Oracle® Fusion Middleware Oracle Application Development Framework Webユーザー・インタフェース開発者ガイド 11g リリース1 (11.1.1.6.0) B52029-06 |
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この章では、query
およびquickQuery
検索パネル・コンポーネントの使用方法を説明します。
この章では、次の項目について説明します。
query
およびquickQuery
コンポーネントは、データ・セットの検索に使用されます。query
コンポーネントには、一連の包括的な検索基準およびコントロールが用意されており、quick
Query
コンポーネントは、単一基準での検索に使用できます。
query
コンポーネントでは、次の機能がサポートされています。
複数の検索基準に対する選択および検索
基準アイテムの動的な追加および削除
単一基準に関連付けられている検索演算子の選択
すべてに一致またはいずれかに一致論理積の選択
基本、拡張、コンパクト、簡易または設計モードでの表示
保存済検索の作成
保存済検索のパーソナライズ
query
コンポーネントの拡張モードを使用すると、デフォルトで、ユーザーは現在表示されている検索に基準アイテムを追加および削除できるようになります。ただし、基本モードで特定の機能を非表示(および拡張モードでのみ表示)にできる独自のQueryModel
クラスを実装できます。たとえば、拡張モードでのみ演算子を表示することや、拡張モードでは基本モードより多くの基準を表示することができます。
通常、問合せの結果は表またはツリー表に表示され、query
コンポーネントのresultComponentId
属性を使用して識別されます。ただし、その他の出力コンポーネントに結果を表示することもできます。結果を表示するように構成されているコンポーネントは、検索が実行されると自動的にレンダリングされます。
図12-1に、検索条件が3つある拡張モードのquery
コンポーネントを示します。
基準がすでに決定されており、ユーザーがそこから選択できるシード済検索を作成することも、ユーザーが基準を追加してそれらの検索を保存できるようにすることも可能です。たとえば、例12-1に従業員のシード済検索を示します。ユーザーは、検索が実行される基準に値を入力できます。また、オペランド(次より大きい、次と等しい、次より小さい)や、論理積(ANDまたはOR問合せを作成する、すべてに一致またはいずれかに一致)も選択できます。ユーザーは「フィールドの追加」ドロップダウン・リストをクリックして1つ以上の基準を追加し、その検索を保存できます。アプリケーションが永続性を使用するように構成されている場合は、それらの検索基準を選択されたオペランドと論理積とともに保存し、指定された検索名を使用して再アクセスできます(永続性の詳細は、第31章「JSFページでのユーザー・カスタマイズの許可」を参照してください)。
quickQuery
コンポーネントは、query
コンポーネントを簡略化したバージョンです。ユーザーは、ドロップダウン・リストから選択して、任意の検索可能属性の検索を実行できます。図12-2に、水平レイアウトのquickQuery
コンポーネントを示します。
query
およびquickQuery
コンポーネントのどちらでも、検索の定義および実行にQueryModel
クラスが使用されます。ユーザーが実行できるようにする特定の各検索に、関連するQueryModel
クラスを作成します。
ヒント: 独自の |
QueryModel
クラスは、一連の検索基準を定義するQueryDescriptor
オブジェクトを管理します。QueryModel
クラスでは、QueryDescriptor
オブジェクトの作成、削除および更新が行われます。QueryModel
クラスでは、シード済検索およびユーザーがパーソナライズした検索の両方の保存済検索も取得されます。詳細は、ADF FacesのJavadocを参照してください。
一連の検索基準アイテムのそれぞれにQueryDescriptor
クラスを作成する必要があります。QueryDescriptor
クラスでは、各シード済検索の作成に必要な基準および論理積へのアクセスが行われます。また、エンド・ユーザーのアクションに応じた、基準の動的な追加、削除、または追加と削除も実行されます。QueryDescriptor
クラスにも、モードや自動実行などの様々なUIヒントがあります。詳細は、ADF FacesのJavadocを参照してください。1つのQueryModel
クラスで、複数のQueryDescriptor
オブジェクトを管理できます。
ユーザーが新しい保存済検索を作成すると、その保存済検索用に新しいQueryDescriptor
オブジェクトが作成されます。ユーザーは、削除、選択、リセットおよび更新など、保存検索で様々な操作を実行できます。検索が実行または変更されると、適切なQueryModel
メソッドがコールされて正しいQueryDescriptor
オブジェクトが戻されるのみでなく、リクエスト値の適用フェーズ中にQueryOperationEvent
イベントがブロードキャストされます。このイベントは、JSFライフサイクルのアプリケーションの起動フェーズ中に、QueryOperationListener
ハンドラにより使用されます。QueryOperationEvent
イベントでは、QueryDescriptor
オブジェクトが引数として使用され、リスナーに渡されます。ADF Facesには、デフォルトでそのリスナーが実装されています。リスナーで実行される内容の詳細は、表12-2を参照してください。
たとえば、保存済検索の更新は、QueryModel
のupdate()
メソッドをコールすることで完了します。QueryOperationEvent
イベントがキューイングされ、更新操作に関連するモデル情報の変更処理を実行するQueryOperationListener
ハンドラによって使用されます。
QueryOperationEvent
イベントを生成する問合せ操作のアクションは、次のとおりです。
検索の保存
保存済検索の削除
基本モードおよび拡張モードの切替え
保存済検索のリセット
別の保存済検索の選択
保存済検索の更新
依存基準がある基準の値の更新
AttributeCriterion
クラスのhasDependentCriterion
メソッドは、基準に依存関係があるかどうかを確認するためにコールできます。デフォルトでは、このメソッドはfalse
を返しますが、基準に依存基準がある場合はtrue
を返します。その基準の値が変更されると、QueryOperationEvent
がJSFライフサイクルのモデル値の更新フェーズ用にキューイングされます。モデルには、そのルート基準に入力された値に基づき、依存基準の値を更新するためのリスナーが必要です。
query
コンポーネントを使用するには、まずQueryModel
クラスを作成する必要があります。
ヒント:
|
図12-3に、QueryModel
クラスのクラス図を示します。
モデル・クラスを作成する手順:
図12-3に示す各インタフェース・クラスの実装を作成します。QueryModel
クラスを1つ実装してから、システムの各シード済検索用の適切な基準(演算子および値)が指定されたQueryDescriptor
クラスを実装します。問合せに対する様々なモデル・クラスの実装の例は、ADF Facesのサンプル・アプリケーションのoracle.adfdemo.view.query.rich
パッケージにあるクラスを参照してください。
注意: 問合せに構成( |
QueryEvent
イベント(query
コンポーネントのボタンにより参照される)をリスニングするマネージドBeanに、QueryListener
ハンドラ・メソッドを作成します。このリスナーにより、QueryModel
の適切なAPIが起動され、問合せが実行されます。例12-1に、検索基準のString
表現を構成する基本のQueryListener
実装のリスナー・メソッドを示します。このString
は、検索結果として表示されます。
問合せコンポーネントには、UIXQueryコンポーネントにrefresh()
メソッドが含まれます。このメソッドは、モデル定義の変更および問合せコンポーネントをリフレッシュ(そのすべての子を削除して再作成)する必要するがある場合にコールしてください。新しい基準がQueryDescriptor
に追加されたり、既存の基準が削除される際に、コンポーネントのサブツリーで想定されるものと異なる基準オブジェクトのコレクションが、基盤となるモデルで返される場合は、このメソッドをコールしてください。このメソッドは、QueryOperationListener
、QueryListener
およびActionListener
ですべてコールしてください。問合せコンポーネント自体は、アプリケーションの起動フェーズの終了時にフラッシュされます。このメソッドは、レスポンスのレンダリング・フェーズ中にコールされる場合は実行されません。
実装で完了する必要のある内容をさらにわかりやすくするため、表12-1および表12-2で、図12-4に示されているUIコンポーネントの機能を、対応するインタフェースにマップしています。
表12-1に、query
コンポーネントにレンダリングされたUIアーティファクト、関連するクラス、クラス・プロパティ、およびアーティファクトが使用するメソッドを示します。
表12-1 問合せのUIアーティファクトおよび関連するモデル・クラスの操作とプロパティ
UIアーティファクト | 使用されるクラスのプロパティ/メソッド | コメント | |
---|---|---|---|
1 |
「検索」パネル |
|
保存済検索に基づきます。 |
2 |
表示アイコン |
検索パネルを開閉します。 |
|
3 |
「一致」タイプ・ラジオ・ボタン |
|
問合せが実行されると、検索フィールド間に使用するデフォルトの論理積が表示されます。デフォルトが設定されていて、それがすべての検索フィールドで同一の場合、選択された状態で表示されます。検索フィールドが、フィールド間に異なる論理積を使用するように構成されている場合、UIで値は選択されません。 たとえば、すべての検索フィールド間に
|
4 |
検索フィールドのグループ |
|
現在の選択された検索に関連付けられた1つ以上の検索フィールドが表示されます。 |
5 |
検索フィールド |
|
各検索フィールドには、ラベル、演算子、1つ以上の値コンポーネント(入力テキスト・コンポーネントなど)およびオプションの削除アイコンが含まれます。これらのレンダリングに必要な情報は、(保存済検索の)検索フィールドのインスタンスに固有の情報か、どの保存済検索に含まれているかに関係なく汎用的で不変な情報です。 たとえば、従業員ビジネス・オブジェクトに検索フィールドEmployee NameおよびSalaryが含まれるとします。 ユーザーは、Low Salaried EmployeeおよびHigh Salaried Employeesという名前の2つの異なる検索を構成できます。どちらの検索にも、 ユーザーが選択した検索に関係なく、Salaryの検索フィールドには数値コンポーネントがレンダリングされ、ラベルにはSalaryが表示されている必要があります。 |
6 |
「保存済の検索」ドロップダウン |
システム検索およびユーザーの保存済検索は、 |
使用可能なシステム検索およびユーザーの保存済検索のリストが表示されます。
|
表12-2に、様々なUIアーティファクトの動作と、その動作を実行するために起動される関連するメソッドを示します。
表12-2 UIアーティファクトの動作および関連するメソッド
UIアーティファクト | 起動されるクラス・メソッド | 生成されるイベント | コメント | |
---|---|---|---|---|
7 |
「削除」アイコン |
アプリケーションの起動フェーズ中に、コマンド・コンポーネントに登録されている内部の |
|
現在の |
8 |
「検索」ボタン |
JSFライフサイクルのリクエスト値の適用フェーズ中に モデル値の更新フェーズ中に、選択された演算子および検索フィールドに入力された値が、演算子および値コンポーネントに追加されたEL式を使用するモデルに自動的に更新されます(詳細は、12.4.1項「問合せコンポーネントの追加方法」を参照してください)。これらの式により、 アプリケーションの起動フェーズ中に、 このリスナーを実装する必要があります。 |
|
常にフッターにレンダリングされます( 選択演算子と選択された「一致」ラジオ、および各検索フィールドに入力された値を使用して問合せが実行されます(選択が行われない場合はデフォルトが使用されます)。 |
9 |
「リセット」ボタン |
JSFライフサイクルのリクエスト値の適用フェーズ中に、操作タイプ アプリケーションの起動フェーズ中に、 |
|
検索フィールドが、前に保存されていた状態にリセットされます。 |
10 |
「保存」ボタン |
JSFライフサイクルのリクエスト値の適用フェーズ中に、操作タイプ アプリケーションの起動フェーズ中に、 |
|
ユーザーにより追加された新しい検索フィールドも含め、現在の保存済検索の設定に基づいて新しい保存済検索が作成されます。 |
11 |
「フィールドの追加」ドロップダウン・リスト |
アプリケーションの起動フェーズ中に、コマンド・コンポーネントに登録されている内部の |
|
既存の保存済検索に、検索フィールドとして属性が追加されます。 |
12 |
モード(「基本」または「拡張」)ボタン |
JSFライフサイクルのリクエスト値の適用フェーズ中に、操作タイプ アプリケーションの起動フェーズ中に、 |
|
モード・ボタンをクリックすると、モードが切り替わります。 |
13 |
「削除」ボタン |
アプリケーションの起動フェーズ中に、 |
ActionEvent |
現在使用中でなければ、選択された保存済検索が削除されます。 |
14 |
「適用」ボタン |
JSFライフサイクルのリクエスト値の適用フェーズ中に、操作タイプ アプリケーションの起動フェーズ中に、 |
|
選択された保存済検索に行われた変更が適用されます。 |
15 |
「OK」ボタン |
「適用」ボタンと同じです。 |
|
選択された保存済検索に行われた変更が適用され、その後ダイアログが終了されます。 |
16 |
「取消」ボタン |
このアクションにはメソッドが定義されていません。 |
|
ダイアログ内で行われた編集が取り消されます。 |
quickQuery
コンポーネントには、検索する属性をユーザーが選択できるドロップダウン・リストが1つ含まれています。使用できる検索可能属性は、モデルの実装またはマネージドBeanから導出されます。ユーザーは、選択した属性またはすべての属性を検索できます。
quickQuery
コンポーネントは、query
コンポーネントを使用したより複雑な検索の開始点として使用できます。たとえば、ある属性でクイック問合せ検索を実行して成功した場合、より複雑な検索の続行が必要な場合があります。quickQuery
コンポーネントでは、end
ファセットへのコマンド・コンポーネントの配置を許可することで、これがサポートされており、このファセットは、ユーザーがquickQuery
からquery
コンポーネントへの切替えを実行できるマネージドBeanのメソッドにバインドできます。
実行時に選択された基準のタイプに応じて、quickQuery
コンポーネントにより、ドロップダウン・リストに検索可能基準がレンダリングされ、次に、属性タイプに基づいて様々な基準フィールドがquickQuery
コンポーネントによりレンダリングされます。たとえば、属性タイプがNumber
の場合、inputNumberSpinbox
コンポーネントがレンダリングされます。問合せに完全なモデルを実装しているかぎり、これらのコンポーネントを追加する必要はありません。マネージドBeanにロジックが設定されていて、完全なモデルが必要ない場合は、手動でquickQuery
コンポーネント・アーティファクトを作成します。詳細は、12.3.2項「モデルなしでのquickQueryコンポーネントの使用方法」を参照してください。
開始前に
QueryModel
クラスおよび関連するクラスを実装します。詳細は、12.2項「問合せへのモデルの実装」を参照してください。
quickQueryコンポーネントを追加する手順:
コンポーネント・パレットの「共通コンポーネント」パネルから、ページに「クイック問合せ」をドラッグ・アンド・ドロップします。
プロパティ・インスペクタの「共通」セクションを開き、次の属性を設定します。
id: コンポーネントの一意のIDを入力します。
layout: 図12-2に示すように、基準と値が隣接した状態でコンポーネントを水平に表示するか、図12-5に示すように垂直に表示するかを指定します。
model: 12.2項「問合せへのモデルの実装」で作成した、QueryModel
クラスを実装するクラスに評価されるEL式を入力します。
value: 12.2項「問合せへのモデルの実装」で作成した、QueryDescriptor
クラスを実装するクラスに評価されるEL式を入力します。
「動作」セクションを開き、次の属性を設定します。
conjunctionReadOnly: ユーザーが「いずれかに一致」または「すべてに一致」ラジオ・ボタンを設定できるようにするかどうかを指定します。false
に設定すると、ユーザーは論理積を設定できます。true
に設定すると、ラジオ・ボタンはレンダリングされません。
queryListener: 12.2項「問合せへのモデルの実装」で作成したQueryListener
ハンドラに対して評価されるEL式を入力します。
ページに表(または検索結果を表示するその他のコンポーネント)をドラッグ・アンド・ドロップします。結果コンポーネントのPartialTriggers
をquickQuery
コンポーネントのIDに設定します。このコンポーネントの値は、フィルタ処理された結果を含むCollectionModel
オブジェクトに解決されます。
ユーザーが「拡張」リンクをクリックしてquickQuery
コンポーネントを完全なquery
コンポーネントに切り替えられるようにする場合は、quickQuery
コンポーネントのEnd
ファセットにコマンド・コンポーネントを追加し、quickQuery
コンポーネントを非表示にしてquery
コンポーネントを表示するロジックを実装します。
たとえば、検索を実行して結果を返す戻すQueryListener
ハンドラを含み、すべての問合せロジックが単純なマネージドBeanに存在する場合、quickQuery
コンポーネントはモデルなしで使用できます。完全なquickQuery
コンポーネントの作成に必要なコンポーネントは手動で追加およびバインドする必要があります。
quickQueryコンポーネントを追加する手順:
マネージドBeanに、ユーザーが検索できる属性を表示するselectOneChoice
コンポーネントのvalueChangeListener
ハンドラを作成します。valueChangeListener
ハンドラは、検索する属性の選択を処理します。
マネージドBeanに、検索を実行するQueryListener
ハンドラを作成します。問合せを実行するコンポーネントおよび値の取得に、検索基準値の入力に使用される入力コンポーネントのIDがこのハンドルで使用されます。
コンポーネント・パレットの「共通コンポーネント」パネルから、ページに「クイック問合せ」をドラッグ・アンド・ドロップします。
プロパティ・インスペクタで、「共通」セクションを開いて次の属性を設定します。
「動作」セクションを開いて、QueryListener
属性を、手順2で作成したQueryListener
ハンドラに解決されるEL式に設定します。
コンポーネント・パレットの「共通コンポーネント」パネルから、quickQuery
コンポーネントのcriteriaItems
ファセットに、「選択肢を1つ選択」をドラッグ・アンド・ドロップします。ダイアログで、ユーザーが検索できる属性のリストに評価されるEL式を入力するか、静的なリストを入力するかを選択します。ダイアログのヘルプを参照するには、[F1]を押すか「ヘルプ」をクリックします。
構造ウィンドウでcriteriaItems
ファセットのselectOneChoice
コンポーネントを選択し、次の属性を設定します。
simple: コンポーネントのラベルを表示しない場合はtrue
に設定します。
valueChangeListener: 手順1で作成したリスナーに評価されるEL式を入力します。
autoSubmit: true
に設定します。
コンポーネント・パレットから、必要に応じて選択リスト項目を追加します。selectOneChoice
およびselectItems
コンポーネントの使用方法の詳細は、9.6項「選択コンポーネントの使用方法」を参照してください。
コンポーネント・パレットの「共通コンポーネント」パネルから、inputTextコンポーネントをquickQuery
コンポーネントの直接の子としてドラッグします。次の属性を設定します。
simple: ラベルを表示しない場合はtrue
に設定します。
value: ユーザーが入力する値を含むプロパティに評価されるEL式を入力します。
ヒント:
|
ユーザーが「拡張」リンクをクリックしてquickQuery
コンポーネントを完全なquery
コンポーネントに切り替えられるようにする場合は、quickQuery
コンポーネントのEnd
ファセットにコマンド・コンポーネントを追加し、quickQuery
コンポーネントを非表示にしてquery
コンポーネントを表示するロジックを実装します。
コンポーネント・パレットの「共通コンポーネント」パネルから、ページに表(または検索結果を表示するその他のコンポーネント)をドラッグします。結果コンポーネントのPartialTriggers
をquickQuery
コンポーネントのIDに設定します。このコンポーネントの値は、フィルタ処理された結果を含むCollectionModel
オブジェクトに解決されます。
quickQuery
コンポーネントがQueryDescriptor
オブジェクトにバインドされている場合、selectOneChoice
およびinputText
コンポーネントは、実行時にページがレンダリングされる際に自動的に追加されます。ただし、独自のコンポーネントを追加することもできます。検索可能属性を表示するコンポーネントとinputText
コンポーネントの両方を追加する場合、コンポーネントから名前/値ペアを取得するにはQueryListener
ハンドラが必要です。
検索可能属性の表示に独自のコンポーネントのみを使用する場合(およびデフォルトの入力テキスト・コンポーネントを使用する場合)は、フレームワークにより入力テキスト・コンポーネントが表示されます。問合せを実行するには、QueryListener
ハンドラが、ドロップダウン・リストから属性名を、QueryDescriptor.getCurrentCriterion()
メソッドから値を取得するように設定する必要があります。
検索可能属性値の収集に独自のコンポーネントのみを使用する場合(および属性名の指定にデフォルトのselectOneChoice
コンポーネントを使用する場合)は、フレームワークによりselectOneChoice
コンポーネントが表示されます。QueryListener
ハンドラが、QueryDescriptor.getCurrentCriterion()
メソッドから属性名を、コンポーネントから値を取得するように設定する必要があります。
Quick
Query
コンポーネントのvalue
属性をQueryDescriptor
オブジェクトにバインドせず、両方のコンポーネントを使用することを選択した場合、「移動」ボタンがクリックされると、フレームワークによりQueryDescriptor
オブジェクトのないQueryEvent
イベントがキューイングされます。その後、指定されたQueryListener
ハンドラにより、名前へのアクセスにchangeValueListener
ハンドラが使用され、値へのアクセスに入力コンポーネントが使用されて問合せが実行されます。selectOneChoice
コンポーネントから属性名を取得し、inputText
コンポーネントから属性値を取得して問合せを実行するには、QueryListener
ハンドラを実装する必要があります。
query
コンポーネントは、フル機能検索に使用されます。基本および拡張モードがあり、ユーザーはボタンをクリックすることで切り替えることができます。
基本モード問合せの機能は次のとおりです。
選択可能な検索条件演算子のドロップダウン・リスト
AND
またはOR
(すべて一致または一部一致)とともに使用する選択可能なWHERE
句
保存済(シード済)検索
パーソナライズされた保存済検索
拡張モードの問合せフォームにも、検索可能属性のリストから選択することで、ユーザーが動的に検索条件を追加できる機能があります。ユーザーは、追加された任意の条件を後から削除できます。
ユーザーは、演算子のドロップダウン・リストから選択して、検索用に問合せを作成できます。入力フィールドは、値リスト(LOV)、数値スピナー、日付チューザ、あるいはその他の入力コンポーネントとして構成されます。
リストの複数項目の選択をサポートするには、モデルでviewCriteriaItem
にコントロール・ヒントを表示し、基礎となる属性を、対応する表示オブジェクト内のLOVとして定義する必要があります。ヒントは、複数選択またはin演算子機能を有効または無効にするために使用されます。複数選択が有効になっている場合に、Equals
またはDoes not equal
演算子を選択すると、検索基準フィールドがselectManyChoice
コンポーネントとしてレンダリングされます。ユーザーは、リストから複数の項目を選択できます。
検索基準フィールドのコンポーネントは、基礎となる属性のデータ型、選択されている演算子、および複数選択が有効になっているかどうかによって異なります。たとえば、Contains
演算子が選択されているString
型の属性の検索フィールドは、表12-3に示されているように、inputText
コンポーネントとしてレンダリングされます。
演算子がEquals
またはDoes not equal
であり、複数選択が有効になっていない場合、コンポーネントは、モデルの「デフォルトのリスト・タイプ」ヒントで指定されているコンポーネントにデフォルトで設定されます。
表12-3 String型の検索基準フィールドのレンダリング済コンポーネント
演算子 | コンポーネント | 複数選択が有効な場合のコンポーネント |
---|---|---|
|
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デフォルトのリスト・タイプ・ヒント |
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|
デフォルトのリスト・タイプ・ヒント |
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なし |
なし |
|
なし |
なし |
基礎となる属性がNumber
データ型の場合にレンダリングされるコンポーネントを、表12-4に示します。
表12-4 Number型の検索基準フィールドのレンダリング済コンポーネント
演算子 | コンポーネント | 複数選択が有効な場合のコンポーネント |
---|---|---|
|
デフォルトのリスト・タイプ・ヒント |
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|
デフォルトのリスト・タイプ・ヒント |
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|
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|
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なし |
なし |
|
なし |
なし |
基礎となる属性がDate
データ型の場合にレンダリングされるコンポーネントを表12-5に示します。
表12-5 Date型の検索基準フィールドのレンダリング済コンポーネント
演算子 | コンポーネント | 複数選択が有効な場合のコンポーネント |
---|---|---|
|
デフォルトのリスト・タイプ・ヒント |
|
Does not equal |
デフォルトのリスト・タイプ・ヒント |
|
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|
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|
|
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|
|
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なし |
なし |
|
なし |
なし |
検索基準の基礎となる属性がLOVとして定義されている場合、オートコンプリート機能を有効にするには、AttributeCriterion
クラスのgetModelList
メソッドから返されるListOfValues
モデル・インスタンスで、そのisAutoCompleteEnabled
メソッドに対してtrue
を返す必要があります。LOVの詳細は、第11章「値リスト・コンポーネントの使用方法」を参照してください。
autoSubmit
がtrue
に設定されている場合、検索基準での値の変更は、すぐにモデルにプッシュされます。問合せコンポーネントは、依存基準がある場合のみ、その基準リストを自動的にフラッシュします。基準インスタンスに依存基準がなく、autoSubmit
がtrue
に設定されている場合、問合せコンポーネントは部分的にのみリフレッシュされます。
「すべてに一致」または「いずれかに一致」ラジオ・ボタン・グループで、問合せをさらに変更できます。「すべてに一致」を選択すると、基本的にAND
関数になります。問合せでは、選択した条件にすべて一致する行のみが返されます。「いずれかに一致」を選択すると、OR
関数になります。問合せでは、基準アイテムのいずれか1つに一致するすべての行が返されます。
すべての検索基準の値(null値を含む)を入力して「すべてに一致」または「いずれかに一致」ラジオ・ボタンを選択した後、ユーザーは「検索」ボタンをクリックして問合せを開始できます。問合せ結果は、出力コンポーネントに表示できます。通常、出力コンポーネントは表またはツリー表ですが、resultComponentId
属性に指定することで、af:forms
、af:outputText
および図形など、その他の表示コンポーネントを結果コンポーネントとして関連付けることができます。
「基本」または「拡張」ボタンが有効化および表示されている場合、ユーザーは2つのモードを切り替えられます。各モードでは、そのモードに定義された検索条件のみが表示されます。検索条件フィールドは、基本のみ、拡張のみ、または両方のモードで表示されるように定義できます。
拡張モードでは、コントロール・パネルにも、検索可能属性のポップアップ・リストを表示する「フィールドの追加」ボタンが含まれます。ユーザーがこれらの属性のいずれかを選択すると、動的に生成された検索条件の入力フィールドおよびドロップダウンの演算子のリストが表示されます。すべての検索条件入力フィールドおよび新しく追加されたフィールドの位置は、モデル実装により決定されます。
この新しく作成された検索条件フィールドでも、隣に削除アイコンが表示されます。ユーザーは、後からこのアイコンをクリックして、追加したフィールドを削除できます。初めから定義されていた検索条件フィールドは、削除アイコンがないため、ユーザーが削除することはできません。図12-6に、「Salary」という名前の動的に追加された検索基準フィールドがある拡張モードのquery
コンポーネントを示します。フィールドの隣にある削除アイコン(X)に注目してください。
ユーザーは、「保存」ボタンをクリックして、入力された検索条件およびモードを保存することもできます。ポップアップ・ダイアログでは、ユーザーは保存済検索に名前を付け、チェック・ボックスを選択してヒントを指定できます。セッションを超えて保存済検索を使用可能にする場合は、永続データ・ストアが必要です。永続性の詳細は、第31章「JSFページでのユーザー・カスタマイズの許可」を参照してください。
シード済検索は、基本的に、アプリケーション開発者によって作成された保存済検索です。コンポーネントを初期化すると、ユーザーは、そのquery
コンポーネントに関連付けられているシード済検索を選択できるようになります。
ユーザーが作成した保存済検索およびシード済システム検索は、「保存済の検索」ドロップダウン・リストに表示されます。シード済検索とユーザーの保存済検索は、仕切線によって区切られます。
保存済検索およびシード済検索を今後の使用に備えてパーソナライズすることもできます。保存済検索のパーソナライズには、永続データ・ストア機能が必要です。永続性の詳細は、第31章「JSFページでのユーザー・カスタマイズの許可」を参照してください。
前述のデフォルトの表示の他に、コンパクト・モード、簡易モードまたは設計モードで表示するようにquery
コンポーネントを構成することもできます。コンパクト・モードにはヘッダーや境界がなく、「保存済の検索」ドロップダウン・リストが開くアイコンまたは閉じるアイコンの隣に移動します。図12-7に、コンパクト・モードに設定されている、図12-6と同じquery
コンポーネントを示します。
簡易モードでは、ヘッダーおよびフッターがなく、通常その領域に表示されるボタンもないコンポーネントが表示されます。図12-8に、簡易モードに設定された同じquery
コンポーネントを示します。
設計モードは、外観が簡易モードと同じですが、設計モードは主にQueryDescriptor
の設計に使用されます。
query
コンポーネントでは、問合せにコマンド・ボタンなどの追加コンポーネントを追加できるtoolbar
およびfooter
ファセットがサポートされています。たとえば、quickQuery
およびquery
コンポーネントを切り替えるコマンド・コンポーネントを作成し、それらをtoolbar
ファセットのツールバーに配置できます。
作業を始める前に、次のようにします。
QueryModel
クラスおよび関連するクラスを実装します。詳細は、12.2項「問合せへのモデルの実装」を参照してください。
問合せコンポーネントを追加する手順:
コンポーネント・パレットの「共通コンポーネント」パネルから、ページに「問合せ」をドラッグ・アンド・ドロップします。
プロパティ・インスペクタで、「共通」セクションを開いて次の属性を設定します。
id: コンポーネントの一意のIDを設定します。
model: 12.2項「問合せへのモデルの実装」で作成した、QueryModel
クラスに解決されるEL式を入力します。
value: 12.2項「問合せへのモデルの実装」で作成した、QueryDescriptor
クラスに解決されるEL式を入力します。
「外観」セクションを開き、次の属性を設定します。
displayMode: コンポーネントをデフォルト・モード、簡易モード、コンパクト・モードまたは設計モードのいずれで表示するかを指定します。
saveQueryMode: 実行時に保存済検索を表示および使用するかどうかを指定します。ユーザーがすべての保存済検索を表示および編集できるようにする場合は、default
に設定します。ユーザーは保存済検索を表示および選択できるが、更新できないようにする場合は、readOnly
に設定します。保存済検索を表示しない場合は、hidden
に設定します。
modeButtonPosition: ユーザーがモードを基本から拡張に切り替えられるボタンをツールバーに表示するか(デフォルト)、footer
ファセットに表示するかを指定します。
modeChangeVisible: 基本または拡張の切替えボタンを非表示にする場合は、false
に設定します。
「動作」セクションを開き、次の設定を行います。
conjunctionReadOnly: 検索がすべての基準に一致(問合せではAND
関数を使用)するか、いずれかの基準に一致(問合せではOR
関数を使用)するかの決定に、ユーザーがラジオ・ボタンを選択できるようにする場合は、false
に設定します。true
に設定すると、ラジオ・ボタンはレンダリングされません。
queryListener: 12.2項「問合せへのモデルの実装」で作成した、QueryListener
ハンドラに評価されるEL式を入力します。
「その他」セクションを開き、次の設定を行います。
criterionFeatures: ユーザーが基準にmatchCase
を設定できるように、matchCaseDisplayed
を入力します。このオプションは、String
データ型でのみ使用できます。
コンポーネント・パレットの「共通コンポーネント」パネルから、ページに表(または検索結果を表示するその他のコンポーネント)をドラッグします。表にIDを設定します。このコンポーネントの値は、フィルタ処理された結果を含むCollectionModel
オブジェクトに解決されます。
構造ウィンドウでquery
コンポーネントを選択し、resultComponentID
を表のIDに設定します。