Oracle® Fusion Middleware Oracle WebLogic Serverメッセージング・ブリッジの構成と管理 11gリリース1 (10.3.6) B55550-05 |
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この章では、WebLogicメッセージング・ブリッジのコンポーネント、概念および機能について説明します。
WebLogicメッセージング・ブリッジとは、複数のWebLogic JMSの実装間、およびJMSと他のメッセージング製品間で相互運用できるようにするための転送メカニズムです。メッセージング・ブリッジを使用すると、以下の範囲に渡るメッセージング・アプリケーションを統合できます。
WebLogic JMSの2つの実装(WebLogic Serverのリリースが異なる場合を含む)。
別々のWebLogicドメインにあるWebLogic JMSの複数の実装。
WebLogic JMSとサード・パーティのJMS製品(MQSeriesなど)。
メッセージング・ブリッジ・インスタンスでは、対になったソース宛先とターゲット宛先の間でメッセージを転送します。これらの宛先は、ソース・ブリッジ宛先と対象ブリッジ宛先の対にマップされます。メッセージング・ブリッジにより、ソース・ブリッジ宛先からメッセージが読み取られ、ターゲット・ブリッジ宛先に転送されます。WebLogic JMSおよびサード・パーティのJMS製品間については、WebLogic Serverに用意されているJava EEコネクタ・アーキテクチャ(JCA)準拠のリソース・アダプタを使用して、ソース宛先およびターゲット宛先と通信します。図2-1を参照してください。
『Oracle WebLogic Server JMSのプログラミング』の説明に従って、ソース・ブリッジ宛先およびターゲット・ブリッジ宛先としては、「キュー」、「トピック」、または「分散宛先」のいずれかを指定できます。メッセージ・フィルタ、トランザクション・セマンティクス、接続の再試行ポリシーなどのサービス品質(QOS)を任意で指定することもできます。メッセージング・ブリッジを構成すると、ブリッジのトラフィックを必要に応じて一時的に中断する、構成したすべてのブリッジの状態をモニターする、といった管理タスクを管理コンソールから簡単に行えます。
以下の節では、メッセージング・ブリッジを使用するために必要なリソースについて説明します。
メッセージング・ブリッジではJCAリソース・アダプタを使用して、構成済のソースJMS宛先およびターゲットJMS宛先と通信します。ブリッジでソースJMS宛先およびターゲットJMS宛先と通信できるようにするには、サポートされているリソース・アダプタをそれぞれの宛先に関連付けます。アダプタのJNDI名は、リソース・アダプタのデプロイメント記述子の一部として構成されています。表2-1を参照してください。
展開形式または.rar
ファイルの形で、様々なタイプのJMS宛先用リソース・アダプタが用意されています。展開形式では、リソース・アダプタのデプロイメント記述子のパラメータ(たとえば、ブリッジ・インスタンスで利用可能な接続の最大数を指定する、接続ファクトリのmax-capacity
など)を簡単に変更できます。
サポートされているリソース・アダプタは、WL_HOME
\server\lib
ディレクトリにあります。次の表2-1でこれらのアダプタについて説明します。
表2-1 メッセージング・ブリッジ・リソース・アダプタとJNDI名
アダプタ | JNDI名 | 説明 |
---|---|---|
jms-xa-adp |
eis.jms.WLSConnectionFactoryJNDIXA |
トランザクション・セマンティクスに
注意: このアダプタをデプロイする前に、「複数のWebLogicドメインの相互運用の構成」を参照して具体的なトランザクションの構成要件とガイドラインを確認してください。 |
jms-notran-adp |
eis.jms.WLSConnectionFactoryJNDINoTX |
トランザクション・セマンティクスは提供されません。必要なQOSが「最大1回」または「重複可」の場合に使用します。必要なQOSが「最大1回」の場合、 注意: 非トランザクション・セッションで使用される確認応答モードの詳細は、『Oracle WebLogic Server JMSのプログラミング』のWebLogic JMSに関する項を参照してください。 |
メッセージング・ブリッジは、ブリッジ宛先にマップされる2つの実際の宛先を接続します: メッセージの受信元であるソース宛先と、メッセージの送信先であるターゲット宛先です。
JMSメッセージング製品(WebLogic JMS実装またはサード・パーティのJMSプロバイダ)の場合、メッセージング・ブリッジにマップする実際のソースJMS宛先およターゲットJMS宛先ごとにJMSブリッジ宛先のインスタンスを構成します。JMSブリッジ宛先のインスタンスでは、WebLogicドメイン内のブリッジのソース宛先およびターゲット宛先に対してユニークな名前が付けられます。また、特定の宛先との通信に使われるアダプタの名前、そのアダプタに渡すプロパティ情報(「接続URL」、「接続ファクトリのJNDI名」など)も定義され、任意でユーザー名やパスワードを指定することもできます。Oracle WebLogic Server管理コンソール・ヘルプのJMSブリッジ宛先の作成に関する項を参照してください。次を参照してください:
具体的な構成要件とガイドラインについては、「WebLogic Serverの別のリリースとの相互運用」または「外部プロバイダとの相互運用」。
サード・パーティ製JMSプロバイダのブリッジ宛先を構成する場合、外部JMSサーバー機能を使用すると複数のソース宛先またはターゲット宛先を速やかに構成できます。『Oracle WebLogic Server JMSの構成と管理』のサード・パーティJMSプロバイダにアクセスする外部サーバー・リソースの構成に関する項を参照してください。
メッセージング・ブリッジ・インスタンスは、構成済みのソース・ブリッジ宛先およびターゲット・ブリッジ宛先と通信します。ソース宛先とターゲット宛先との各マッピングに対して、メッセージング・ブリッジ・インスタンスを構成する必要があります。これは、ターゲット宛先が別のWebLogic JMS実装であっても、サード・パーティ製JMSプロバイダであっても同様です。各メッセージング・ブリッジ・インスタンスは、マッピングするソース宛先とターゲット宛先、メッセージ・フィルタリング・セレクタ、サービスの品質(QOS)、トランザクション・セマンティクスおよび各種再接続パラメータを定義します。Oracle WebLogic Server管理コンソール・オンライン・ヘルプのメッセージング・ブリッジ・インスタンスの作成に関する項を参照してください。
以下の節では、管理コンソールを使用してメッセージング・ブリッジを構成および管理する方法について説明します。
メッセージング・ブリッジの作成手順には以下のタスクがあります。
ソース・ブリッジ宛先とターゲット・ブリッジ宛先を作成します。
リソース・アダプタをデプロイします。
メッセージング・ブリッジ・インスタンスを作成します。
メッセージング・ブリッジの対象を指定します。
管理コンソールを使用すると、適切なリソース・アダプタをデプロイし、一部の属性値を設定して、メッセージング・ブリッジを作成できます。使用する環境に合うように、メッセージング・ブリッジの設定変更が必要な場合もあります。Oracle WebLogic Server管理コンソール・オンライン・ヘルプのメッセージング・ブリッジ・インスタンスの作成に関する項を参照してください。
管理コンソールを使用したメッセージング・ブリッジの管理で通常必要になるタスクは以下のとおりです。
ドメインに構成されているすべてのメッセージング・ブリッジの状態のモニター。Oracle WebLogic Server管理コンソール・ヘルプのメッセージング・ブリッジ・インスタンスのモニターに関する項を参照してください。
アクティブなメッセージング・ブリッジの中断と再起動。Oracle WebLogic Server管理コンソール・ヘルプのメッセージング・ブリッジの中断と再起動に関する項を参照してください。
メッセージング・ブリッジのデフォルトの実行スレッド・プール・サイズの構成。Oracle WebLogic Server管理コンソール・ヘルプのメッセージング・ブリッジの実行スレッド・プール・サイズの構成に関する項を参照してください。
リソース・アダプタのデプロイ。Oracle WebLogic Server管理コンソール・ヘルプのリソース・アダプタのデプロイに関する項を参照してください。
セキュリティの信頼関係の作成。『Oracle WebLogic Server JTAのプログラミング』のドメイン間トランザクションに対するドメインの構成に関する項を参照してください。