1 概要とロードマップ

この項では、このガイド『Oracle Fusion Middleware Oracle WebLogic Server Enterprise JavaBeansバージョン3.0のプログラミング』の内容と構成について説明します。

ドキュメントのスコープと対象読者
このドキュメントの手引き
関連ドキュメント
EJB 3.0開発者向けの包括的なサンプル
このリリースでの新機能と変更点

ドキュメントのスコープと対象読者

このドキュメントは、WebLogic Server® Enterprise JavaBeans (EJB)バージョン3.0を利用したアプリケーションを開発するソフトウェア開発者を対象としています。

このドキュメントの大部分は、新しいEJB 3.0プログラミング・モデルの解説に割かれています。具体的には、メタデータ・アノテーションを使用して開発を簡略化する方法について説明します。EJB 2.Xのプログラミングに精通しているユーザーのためにEJB 3.0と2.Xの主な相違点について概説し、新しい3.0プログラミング・モデルを使用する理由を説明します。

このドキュメントでは、バージョン2.Xと3.0で変更されていないEJBに関するトピック(設計上の考慮事項、コンテナ・アーキテクチャ、デプロイメント記述子の使用など)は取扱いません。また、本番段階における管理、モニター、パフォーマンス・チューニングなどについても説明しません。これらのトピックに関するWebLogic Serverのドキュメントとリソースへのリンクについては、「関連ドキュメント」を参照してください。

このドキュメントは、Java Platform, Enterprise Edition (Java EE)バージョン5およびEJB 2.Xの概念に精通している読者を対象としています。

このドキュメントの手引き

この章「概要とロードマップ」では、このマニュアルの構成を紹介します。
第2章「Enterprise JavaBeans 3.0について」では、EJB 3.0の新機能と新しいプログラミング・モデルについて概説し、EJB 3.0と2.Xの相違点について簡単に説明します。
第3章「Enterprise JavaBeans 3.0の単純なサンプル」では、EJB 3.0仕様の新しいメタデータ・アノテーションを使用したEJBプログラミングの単純なサンプルを紹介します。
第4章「Enterprise JavaBeans 3.0の反復的な開発」では、EJBの実装プロセスを説明し、EJBをWebLogic Serverで実行する方法について説明します。
第5章「アノテーション付きEJB 3.0クラスのプログラミング」では、メタデータ・アノテーションを含むEJB Beanクラスをプログラミングする際の要件と一般的な手順について説明します。
第6章「Oracle WebLogic ServerでのOracle TopLinkの使用」では、Oracle WebLogic Serverを使用したOracle TopLinkアプリケーション開発の概要について説明します。
第7章「WebLogic ServerでのOracle Kodoの使い方」では、Oracle Kodoを使用してエンティティBeanを作成する方法について説明します。Oracle Kodoは、EJB 3.0仕様のJava Persistence APIセクションの実装を提供する製品です。また、Java Data Objects (JDO)を始め、永続性に関係するその他のテクノロジの実装も提供します。
付録A「EJB 3.0メタデータ・アノテーション・リファレンス」では、EJB 3.0メタデータ・アノテーションのリファレンス情報と、EJBで使用する標準的なメタデータ・アノテーションに関する情報を提供します。
付録B「永続性構成スキーマ・リファレンス」では、永続性構成スキーマのリファレンス情報を提供します。

EJB 3.0開発者向けの包括的なサンプル

WebLogic Serverの配布キットには、このドキュメント、および第3章「Enterprise JavaBeans 3.0の単純なサンプル」で説明する基本的なサンプルに加え、開発者向けの包括的なサンプルも含まれています。このサンプルは、EJB 3.0の動作を例示し、主要なEJB 3.0開発タスクを実行する実践的な手順を示します。具体的には、EJB 3.0で以下を使用する方法が例示されています。

Java Persistence API
ステートレス・セッションBean
メッセージドリブンBean
JavaScriptベースの非同期のブラウザ・アプリケーション

このサンプルでは、エンティティEJB用の永続ドメイン・モデルが使用されています。

WebLogic Serverでは、必要に応じてこの包括的なサンプルをWL_HOME\samples\server\examples\src\examples\ejb\ejb30にインストールできます。WL_HOMEはWebLogic Serverの最上位のインストール・ディレクトリです。Windowsの場合は、WebLogic Serverのスタート・メニューからサンプル・サーバーを起動し、サンプルとその実行手順に関する情報を確認できます。

Oracleでは、EJB 3.0を使用して独自のアプリケーションをプログラミングする前に、このサンプルを実行することをお薦めします。

このリリースでの新機能と変更点

WebLogic Serverのこのリリースに追加された新機能の一覧については、『Oracle Fusion Middleware Oracle WebLogic Serverの新機能』を参照してください。