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Oracle® Fusion Middlewareドメイン・テンプレート・リファレンス
11g リリース1 (10.3.6)
B61003-05
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1 概要

このドキュメントは、Fusion Middlewareドメインおよび拡張テンプレートに関する情報を説明します。拡張テンプレートは、WebLogicドメインの作成または拡張に必要なファイルやスクリプトが含まれるJava Archive (JAR)ファイルです。

このドキュメントは次のトピックから構成されています。

テンプレートの種類

テンプレートには次の種類があります。

WebLogic Serverテンプレートのインストール先

次の表に、WebLogic Serverのインストールにより提供される事前定義済のテンプレートの場所を示しています。WL_HOMEは製品のインストール・ディレクトリを示します。

表1-1 テンプレートの場所

テンプレートの種類 ディレクトリの場所

ドメイン

WL_HOME\common\templates\domains

拡張

WL_HOME\common\templates\applications

テンプレート・ツール

次の表に、テンプレートの作成に使用できるツールと、テンプレートを使用してドメインの作成や拡張を実行できるツールを示します。

表1-2 テンプレート・ツール

目的 このツールを使用

ドメインの作成

  • 構成ウィザード

  • WLSTオフライン

  • unpackコマンド

既存のドメインの拡張

  • 構成ウィザード

  • WLSTオフライン

リモート・マシンでの新しい管理対象サーバー・ドメインの作成

unpackコマンド

ドメイン・テンプレートの作成

  • ドメイン・テンプレート・ビルダー

  • packコマンド

  • WLSTオフライン

拡張テンプレートの作成

ドメイン・テンプレート・ビルダー

管理対象サーバー・テンプレートの作成

packコマンド



注意:

ドメインの作成や拡張に使用されるすべてのツールは、構成ウィザード・フレームワークと呼ばれる基底の共通インフラストラクチャを利用します。

テンプレート依存

拡張テンプレートからリソースを追加する前に、ドメインにWebLogic Serverリソースがインストールされている必要があります。これが、テンプレート依存です。たとえば、製品とともに提供されるすべての拡張テンプレートは、最低限、基本WebLogic Serverドメイン・テンプレートにより構成されたセキュリティ・レルム・リソースおよび管理サーバーに依存します。他の拡張テンプレートは複数のテンプレートからのリソースに依存します。たとえば、WebLogic Serverサンプルをサポートするためにドメインを拡張するには、既存のドメインにすでに基本WebLogic Serverドメイン・テンプレートおよびWebLogic Serverデフォルト・ドメイン拡張テンプレートからのリソースが含まれている必要があります。

構成ウィザードの「ドメイン・ソースの選択」画面または「拡張ソースの選択」画面で関連製品(リストされている場合)を選択して拡張テンプレートを選択すると、構成ウィザードでは、選択した製品で必要となるリソースを構成する他のすべての製品が自動で選択されます。

JARファイルを参照して選択したテンプレートが、拡張しようとしているドメインでまだ構成されていない拡張テンプレートまたは別のドメインから提供されたリソースに依存するテンプレートである場合、依存に関する警告が表示されます。

テンプレートに含まれるファイル

どのテンプレートにも含まれる基本的なファイルはconfig.xmlおよびtemplate-info.xmlです。これらのファイルとテンプレートに含まれている追加ファイルに基づいてドメインが作成または拡張されます。次の表では、すべてのドメイン・テンプレートまたは拡張テンプレートに含まれているファイルについて説明します。

表1-3 テンプレートに含まれるファイル

ファイル名 説明

製品コンポーネント・ファイル

個別のOracle製品コンポーネントでドメイン設定を完了するために使用される様々なファイル。このようなファイルでは、セキュリティとデフォルト・データベース設定用の情報が提供されることがあります。

*-jdbc.xml

製品コンポーネントで必要とされるJDBCシステム・リソースでドメインを設定または拡張します。テンプレートで、*-jdbc.xmlファイルはconfig\jdbcディレクトリに格納する必要があります。ドメイン内の各JDBCリソースに対して1つのXMLファイルがあります。これらのファイルは、ドメイン内にJDBCリソースがある場合のみ存在します。

*-jms.xml

製品コンポーネントで必要とされるJMSシステム・リソースでドメインを設定または拡張します。テンプレートでは、*-jms.xmlファイルはconfig\jmsディレクトリに格納する必要があります。これは、ドメインがJMSリソースを必要とする場合のみ適用します。

clusters.script

構成ウィザード・フレームワークにおけるクラスタのデフォルトの自動構成を変更するために使用されます。デフォルトでは、リソースはクラスタにターゲット指定されています。クラスタからリソースを割当て解除してから別のコンポーネントに割り当てることができます。ターゲットを指定するには、次の置換変数を使用できます。

  • %AManagedServer%: 任意の管理対象サーバー

  • %AllManagedServers%: すべての管理対象サーバーのカンマ区切りのリスト

  • %AdminServer%: 管理サーバー名

  • %Cluster%: クラスタ名

  • %ProxyServer%: プロキシ・サーバー名

  • %HTTPProxyApp%: httpプロキシ・アプリケーション定義

以下の追加の考慮事項に注意してください。

  • 置換される予定のオブジェクトの名前属性を使用する必要があります。

  • 「すべて」を意味するワイルドカードとしてアスタリスク(*)を使用できます。

このファイルは必要ありません。使用するときは、scriptディレクトリに配置する必要があります。このファイルが存在しない場合、デフォルトのターゲット指定が使用されます。

config.xml

テンプレートがドメインに作成または追加するリソースが定義されるファイル。テンプレートでは、config.xmlファイルはconfigディレクトリに格納する必要があります。

config-groups.xml

このファイルには、アプリケーション、サービス、サーバー、クラスタ、およびこれらのアイテム間の関連を作成するマッピングの定義が含まれます。このファイルによって、1つのトポロジから別のトポロジに遷移するとき(1つのサーバーから複数のサーバーへの遷移、1つのサーバーから1つのクラスタへの遷移など)、機能的に関連するアプリケーションおよびサービスが単一の処理として動作できるようになります。これによって、ドメイン構成を拡張するときにアプリケーションとサービスの依存関係すべて合致することが保証されます。

注意: このファイルは決して変更しないでください。テンプレートで提供された状態のまま使用する必要があります。

アプリケーション/サービス・グループは、アプリケーションおよびサービスに関連する機能セットを指定します。アプリケーションおよびサービスは、特定のサーバーまたはクラスタ上でグループ化されます。

「ドメイン・トポロジ」セクションには、サーバーの定義や、固有のサーバーまたはグループ、あるいはサーバーやクラスタへのアプリケーションおよびサービスのターゲット指定が含まれます。これには次の定義が含まれます。

  • サーバー・グループ定義: アプリケーションとサービスのセットに関連した機能を含むサーバーを指定します。これによって、自動でクラスタを作成できるようになります。

  • クラスタ・グループ定義: アプリケーションとサービスのセットに関連した機能を含むクラスタを指定します。これによって、自動でクラスタを作成できるようになります。

  • アプリケーション/サービス・グループ・マッピング定義: アプリケーション/サービス・グループ名を介して、アプリケーション/サービス・グループを固有のサーバー、サーバーのグループ、またはクラスタにターゲット指定します。

database.xml

このファイルは、JDBCデータ・ソース定義が必要なFusion Middleware製品テンプレートにのみ含まれます。これによって、データ・ソースは、Oracleリポジトリ作成ユーティリティ(RCU)を介してデータをデータベース・オブジェクトへ構成およびロードするのに必要なコンポーネント・スキーマへグループ化されます。また、適用可能なデータベース・ベンダーおよびドライバも含まれるため、Fusion Middleware構成ウィザードではサポートされていないデータベースを選択する可能性がなくなります。

注意: このファイルは決して変更しないでください。テンプレートで提供された状態のまま使用する必要があります。

jdbc.index

データベースの設定に使用されるSQLスクリプトの場所を特定します。ファイルには、実行が必要な順序でスクリプトがリストされています。目的のスクリプトがテンプレートに含まれておらず、製品インストール・ディレクトリ内に存在する場合は、スクリプトを指定するパス名の中で、次のようにティルダ( ~ )文字を使用して製品インストール・ディレクトリを表すことができます。

~/integration/common/dbscripts/oracle/reporting_runtime.sql

具体的には、このティルダはstringsubs.xmlファイル内の$USER_INSTALL_DIR$変数に指定されたディレクトリ・パスを表します。

テンプレートでは、jdbc.indexファイルは_jdbc_\dbtype\dbversionディレクトリに格納する必要があります。dbtypeはOracleなどのデータベースのタイプ、dbversionは9iなどのデータベース・バージョンを示します。

データ・ソースに関連するSQLファイルのリストのほか、jdbc.indexファイルには、データ・ソースに関連付けられたカテゴリ情報が含まれます。利用可能なデフォルトのdbCategoriesは以下のとおりです。

  • p13nDataSourceデータ・ソースに関連付けられたDrop/Create P13Nデータベース・オブジェクトのドロップ/作成カテゴリ。このデータ・ソースはp13n.jarドメイン・テンプレートの一部です。

  • p13nDataSourceデータ・ソースに関連付けられたPortalデータベース・オブジェクトのドロップ/作成カテゴリ。このデータ・ソースはwlp.jarドメイン・テンプレートの一部です。

  • appsGroupSpaceDataSourceデータ・ソースに関連付けられたGroupSpaceデータベース・オブジェクトのドロップ/作成カテゴリ。このデータ・ソースはwlp_groupspacedb.jarドメイン・テンプレートの一部です。

これらのすべてのテンプレートjarファイルは、WL_HOME\common\templates\applicationsディレクトリにあります。

jvm-config.xml

このファイルは、WebSphere環境のFMW製品インストール専用で、WebLogic Server環境では無視される可能性があります。

security.xml

ドメイン・リソースへのIDとアクセスを確立するユーザー・グループとロールを作成するために使用されます。デフォルトのAdminユーザーはドメイン・テンプレートのsecurity.xmlファイルからのみ作成できます。ただし、ドメインまたは拡張テンプレートのいずれかに含まれているsecurity.xmlファイルによってユーザー・グループとロールを作成できます。

startmenu.xml

Windowsの「スタート」メニューのエントリを作成するために使用します。

startscript.xml

ドメインのルート・ディレクトリおよびbinディレクトリに配置される*.cmdおよび*.shファイルを作成するために使用します。

stringsubs.xml

ドメイン作成または拡張時に文字列置換を受け取る文字列置換値とファイルを特定します。文字列置換を受け取るファイルは、置換変数とともに事前に準備されている必要があります。ドメイン作成時または拡張時に、構成ウィザード・フレームワークはマクロを実行し、WL_HOME\common\lib\macrorules.xml (WL_HOMEはWebLogic Serverインストール・ディレクトリ)からの情報に基づいて適切な文字列置換により変数を置き換えます。

template-info.xml

テンプレート名、ソフトウェア・バージョン、テンプレートのタイプ(ドメインまたはアプリケーション)、作成者、説明などのテンプレート識別情報を提供します。このファイルには(適用する場合)テンプレート依存情報も含まれます。

was-variable.xml

このファイルは、WebSphere環境のFMW製品インストール専用で、WebLogic Server環境では無視されます。