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Oracle® Fusion Middleware Oracle WebLogic Server Enterprise JavaBeansのプログラミング
11gリリース1(10.3.6)
B61624-04
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D appcリファレンス

ここでは、EJBコードのコンパイル、検証、生成に使用するWebLogic Server appcツールの詳細なリファレンスを提供します。

appc

appcコンパイラは、EJBおよびJSPをWebLogic Serverにデプロイするのに必要なクラスを生成し、コンパイルします。また、個別のモジュール・レベルとアプリケーション・レベルの両方で、現在の仕様に準拠しているかどうかデプロイメント記述子を検証します。アプリケーション・レベルのチェックでは、個別のモジュールに対するアプリケーション・レベルのデプロイメント記述子のチェックと、モジュール全体の検証チェックが行われます。

Kodo永続性ユニットを含むアプリケーションをコンパイルしている場合、appcコンパイラはKodoエンハンサも実行します。Kodoエンハンサは、Javaコンパイラが生成したバイトコードを後処理して、必要な永続機能の実装に必要なフィールドとメソッドを追加します。このバイトコードの変更では、スタック・トレースの行番号は完全に維持され、Javaデバッガとの互換性を維持します。Kodoの使い方については、『Oracle WebLogic Server Enterprise JavaBeansバージョン3.0のプログラミング』の「WebLogic ServerでのOracle Kodoの使い方」を参照してください。


注意:

Kodoの管理による永続性ユニットとKodo以外の管理による永続性ユニットの両方を含むアプリケーションに対してappcを実行する場合、kodcはKodoの管理による永続性ユニットだけを実行します。

appcの利点

appcツールの利点は以下のとおりです。

  • 個々のモジュールを別々にコンパイルして、事後にEARとして結合するのではなく、アプリケーション全体をコンパイルできる柔軟性。

  • EARコンパイル中にWebLogic Serverがすべてのモジュールにアクセスできることによる、すべてのモジュールにわたる検証チェック、および様々なモジュールに対するアプリケーション・レベルのデプロイメント記述子検証。

    appcがなかったときは、EARファイル内のすべてのモジュールをコンパイルする場合、ユーザーはEARの個々のコンポーネントを抽出し、適切なコンパイラ(jspcまたはejbc)を手動で実行して、デプロイメント用モジュールを準備しなければなりませんでした。appcはこのプロセスを自動化し、従来はできなかった追加の検証チェックをデプロイメント前に実行します。

  • appcのエラーを簡単に特定して修正できます。

    コマンド・ラインでappcを実行中にエラーが発生すると、エラー・メッセージが表示され、appcが終了します。

    それに対して、コンパイルをデプロイメント時に行うことにした場合、コンパイル・エラーが発生すると、サーバーはデプロイメントが失敗しても作業を続けます。デプロイメントの失敗の原因を特定するには、サーバー出力を調べ、問題を修正し、再デプロイする必要があります。

  • デプロイメントの前にappcを実行すると、Beanのコンパイル時間を短縮できます。

    たとえば、JARファイルを3つのサーバーのクラスタにデプロイする場合、JARファイルが各サーバーにコピーされてデプロイされます。JARファイルがコンパイルされていない場合、各サーバーは、デプロイメント時にファイルをコンパイルする必要があります。

appcの構文

appcの実行には、次の構文を使用します。

prompt>java weblogic.appc [options] <ear, jar, or war file or directory>

代替デプロイメント記述子の指定

Java EEでは、application.xml<module>要素の<alt-dd>要素を使用して、EJBまたはWebアプリケーション・モジュールの代替Java EEデプロイメント記述子を指定できます。

<alt-dd>を使用することで、Java EEデプロイメント記述子web.xmlおよびejb-jar.xmlについてのみ代替デプロイメント記述子を指定できます。WebLogic Server 8.1 SP01からは、alt-ddでモジュールの代替デプロイメント記述子を指定すると、appcはその代替記述子ファイルを使用してEJBをコンパイルします。

<alt-dd要素の詳細は、『Oracle WebLogic Serverへのアプリケーションのデプロイ』の「エンタープライズ・アプリケーションのデプロイメント記述子の要素」を参照してください。

WebLogic Server 8.1 SP01以降では、次のようにappcのコマンドライン・オプションを使用して、アプリケーションの代替Java EEおよびWebLogic Serverデプロイメント記述子を指定できます。

  • -altappdd <file> - このオプションを使用すると、代替Java EEデプロイメント記述子ファイル(application.xml)のフルパスとファイル名を指定できます。

  • -altwlsappdd <file> - このオプションを使用すると、代替WebLogicアプリケーション・デプロイメント記述子ファイル(weblogic-application.xml)のフルパスとファイル名を指定できます。

appcのオプション

表D-1は、appcのコマンド・ライン・オプションのリストです。

表D-1 appcのコマンド・ライン・オプション

オプション 説明

-advanced

高度な使用オプションを出力します。

-altappdd

代替Java EEアプリケーション・デプロイメント記述子を指定します。

-altwlsappdd

代替WebLogic Serverアプリケーション・デプロイメント記述子を指定します。

-basicClientJar

EJB用に生成されたクライアントJARのデプロイメント記述子を含みません。

-classpath <path>

コンパイル中に使用するクラスパスを選択します。

-clientJarOutputDir <dir>

生成されたクライアントjarファイルを配置するディレクトリを指定します。これが設定されていないと、生成されたjarファイルはJVMが実行しているディレクトリと同じ場所に配置されます。

-compiler <javac>

使用するJavaコンパイラを選択します。

-deprecation

非推奨となった呼出しについて警告します。

-forceGeneration

EJBおよびJSPクラスを強制的に生成します。このフラグがないと、チェックサムでその必要性が示されない限りクラスは再生成されません。

-g

デバッグ情報をクラス・ファイルにコンパイルします。

-help

標準の使い方メッセージを出力します。

-idl

EJBリモート・インタフェース用のIDLを生成します。

-idlDirectory <dir>

IDLファイルを作成するディレクトリを指定します(デフォルトでは、ターゲット・ディレクトリまたはJAR)。

-idlFactories

値タイプ用にファクトリ・メソッドを生成します。

-idlMethodSignatures <>

IDLコードを生成するトリガーとして使用されるメソッド・シグネチャを指定します。

-idlNoAbstractInterfaces

抽象インタフェース、およびそれを含むメソッドと属性を生成しません。

-idlNoValueTypes

値タイプ、およびそれを含むメソッドと属性を生成しません。

-idlOrbix

Orbix 2000 2.0 C++と多少の互換性を持つIDLを生成します。

-idlOverwrite

常に既存のIDLファイルを上書きします。

-idlVerbose

IDL生成についての詳細な情報を表示します。

-idlVisibroker

Visibroker 4.5 C++と多少の互換性を持つIDLを生成します。

-iiop

EJB用にCORBAのスタブを生成します。

-iiopDirectory <dir>

IIOPのスタブ・ファイルを記述するディレクトリを指定します(デフォルトでは、ターゲット・ディレクトリまたはJAR)。

-J<option>

Java実行時にフラグを渡します。

-keepgenerated

生成された.javaファイルを保持します。

-library <file>

ライブラリのカンマ区切りのリスト。各ライブラリは、マニフェストで設定されていない場合、その名前とバージョンを次の構文で設定できます。

<file>[@name=<string>@libspecver=<version>

@libimplver=<version|string>]

-librarydir <dir>

指定したディレクトリ内のすべてのファイルをライブラリとして登録します。

-lineNumbers

生成されたクラス・ファイルに行番号を追加し、デバッグを支援します。

-normi

Symantecのsjにフラグを渡します。

-nowarn

警告なしでコンパイルします。

-O

最適化を有効にしてコンパイルします。

-output <file>

代替的な出力アーカイブまたはディレクトリを指定します。これが設定されていないと、出力はソース・アーカイブまたはディレクトリに置かれます。

-plan <file>

デプロイメント・プラン(オプション)を指定します。

-verbose

冗長情報を出力してコンパイルします。

-version

appcのバージョン情報を出力します。


appcおよびEJB

weblogic.appcは、以下のEJB関連機能を実行します:

  • EJB用のWebLogic Serverコンテナ・クラスを生成します。

  • すべてのEJBクラスおよびインタフェースがEJB仕様に準拠しているかどうかをチェックします。

  • 潜在的な構成上の問題がないかのデプロイメント記述子をチェックします。たとえば、ejb-jar.xmlでcmpフィールドが宣言されていれば、appcは、列がweblogic-cmp-jar.xmlデプロイメント記述子にマップされているかどうかを検証します。

  • RMIコンパイラを使用して各EJBコンテナ・クラスを実行することにより、スタブとスケルトンを動的に生成するのに必要なRMI記述子を作成します。

appcは、デフォルトでjavacをコンパイラとして使用します。パフォーマンスを向上させるには、コマンドライン-compilerフラグまたは管理コンソールを使用して別のコンパイラ(Symantecのsjなど)を指定します。Oracle WebLogic Server管理コンソール・オンライン・ヘルプのコンパイラ・オプションの構成に関する項を参照してください。

weblogic-ejb-jar.xmlのパブリック・バージョンの場所については、付録B「weblogic-ejb-jar.xmlデプロイメント記述子のリファレンス」を参照してください。weblogic-cmp-jar.xmlのパブリック・バージョンの場所については、付録C「weblogic-cmp-jar.xmlデプロイメント記述子のリファレンス」を参照してください。