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Oracle® Fusion Middleware Oracle Application Development Frameworkデスクトップ統合開発者ガイド
11gリリース1(11.1.1.6.0)
B66694-01
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3 開発環境の設定

この章では、ExcelワークブックとFusion Webアプリケーションを統合するための開発環境の設定方法と、ADFデスクトップ統合のアップグレードおよび削除の方法、Visual Studio tools for Microsoft Officeのローカライズ方法を説明します。

この章の内容は次のとおりです。

3.1 開発環境の設定の概要

開発環境の設定には、正しいバージョンのJDeveloper、Microsoft Office、Microsoft Internet Explorerがインストールされているかどうかの確認も含まれます。また、Microsoft .NETのプログラミング・サポートが有効になっていなければ、有効にする必要があります。必要なソフトウェアがあって、Microsoft .NETのプログラミングが有効になっていることを確認した後、次の作業を行って開発環境の設定を完了してください。

3.2 必要なOracle ADFモジュールおよびサード・パーティ製ソフトウェア

ExcelワークブックとFusion Webアプリケーションの統合を開始する前に、必要なOracle ADFモジュールとサード・パーティ製ソフトウェアをインストールして構成する必要があります。

3.3 Microsoft .NETプログラミング・サポートの有効化

ADFデスクトップ統合を設定してFusion Webアプリケーションと統合するExcelワークブックの開発を開始する前に、Microsoft ExcelでMicrosoft .NETプログラミング・サポートを有効にしておく必要があります。Microsoft Excelのインストール時にMicrosoft .NETプログラミング・サポートを有効にした場合、何もする必要はありません。

Microsoft .NETプログラミング・サポートを有効にする手順:

  1. Windowsの「スタート」ボタンをクリックして、「設定」 > 「コントロール パネル」を選択します。

  2. 「コントロール パネル」で、「プログラムの追加と削除」を選択して開きます。

  3. Microsoft Officeの「プログラムの追加と削除」ダイアログのエントリを選択し、「変更」をクリックします。

  4. Microsoft ExcelについてMicrosoft .NETプログラミング・サポートを有効にするには、表示されるウィザードの指示に従ってください。

3.4 ADFデスクトップ統合からMicrosoft Excelへのアクセスを許可する

ADFデスクトップ統合からMicrosoft Excelにアクセスできるようにするには、Microsoft Excelの設定を構成する必要があります。この手順は一度だけ実行するだけで済みます。

Excelで統合Excelワークブックを実行可能にする手順:

  1. Excelを開きます。

  2. 「Microsoft Office」ボタンをクリックして、「Excelオプション」を選択します。

  3. 「Excelオプション」ダイアログで、トラスト・センタータブを選択し、トラスト・センターの設定をクリックします。

  4. トラスト・センター・ダイアログで、マクロ設定タブを選択し、VBAプロジェクト・オブジェクト・モデルに対するアクセスを信頼チェック・ボックスをクリックします。

  5. 「OK」をクリックします。

Fusion Webアプリケーションと統合されたExcelワークブックの安全確保の詳細は、第11章「統合Excelワークブックの安全確保」を参照してください。

3.5 ADFデスクトップ統合のインストール

ADFデスクトップ統合の設定ツールを実行する際は、次のリストにあるソフトウェアがフレームワークをインストールするシステム上にインストールされているかどうかが検証されます。インストールされていないソフトウェアが1つ以上ある場合、設定ツールは指定した順序でインストールを実行します。

  1. Windows Installer 3.1

  2. Microsoft .NET Framework

    Microsoft .NET Framework 3.5 Service Pack 1は、Microsoft .NET Frameworkをターゲットに開発されるアプリケーションの実行に必要な実行時ファイルおよび関連ファイルを提供します。


    注意:

    Microsoft .NET Frameworkのインストールには、インストールするシステムの再起動が必要な場合があります。再起動の後、設定ツールからインストールを完了するように推奨されます。

  3. Microsoft Visual Studio Tools for Microsoft Office

    Microsoft OfficeシステムのVSTOソリューションを実行するには、Microsoft Visual Studio Tools for the Microsoft Office system(Version 3.0 Runtime)Service Pack 1 (x86)が必要です。

  4. ADFデスクトップ統合のアドイン

    ADFデスクトップ統合のアドインはJDeveloperから、またはMW_HOME\jdeveloper\adfdiの設定ツールからインストールできます。ADFデスクトップ統合の設定方法の詳細は、3.5.1項「ADFデスクトップ統合の設定方法」を参照してください。

    ADFデスクトップ統合のインストールは、現在のWindowsユーザー・プロファイルに対して固有である点に注意してください。システム上に複数のWindowsユーザー・プロファイルがあり、特定のユーザー・プロファイルからADFデスクトップ統合Excelワークブックを使用する場合は、それぞれのユーザー・プログラムファイルにログインしてADFデスクトップ統合のアドインをインストールする必要があります。詳細は、3.5.1項「ADFデスクトップ統合の設定方法」を参照してください。

3.5.1 ADFデスクトップ統合の設定方法

ADFデスクトップ統合のアドインには、デザイナ・エディションとランタイム・エディションの2つがあります。統合Excelワークブックを作成してテストするにはデザイナ・エディションを、エンド・ユーザーがADFデスクトップ統合および統合Excelワークブックを使用できるようにするにはランタイム・エディションをそれぞれ使用する必要があります。


注意:

同じシステムに両方のエディションのADFデスクトップ統合をインストールしないでください。

ADFデスクトップ統合のアドインをインストールするために管理者権限は必要ありませんが、インストーラがダウンロードしてインストールしようとする追加のソフトウェアのインストーラを実行するには管理者権限が必要な場合があります。また、Internet Explorerのプロキシ設定が、*.microsoft.comへのアクセスを許可するように構成されているかも確認してください。これは、インストーラが足りない前提条件のソフトウェアをMicrosoftのWebサイトから自動的にダウンロードしようとするためです。

デフォルトではインストーラは英語で実行されます。表示される言語を変更するには、3.9項「Visual Studio Tools for Officeの設定のローカライズ」の説明に従ってください。

デザイナ・エディションのADFデスクトップ統合をインストールする手順:

  1. JDeveloperを開きます。

  2. 「ツール」メニューからADFデスクトップ統合のインストールを選択します。

  3. ダイアログ・ボックスに表示される手順に従い、必要なコンポーネントを正しくインストールします。

    インストール処理中にエラーが発生した場合、旧バージョンのADFデスクトップ統合を削除したかどうか確認してください。詳細は3.6項「ADFデスクトップ統合の削除」を参照してください。

  4. プロンプトが表示された場合は「はい」をクリックしてシステムを再起動し、ADFデスクトップ統合の設定を完了します。


ヒント:

デザイナ・エディションのADFデスクトップ統合は、MW_HOME\jdeveloper\adfdi\bin\excel\addin\designerディレクトリのsetup.exeツールを実行してもインストールできます。


注意:

ADFデスクトップ統合のインストール・メニュー・オプションは、JDeveloperのWindowsインストールでのみ使用可能です。

setup.exeツールを起動する予定のシステム上にJDeveloperのインスタンスが複数あったり、既存のADFデスクトップ統合のアドインのインスタンスがある場合、インストールの手順を実行する前に3.8項「複数のインスタンスのJDeveloperを持つシステムでのADFデスクトップ統合の使用」の情報を確認してください。

ランタイム・エディションのADFデスクトップ統合をインストールする場合は、I.1項「ランタイム・エディションのADFデスクトップ統合のインストール」を参照してください。

3.6 ADFデスクトップ統合の削除

ADFデスクトップ統合のアドインを設定したシステムから削除するには、Microsoft Windowsのコントロール パネルを使用します。ADFデスクトップ統合のアドインを削除した後は、アドインを再インストールしないかぎり、このシステム上で統合Excelワークブックを使用できなくなります。

ADFデスクトップ統合のアドインを削除する手順:

  1. Windowsの「スタート」ボタンをクリックして、「設定」 > 「コントロール パネル」を選択します。

  2. 「コントロール パネル」で、「プログラムの追加と削除」を選択して開きます。

  3. 「プログラムの追加と削除」ダイアログで、インストールされたADFデスクトップ統合のアドインのエディションを選択して「削除」をクリックします。


注意:

複数のユーザー・プログラムファイルにADFデスクトップ統合をインストールした場合、各ユーザー・プログラムファイルから削除する必要があります。

3.7 ADFデスクトップ統合のアップグレード

旧バージョンのADFデスクトップ統合のアドインを使用している場合、最新バージョンにアップグレードする必要があります。

ADFデスクトップ統合のアドインをアップグレードする手順:

  1. 旧バージョンのADFデスクトップ統合のアドインをアンインストールします。詳細は、3.6項「ADFデスクトップ統合の削除」を参照してください。

  2. 最新バージョンのOracle JDeveloperをダウンロードしてインストールします。

  3. 新しいバージョンのADFデスクトップ統合のアドインをインストールします。詳細は、3.5項「ADFデスクトップ統合のインストール」を参照してください。


注意:

旧バージョンのADFデスクトップ統合のアドインをアンインストールしないと、新しいインストーラが古いインストーラとまったく同じ場所にある場合を除いてエラーが発生します。

3.7.1 統合Excelワークブックを最新バージョンのADFデスクトップ統合に移行する方法

ADFデスクトップ統合のアドインをアップグレードした後で統合Excelワークブックを開くと、ワークブックのADFデスクトップ統合のバージョン情報が検出され、クライアント・システムにインストールされたバージョンと比較されます。必要な場合は、統合ワークブックのメタデータをクライアントにインストールしたバージョンにアップグレードするように求められます。

アップグレード後に統合Excelワークブックを移行する手順:

  1. 統合Excelワークブックを開きます。

    ワークブックの移行ダイアログにより、図3-1に示すようにワークブックを最新バージョンのADFデスクトップ統合に移行するよう求められます。

    図3-1 ワークブックの移行ダイアログ

    ワークブックの移行ダイアログ・ボックス

    統合Excelワークブックを開いて複数のMicrosoft Office Customization Installerエラー・メッセージが表示される場合、メッセージを無視して処理を続行してください。このエラー・メッセージは、ADFデスクトップ統合が旧バージョンの情報を、Excelが検出してエラーを報告するより先にワークブックから削除できないために表示されます。

  2. 「はい」をクリックして、ワークブックを移行します。ADFデスクトップ統合の移行プロセスにより、ワークブックが閉じられて再び開き、最新バージョンのADFデスクトップ統合で使用する準備が完了します。

3.8 複数のインスタンスのJDeveloperを持つシステムでのADFデスクトップ統合の使用

あるシステムにインストール可能なADFデスクトップ統合は1つのみです。デフォルトでは、JDeveloperをインストールする際にADFデスクトップ統合はMW_HOME\jdeveloper\adfdiに抽出されます。異なるディレクトリにある別のバージョンのJDeveloperに移動することを決定した場合、旧バージョンのADFデスクトップ統合を削除する必要があります。詳細は3.6項「ADFデスクトップ統合の削除」を参照してください。それから、3.5項「ADFデスクトップ統合のインストール」の説明に従って、移動先の新しいバージョンのJDeveloperによりADFデスクトップ統合を設定する必要があります。

または、JDeveloperのインストールとは関係のないディレクトリでADFデスクトップ統合と設定することも可能です。この方法では、新しいバージョンに移行する前にADFデスクトップ統合を削除する必要がなくなります。

別のディレクトリでADFデスクトップ統合を設定する手順:

  1. JDeveloperのインストール用ディレクトリとは関係のないディレクトリを作成します。たとえば、次のようなディレクトリを作成します。

    D:\adfdi-excel-setup

  2. 新しいバージョンのJDeveloperに移行する際、次のディレクトリの内容をコピーします。

    MW_HOME\jdeveloper\adfdi\bin\excel\addin\designer

    コピー先:

    D:\adfdi-excel-setup

    MW_HOMEは、Middlewareホーム・ディレクトリです。

  3. D:\adfdi-excel-setupにあるsetup.exeツールを実行します。

  4. setup.exeのダイアログ・ボックスに表示される説明に従って、新しいバージョンのADFデスクトップ統合を設定します。

  5. プロンプトが表示された場合は「はい」をクリックしてシステムを再起動し、ADFデスクトップ統合の設定を完了します。


警告:

ADFデスクトップ統合をインストールした後は、設定ファイルをコピーしたディレクトリを削除しないでください。システムからADFデスクトップ統合を削除した後は、これらのファイルを削除できます。


3.9 Visual Studio Tools for Officeの設定のローカライズ

この項の説明に従って、Visual Studio Tools for Officeの設定をローカライズします。デフォルトでは、3.5項「ADFデスクトップ統合のインストール」で説明されているインストーラは英語で実行されます。Microsoft Download Centerから異なる言語パックをダウンロードして、インストールの実行時に表示する言語をインストールできます。

この項では、システム上にADFデスクトップ統合のインスタンスが存在せず、システムで英語バージョンでないオペレーティング・システムを使用していることを前提とします。ADFデスクトップ統合が存在する場合、3.6項「ADFデスクトップ統合の削除」の説明に従って削除してください。

サポートされているオペレーティング・システムの詳細は、3.2項「必要なOracle ADFモジュールおよびサード・パーティ製ソフトウェア」を参照してください。

Visual Studio Tools for Officeの設定をローカライズする手順:

  1. 適切なMicrosoft Visual Studio Tools for Microsoft Office用の言語パック(フランス語など)を次のMicrosoft Download Centerからダウンロードします。

    http://www.microsoft.com/downloads/

  2. 手順1でダウンロードした言語パックをインストールします。

  3. 3.5項「ADFデスクトップ統合のインストール」の説明に従って、ADFデスクトップ統合を設定します。