわりにcomponentDragSourceタグを使用します。オブジェクトまたはコレクションのドラッグ・アンド・ドロップ同様、dropListenerハンドラを実装する必要もあります。
ドラッグ・アンド・ドロップ機能を追加する手順:
コンポーネント・パレットの「操作」パネルで、「ドロップ・ターゲット」をターゲット・コンポーネントの子としてドラッグ・アンド・ドロップします。
「ドロップ・ターゲットの挿入」ダイアログで、イベントを処理するマネージドBeanのメソッド(このコードはステップ4で作成)に評価される式を入力します。
dropTargetタグを選択した状態のまま、プロパティ・インスペクタでaction属性に有効なアクション・セットを選択します。
ステップ2で作成したEL式で参照されるマネージドBeanに、ドラッグ・アンド・ドロップ機能を処理するイベント・ハンドラ・メソッドを(EL式での名前と同じ名前を使用して)dropListener属性に対して作成します。
このメソッドは、DropEventイベントをパラメータとして取り、DnDActionを返す必要があります。これは、ソースのドロップ時に実行されるアクションです。有効な戻り値は、DnDAction.COPY、DnDAction.MOVE、DnDAction.LINKであり、これらは手順2でターゲット属性を定義したときに設定されています。
このハンドラ・メソッドは、DropEventイベントを使用してtransferableオブジェクトとそのデータを取得してから、移動またはコピーを完了し、コンポーネントの順序を必要に応じて並べ替えます。メソッドがドロップを完了すると、実行されたDnDActionを返します。それ以外の場合、ドロップが拒否されたことを示すDnDAction.NONEを返します。
例32-7に、デモ・アプリケーションのcomponentDragSource JSFページで使用されるDemoDropHandler.javaマネージドBeanのhandleComponentMoveイベント・ハンドラを示します。
例32-7 コンポーネントの移動を処理するdropListenerのイベント・ハンドラ・コード
public DnDAction handleComponentMove(DropEvent dropEvent)
{
Transferable dropTransferable = dropEvent.getTransferable();
UIComponent movedComponent = dropTransferable.getData
(DataFlavor.UICOMPONENT_FLAVOR);
if ((movedComponent != null) &&
DnDAction.MOVE.equals(dropEvent.getProposedAction()))
{
UIComponent dropComponent = dropEvent.getDropComponent();
UIComponent dropParent = dropComponent.getParent();
UIComponent movedParent = movedComponent.getParent();
UIComponent rootParent;
ComponentChange change;
// Build the new list of IDs, placing the moved component after the dropped
//component.
String movedLayoutId = movedParent.getId();
String dropLayoutId = dropComponent.getId();
List<String> reorderedIdList = new
ArrayList<String>(dropParent.getChildCount());
for (UIComponent currChild : dropParent.getChildren())
{
String currId = currChild.getId();
if (!currId.equals(movedLayoutId))
{
reorderedIdList.add(currId);
if (currId.equals(dropLayoutId))
{
reorderedIdList.add(movedLayoutId);
}
}
}
change = new ReorderChildrenComponentChange(reorderedIdList);
rootParent = dropParent;
// apply the change to the component tree immediately
// change.changeComponent(rootParent);
// redraw the shared parent
AdfFacesContext.getCurrentInstance().addPartialTarget(rootParent);
return DnDAction.MOVE;
}
else
{
return DnDAction.NONE;
}
}
コンポーネント・パレットからコンポーネント・ドラッグ・ソースをドラッグ・アンド・ドロップし、ソース・コンポーネントの子としてcomponentDragSourceタグをソース・コンポーネントに追加します。
デフォルトでは、panelDashboardコンポーネントは、その中にあるコンポーネントのドラッグ・アンド・ドロップをサポートします。つまり、リスナーを実装したり、追加タグを使用したりせずにpanelDashboardコンポーネント内のコンポーネントを並べ替えることができます。ただし、コンポーネントをpanelDashboardコンポーネントにドラッグできるようにする場合やpanelDashboardコンポーネントからコンポーネントをドラッグできるようにする場合、タグを使用してリスナーを実装する必要があります。コンポーネントをドラッグ・アンド・ドロップするため、panelDashboardにドラッグする場合はcomponentDragSourceタグを使用します。ただし、panelDashboardはドロップ・ターゲットをすでにサポートしているため、dropTargetタグを使用する必要はありません。かわりに、dataFlavorタグと識別値を使用する必要があります。タグと識別値は、ドロップが外部コンポーネントからのものであることをフレームワークに通知します。
panelDashboardからのコンポーネントのドラッグは、他のコンポーネントのドラッグ・アンド・ドロップとほぼ同じです。ターゲットにdropTargetタグを使用し、ソースにcomponentDragSourceタグを使用します。ただし、dataFlavorタグと識別値も使用する必要があります。
panelDashboardコンポーネントには、ダッシュボード内のpanelBoxコンポーネントの並替えに使用されるドラッグ・アンド・ドロップ機能が組み込まれているため、dropTargetタグは使用できませんが、dataFlavorタグと識別値を使用してdropListenerを実装する必要があります。この実装では、コンポーネントの並替えを処理する必要があります。
作業を始める前に、次のようにします。
panelDashboardコンポーネントを作成します。詳細は、8.7項「ダッシュボードでのコンテンツの配置」を参照してください。
panelBoxコンポーネントを含むpanelDashboardから別のコンポーネントを作成します。panelBoxコンポーネントの詳細は、8.8.3項「panelBoxコンポーネントの使用方法」を参照してください。
panelDashboardコンポーネントへのドラッグ・アンド・ドロップ機能の追加手順:
構造ウィンドウで、ターゲット・コンポーネントになるpanelDashboardコンポーネントを選択します。
プロパティ・インスペクタで、ドロップ・イベント(手順6でこのコードを作成)を処理するマネージドBeanのメソッドに評価される式をDropListenerに入力します。
コンポーネント・パレットの「操作」パネルで、「データ・フレーバ」をドラッグし、panelDashboardコンポーネントの子としてドロップします。
「データ・フレーバの挿入」ダイアログで、javax.faces.component.UIComponentと入力します。
プロパティ・インスペクタで、panelDashboardコンポーネントにドラッグできるコンポーネント(dragIntoDashboardなど)を識別する識別値を一意の名前に設定します。
ステップ2で作成したEL式で参照されるマネージドBeanに、ドラッグ・アンド・ドロップ機能を処理するイベント・ハンドラ・メソッドを(EL式での名前と同じ名前を使用して)dropListener属性に対して作成します。
このメソッドは、DropEventイベントをパラメータとして取り、DnDActionのNONEを返す必要があります。これは、panelDashboardがその子コンポーネントの位置を処理するためです。
このハンドラ・メソッドは、dropEvent.getTransferable().getData(DataFlavor.UICOMPONENT_FLAVOR)を使用して、transferableオブジェクトとそのデータを取得します。メソッドがドロップを完了すると、org.apache.myfaces.trinidad.change.ReorderChildrenComponentメソッドを使用して子の新しい順序を保存し、
ChangedropEvent.getDropSiteIndex()メソッドを使用して、ドラッグしたコンポーネントの場所を取得できます。dashboardComponent.prepareOptimizedEncodingOfInsertedChild()メソッドを使用して、コンポーネントのドロップにアニメーションを使用することもできます。
例32-8に、ADF Facesデモ・アプリケーションのJSFページdashboardで使用されるマネージドBeanDemoDashboardBean.javaに対するイベント・ハンドラmoveとヘルパー・メソッドを示します。
例32-8 panelDashboardコンポーネントのDropListenerのハンドラ
public DnDAction move(DropEvent e)
{
UIComponent dropComponent = e.getDropComponent();
UIComponent movedComponent = e.getTransferable().getData(DataFlavor.UICOMPONENT_FLAVOR);
UIComponent movedParent = movedComponent.getParent();
// Ensure that we are handling the re-order of a direct child of the panelDashboard:
if (movedParent.equals(dropComponent) && dropComponent.equals(_dashboard))
{
// Move the already rendered child and redraw the side bar since the insert indexes have
// changed:
_moveDashboardChild(e.getDropSiteIndex(), movedComponent.getId());
}
else
{
// This isn't a re-order but rather the user dropped a minimized side bar item into the
// dashboard, in which case that item should be restored at the specified drop location.
String panelKey = _getAssociatedPanelKey(movedComponent);
if (panelKey != null)
{
UIComponent panelBoxToShow = _dashboard.findComponent(panelKey);
// Make this panelBox rendered:
panelBoxToShow.setRendered(true);
int insertIndex = e.getDropSiteIndex();
// Move the already rendered child and redraw the side bar since the insert indexes have
// changed and because the side bar minimized states are out of date:
_moveDashboardChild(insertIndex, panelKey);
// Let the dashboard know that only the one child should be encoded during the render phase:
_dashboard.prepareOptimizedEncodingOfInsertedChild(
FacesContext.getCurrentInstance(),
insertIndex);
}
}
return DnDAction.NONE; // the client is already updated, so no need to redraw it again
}
private void _moveDashboardChild(int dropIndex, String movedId)
{
// Build the new list of IDs, placing the moved component at the drop index.
List<String> reorderedIdList = new ArrayList<String>(_dashboard.getChildCount());
int index = 0;
boolean added = false;
for (UIComponent currChild : _dashboard.getChildren())
{
if (currChild.isRendered())
{
if (index == dropIndex)
{
reorderedIdList.add(movedId);
added = true;
}
String currId = currChild.getId();
if (currId.equals(movedId) && index < dropIndex)
{
// component is moved later, need to shift the index by 1
dropIndex++;
}
if (!currId.equals(movedId))
{
reorderedIdList.add(currId);
}
index++;
}
}
if (!added)
{
// Added to the very end:
reorderedIdList.add(movedId);
}
// Apply the change to the component tree immediately:
ComponentChange change = new ReorderChildrenComponentChange(reorderedIdList);
change.changeComponent(_dashboard);
// Add the side bar as a partial target since we need to redraw the state of the side bar items
// since their insert indexes are changed and possibly because the side bar minimized states
// are out of date:
RequestContext rc = RequestContext.getCurrentInstance();
rc.addPartialTarget(_sideBarContainer);
}
コンポーネント・パレットの「操作」パネルで、「コンポーネント・ドラッグ元」をドラッグし、ソース・コンポーネントになるpanelBoxコンポーネントの子としてドロップします。
プロパティ・インスペクタで、識別値を、手順5のpanelDashboardで識別値に入力した値に設定します。
panelDashboardコンポーネントからのドラッグ・アンド・ドロップ機能の実装は、他のコンポーネントの標準ドラッグ・アンド・ドロップ機能と似ています。ただし、dataFlavorタグと識別値を使用する必要がある点を除きます。
panelDashboardコンポーネントからのドラッグ・アンド・ドロップ機能の追加方法:
コンポーネント・パレットの「操作」パネルで、「ドロップ・ターゲット」をターゲット・コンポーネントの子としてドラッグ・アンド・ドロップします。
「ドロップ・ターゲットの挿入」ダイアログで、イベントを処理するマネージドBeanのメソッド(このコードは手順5で作成)に評価される式を入力し、FlavorClassにjavax.faces.component.UIComponentと入力します。
dropTargetタグを選択した状態のまま、プロパティ・インスペクタでaction属性の値にMOVEを選択します。
構造ウィンドウでdataFlavorタグを選択し、プロパティ・インスペクタで、このコンポーネントにドラッグできるpanelBoxコンポーネント(dragOutOfDashboardなど)を識別する識別値を一意の名前に設定します。
ステップ2で作成したEL式で参照されるマネージドBeanに、ドラッグ・アンド・ドロップ機能を処理するイベント・ハンドラ・メソッドを(EL式での名前と同じ名前を使用して)dropListener属性に対して作成します。
このハンドラ・メソッドは、DropEventイベントを使用してtransferableオブジェクトとそのデータを取得してから、必要に応じてコンポーネントの移動や並替えを完了します。メソッドがドロップを完了すると、DnDActionのNONEを返します。
dashboardComponent.prepareOptimizedEncodingOfDeletedChild()メソッドを使用して、panelBoxコンポーネントの削除にアニメーションを使用することができます。
例32-9に、デモ・アプリケーションのJSFページdashboardで使用されるマネージドBeanDemoDashboardBean.javaに対するイベント・ハンドラhandleSideBarDropとヘルパー・メソッドを示します。
例32-9 panelDashboardコンポーネントからのpanelBoxの移動を処理するdropListenerのイベント・ハンドラ・コード
public DnDAction handleSideBarDrop(DropEvent e)
{
UIComponent movedComponent = e.getTransferable().getData(DataFlavor.UICOMPONENT_FLAVOR);
UIComponent movedParent = movedComponent.getParent();
// Ensure that the drag source is one of the items from the dashboard:
if (movedParent.equals(_dashboard))
{
_minimize(movedComponent);
}
return DnDAction.NONE; // the client is already updated, so no need to redraw it again
}
private void _minimize(UIComponent panelBoxToMinimize)
{
// Make this panelBox non-rendered:
panelBoxToMinimize.setRendered(false);
// If the dashboard is showing, let's perform an optimized render so the whole dashboard doesn't
// have to be re-encoded.
// If the dashboard is hidden (because the panelBox is maximized), we will not do an optimized
// encode since we need to draw the whole thing.
if (_maximizedPanelKey == null)
{
int deleteIndex = 0;
List<UIComponent> children = _dashboard.getChildren();
for (UIComponent child : children)
{
if (child.equals(panelBoxToMinimize))
{
_dashboard.prepareOptimizedEncodingOfDeletedChild(
FacesContext.getCurrentInstance(),
deleteIndex);
break;
}
if (child.isRendered())
{
// Only count rendered children since that's all that the panelDashboard can see:
deleteIndex++;
}
}
}
RequestContext rc = RequestContext.getCurrentInstance();
if (_maximizedPanelKey != null)
{
// Exit maximized mode:
_maximizedPanelKey = null;
_switcher.setFacetName("restored");
rc.addPartialTarget(_switcher);
}
// Redraw the side bar so that we can update the colors of the opened items:
rc.addPartialTarget(_sideBarContainer);
}
コンポーネント・パレットの「操作」パネルで、「コンポーネント・ドラッグ元」を、panelDashboardコンポーネント内のソース・コンポーネントpanelBoxの子としてドラッグ・アンド・ドロップします。
プロパティ・インスペクタで、識別値を、手順4のターゲット・コンポーネントのdataFlavorタグで識別値に入力した値に設定します。
Calendarには、ユーザーがアクティビティのハンドルをドラッグして終了時間を変更できる機能が含まれています。ただし、ユーザーがアクティビティを別の開始時間、さらには別の日にドラッグ・アンド・ドロップできるようにする場合は、ドラッグ・アンド・ドロップ機能を実装します。ドラッグ・アンド・ドロップを使用すると、アクティビティを移動できるだけでなく、コピーすることもできます。
calendarDropTargetタグを使用して、ドラッグ・アンド・ドロップ機能を追加します。コレクションのドラッグ・アンド・ドロップとは異なり、ソース・タグは必要ありません。ターゲット(アクティビティの移動先のオブジェクト、この場合はカレンダ)がアクティビティを移動します。ソース(移動またはコピーの対象となるアイテム)がカレンダ内のアクティビティの場合、calendarDropTargetタグのみを使用します。タグは、転送可能なものがcalendarActivityオブジェクトであると予測します。
ただし、Calendarの外からオブジェクトをドラッグ・アンド・ドロップすることもできます。この操作を有効にする場合は、ソース・オブジェクト(calendarActivityオブジェクト以外のオブジェクト)をドロップできるように構成されているdataFlavorタグを使用します。
Calendarにドラッグ・アンド・ドロップ機能を追加する手順:
コンポーネント・パレットの「操作」パネルで、「カレンダ・ドロップ・ターゲット」をcalendarコンポーネントの子としてドラッグ・アンド・ドロップします。
Calendarドロップ・ターゲットの挿入ダイアログで、イベントを処理するマネージドBeanのメソッドに対して評価されるdropListener属性の式を入力します(このコードは手順4で作成)。
プロパティ・インスペクタで、「アクション」を設定します。この値で、アクティビティ(または他のソース)の移動、コピー、リンクとしてコピー、またはこの3つの任意の組合せを実行できるかどうかが決まります。アクションを指定しない場合、デフォルトはCOPYです。
ステップ2でEL式に挿入されたマネージドBeanに、ドロップ・イベントのハンドラを実装します。
このメソッドは、パラメータにDropEventイベントを取り、DnDActionを返す必要があります。DnDActionは、ソースのドロップ時に実行されるアクションです。有効な戻り値は、COPY、MOVE、LINKであり、これらは手順3でactions属性を定義するときに設定されます。このメソッドでは、DropEventを使用してtransferableオブジェクトを取得し、そこから、ドラッグしたデータのCalendarModelオブジェクトにアクセスし、そこから実際のデータにアクセスします。リスナーは、ソースのモデルにそのデータを追加してから、実行されたDnDAction(DnDAction.COPY、DnDAction.MOVEまたはDnDAction.LINK)を返します。それ以外の場合は、DnDAction.NONEを返して、ドロップが拒否されたことを示します。
ドロップ・イベントのドロップ・サイトは、oracle.adf.view.rich.dnd.CalendarDropSiteクラスのインスタンスです。Calendarのドラッグ・アンド・ドロップ・ハンドラの例は、ADF Facesデモ・アプリケーションのoracle.adfdemo.view.calendar.rich.DemoCalendarBeanマネージドBeanのhandleDropメソッドを参照してください。
アクティビティのソースがカレンダの外部にある場合は、「データ・フレーバ」をドラッグし、calendarDropTargetタグの子としてドロップします。このタグにより、ターゲットにドロップできるオブジェクトの型(StringやDateオブジェクトなど)が決まります。1つのドロップ・ターゲットに複数のdataFlavorタグを使用し、ドロップ・ターゲットでこれらの型のいずれも受け入れるようにすることができます。
「データ・フレーバの挿入」ダイアログで、ターゲットにドロップ可能なオブジェクトのクラス(java.lang.Objectなど)を入力します。
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ヒント:
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Calendar内のドラッグ・アンド・ドロップ・アクティビティの場合、ユーザーは表示内でのみドラッグ・アンド・ドロップを行うことができます。つまり、ユーザーは、日表示内の1つの時間スロットから別の時間スロットにアクティビティをドラッグできますが、日表示からアクティビティを切り取り、月表示に貼り付けることはできません。
ユーザーが日表示または週表示でアクティビティをドラッグ・アンド・ドロップしている場合、Calendarでは30分ごとにドロップ・サイトがマークされます。日表示では、終日のアクティビティまたは複数日のアクティビティは移動できません。
週表示では、終日のアクティビティおよび複数日のアクティビティを移動できますが、その他の終日のスロットにのみドロップできます。つまり、終日のアクティビティを、開始時間と終了時間が設定されているアクティビティには変更できません。月表示では、終日のアクティビティおよび複数日のアクティビティを任意の日に移動できます。
DVTバブル・グラフと散布図のドラッグ・アンド・ドロップを構成できます。これにより、マーカーの値を再配置することでその値を変更できます。グラフでドラッグ・アンド・ドロップできるようにする場合、dragSourceタグとdropTargetタグを使用します。また、DataFlavorオブジェクトを使用して、ドロップ・ターゲットに対して有効なソースのJava型を決めます(この場合はGraphSelectioオブジェクト)。ドラッグ・アンド・ドロップ・アクションを受けて必要となる機能の実装も必要です。
たとえば、図32-6に示すように、scatterGraphコンポーネントがあり、ユーザーが従業員の業績等級を調整する人材用散布図マーカーをドラッグできるようにするとします。
scatterGraphコンポーネントには、dragSourceとdropTargetタグがどちらも含まれています。また、dataFlavorタグを使用して、ドロップするオブジェクトのタイプを決定します。
ドロップ・イベントのリスナーも実装する必要があります。ドロップ・イベントのオブジェクトはtransferableと呼ばれ、ドロップのペイロードを含みます。リスナーはtransferableオブジェクトにアクセスし、ここからDataFlavorオブジェクトを使用してオブジェクトがドロップ可能なことを確認します。その後、ドロップ・イベントを使用してターゲット・コンポーネントを取得し、ドロップされたオブジェクトを使用してプロパティを更新します。
ドラッグ・アンド・ドロップ機能を追加するには、最初にソース・タグとターゲット・タグをグラフに追加します。次に、ドラッグ・アンド・ドロップ・アクションのロジックを処理するイベント・ハンドラ・メソッドを実装します。実行時の処理の詳細は、32.3.2項「実行時の処理」を参照してください。
ドラッグ・アンド・ドロップ機能を追加する手順:
コンポーネント・パレットの「操作」パネルで、「ドロップ・ターゲット」タグをドラッグし、グラフ・コンポーネントの子としてドロップします。
「ドロップ・ターゲットの挿入」ダイアログで、イベントを処理するマネージドBeanのメソッド(このコードはステップ6で作成)に評価される式を入力します。
「データ・フレーバの挿入」ダイアログで、oracle.adf.view.faces.bi.component.graph.GraphSelectionと入力します。これは、ターゲットにドロップできるオブジェクトのクラスです。このエントリを使用して、ターゲットにドロップできるオブジェクトのタイプを決めるdataFlavorタグを作成します。
プロパティ・インスペクタで、必要に応じて識別値の値を設定します。識別値は、どのソースをターゲットにドロップできるかを決定する場合に使用される任意の文字列です。たとえば、GraphSelectionオブジェクトを受け入れるGraphAとGraphBの2つのグラフがあるとします。ソースも2つあるとします。どちらもGraphSelectionオブジェクトになります。GraphAにalphaという値を使用して識別値を設定することにより、識別値alphaを持つGraphSelectionソースのみが受け入れられます。
構造ウィンドウで、dropTargetタグを選択します。プロパティ・インスペクタで、「アクション」の値にMOVEを選択します。
コンポーネント・パレットの「操作」パネルで、「ドラッグ元」をグラフ・コンポーネントの子としてドラッグ・アンド・ドロップします。
dragSourceタグを選択している場合、プロパティ・インスペクタで、dataFlavorタグに構成されるように、許容アクションにMOVEを設定し、必要な識別値を追加します。
ステップ2で作成したEL式で参照されるマネージドBeanに、ドラッグ・アンド・ドロップ機能を処理するイベント・ハンドラ・メソッドを(EL式での名前と同じ名前を使用して)作成します。
このメソッドは、DropEventイベントをパラメータとして取り、DnDActionオブジェクトを返します。これは、ソースのドロップ時に実行されるアクションです。この場合はDnDAction.MOVEになります。このメソッドは、DropEventイベントをチェックして、それがドロップを受け入れるかどうかを判断します。メソッドがドロップを受け入れる場合、ドロップを実行して、実行されたDnDActionオブジェクトを返します。それ以外の場合、ドロップが拒否されたことを示すDnDAction.NONEを返します。このメソッドでは、dataFlavorオブジェクト(この場合はoracle.adf.view.faces.bi.component.graph.GraphSelection)の存在も確認する必要があります。
ガント・チャートとその他のコンポーネント間でドラッグ・アンド・ドロップできるようにする場合、dragSourceタグとdropTargetタグを使用します。また、DataFlavorオブジェクトを使用して、ドロップ・ターゲットに対して有効なソースのJava型を決めます。ドラッグ・アンド・ドロップ・アクションを受けて必要となる機能の実装も必要です。projectGanttとschedulingGanttのどちらのコンポーネントも、ドラッグ・アンド・ドロップ機能をサポートします。
たとえば、図32-6に示すように、projectGanttコンポーネントがあり、ユーザーがtreeTableコンポーネントに1つのタイムラインをドラッグできるようにし、タイムラインに関する情報がそのコンポーネントに表示されるとします。
projectGanttコンポーネントには、dragSourceタグが含まれます。ユーザーは、表示される出力テキストのString値のみではなくオブジェクト全体をドラッグするため、attributeDropTargetタグのかわりにdropTargetタグを使用します。
また、dataFlavorタグを使用して、ドロップするオブジェクトのタイプを決定します。このタグでは、識別値を定義できます。同じオブジェクト型の2つのターゲットと2つのソースがある場合に、これは有用です。識別値を作成することで、各ターゲットで有効なソースのみが受け入れられることが保証されます。たとえば、TaskDragInfoオブジェクトを受け入れるTargetAとTargetBの2つのターゲットがあるとします。ソースも2つあるとします。どちらもTaskDragInfoオブジェクトになります。TargetAにalphaという値を使用して識別値を設定することにより、識別値alphaを持つTaskDragInfoソースのみが受け入れられます。
ドロップ・イベントのリスナーも実装する必要があります。ドロップ・イベントのオブジェクトはtransferableと呼ばれ、ドロップのペイロードを含みます。リスナーはtransferableオブジェクトにアクセスし、ここからDataFlavorオブジェクトを使用してオブジェクトがドロップ可能なことを確認します。その後、ドロップ・イベントを使用してターゲット・コンポーネントを取得し、ドロップされたオブジェクトを使用してプロパティを更新します。
ドラッグ・アンド・ドロップ機能を追加するには、まず、コンポーネントをドラッグ・アンド・ドロップ・アクションのターゲットとして定義するタグをコンポーネントに追加します。次に、ドラッグ・アンド・ドロップ・アクションのロジックを処理するイベント・ハンドラ・メソッドを実装します。最後に、ドラッグ・アンド・ドロップのソースを定義します。実行時の処理の詳細は、32.3.2項「実行時の処理」を参照してください。clientDropListener属性の使用の詳細は、32.3.3項「ClientDropListenerの使用について」を参照してください。
ドラッグ・アンド・ドロップ機能を追加する手順:
コンポーネント・パレットの「操作」パネルで、「ドロップ・ターゲット」タグをドラッグし、ターゲット・コンポーネントの子としてドロップします。
「ドロップ・ターゲットの挿入」ダイアログで、イベントを処理するマネージドBeanのメソッド(このコードはステップ6で作成)に評価される式を入力します。
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ヒント:
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「データ・フレーバの挿入」ダイアログで、ターゲットにドロップ可能なオブジェクトのクラス(java.lang.Objectなど)を入力します。この選択を使用して、ターゲットにドロップできるオブジェクトのタイプを決めるdataFlavorタグを作成します。1つのドロップ・ターゲットに複数のdataFlavorタグを使用し、ドロップ・ターゲットでこれらの型のいずれも受け入れるようにすることができます。
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ヒント:
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プロパティ・インスペクタで、必要に応じて識別値の値を設定します。識別値は任意の文字列で、dataFlavorで指定されるどのタイプのソースがソースとして許容されるかを決める場合に使用されます。
構造ウィンドウで、dropTargetタグを選択します。プロパティ・インスペクタで、「アクション」の値を選択します。これによって、ドロップ・ターゲットでサポートされるアクションが定義されます。有効な値は、COPY(コピーして貼付け)、MOVE(切り取って貼付け)およびLINK(コピーしてリンクとして貼付け)です。
MOVE COPY
アクションが指定されない場合、デフォルトはCOPYです。
例32-10に、TaskDragInfoオブジェクトをドロップ・ソースにするdropTargetコンポーネントのコードを示します。actions属性の値にCOPYが設定されたため、COPYのみが許容されるアクションになることに注意してください。
例32-10 dropTargetタグのJSPコード
<af:treeTable id="treeTableDropTarget"
var="task" value="#{projectGanttDragSource.treeTableModel}">
<f:facet name="nodeStamp">
<af:column headerText="Task Name">
<af:outputText value="#{task.taskName}"/>
</af:column>
</f:facet>
<af:column headerText="Resource">
<af:outputText value="#{task.resourceName}"/>
</af:column>
<af:column headerText="Start Date">
<af:outputText value="#{task.startTime}"/>
</af:column>
<af:column headerText="End Date">
<af:outputText value="#{task.endTime}"/>
</af:column>
<af:dropTarget actions="COPY"
dropListener="#{projectGanttDragSource.onTableDrop}">
<af:dataFlavor flavorClass=
"oracle.adf.view.faces.bi.component.gantt.TaskDragInfo"/>
</af:dropTarget>
</af:treeTable>
ステップ2で作成したEL式で参照されるマネージドBeanに、ドラッグ・アンド・ドロップ機能を処理するイベント・ハンドラ・メソッドを(EL式での名前と同じ名前を使用して)作成します。
このメソッドは、DropEventイベントをパラメータとして取り、DnDActionオブジェクトを返します。これは、ソースのドロップ時に実行されるアクションです。有効な戻り値は、DnDAction.COPY、DnDAction.MOVE、and DnDAction.LINKであり、これらは手順5でターゲット属性を定義したときに設定されています。このメソッドは、DropEventイベントをチェックして、それがドロップを受け入れるかどうかを判断します。メソッドがドロップを受け入れる場合、ドロップを実行して、実行されたDnDActionオブジェクトを返します。それ以外の場合、ドロップが拒否されたことを示すDnDAction.NONEを返します。
このメソッドでは、各dataFlavorオブジェクトの存在も優先順に確認される必要があります。
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ヒント: ターゲットに複数の |
DataFlavorオブジェクトでは、ドロップされるデータの型(java.lang.Objectなど)が定義されます。これは、手順3で作成したJSPのDataFlavorタグでの定義と同じである必要があります。
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ヒント:
ドラッグ・アンド・ドロップ・フレームワークで、サーバーの |
例32-11に、イベント・ペイロードからTaskDragInfoオブジェクトをコピーして、イベントを開始したコンポーネントに割り当てるハンドラ・メソッドを示します。
例32-11 dropListenerのイベント・ハンドラ・コード
public DnDAction onTableDrop(DropEvent evt)
{
// retrieve the information about the task dragged
DataFlavor<TaskDragInfo> _flv = DataFlavor.getDataFlavor(TaskDragInfo.class, null);
Transferable _transferable = evt.getTransferable();
// if there is no data in the transferable, then the drop is unsuccessful
TaskDragInfo _info = _transferable.getData(_flv);
if (_info == null)
return DnDAction.NONE;
// find the task
Task _draggedTask = findTask(_info.getTaskId());
if (_draggedTask != null) {
// process the dragged task here and indicate the drop is successful by returning DnDAction.COPY
return DnDAction.COPY;
}
else
return DnDAction.NONE;
}
コンポーネント・パレットの「操作」パネルで、「ドラッグ元」をソース・コンポーネントの子としてドラッグ・アンド・ドロップします。
dragSourceタグを選択している場合、プロパティ・インスペクタで、ターゲットに構成される、許容アクションと必要な識別値を設定します。