1 PackおよびUnpackコマンドの概要

packおよびunpackコマンドを使用すると、コマンド・ラインからWebLogicドメインやテンプレートを簡単に1つの手順で作成できます。packおよびunpackコマンドは、製品のインストール・ディレクトリの\common\binサブディレクトリにあります。

注意: ただし、これらのコマンドを使用して、他のツールと同じようにWebLogicドメインやテンプレートのコンテンツをカスタマイズすることはできません。 packおよびunpackコマンドの他に、構成ウィザード、ドメイン・テンプレート・ビルダーまたはWebLogicスクリプト・ツールを使用して、WebLogicドメインおよびテンプレートを作成できます。

packコマンドを使用して以下の種類のテンプレートを作成します。作成したテンプレートを使用し、unpackコマンドを使用してテンプレートを作成できます。

• ドメイン・テンプレート: WebLogicドメイン内のすべてのリソースを定義するテンプレートです。これには、インフラストラクチャ・コンポーネント、アプリケーション、サービス、セキュリティ・オプション、一般的な環境とオペレーティング・システムのオプションが含まれます。ドメイン・テンプレートは、新しいWebLogicドメインのベースとして使用することができます。

• 管理対象サーバー・テンプレート: このタイプのテンプレートは、リモート・マシンに管理対象サーバー・ドメインのディレクトリを作成するために必要なWebLogicドメイン内のリソースのサブセットを定義します。管理対象サーバー・テンプレートは、packコマンドと-managed=trueオプションを使用して作成できます。

  その後、unpackコマンドを指定して管理対象サーバー・テンプレートを使用すると、リモート・マシンで管理対象サーバーを起動するための十分なブートストラップ情報が含まれた管理対象サーバー・ドメイン・ディレクトリが作成されます。リモート・マシンで管理対象サーバーを起動するには、ノード・マネージャを使用するか、リモート・マシンでテンプレートをアンパックするときに作成したカスタマイズ起動スクリプトを使用できます。

1.1 Packコマンドの概要

packコマンドは、1つの簡単なステップでコマンド・ラインからテンプレートを作成する代替的な手段を提供します。packコマンドを使用して、ドメイン・テンプレート・ビルダーと同じようにテンプレートのコンテンツをカスタマイズすることはできませんが、このツールは以下のようなタスクを素早く実行する場合に役立ちます。

• WebLogicドメイン全体のスナップショットを含むドメイン・テンプレートの作成。

  このテンプレートは、unpackコマンド、構成ウィザードまたはWLSTを使用して作成される新しいWebLogicドメインのベースとして使用することができます。

• リモート・マシンに管理対象サーバー・ドメインのディレクトリ階層を作成するために必要な、WebLogicドメイン内のファイルのサブセットを含む管理対象サーバー・テンプレートの作成。

  unpackコマンドを使用して、リモート・マシンに管理対象サーバーのドメイン・ディレクトリを作成できます。

1.2 Unpackコマンドの概要

unpackコマンドでは、テンプレートに定義されたデフォルトの設定を使用して、既存テンプレートからワンステップで素早くWebLogicドメインを作成できます。WebLogicドメインを作成する場合、unpackでは、構成ウィザードやWLSTと同様のカスタマイズ・オプションは提供されません。ただし、ドメイン・テンプレートでunpackコマンドを使用すると、以下の操作が可能です。

• テンプレートに定義されているデフォルトの管理ユーザーのパスワードを変更します。

• デフォルトの管理ユーザーのパスワードがテンプレートにすでに指定されている場合に、管理ユーザーを追加します。

• WebLogicドメインのJDKと起動モードを指定します。

• アプリケーション・ディレクトリがテンプレートによってサポートされている場合、そのディレクトリを指定します。

unpackを使用して、packコマンドで作成された管理対象サーバー・テンプレートに基づいて管理対象サーバー・ドメイン・ディレクトリを作成することもできます。管理対象サーバーでは、管理サーバーで定義された設定が使用されるため、JDKまたは起動モードの変更、管理ユーザーの追加、または管理者パスワードの変更はできません。

注意: unpackを使用してWebLogicドメインを拡張することはできません。