Oracle® Fusion Middleware Oracle WebCenter Portal開発者ガイド 11g リリース1 (11.1.1.6.0) B72084-01 |
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この章では、設計時にWebCenter Portal: Frameworkアプリケーションにアクティビティ・グラフ・サービスを統合する方法について説明します。
この章の内容は、次のとおりです。
アクティビティ・グラフ・サービスの管理方法および使用方法の詳細は、次のドキュメントを参照してください。
『Oracle Fusion Middleware Oracle WebCenter Portal管理者ガイド』のアクティビティ・グラフ・サービスの管理に関する項
Oracle Fusion Middleware Oracle WebCenter Portal: Spacesユーザーズ・ガイドのアクティビティ・グラフ・サービスでの作業に関する項
Enterprise 2.0の到来によって、ユーザーはかつてないほどの量のコンテンツをアップロードできるようになりました。このことを念頭に置くと、FrameworkアプリケーションなどのEnterprise 2.0製品にシームレスに統合された、より効率的な情報取得サービスが必要になっています。アクティビティ・グラフ・サービスでは、集約されたインテリジェント機能を活用することで、検索アプリケーションおよびソーシャル・アプリケーション用のソリューションを提供します。
この項では、アクティビティ・グラフ・サービスの概要、タスク・フロー、メリットおよび基礎となるアーキテクチャについて説明します。この項の内容は、次のとおりです。
アクティビティ・グラフ・サービスでは、既存のコネクションやアプリケーション内のオブジェクトへの共通のやり取りに基づいて、ユーザーが関心を寄せている可能性のある人を提案します。また、現在ユーザーが表示しているスペースまたはアイテムでの類似する操作に基づいて、ユーザーが興味を持つ可能性があるスペースやコンテンツも示されます。
アクティビティ・グラフ・サービスでは、アクティビティ・グラフ・エンジンによって収集および分析されたデータに基づいて、これらの提案が提示されます。アクティビティ・グラフ・エンジンには、エンタープライズ・アプリケーションによって収集されたアクション用の集中リポジトリが用意されています。数学的なグラフに置き換えてみると、アプリケーション・ユーザーとそれらのユーザーがやり取りするエンタープライズ・コンテンツはノードを表し、ユーザー間およびユーザーとコンテンツとの間のアクションは有向エッジ(図46-1)を表します。
企業では、人と人との対話やユーザーとコンテンツとのやり取りを分析することで、類似度スコアを生成します。さらに、このスコアを利用して、表示、編集、タグ付けなどの拡張可能なアクション・セットに基づいたコンテキスト推奨を行えます。たとえば、オンライン・ベンダーであれば、このようなコンテキスト推奨の機能を利用して、選択可能な追加製品を提案できます。ソーシャル・ネットワーキング環境では、コンテキスト推奨の機能によって、すでにコネクションを持っている友人の友人とコネクションを持つことが提案されます。
アクティビティ・グラフ・エンジンでは、特定のコンテンツのアクティビティ・ランクも計算されます。この情報がOracle Secure Enterprise Searchに渡されることにより、より関連性のあるコンテンツが検索結果の上位に表示されるようになります。詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle WebCenter Portal管理者ガイド』のOracle Secure Enterprise Searchのアクティビティ・ランクの設定に関する項を参照してください。
ノード・クラス
アクティビティ・グループ・ノードは、各クラスにグループ化されます。WebCenter Portalのデフォルトのノード・クラスは、次のとおりです。
ユーザー(WC.user
)
スペース(WC.group-space
)
ドキュメント(WC.document
)
Wikiページ(WC.wiki-page
)
ブログ(WC.blog
)
ディスカッション・トピック(WC.topic
)
アクティビティ・グラフ・エンジンを拡張して他のアプリケーションに統合する場合は、これらのアプリケーションのオブジェクトに対応するカスタム・ノード・クラスを作成できます。詳細は、第46.4.1項「カスタム・ノード・クラスの定義」を参照してください。
アクション
アクションは特定のイベント・タイプです。アクションには、ソースとターゲットが存在します。たとえば、Montyというユーザーがドキュメントを閲覧する場合、これはMontyをソース、ドキュメントをターゲットとするview
アクションになります。ユーザーとアイテムとの間のその他のアクションには、create
、like
、tag
などがあります。アクションは、2人のユーザー間で発生することがあります。たとえば、2人のユーザーが互いにconnect
する場合があげられます。
表46-1に、WebCenter Portalで定義されているデフォルトのアクションを示します。
表46-1 WebCenter Portalのデフォルト・アクション
アクションURN | 説明 |
---|---|
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別のユーザーとのコネクションを持ちます。 |
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スペース、ドキュメント、Wikiページ、ブログ、トピックまたはメッセージを作成します。 |
|
スペースを除くすべてのアイテムの場合、
スペースの場合、
|
|
ドキュメント、Wikiまたはブログにコメントします。 |
|
ドキュメント、Wiki、ブログまたはメッセージを気に入ります。 |
|
ドキュメント、Wikiまたはブログにタグ付けします。 |
|
スペース・ページ、ドキュメント、Wikiページ、ブログ・エントリまたはディスカッション・トピックを表示します。 |
|
ドキュメント、Wikiまたはブログをダウンロードします。 |
|
ドキュメントの新しいバージョンのチェックイン、Wikiページまたはブログの編集、トピックへの返信、メッセージの編集を行います。 |
|
ドキュメント、Wikiページ、ブログまたはディスカッション・トピックを表示します。 |
これらのWebCenter Portalアクションが1つでも発生すると(たとえば、Montyがドキュメントをview
すると)、そのアクションはWebCenter Portal分析のコンポーネントであるイベント・コレクタによって収集され、アクティビティ・データベース(図46-2)のイベント表に格納されます。
アクティビティ・データの収集プロセスが開始されると、分析アクティビティ・プロバイダによって分析イベント表からアクションが読み取られた後、登録済のマッピング・セットが使用されてアクティビティが生成されます(図46-3)。アクティビティとは、1回発生したアクションのことで、集計されたアクションの発生回数であるリレーションの判別に使用されます(リレーション表に格納される)。たとえば、Montyがこの特定のドキュメントを5回表示したという事実はリレーションです。リレーション表の中の情報は、推奨と検索ランクの決定に使用されます。
アクティビティ・グラフ・エンジンを他のアプリケーションに統合する場合は、これらのアプリケーションにおけるユーザーの実行アクションに対応するカスタム・アクションを作成できます。詳細は、第46.4.2項「カスタム・アクションの定義」を参照してください。
類似度計算
アクティビティ・グラフのQuery APIは、アクティビティ・グラフ・サービス・タスク・フローで使用されるJava APIで、リレーション表に対するレシピを使用した問合せを実行して推奨を取得します(図46-4)。レシピとは、類似度計算の重み付けされたリストのことです。類似度計算では、特定の条件下で2つのオブジェクトがどの程度類似しているかを指定する類似度スコア(ゼロから1までの数値)が提供されます。それぞれの計算の重み付けによって、その計算が推奨の総合スコアに与える影響が変化します。推奨は、推奨スコアの合計によって順序付けされます。
表46-2に、アクティビティ・グラフ・サービス・タスク・フローによって使用される類似度計算を示します(タスク・フローについては、第46.2.3.1項「アクティビティ・グラフ・サービス・タスク・フロー」を参照してください)。
表46-2 アクティビティ・グラフ・サービスの類似度計算
URN | 適用対象 | 説明 | タスク・フローでの使用 |
---|---|---|---|
|
ドキュメント Wikiページ ブログ トピック |
現在のアイテムを編集したユーザーが推奨アイテムも編集しています。 |
類似アイテム |
|
ドキュメント Wikiページ ブログ トピック |
現在のアイテムを気に入ったユーザーが推奨アイテムも気に入っています。 |
類似アイテム |
|
ドキュメント Wikiページ ブログ トピック |
現在のアイテムについてコメントしたユーザーが推奨アイテムについてもコメントしています。 |
類似アイテム |
|
ドキュメント Wikiページ ブログ トピック |
現在のアイテムにタグ付けしたユーザーが推奨アイテムにもタグ付けしています。 |
|
|
ドキュメント Wikiページ ブログ トピック |
現在のアイテムとなんらかの方法で(表示など)やり取りしたユーザーが、推奨アイテムともなんらかの方法でやり取りしています。 |
類似アイテム |
|
スペース |
現在のスペースに参加したユーザーが推奨スペースにも参加しています。 |
類似スペース |
|
スペース |
現在のスペースとなんらかの方法で(ページやスペース内のコンテンツの表示など)やり取りしたユーザーが、推奨スペースともなんらかの方法でやり取りしています。 |
類似スペース |
|
ユーザー |
現在のユーザーが推奨ユーザーと複数のコネクションを共有しています。 |
推奨コネクション |
|
ユーザー |
現在のユーザーが編集したアイテムの一部は、推奨ユーザーも編集しています。 |
推奨コネクション |
|
ユーザー |
現在のユーザーが気に入ったアイテムの一部は、推奨ユーザーも気に入っています。 |
推奨コネクション |
|
ユーザー |
現在のユーザーがコメントしたアイテムの一部は、推奨ユーザーもコメントしています。 |
推奨コネクション |
|
ユーザー |
現在のユーザーがタグ付けしたアイテムの一部は、推奨ユーザーもタグ付けしています。 |
推奨コネクション |
|
ユーザー |
現在のユーザーがなんらかの方法で(表示など)やり取りしたアイテムの一部は、推奨ユーザーもやり取りしています。 |
推奨コネクション |
これらの類似度計算を編集して、重み付けを変更できます。アクティビティ・グラフ・エンジンを他のアプリケーションに統合する場合は、追加の類似度計算を作成できます。詳細は、第46.4.3項「カスタム類似度計算の定義」を参照してください。
問合せ結果ポスト・プロセッサ(QRPP)
特定のオブジェクトに関する最初の推奨リストが生成された後、その結果をフィルタ処理して、ユーザーにとってより有用な形式に加工できます。これは、問合せ結果ポスト・プロセッサ(QRPP)を使用して実行されます。QRPPは推奨結果の現行リストを取得して、変更されたリストを出力として返します。QRPPでは、一部の推奨がフィルタ処理によって除外されることがあります。たとえば、現在のユーザーに対する表示が禁止されているオブジェクトへの推奨が削除されます。また、結果のメタデータが追加されたり、変更されることがあります。
WebCenter Portalには、次の3つのQRPPが用意されています(表記されている順序で実行される)。
WebCenter PortalセキュリティQRPP: リソース認可プロバイダをコールすることにより、現在のユーザーが表示権限を持っていないオブジェクトに対する推奨をフィルタ処理で除外します。リソース認可プロバイダは、検索サービスによる表示認可で使用されるのと同じWebCenter Portalコンポーネントです。
分析メタデータQRPP: 分析表の各推奨オブジェクトについて、追加のメタデータ(説明やアイコンURLなど)を取得します。
WebCenter Portal URL QRPP: リソース・アクション・ハンドラをコールすることにより、各推奨オブジェクトのURLを取得します。リソース・アクション・ハンドラは、検索サービスで使用されるのと同じWebCenter Portalコンポーネントです。
この結果にさらにフィルタ処理を加えたり、アクティビティ・グラフ・エンジンを他のアプリケーションに統合するために独自のQRPPを作成できます。詳細は、第46.4.6項「カスタムQRPPの登録」を参照してください。
アクティビティ・グラフ・サービス・タスク・フロー
ユーザーに対する推奨の提示は、アクティビティ・グラフ・サービス・タスク・フローを介して行われます。アクティビティ・グラフ・サービスには、次のタスク・フローがあります。
詳細は、第46.2.3.1項「アクティビティ・グラフ・サービス・タスク・フロー」を参照してください。
アクティビティ・グラフ・サービスを使用するには、アクティビティ・グラフ・エンジンがインストールおよび構成されている必要があります。詳細は、Oracle Fusion Middleware Oracle WebCenter Portalインストレーション・ガイドを参照してください。
また、アプリケーションでWebCenter Portalスキーマおよびアクティビティ・データベースへの接続を作成する必要があります。詳細は、第7.2.2項「データベース接続の設定」を参照してください。
分析イベント・コレクタに使用イベントを送信するように、アプリケーションが構成されている必要があります。詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle WebCenter Portal管理者ガイド』のアプリケーション用の分析コレクタの登録に関する項を参照してください。
アクティビティ・グラフ・サービスで推奨を行うには、まず、アクティビティ・グラフ・エンジンを最低1回は実行して、データ収集と類似度スコアの計算を行っておく必要があります。詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle WebCenter Portal管理者ガイド』のアクティビティ・グラフ・サービス用のデータ準備に関する項を参照してください。
類似アイテム・タスク・フローでどのアイテムが提案されるかは、アプリケーションで使用可能なサービスによって決まります。たとえば、ドキュメント・サービスが使用可能な場合は、ドキュメントのみが推奨されます。アプリケーションでサービスを使用可能にする方法については、そのサービスに関する該当の章を参照してください。また、そのアイテムを所有するサービスのリソース認可プロバイダでフィルタ処理が行われることによって、アイテムが推奨から除外されることもあります。
実行時には、アクティビティ・グラフ・サービス・タスク・フローで次のようなコンテキストが提供されます。
推奨コネクション・タスク・フローの場合、コンテキストは現在のユーザーになります。
類似スペース・タスク・フローの場合、コンテキストは現在のスペースになります。
類似アイテム・タスク・フローの場合、コンテキストは、タスク・フロー入力パラメータまたはADF UIイベントを通して渡されるWebCenter Portalリソースになります。
その後、タスク・フローは、アクティビティ・グラフのQuery APIを介して(タスク・フロー・パラメータで指定されているレシピを使用する)アクティビティ・グラフ・データベースの推奨の問合せを行います。Query APIによって返された推奨リストは、QRPPでフィルタ処理してからタスク・フローで表示することもできます。
実行時のサービスの詳細は、Oracle Fusion Middleware Oracle WebCenter Portal: Spacesユーザーズ・ガイドのアクティビティ・グラフ・サービスでの作業に関する項を参照してください。
この項では、アクティビティ・グラフ・サービスをアプリケーションに追加するための必要な手順について説明します。この項の内容は、次のとおりです。
この項のフロー・チャート(図46-5)と表(表46-3)は、Frameworkアプリケーションでアクティビティ・グラフ・サービスが動作するために必要な条件とタスクの概要を示しています。
図46-5 WebCenter Portal: Frameworkアプリケーションに対するアクティビティ・グラフ・サービスの構成
表46-3 WebCenter Portal: Frameworkアプリケーションに対するアクティビティ・グラフ・サービスの構成
アクター | タスク | サブタスク |
---|---|---|
管理者 |
1. 分析サービスおよびアクティビティ・グラフ・サービス用のWebCenter Portalコンポーネントとバックエンド・コンポーネントをインストールします。 |
|
開発者 |
2. アプリケーションにアクティビティ・グラフ・サービスを統合します。 |
2.a JDeveloperでWebCenter Portalスキーマへの接続を構成します。 2.b JDeveloperでアクティビティ・データベースへの接続を構成します。 2.c JDeveloperで分析コレクタへの接続を構成します。 2.d JDeveloperでページにアクティビティ・グラフ・タスク・フローを追加します。 |
管理者 |
3. (オプション)アクティビティ・グラフ・エンジンのスケジュールを設定します。 |
|
開発者/ 管理者 |
4. 次のいずれかのツールを使用してアプリケーションをデプロイします。
|
|
5. (オプション)次のいずれかのツールを使用して接続パラメータを追加または変更します。
|
||
エンド・ユーザー/ 管理者 |
6. アプリケーションでアクティビティ・グラフ・データを使用できることをテストします。 |
6.a アプリケーションにログインし、コンテンツを追加するなどの操作をします(エンド・ユーザー)。 6.b アクティビティ・グラフ・エンジンを実行します(管理者)。 6.c アクティビティ・グラフ・タスク・フローで、推奨を表示します。たとえば、「プロファイル」ページの推奨コネクション・タスク・フローを表示します(エンド・ユーザー)。 |
アクティビティ・グラフ・サービスでは、次のものに接続する必要があります。
WebCenter Portalスキーマ: この接続は、WebCenter Portalのリソース認可プロバイダとリソース・アクション・ハンドラの問合せ中に、WebCenter PortalセキュリティおよびWebCenter Portal URLのQRPPによって使用されます。この接続の作成方法については、第7.2.2項「データベース接続の設定」を参照してください。
アクティビティ・スキーマ: この接続は、推奨の問合せおよびその結果のメタデータの取得に使用されます。これは、分析イベント・コレクタおよびアクティビティ・グラフ・エンジンが使用する接続と同じものです。既存の接続が存在する場合、その接続が使用されます。既存の接続が存在しない場合は、新しい接続を作成する必要があります。この接続の作成方法については、第7.2.2項「データベース接続の設定」を参照してください。
分析イベント・コレクタ: この接続は、分析イベント・コレクタに使用イベントを送信するために使用されます。詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle WebCenter Portal管理者ガイド』のアプリケーション用の分析コレクタの登録に関する項を参照してください。
注意: JDeveloperで設計時にバックエンド・サーバーへの接続を設定できますが、デプロイ後の環境でEnterprise Manager Fusion Middleware Controlを使用して、後から接続を追加、削除または変更できます。詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle WebCenter Portal管理者ガイド』を参照してください。 |
この項では、アクティビティ・グラフ・サービス・タスク・フローおよびアプリケーションへのアクティビティ・グラフ・サービスの追加手順について説明します。この項の内容は、次のとおりです。
この項では、アクティビティ・グラフ・サービスで使用可能なタスク・フローについて説明します。
表46-4に、アクティビティ・グラフ・サービスで用意されているタスク・フローを示します。
表46-4 アクティビティ・グラフ・サービス・タスク・フロー
タスク・フロー | 説明 |
---|---|
推奨コネクション |
このタスク・フローでは、現在のユーザーに類似しているとアクティビティ・グラフ・エンジンの計算によって判断されたユーザーを表示して、そのユーザーとのコネクションを持つことができます。 詳細は、第46.2.3.1.1項「推奨コネクション・タスク・フロー」を参照してください。 |
類似スペース |
このタスク・フローでは、現在のユーザーが興味を持つ可能性があるとアクティビティ・グラフ・エンジンの計算によって判断されたスペースを表示して、そのスペースとやり取りできます。 詳細は、第46.2.3.1.2項「類似スペース・タスク・フロー」を参照してください。 |
類似アイテム |
このタスク・フローでは、現在のユーザーが興味を持つ可能性があるとアクティビティ・グラフ・エンジンの計算によって判断されたWebCenter Portalアイテムを表示して、そのアイテムとやり取りできます。 詳細は、第46.2.3.1.3項「類似アイテム・タスク・フロー」を参照してください。 |
推奨コネクション・タスク・フローでは、現在のユーザーに類似していると計算によって判断されたユーザーを表示して、そのユーザーとのコネクションを持つことができます。
推奨コネクション・タスク・フローは、各ユーザーの「プロファイル」ページで、デフォルトで提供されています。
このタスク・フローの実行時における使用方法については、Oracle Fusion Middleware Oracle WebCenter Portal: Spacesユーザーズ・ガイドの推奨コネクション・タスク・フローでの作業に関する項を参照してください。
表46-5に、類似度計算と推奨コネクション・タスク・フローのデフォルト・レシピで使用されている重み付けを示します。このレシピは、similarityURNList
タスク・フロー・バインディング・パラメータを編集することで変更できます。詳細は、第46.2.3.3項「アクティビティ・グラフ・サービスのタスク・フロー・パラメータを変更する方法」を参照してください。
表46-5 推奨コネクションのデフォルト・レシピ
類似度計算 | 重み |
---|---|
user-connect |
100 |
user-edit |
50 |
user-like |
50 |
user-comment |
10 |
user-tag |
10 |
user-all |
1 |
推奨の総合スコアが一番高いユーザーが、タスク・フローで最初に表示されます。各推奨ユーザーの最高スコアに関する類似度計算で、関連付けられた理由文字列が存在する場合は、その文字列がユーザー名の下に表示され、なぜそのユーザーを推奨するのかが詳述されます。
最も類似度が高いユーザーを決める機能で理由文字列が定義されていない場合は、何も表示されません。類似度計算の理由文字列は編集できます。また、それ以外の文字列を追加することもできます。詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle WebCenter Portal管理者ガイド』の類似度計算の理由文字列のカスタマイズに関する項を参照してください。
類似スペース・タスク・フローでは、現在のスペースのユーザーが興味を持つ可能性があると計算によって判断されたスペースを表示して、そのスペースとやり取りできます。推奨されるスペースは、現在のユーザーに固有のものではありませんが、タスク・フローにはそのユーザーが表示権限を持つスペースのみが示されます。
このタスク・フローの実行時における使用方法については、Oracle Fusion Middleware Oracle WebCenter Portal: Spacesユーザーズ・ガイドの類似スペース・タスク・フローでの作業に関する項を参照してください。
表46-6に、類似度計算と類似スペース・タスク・フローのデフォルト・レシピで使用されている重み付けを示します。このレシピは、similarityURNList
タスク・フロー・バインディング・パラメータを編集することで変更できます。詳細は、第46.2.3.3項「アクティビティ・グラフ・サービスのタスク・フロー・パラメータを変更する方法」を参照してください。
推奨の総合スコアが一番高いスペースが、タスク・フローで最初に表示されます。各推奨スペースの最高スコアに関する類似度計算で、関連付けられた理由文字列が存在する場合は、その文字列がスペース名の下に説明とともに表示されます。
最も類似度が高いスペースを決める計算で理由文字列が定義されていない場合は、何も表示されません。類似度計算の理由文字列は編集できます。また、それ以外の文字列を追加することもできます。詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle WebCenter Portal管理者ガイド』の類似度計算の理由文字列のカスタマイズに関する項を参照してください。
類似アイテム・タスク・フローでは、現在選択しているアイテムのユーザーが興味を持つ可能性があるとアクティビティ・グラフ・エンジンの計算によって判断されたWebCenter Portalアイテムを表示して、そのアイテムとやり取りできます。推奨されるアイテムは、現在のユーザーに固有のものではありませんが、タスク・フローにはそのユーザーが表示権限を持つアイテムのみが示されます。
ユーザーが興味を持つ可能性があるアイテムには、Wikiページ、ブログ・ポスト、ドキュメント、ディスカッション・トピックなどが含まれます。
類似アイテム・タスク・フローでは、ページ上の他のタスク・フローで選択したアイテムに基づいて推奨コンテキストが決定されます。この情報は、タスク・フロー入力パラメータ(通常は、EL式を使用する)またはWebCenterResourceSelected
ADF UIイベントを通じて提供されます。類似アイテム・タスク・フローのコンテキストを決定するタスク・フローは、次のとおりです。
次のドキュメント・サービス・タスク・フローです。
最近のドキュメント
ドキュメント・リスト・ビューア
ドキュメント・ナビゲータ
ドキュメント・エクスプローラ
フォルダ・ビューア
ドキュメント・マネージャ
ドキュメント・ブラウザ
ディスカッション・マネージャ・タスク・フロー
類似アイテム・タスク・フローは、ドキュメント・エクスプローラのファイル用の「関連アイテム」ペインにあり、現在表示しているファイルに類似するアイテムが表示されます。詳細は、Oracle Fusion Middleware Oracle WebCenter Portal: Spacesユーザーズ・ガイドのファイルでのタグ、リンク、推奨の表示および追加に関する項を参照してください。
このタスク・フローの実行時における使用方法については、Oracle Fusion Middleware Oracle WebCenter Portal: Spacesユーザーズ・ガイドの類似アイテム・タスク・フローでの作業に関する項を参照してください。
表46-7に、類似度計算と類似アイテム・タスク・フローのデフォルト・レシピで使用されている重み付けを示します。このレシピは、similarityURNList
タスク・フロー・バインディング・パラメータを編集することで変更できます。詳細は、第46.2.3.3項「アクティビティ・グラフ・サービスのタスク・フロー・パラメータを変更する方法」を参照してください。
推奨の総合スコアが一番高いアイテムが、タスク・フローで最初に表示されます。各推奨アイテムの最高スコアに関する類似度計算で、関連付けられた理由文字列が存在する場合は、その文字列がアイテム名の下に表示され、なぜそのアイテムを推奨するのかが詳述されます。
最も類似度が高いアイテムを決める機能で理由文字列が定義されていない場合は、何も表示されません。類似度計算の理由文字列は編集できます。また、それ以外の文字列を追加することもできます。詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle WebCenter Portal管理者ガイド』の類似度計算の理由文字列のカスタマイズに関する項を参照してください。
この項では、推奨コネクション・タスク・フローをアプリケーション・ページに追加する方法について説明します。この手順は、すべてのアクティビティ・グラフ・サービス・タスク・フローで同じです。
推奨コネクション・タスク・フローをFrameworkアプリケーションに追加する手順は次のとおりです。
第46.1.2項「アクティビティ・グラフ・サービスの要件」の説明に従って、アプリケーションを準備します。
タスク・フローを追加するページを開きます。
リソース・パレットで、「カタログ」を開き、「WebCenter Portal - サービス・カタログ」→「タスク・フロー」フォルダを選択します。
推奨コネクション・タスク・フロー(または、希望するアクティビティ・グラフ・サービス・タスク・フロー)を、JSF(.jspx
)ページにドラッグ・アンド・ドロップします。
表示されたコンテキスト・メニューで、「リージョン」を選択します。
アクティビティ・グラフ・サービスのADFライブラリ(activitygraph-service-view.jar
)をプロジェクトに追加するよう要求される場合があります。「ライブラリの追加」をクリックして確認します。この操作の完了には時間がかかる場合があります。
「タスク・フロー・バインディングの編集」ダイアログにパラメータの値を入力するか、デフォルトを受け入れます。
詳細は、第46.2.3.4項「アクティビティ・グラフ・サービス・タスク・フローおよびタスク・フロー・パラメータ」を参照してください。
「OK」をクリックします。
タスク・フローがページに追加され、プロジェクトのライブラリがタスク・フローを実行するように構成されます。
ページを保存し、実行します。
各アクティビティ・グラフ・サービス・タスク・フローには、一連の必須およびオプションのタスク・フロー・バインディング・パラメータがあります。これらのパラメータにより、タスク・フローの正常な実行に役立つ情報を取得する手段が提供されます。
タスク・フロー・バインディング・パラメータを使用すると、タスク・フローの正常なレンダリングに必要な値を提供できるのみでなく、タスク・フロー・インスタンスの外観および動作をカスタマイズできます。たとえば、これらのパラメータ値を使用して、ヘッダーとフッターをレンダリングするかどうか、表示する情報の行数や列数、返されたデータにフィルタを適用するかどうかなどを決定できます。
タスク・フロー・バインディング・パラメータの値は、タスク・フローをアプリケーション・ページにドラッグ・アンド・ドロップするときに入力できます。この操作を行うと、「タスク・フロー・バインディング」ダイアログが開きます(詳細は、第46.2.3.2項「アクティビティ・グラフ・サービス・タスク・フローをページに追加する方法」を参照してください)。
ページにタスク・フローを配置した後、タスク・フロー・バインディング・パラメータの値を調整することもできます。
「タスク・フロー・バインディングの編集」ダイアログにアクセスする手順は次のとおりです。
ページの下部にある「バインディング」タブ(「ソース」タブの横)をクリックして、「バインディング」ビューに移動します。
「実行可能ファイル」の下に、追加したタスク・フローが表示されます。
図46-6に、「実行可能ファイル」セクションに推奨コネクション・タスク・フローが表示されている例を示します。
タスク・フローを選択し、「実行可能ファイル」ヘッダーの横にある「選択した要素を編集します。」(鉛筆)アイコンをクリックします。
「タスク・フロー・バインディングの編集」ダイアログ(図46-7)で、必要に応じてバインディング・パラメータの値を変更します(詳細は、第46.2.3.4項「アクティビティ・グラフ・サービス・タスク・フローおよびタスク・フロー・パラメータ」を参照してください)。
終了したら、「OK」をクリックします。
保存した後、ページを実行して結果を表示します。
表46-8に、アクティビティ・グラフ・サービスに適用できるタスク・フロー・バインディング・パラメータのリストと説明を示します。
表46-8 アクティビティ・グラフ・サービスのタスク・フロー・バインディング・パラメータ
パラメータ | タスク・フロー | 説明 |
---|---|---|
推奨コネクション 類似スペース 類似アイテム |
推奨のコンテキストとして使用する個人、スペースまたはアイテムのID。 コネクションのデフォルト値は、現在ログインしているユーザーの式言語トークンです。 スペースのデフォルト値は、タスク・フローが含まれているスペースのリソースIDの式言語トークンです。 アイテムの値は、選択イベントから導出されます。 |
|
類似アイテム |
コンテキストのノード・クラス。デフォルトでは、情報は選択イベントから導出されます。 |
|
類似スペース 類似アイテム |
推奨のコンテキストとして使用するスペースまたはアイテムの名前。 スペースのデフォルト値は、タスク・フローが含まれているスペースのリソースIDの式言語トークンです。 アイテムの値は、選択イベントから導出されます。 |
|
推奨コネクション 類似スペース 類似アイテム |
登録済類似度計算と重みのペアのカンマ区切りリスト。このリストにより、表示される推奨とその順序が決定されます。 各タスク・フローのデフォルト・レシピは、第46.2.3.1項「アクティビティ・グラフ・サービス・タスク・フロー」に示されています。 |
|
類似アイテム |
推奨から除外するオブジェクトのノード・クラスのカンマ区切りリスト。 デフォルトでは空です。これは、オブジェクトのどのクラスが返されるかについて、制限がないことを意味します。 |
|
推奨コネクション 類似スペース 類似アイテム |
登録済アクションのカンマ区切りリスト。ログインしているユーザーがとった一連のアクションの対象である人物、スペースまたはアイテムがタスク・フローには表示されません。 たとえば、類似アイテム・タスク・フローのデフォルト値は、作成、編集、コメント、タグです。これは、ユーザー自身が作成、編集、コメントまたはタグ付けしたアイテムが推奨されないことを意味します。 WebCenter Portalのデフォルト・アクションは、表46-1に示されています。 |
|
類似アイテム |
オブジェクトのノード・クラスを識別するために、 |
|
類似アイテム |
WebCenter Portalオブジェクトのノード・クラスを識別するために、 たとえば、ドキュメント・サービスでは |
|
類似アイテム |
タスク・フローの各リンクがインライン・ポップアップ( デフォルト値は |
この項では、アクティビティ・グラフ・サービスで使用できる拡張機能について説明します。この項の内容は、次のとおりです。
アクティビティ・グラフ・サービスには、サービス用の独自のユーザー・インタフェース(タスク・フロー)の作成を可能にするデータ・コントロールが用意されています。
アクティビティ・グラフ・データ・コントロールでは、類似アイテムと類似ユーザーの提案をアクティビティ・グラフに問い合せる2つのメソッドと、ユーザーが興味を示さないアイテムを記録する1つのメソッドが公開されています。
getSimilarObjects
: 指定したソースと類似度計算のSuggestionWrappers
リストを、複雑な類似度計算レシピの選択肢、およびノード・クラスとアクションのフィルタリングとともに返します。
recordNotInterested
: 指定したオブジェクトにユーザーが興味を示していないことを記録します。
注意: 便宜上、 |
通常、データ・コントロールとメソッドのバインディングには、MethodAction
、MethodIterator
(メソッドの結果を反復するため)およびTree
(生成されるデータ構造の各属性を取得するため)という3つの構成要素が必要になります。これらは、ページ定義ファイルで手動で作成したり、より簡単な方法としてJDeveloper付属のウィザードを使用して作成できます。
アクティビティ・グラフ・データ・コントロールをプロジェクトに追加する手順は次のとおりです。
「RecommendationDataControl」をプロジェクトに追加します(カタログで選択して右クリックしてから「プロジェクトに追加」を選択するか、プロジェクト内のJSPページ(.jspx
)にドラッグ・アンド・ドロップすることで追加します)。
ADF表をJSPページにドラッグします。
要求されたら、「データソースにバインド」チェック・ボックスを選択します。
「RecommendationDataControl」に移動し、希望するAPIメソッドからSuggestionWrapper結果を選択します。これにより、メソッド・アクション・バインディングおよび結果コレクションのイテレータが自動的に作成されます。
公開するノードを選択します。これにより、提案値にアクセスするためのツリーが自動的に作成されます。
メソッド・アクションのパラメータを構成します。これらのパラメータは、通常、pageFlowScope変数としても定義できる式になります。
classURN
: 推奨ソースのノード・クラスのURN。
objectURN
: 推奨ソースのURN。
userCredentialClass
: nullの場合、WebCenter Portalユーザー・タイプが使用されます。
recipe
: 使用される類似度計算とそれに関連付けられている重みのカンマ区切りリスト。次に例を示します。
類似アイテム・タスク・フローの場合、
item-edit=100,item-like=50,item-comment=20,item-tag=10,item-all=1
推奨コネクション・タスク・フローの場合、
user-connect=100,user-edit=50,user-like=50,user-comment=10,user-tag=10,user-all=1
類似スペース・タスク・フローの場合、
gs-edit=10,gs-all=1
classURNRestrictionList
: 結果をフィルタ処理するクラスのカンマ区切りリスト。
excludeObjectActionList
: 結果のフィルタ処理に使用するアクションURNのカンマ区切りリスト。
maxResults: 返される推奨の最大数。
WebCenter Portalには、アクティビティ・グラフ・サービスをサポートするREST APが用意されています。アクティビティ・グラフ・サービスREST APIを使用すると、コネクション、スペースおよびアイテムの推奨を提供するための独自のインタフェースを作成できます。
この項では、アクティビティ・グラフ・サービスに関連付けられているREST APIについて説明します。この項の内容は、次のとおりです。
REST APIの概要については、第54章「Oracle WebCenter Portal REST APIの使用」を参照してください。
各RESTサービスは、そのサービスのエントリ・ポイントを提供するリソース索引内にリンク要素を持っています。アクティビティ・グラフ・サービスには、推奨用とアイテム用の2つのエントリ・ポイントがあります。アクティビティ・グラフ・サービスのエントリ・ポイントを検索するには、次のいずれかのresourceType
を使用したリンク要素を検索します。
urn:oracle:webcenter:activitygraph:recommendations urn:oracle:webcenter:activitygraph:items
対応するhref
またはtemplate
要素によって、URIエントリ・ポイントが提供されます。クライアントは、このエントリ・ポイントにHTTPリクエストを送信し、アクティビティ・グラフ・サービスを使用します。
リソース索引の詳細は、第54.5.1項「リソース索引」を参照してください。
リソース・タイプの詳細は、第54.5.2.1項「リソース・タイプ」を参照してください。
クライアントでは、使用するエントリ・ポイントが識別されると、リソース・タイプの分類が精査されて必要な操作が実行されます。個々のリソース・タイプの詳細は、第46.3.2.2項「アクティビティ・グラフのリソース・タイプの分類」の該当箇所を参照してください。
アクティビティ・グラフ・サービスの分類は、次のとおりです。
urn:oracle:webcenter:activitygraph:recommendations urn:oracle:webcenter:activitygraph:recommendations:recommendation urn:oracle:webcenter:activitygraph:items urn:oracle:webcenter:activitygraph:items:item
このサービスに固有のセキュリティに関する考慮事項はありません。一般的なセキュリティに関する考慮事項については、第54.8項「WebCenter Portal REST APIのセキュリティに関する考慮事項」を参照してください。
この項では、各リソース・タイプについて知っておく必要がある情報をすべて提供します。この項の内容は、次のとおりです。
第46.3.2.4.1項「urn:oracle:webcenter:activitygraph:recommendations」
第46.3.2.4.2「urn:oracle:webcenter:activitygraph:recommendations:recommendation」
このリソースを使用して、指定したオブジェクトに対する類似度に基づいて推奨されたコネクション、スペース、アイテムの取得(GET
)に使用するURIを識別します。GET
操作のレスポンスには、要求されているリストの各オブジェクトが含まれ、各オブジェクトには、そのオブジェクトの操作に使用した各リンクが含まれます。
アクティビティ・グラフに存在する各ノードは、ノード・クラスURNとオブジェクトURNの組合せによって識別されます。
たとえば、montyというユーザーを識別するには、次のように指定できます。
classURN=WC.user
objectURN=monty
即時利用可能なノードは、WebCenter Portalのすべてのリソース(ユーザー、ドキュメント、スペースなど)です。また、WebCenter PortalサービスやリソースIDも利用できます。アクティビティ・グラフのREST APIには、これらの即時利用可能なノードを識別するための別の方法が用意されており、serviceId
とobjectURN
(リソースIDを含む)を使用します。
たとえば、montyというユーザーを識別するには、次のように指定できます。
serviceId=oracle.webcenter.people
objectURN=monty
サービスのオブジェクトが、ドキュメント・サービスなどのリソース・タイプでさらに分類されている場合、そのリソース・タイプも指定する必要があります。
たとえば、特定のドキュメントを識別するには、次のように指定できます。
serviceId=oracle.webcenter.doclib
resourceType=document
objectURN=document1
作成された新しいノード・クラス(つまり、非ネイティブのWebCenter Portalオブジェクト)はすべて、ノード・クラスとオブジェクトURNを使用して識別する必要があります。
recommendationsへのナビゲーション・パス
この項では、クライアントがハイパーメディアを経由してこのリソースにアクセスする方法を示します。
resourceIndex recommendations
recommendationsでサポートされるメソッド
このリソースによってサポートされるメソッドは次のとおりです。
GET
リクエスト - パラメータ: startIndex
、itemsPerPage
、utoken
。
これらの共通パラメータについては、「共通のリクエスト問合せパラメータ」を参照してください。
次の追加パラメータを使用できます。
classURN
: 推奨をリクエストしているオブジェクトのタイプを識別するノード・クラスURN。たとえば、WC.user
、WC.group-space
です。
objectURN
: 推奨をリクエストしているオブジェクトの一意の識別子を提供するオブジェクトURN。たとえば、monty
、1000
です。
recipe
: 推奨するオブジェクトの決定に使用される、類似URNおよびオプションで関連付けられている重み(コロンで示されている)のセミコロン区切りリスト。たとえば、gs-edit:10;gs-all:1
です。
classURNRestrictions
: 推奨から除外される、ノード・クラスURNによって識別されるオブジェクト・タイプのカンマ区切りリスト。
excludeObjectActions
: アクションURNによって識別されるアクションのカンマ区切りリスト。現在のユーザーがそのアクションをオブジェクトに対して実行した場合、実行対象になったオブジェクトを推奨から除外するために使用されます。たとえば、クライアントによって推奨スペースが取得される場合、gs-edit
アクションを指定して、現在のユーザーが編集したスペースを除外できます(ユーザーにとって、そのスペースが既知であるため)。
serviceId
: 推奨をリクエストしているオブジェクトのタイプを識別するWebCenter PortalサービスID(即時利用可能なオブジェクトでは、classURN
のかわりに使用できる)。
resourceType
: 推奨をリクエストしているオブジェクトのWebCenter Portalリソース・タイプ。必要に応じて、serviceId
と組み合せて使用します。
userCredentialClassURN
: REST APIの実行ユーザーのノード・クラスURN。デフォルト値はWC.user
です。アクティビティ・グラフ・エンジンを別のアプリケーションに統合する場合、別のノード・クラスへの変更が必要な場合があります。
レスポンス - 本体: 0以上の推奨。
詳細は、第54.5.2.5項「テンプレート」を参照してください。
recommendationsからリンクされるリソース・タイプ
表46-9に、クライアントがこのリソースからリンクできるリソース・タイプを示します。
推奨レスポンスには、推奨オブジェクトと、そのオブジェクトへのアクセスに使用するURIが含まれています。
recommendationへのナビゲーション・パス
この項では、クライアントがハイパーメディアを経由してrecommendationリソースにアクセスする方法を示します。
resourceIndex recommendations recommendation
recommendationの読取り専用要素
表46-10に、recommendationsリソースの読取り専用要素を示します。
表46-10 recommendationの読取り専用要素
要素 | タイプ | 説明 |
---|---|---|
score |
Float |
リスト内の他の推奨と比較して計算された、この推奨の総合スコア。レシピを構成する個々の類似URNに関連付けられたコンポーネント・スコアの重み付けされた合計で、0から1の浮動小数点数からなります。 |
item |
urn:oracle:webcenter:activitygraph:items:item |
推奨されているユーザー、アイテムまたはスペース。 |
componentScores |
|
推奨用のレシピ内の各類似URNに関連付けられたコンポーネント・スコアのリスト。コンポーネント・スコアに理由とリンクが存在する場合、これらを使用して、ユーザーと推奨オブジェクト間でやり取りした共通アイテムを取得できます。 |
このリソースを使用して、ソース・オブジェクトと推奨オブジェクトの両方に共通するオブジェクトの取得(GET
)に使用するURIを識別します。これにより、特定のオブジェクトがなぜ推奨されたのか、その理由を調べることができます。GET
操作のレスポンスには、このアイテム・コレクションの各アイテムが含まれ、各アイテムには、そのアイテムの操作に使用した各リンクが含まれます。
itemsへのナビゲーション・パス
この項では、クライアントがハイパーメディアを経由してこのリソースにアクセスする方法を示します。
resourceIndex items
itemsでサポートされるメソッド
このリソースによってサポートされるメソッドは次のとおりです。
GET
リクエスト - パラメータ: startIndex
、itemsPerPage
、utoken
。
これらの共通パラメータについては、「共通のリクエスト問合せパラメータ」を参照してください。
次の追加パラメータを使用できます。
similarityURN
: 推奨オブジェクトにどのオブジェクトが類似しているかを決定するために使用される類似度計算のURN。たとえば、item-tag
、gs-edit
、user-connect
です。
srcClassURN
: 推奨のリクエストに使用されたオブジェクトのタイプを識別するノード・クラスURN。たとえば、WC.user
、WC.group-space
です。
srcObjectURN
: 推奨のリクエストに使用されたオブジェクトのURN。たとえば、monty
、1000
です。
trgClassURN
: 推奨オブジェクトのタイプを識別するノード・クラスURN。
trgObjectURN
: 推奨オブジェクトの一意の識別子を提供するオブジェクトURN。
userCredentialClassURN
: REST APIの実行ユーザーのノード・クラスURN。デフォルト値はWC.user
です。アクティビティ・グラフ・エンジンを別のアプリケーションに統合する場合、別のノード・クラスへの変更が必要な場合があります。
レスポンス - 本体: 1つ以上のアイテム。
詳細は、第54.5.2.5項「テンプレート」を参照してください。
itemsからリンクされるリソース・タイプ
表46-11に、クライアントがこのリソースからリンクできるリソース・タイプを示します。
このリソース・タイプを使用して、推奨の更新(PUT
)に使用するURIを識別します(推奨オブジェクトにユーザーが興味を持ったことを示すためです)。
itemへのナビゲーション・パス
この項では、クライアントがハイパーメディアを経由してitemリソースにアクセスする方法を示します。
resourceIndex recommendations recommendation item resourceIndex items item
itemでサポートされるメソッド
このリソース・タイプによってサポートされるメソッドは次のとおりです。
PUT
リクエスト - 本体: item
レスポンス - 本体: item
itemの書込み可能要素
表46-12に、このリソース・タイプの書込み可能要素を示します。
itemの読取り専用要素
表46-13に、このリソース・タイプの読取り専用要素を示します。これらの要素の中にはオブジェクトで使用できないものもあります。
表46-13 itemの読取り専用要素
要素 | タイプ | 説明 |
---|---|---|
classURN |
String |
オブジェクトのノード・クラス。 |
objectURN |
String |
オブジェクトの識別子。 |
name |
String |
オブジェクトの名前。 |
description |
String |
オブジェクトの説明。 |
modified |
Date |
オブジェクトの最終更新日。 |
modifiedByUser |
PersonReference |
オブジェクトを最後に更新したユーザーに関するユーザー情報。GUID、ID、表示名およびプロファイル・アイコンへのリンクが含まれます。 |
author |
PersonReference |
オブジェクトを作成したユーザーに関するユーザー情報。GUID、ID、表示名およびプロファイル・アイコンへのリンクが含まれます。 |
itemからリンクされるリソース・タイプ
表46-14に、クライアントがこのリソースからリンクできるリソース・タイプを示します。
出荷時のアクティビティ・グラフには、WebCenter Portalサービスのイベント・データをWebCenter Portal分析にマッピングするためのメタデータ定義が含まれています。このメタデータは、アクティビティ・グラフ・エンジン・アプリケーションの最初の起動時に自動的にロードされます。
XMLファイルを操作することでアクティビティ・グラフのメタデータを拡張して、WebCenter Portal分析によるアクションの収集方法を変更できます。これらのXMLファイルは、エクスポートしてテキスト・エディタで編集した後、インポートできます。
アクティビティ・グラフのメタデータ定義を更新するには、まずローカルXMLファイルにエクスポートする必要があります。
アクティビティ・グラフのメタデータ定義をエクスポートする方法については、『Oracle Fusion Middleware Oracle WebCenter Portal管理者ガイド』のアクティビティ・グラフ・メタデータのエクスポートに関する項を参照してください。
分析マッピングのメタデータ定義をエクスポートする方法については、『Oracle Fusion Middleware Oracle WebCenter Portal管理者ガイド』のプロバイダ構成のエクスポートに関する項を参照してください。
メタデータ定義を適切なファイルにエクスポートしたら、任意のエディタでファイルを編集して独自の定義を追加できます。変更後は、メタデータ・ファイルを管理対象サーバーにインポートしなおす必要があります。アクティビティ・グラフのメタデータ定義ファイルのインポート方法については、『Oracle Fusion Middleware Oracle WebCenter Portal管理者ガイド』のアクティビティ・グラフ・メタデータのインポートに関する項を参照してください。
この項の内容は、次のとおりです。
アクティビティ・グラフのメタデータでは、ユーザー、スペース、ドキュメントなどのWebCenter Portalオブジェクトを表すノード・クラスが定義されます。WebCenter Portalでサポートされているデフォルトのノード・クラスのリストおよびノード・クラスの定義の詳細は、「ノード・クラス」を参照してください。
アクティビティ・グラフのメタデータ定義をXMLファイルにエクスポートし、そのファイルを編集してから、メタデータをWebCenter Portalにインポートしなおすことで、他のWebCenter Portalオブジェクト用または他のアプリケーションのオブジェクト用に独自のノード・クラスを定義できます。たとえば、CRMアプリケーションをアクティビティ・グラフに統合する場合は、サービス・リクエスト用のノード・クラスを定義できます。
カスタム・ノード・クラスを定義する手順は次のとおりです。
WLSTコマンドexportAGMetadata
を使用して、アクティビティ・グラフのメタデータをローカルXMLファイルにエクスポートします。詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle WebCenter Portal管理者ガイド』のアクティビティ・グラフのメタデータのエクスポートに関する項を参照してください。
XMLファイルを編集して新しいノード・クラスを定義します。各カスタム・ノード・クラスでは、次のものを指定する必要があります。
URN
: nodeClass
要素の属性。これは、ノード・クラスを一意に識別する文字列です。
nodeType
: ノード・クラスによって定義されているオブジェクトがアイテムかユーザーかを示すサブ要素。有効な値はItem
またはUser
です。
numericURNs
: このクラスのオブジェクトのURNが数値かどうかを示すサブ要素。これにより、アクティビティ・グラフを、数値IDを使用するアプリケーションとより効率的に統合できます。有効な値はtrue
またはfalse
です。
properties
: 名前と値のペアによるリスト。ノード・クラスのプロパティは、クラスの追加メタデータを指定するために実行時に使用できます。たとえば、アクティビティ・グラフでモデル化された即時利用可能なすべてのWebCenter Portalオブジェクトでは、serviceID
およびresourceType
のプロパティが定義されています。これらのプロパティは、アクティビティ・グラフ・サービス・タスク・フローで、そのサービスとリソース・タイプに基づいて推奨表示を調整するために使用されます。次に例を示します。
<properties> <property name="oracle.webcenter.resourceType" value="wiki" /> <property name="oracle.webcenter.serviceID" value="oracle.webcenter.doclib" /> </properties>
WLSTコマンドimportAGMetadata
を使用して、更新済のアクティビティ・グラフ・メタデータ・ファイルをFrameworkアプリケーションのデプロイ先の管理対象サーバーにインポートします。詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle WebCenter Portal管理者ガイド』のアクティビティ・グラフのメタデータのインポートに関する項を参照してください。
アクティビティ・グラフには、Frameworkアプリケーションで発生するアクション用のメタデータ定義が含まれています。詳細は、「アクション」を参照してください。
アクティビティ・グラフのメタデータ定義をXMLファイルにエクスポートし、そのファイルを編集してから、メタデータをWebCenter Portalにインポートしなおすことで、WebCenter Portal用または他のアプリケーション用に独自のアクションを定義できます。たとえば、CRMアプリケーションをアクティビティ・グラフに統合する場合は、サービス・リクエストのオープン用、技術サポートへのサービス・リクエストの割当て用、およびサービス・リクエストのクローズ用に新しいアクションを定義できます。
カスタム・アクションを定義する手順は次のとおりです。
WLSTコマンドexportAGMetadata
を使用して、アクティビティ・グラフのメタデータをローカルXMLファイルにエクスポートします。詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle WebCenter Portal管理者ガイド』のアクティビティ・グラフのメタデータのエクスポートに関する項を参照してください。
XMLファイルを編集して新しいアクションを定義します。各カスタム・アクションでは、次のものを指定する必要があります。
URN
: action
要素の属性。これは、アクションを一意に識別する文字列です。
actionType
: サブ要素。有効な値は、次のとおりです。
Simple
: カウントする際に役立つアクション。ソース、ターゲットおよび発生時刻以外のメタデータは存在しません。たとえば、WebCenter Portalには、ユーザーが同一アイテムをクリックするたびに、関連付けられたリレーション値が増加し、時間の経過とともに値が減衰する、事前登録済のview-count
単純アクションが用意されています。
Boolean
: ある事象の発生回数ではなく、発生の有無を確認する際に役立つアクション。Booleanアクションには、それ以外に1つのBooleanがメタデータとして存在します。たとえば、WebCenter Portalには、ユーザーが同一アイテムをクリックしても関連付けられたリレーション値が増加しない、Boolean型のview
アクションが用意されています。このアクションでは、単にユーザーが特定のアイテムをクリックしたかどうかが記録されます。
Non-negative Integer
: 1つの追加整数がメタデータとして存在するアクション。この整数に負の値は指定できません。評価(星の数)は、その代表的な例です。
Integer
: 1つの追加整数がメタデータとして存在するアクション。負の値の指定が許可されている評価で使用できます。
symmetric
: アクションのソースとターゲットが相互に交換可能かどうかを示すサブ要素。対称アクションの例として、ピープル・コネクション・サービスで2人のユーザーがコネクションを持ったときに発生するconnect
アクションがあげられます。有効な値はtrue
またはfalse
です。
sourceType
: アクションの実行オブジェクトのタイプを識別するサブ要素。有効な値はUser
またはItem
です。
targetType
: アクションの実行対象オブジェクトのタイプを識別するサブ要素。有効な値はUser
またはItem
です。
relationType
: サブ要素。有効な値はSum
またはLastAssigned
です。edit-count
アクションなどのSum
アクションは、発生するたびに増加します。LastAssigned
アクションでは、最近発生したアクションで渡された値が保持されます。create
やedit
などの、カウントではない単純アクションはLastAssigned
アクションです。LastAssigned Integer
アクションの例は評価アクションです。
relationDecayPeriod
: (オプション)アクションの値が失われる(減衰する)までの時間(日数)を示すサブ要素。リレーション値の計算では、アクションの発生後の一定の減衰期間が経過するたびに、各アクションの値が減衰因子で乗算されます。
relationDecayFactor
: (Optional)0から1の間の浮動小数点値で表されるサブ要素。減衰期間の経過後に、アクションの値がどの程度減少する(減衰する)かを決定します。リレーション値の計算では、アクションの発生後の一定の減衰期間が経過するたびに、各アクションの値が減衰因子で乗算されます。
例46-2 アクションの定義
<actions> ... <action URN="connect"> <actionType>Boolean</actionType> <symmetric>true</symmetric> <sourceType>User</sourceType> <targetType>User</targetType> <relationType>LastAssigned</relationType> <relationIsNonNegative>true</relationIsNonNegative> </action> ... <action URN="edit-count"> <actionType>Simple</actionType> <symmetric>false</symmetric> <sourceType>User</sourceType> <targetType>Item</targetType> <relationType>Sum</relationType> <relationDecayPeriod>1</relationDecayPeriod> <relationDecayFactor>0.97</relationDecayFactor> </action> ... </actions>
WLSTコマンドimportAGMetadata
を使用して、更新済のアクティビティ・グラフ・メタデータ・ファイルをFrameworkアプリケーションのデプロイ先の管理対象サーバーにインポートします。詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle WebCenter Portal管理者ガイド』のアクティビティ・グラフのメタデータのインポートに関する項を参照してください。
アクティビティ・グラフには、WebCenter Portalで使用されている類似度計算のメタデータ定義が含まれます。詳細は、「類似度計算」を参照してください。
アクティビティ・グラフのメタデータ定義をXMLファイルにエクスポートし、そのファイルを編集してから、メタデータをWebCenter Portalにインポートしなおすことで、WebCenter Portal用または他のアプリケーション用に独自の類似度計算を定義できます。たとえば、CRMアプリケーションをアクティビティ・グラフに統合する場合は、item-assign
類似度計算を定義して、同じユーザーに割り当てられている他のサービス・リクエストの推奨に役立てられます。
カスタム類似度計算を定義する手順は次のとおりです。
WLSTコマンドexportAGMetadata
を使用して、アクティビティ・グラフのメタデータをローカルXMLファイルにエクスポートします。詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle WebCenter Portal管理者ガイド』のアクティビティ・グラフのメタデータのエクスポートに関する項を参照してください。
XMLファイルを編集して新しい類似度計算を定義します。各類似度計算では、次のものを指定する必要があります。
URN
: 類似度計算要素の属性。これは、類似度計算を一意に識別する文字列です。
similarityFunction
: アイテム間の類似度を計算するファンクションを識別するサブ要素。現時点では、Tanimoto
という類似度ファンクションのみがサポートされています。このファンクションは、2つのアイテム間の類似度を、共通アクション数とアイテムに対する合計アクション数の比率として計算します。
domainClasses
: 類似度スコアの計算対象であるノード・クラスを識別するサブ要素。類似度計算のリレーションの組合せで表されるアクションのターゲットです。
backgroundClasses
: ノード・クラスを識別するサブ要素。類似度計算のリレーションの組合せで表されるアクションのソースです。
relationCombination
: 1つ以上の登録済リレーションを組み合せることにより新しいリレーションを定義するサブ要素。リレーションの組合せには次の2つのタイプがあります。
Boolean OR
(WebCenter Portalの即時利用可能なすべての類似度計算で使用される)。コンポーネント・リレーションのいずれかが正の値である場合、リレーションの組合せの結果値は1
(true)になり、そうでない場合は、0
(false)になります。
Weighted Sum
(WebCenter Portalの即時利用可能なすべてのランク計算で使用される)。リレーションの組合せの結果値は、各コンポーネント・リレーションの重み付けされた値の合計です。
各コンポーネント・リレーションでは、次のものを指定します。
actionURN
: コンポーネント・リレーションのアクション用のURN。
use inverse
: コンポーネント・リレーションを使用してターゲット・オブジェクトの類似度を直接計算する場合はfalse
(デフォルト)に、コンポーネント・リレーションを使用して(ターゲット・オブジェクトではなく)ソース・オブジェクトの類似度を計算する場合はtrue
に設定します。たとえば、view
リレーションのソース・オブジェクト(user
)がターゲット・オブジェクト(document
)を表示している場合、ドキュメントの類似度を計算するにはuse inverse=false
を設定します。ソース・オブジェクト(users)の類似度を計算するにはuse inverse=true
を設定します。
weight
: (Weighted Sum
でのリレーションの組合せの場合)浮動小数点数として表される、コンポーネント・リレーションに適用される重み。
例46-3 類似度計算の定義
<similarityCalculations> <similarityCalculation URN="item-edit"> <similarityFunction>Tanamoto</similarityFunction> <domainClasses> <URN>document:wcServiceID=oracle.webcenter.doclib</URN> <URN>wiki-page:wcServiceID=oracle.webcenter.wiki</URN> <URN>blog:wcServiceID=oracle.webcenter.wiki</URN> <URN>topic:wcServiceID=oracle.webcenter.collab.forum</URN> </domainClasses> <backgroundClasses> <URN>user:wcServiceID=oracle.webcenter.people</URN> </backgroundClasses> <relationCombination type="BOOLEAN_OR"> <component inverse="false" actionURN="create" /> <component inverse="false" actionURN="comment" /> <component inverse="false" actionURN="edit" /> </relationCombination> </similarityCalculation> </similarityCalculations>
WLSTコマンドimportAGMetadata
を使用して、更新済のアクティビティ・グラフ・メタデータ・ファイルをFrameworkアプリケーションのデプロイ先の管理対象サーバーにインポートします。詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle WebCenter Portal管理者ガイド』のアクティビティ・グラフのメタデータのインポートに関する項を参照してください。
アクティビティ・グラフには、ランク計算のメタデータ定義が含まれます。これは、アクティビティ・グラフ・ランク・エンジンによるアクティビティ・グラフ内のノードの重要度の計算に使用されます。詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle WebCenter Portal管理者ガイド』のOracle Secure Enterprise Searchのアクティビティ・ランクの設定に関する項を参照してください。
アクティビティ・グラフのメタデータ定義をXMLファイルにエクスポートし、そのファイルを編集してから、メタデータをWebCenter Portalにインポートしなおすことで、WebCenter Portal用または他のアプリケーション用に独自のランク計算を定義できます。
カスタム・ランク計算を定義する手順は次のとおりです。
WLSTコマンドexportAGMetadata
を使用して、アクティビティ・グラフのメタデータをローカルXMLファイルにエクスポートします。詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle WebCenter Portal管理者ガイド』のアクティビティ・グラフのメタデータのエクスポートに関する項を参照してください。
XMLファイルを編集して新しいランク計算を定義します。各ランク計算では、次のものを指定する必要があります。
URN
: rankCalculation
要素の属性。これは、ランク計算を一意に識別する文字列です。
domainClasses
: ランク計算の適用対象であるノード・クラスのリストを識別するサブ要素。
relationCombination
: 1つ以上の登録済リレーションを組み合せることにより新しいリレーションを定義するサブ要素。リレーションの組合せには次の2つのタイプがあります。
Boolean OR
(WebCenter Portalの即時利用可能なすべての類似度計算で使用される)。コンポーネント・リレーションのいずれかが正の値である場合、リレーションの組合せの結果値は1
(true)になり、そうでない場合は、0
(false)になります。
Weighted Sum
(WebCenter Portalの即時利用可能なすべてのランク計算で使用される)。リレーションの組合せの結果値は、各コンポーネント・リレーションの重み付けされた値の合計です。
各コンポーネント・リレーションでは、次のものを指定します。
actionURN
: コンポーネント・リレーションのアクション用のURN。
use inverse
: コンポーネント・リレーションを使用してターゲット・オブジェクトの類似度を直接計算する場合はfalse
(デフォルト)に、コンポーネント・リレーションを使用して(ターゲット・オブジェクトではなく)ソース・オブジェクトの類似度を計算する場合はtrue
に設定します。たとえば、view
リレーションのソース・オブジェクト(user
)がターゲット・オブジェクト(document
)を表示している場合、ドキュメントの類似度を計算するにはuse inverse=false
を設定します。ソース・オブジェクト(users)の類似度を計算するにはuse inverse=true
を設定します。
weight
: (Weighted Sum
でのリレーションの組合せの場合)浮動小数点数として表される、コンポーネント・リレーションに適用される重み。
resultAcceptorClass
: IRankResultAcceptor
インタフェースの実装クラスの完全修飾されたクラス名を識別するサブ要素。このクラスでは、ランク・エンジンから受け取った一連のオブジェクト・ランクが検索エンジンに格納された後、そこで検索問合せの表示ランクを変更するために使用されます。WebCenter Portalには、単一のランク・アクセプタが付属しており、Oracle Secure Enterprise Searchに表示ランクを永続化させます。
例46-4 ランク計算の定義
<rankCalculations> <rankCalculation URN="activity-rank"> <domainClasses> <URN>WC.user</URN> <URN>WC.document</URN> <URN>WC.wiki-page</URN> <URN>WC.blog</URN> </domainClasses> <relationCombination type="WEIGHTED_SUM"> <component actionURN="connect" weight="10.0" /> <component actionURN="edit" weight="20.0" inverse="true" /> <component actionURN="view-count" weight="1.0" /> <component actionURN="create" weight="100.0" inverse="true" /> <component actionURN="create" weight="100.0" /> <component actionURN="edit-count" weight="20.0" /> <component actionURN="download" weight="5.0" /> <component actionURN="tag" weight="10.0" /> <component actionURN="comment" weight="10.0" /> </relationCombination> <resultAcceptorClass> oracle.webcenter.activitygraph.providers.rankAcceptors.ses.SesRankResultAcceptor </resultAcceptorClass> </rankCalculation> </rankCalculations>
WLSTコマンドimportAGMetadata
を使用して、更新済のアクティビティ・グラフ・メタデータ・ファイルをFrameworkアプリケーションのデプロイ先の管理対象サーバーにインポートします。詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle WebCenter Portal管理者ガイド』のアクティビティ・グラフのメタデータのインポートに関する項を参照してください。
アクティビティ・プロバイダは、収集プロセス時にアクションの発生記録からアクティビティを生成する際にアクティビティ・グラフ・エンジンによって使用されます。たとえば、分析アクティビティ・プロバイダは、分析イベント表のアクションを読み取った後、登録済のマッピング・セットを使用してアクティビティを生成します。これらのアクティビティからリレーションが特定され、このリレーションを使用して推奨や検索ランクが決定されます。
他のアプリケーションをアクティビティ・グラフ・エンジンに統合する場合は、これらのアプリケーションからアクティビティを生成するために独自のアクティビティ・プロバイダを作成できます。
アクティビティ・グラフ・エンジンでカスタム・アクティビティ・プロバイダを使用可能にするには、アクティビティ・グラフのメタデータ定義にアクティビティ・プロバイダ割当てを追加して登録する必要があります。アクティビティ・プロバイダ割当てでは、action
、srcClass
およびtrgClass
の3つの方式が、アクティビティ・プロバイダを実装するJavaクラスにマッピングされます。
注意: これらの3つの方式より多くの方式を同じプロバイダ・クラスにマッピングする場合、3つの方式ごとにプロバイダ割当てを行う必要があります。たとえば、出荷時のメタデータでは、3つの方式を |
カスタム・アクティビティ・プロバイダを登録する手順は次のとおりです。
WLSTコマンドexportAGMetadata
を使用して、アクティビティ・グラフのメタデータをローカルXMLファイルにエクスポートします。詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle WebCenter Portal管理者ガイド』のアクティビティ・グラフのメタデータのエクスポートに関する項を参照してください。
XMLファイルを編集して新しいアクティビティ・プロバイダ割当てを定義します。各アクティビティ・プロバイダ割当てでは、次のものを指定する必要があります。
action
: providerAssignment
要素の属性。これは、providerClass
にどのアクションがマッピングされているかを指定します。1つの登録済アクションを指定してください。
srcClass
: providerAssignment
要素の属性。これは、providerClass
にどのソース・クラスがマッピングされているかを指定します。1つの登録済ノード・クラスを指定してください。
trgClass
: providerAssignment
要素の属性。これは、providerClass
にどのターゲット・クラスがマッピングされているかを指定します。1つの登録済ノード・クラスを指定してください。
providerClass
: 指定したアクション、ソース・クラス、および3つの方式のターゲット・クラスのアクティビティ・プロバイダを実装するJavaクラスの、完全修飾された名前を識別するサブ要素。
WLSTコマンドimportAGMetadata
を使用して、更新済のアクティビティ・グラフ・メタデータ・ファイルをFrameworkアプリケーションのデプロイ先の管理対象サーバーにインポートします。詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle WebCenter Portal管理者ガイド』のアクティビティ・グラフのメタデータのインポートに関する項を参照してください。
WebCenter Portalには、推奨結果をフィルタ処理するための複数のQRPPが用意されています。詳細は、「問合せ結果ポスト・プロセッサ(QRPP)」を参照してください。
独自のQRPPを作成して推奨結果にさらにフィルタ処理を加えたり、アクティビティ・グラフ・エンジンを他のアプリケーションに統合する際に推奨メタデータを表示する機能を提供できます。アクティビティ・グラフ・エンジンでQRPPを使用可能にするには、アクティビティ・グラフのメタデータ定義にQRPP登録を追加して登録する必要があります。
カスタムQRPPを登録する手順は次のとおりです。
WLSTコマンドexportAGMetadata
を使用して、アクティビティ・グラフのメタデータをローカルXMLファイルにエクスポートします。詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle WebCenter Portal管理者ガイド』のアクティビティ・グラフのメタデータのエクスポートに関する項を参照してください。
XMLファイルを編集して新しいQRPPを登録します。各QRPPでは、次のものを指定する必要があります。
URN
: QRPP
要素の属性。これは、QRPPを一意に識別する文字列です。
priority
: QRPP
要素の属性。これは、他の登録済QRPPに対応して、QRPPがどの順序で実行される必要があるかを示す整数です。
description
: QRPPの実行内容の簡単な説明を提供するサブ要素。
providerClass
: QRPPを実装するJavaクラスの完全修飾された名前を識別するサブ要素。
例46-6 QRPPの定義
<QRPPs> <QRPP priority="1" URN="WebCenter Portal Security QRPP"> <description> Uses the WebCenter Portal Resource Authorizer to perform security filtering. </description> <providerClass> oracle.webcenter.activitygraph.providers.qrpps.security.WCSecurityQueryResultPostProcessor </providerClass> </QRPP> </QRPPs>
WLSTコマンドimportAGMetadata
を使用して、更新済のアクティビティ・グラフ・メタデータ・ファイルをFrameworkアプリケーションのデプロイ先の管理対象サーバーにインポートします。詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle WebCenter Portal管理者ガイド』のアクティビティ・グラフのメタデータのインポートに関する項を参照してください。
この項では、アクティビティ・グラフ・サービスの使用中に発生する可能性がある問題のトラブルシューティングに役立つ情報を提供します。
トラブルシューティングのソリューションでは、次のことが想定されています。
アクティビティ・グラフ・エンジンが正しくデプロイされていること
WC_Utilities
管理対象サーバーが起動され、稼働中であること
プロパティopenusage enabled
がtrue
であること
問題
有効なユーザー・アクティビティの実行後でも、タスク・フローに推奨が表示されません。
解決方法
イベントが分析イベント・コレクタによって取得されているかどうかを確認してください。これは、コレクタ・ログを確認することにより検証できます。このログにイベントの取得が記録されていない場合、分析イベント・コレクタに問題があります。
詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle WebCenter Portal管理者ガイド』の分析イベント・コレクションの検証に関する項を参照してください。
問題
分析イベント・コレクタのログにはイベントが取得されていることが記録されていますが、タスク・フローには推奨が表示されません。
解決方法
「アクティビティ・グラフのスケジュールとステータス」ページで、アクティビティ・グラフ・エンジンの前回の実行時刻を確認してください。最新イベントを収集および分析するには、スケジュールの調整かアクティビティ・グラフ・エンジンの即時実行が必要になることがあります。
問題
アクティビティ・グラフ・エンジンが正常に実行されましたが、タスク・フローには推奨が表示されません。
解決方法
アクティビティ・データベース(ActivitiesDS
)のリレーション表にデータが存在するかどうかを確認してください。アクティビティ・グラフ・エンジンが正しく動作している場合は、これらのリレーション表になんらかのデータが存在するはずです。表にデータが存在するのにタスク・フローに推奨がまだ表示されない場合は、タスク・フローが破損している可能性があります。
問題
有効なユーザー操作であるにもかかわらず、一部のユーザーが推奨コネクションとして表示されません。
解決方法
これは、WebCenter Portal: Spacesとサービスが同一のOIDに接続されていない場合に発生する可能性があります。この場合、各サービスの接続先OIDに存在しないユーザーには、推奨コネクションが提案されません。2つのOIDのどちらにも同じユーザーを作成するか、WebCenter Portal: Spacesとサービスを同一のOIDに接続する必要があります。
問題
正常なユーザー操作の後でも、類似スペース・タスク・フローでスペースが提案されません。
解決方法
スペースの参照タスク・フローでスペースを検索して、ログインしているユーザーに、スペースにアクセスする権限が付与されているかどうかを確認してください。
類似アイテム・タスク・フローに推奨アイテムが表示されるには、推奨アイテムを表示するアイテムがページ上の別のタスク・フロー(ドキュメント・マネージャ・タスク・フローなど)で選択されている必要があります。
問題
有効なユーザー操作の後でも、類似アイテム・タスク・フローでアイテムが提案されません。
解決方法
これは、現在のユーザーにアイテムに対する表示権限がないためです。これが正常な動作です。アイテムに対する十分な権限がない場合、ユーザーにはそのアイテムの推奨が表示されません。アイテムをユーザーに対して表示するには、そのユーザーに十分な権限を付与してください。
問題
特定のアイテム・タイプが表示されません(たとえば、タスク・フローにドキュメント、Wiki、ブログが表示されるが、ディスカッションは表示されない)。
解決方法
特定のサービスのステータスを確認してください。サービスが使用できない場合、そのサービスのアイテムは類似アイテム・タスク・フローに表示されません。
問題
アイテムの提案が一部のユーザーに対してのみ行われます。それ以外のユーザーには、類似アイテム・タスク・フローのアイテムが提案されません。
解決方法
これは、WebCenter Portal: Spacesとサービスが同一のOIDに接続されていない場合に発生する可能性があります。この場合、各サービスの接続先OIDに存在しないユーザーには、そのサービスの推奨アイテムが表示されません。2つのOIDのどちらにも同じユーザーを作成するか、WebCenter Portal: Spacesとサービスを同一のOIDに接続する必要があります。