| Oracle® Fusion Middleware Oracle WebCenter Portal管理者ガイド 11g リリース1(11.1.1.6.0) B72085-01 |
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Spacesアプリケーションでは、サブスクリプションおよび通知を使用することで、特に興味のあるサービスやアプリケーション・オブジェクトのタイプをサブスクライブできます。したがってユーザーは、サブスクライブしたサービスやオブジェクトに影響する変更について、選択したメッセージング・チャネルから適時に通知を受信します。
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関連項目: 詳細は、Oracle Fusion Middleware Oracle WebCenter Portal: Spacesユーザーズ・ガイドのサブスクリプションおよび通知に関する必要な知識に関する項を参照してください。 |
通知管理は、アプリケーションレベルのサブスクリプションに対するアプリケーション全体のデフォルトを作成および(場合によって)強制する手段と、通知の配信を処理するサーバーを識別する接続タイプを指定する手段を提供します。
この章では、これらの管理作業の手順を示すとともに、WLSTコマンドを使用して通知メッセージの構成の詳細を設定および取得する方法について説明します。
WebCenter Portalアプリケーションのバックエンド・サービスを確認および構成するには、常にFusion Middleware ControlまたはWLSTコマンドライン・ツールを使用してください。デプロイ後にWebCenter Portalアプリケーションに加えた変更は、MDSメタデータ・ストアにカスタマイズとして格納されます。第1.3.5項「WebCenter Portalの構成に関する考慮事項」を参照してください。
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注意: Fusion Middleware ControlまたはWLSTを使用して行うWebCenter Portalサービス構成の変更の多くは、動的ではありません。変更を有効にするには、WebCenter Portalアプリケーションがデプロイされている管理対象サーバーを再起動する必要があります。第8.2項「WebCenter Portalアプリケーションがデプロイされる管理対象サーバーの起動および停止」を参照してください。 |
この章の内容は次のとおりです。
Spacesユーザーは、Spacesアプリケーションの「プリファレンス」ダイアログで各自のサブスクリプション・プリファレンスを設定します。その前に、WebCenter Portal管理者がデフォルト値を設定し、すべてのユーザーが使用できるアプリケーションレベルのサブスクリプション・オプションを指定して、それらが変更可能かどうかを決定できます。
この項では、サブスクリプションのデフォルトの概要を示し、そのデフォルト値の設定手順について説明します。
この項の内容は次のとおりです。
管理者レベルのサブスクリプション・プリファレンスは、カスタムXMLファイルで設定します。このファイルを作成して、あらかじめ用意されているファイル(notification-service-settings.xml)のかわりに使用します。カスタムXMLファイル内の設定は、ユーザーがSpacesアプリケーションの「サブスクリプション・プリファレンス」で行うアプリケーションレベルのサブスクリプション設定と同じです(詳細は、Oracle Fusion Middleware Oracle WebCenter Portal: Spacesユーザーズ・ガイドのアプリケーションレベルのサブスクリプションの設定に関する項を参照)。
各設定には次の3つの属性があります。
id: サービスIDを指定します。
oracle.webcenter.peopleconnections.connections: ピープル・コネクション・サービスのコネクション機能
oracle.webcenter.peopleconnections.wall: ピープル・コネクション・サービスのメッセージ・ボード機能
oracle.webcenter.peopleconnections.kudos: ピープル・コネクション・サービスのフィードバック機能
oracle.connections.community: スペース・メンバーシップ管理
subscription-enabled: プリファレンス・オプションのデフォルト値を指定します(trueまたはfalse)。
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ヒント:
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end-user-configurable: 設定されているデフォルトをユーザーが変更できるかどうかを指定します(trueまたはfalse)。
これらの属性が連動して、Spacesアプリケーションの「プリファレンス」ダイアログにある「サブスクリプション」パネルの「一般サブスクリプション」タブの初期状態が決まります(図19-1)。
表19-1に、管理者レベルのカスタム・サブスクリプション設定が「一般サブスクリプション」タブの表示に及ぼす効果を示します。
表19-1 管理者のデフォルトがサブスクリプション・プリファレンスに及ぼす効果
| subscription-enabled脚注1 | end-user-configurable | プリファレンス内のオプション |
|---|---|---|
|
True |
True |
通常表示。チェック・ボックスが選択された状態。 |
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True |
False |
灰色表示。チェック・ボックスが選択された状態。 |
|
False |
True |
通常表示。チェック・ボックスの選択が解除された状態。 |
|
False |
False |
非表示。チェック・ボックスが非表示の状態。 |
脚注1 subscription-enabled属性は、サブスクリプション機能全体を有効化または無効化するのではなく、単にプリファレンス・オプションの初期状態を設定します。たとえば、subscription-enabled="true"の場合は、Spacesアプリケーションの「プリファレンス」ダイアログの関連付けられたサブスクリプション・オプションがデフォルトで確認されます。subscription-enabled="false"の場合、ダイアログの関連付けられたサブスクリプション・オプションはデフォルトで確認されません。
表19-2に、アプリケーションレベルの通知をトリガーできるアクションのタイプと、対応するサービスIDを示します。
表19-2 通知をトリガーできるアプリケーションレベルのアクティビティ
| アクティビティ | 対応するサービスID |
|---|---|
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他のユーザーがあなたにコネクションへの招待を送信した |
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あなたのスペース・ロールが変更された(例: 参加者→モデレータ) |
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|
あなたがスペースのメンバーとして追加された |
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|
あなたのスペース・メンバーシップが削除された |
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他のユーザーがあなたのメッセージ・ボードにメッセージを投稿した |
|
|
他のユーザーのメッセージ・ボード上にあるあなたの投稿を、別のユーザーがお気に入り登録した |
|
|
他のユーザーのメッセージ・ボード上にあるあなたの投稿に対して、別のユーザーがコメントした |
|
|
他のユーザーがあなたにフィードバックを投稿した |
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アプリケーションレベルのサブスクリプション・プリファレンスのデフォルトを設定する手順は次のとおりです。
/oracle/webcenter/notificationというパスを含むディレクトリに移動し、フォルダcustomを作成します。
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ヒント: このディレクトリ構造は、パスに |
customフォルダ、つまり/oracle/webcenter/notification/custom/の下の任意のサブディレクトリにファイルnotification-service-settings.xmlを作成します。
このXMLファイルに、アプリケーションレベルのすべてのサブスクリプション・オプションの値を入力します。
例19-1に、アプリケーション全体のサブスクリプション・プリファレンス設定ファイルの内容のサンプルと、必要な各オプションの例を示します。
例19-1 サブスクリプション設定XMLファイルの例
<notification-service_settings xmlns="http://xmlns.oracle.com/webcenter/notification"> <subscription-settings> <service id="oracle.webcenter.peopleconnections.connections" subscription-enabled="true" end-user-configurable="false"/> <service id="oracle.webcenter.peopleconnections.wall" subscription-enabled="false" end-user-configurable="true"/> <service id="oracle.webcenter.peopleconnections.kudos" subscription-enabled="false" end-user-configurable="true"/> <service id="oracle.webcenter.community" subscription-enabled="true" end-user-configurable="true"/> </subscription-settings> </notification-service_settings>
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注意: オプションを指定しないと、デフォルト値の |
WLSTコマンドのimportMetadata()を実行して、ディレクトリの中身をメタデータ・ストアにインポートします。
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関連項目: WLSTコマンドの実行方法の詳細は、第1.13.3.1項「Oracle WebLogic Scripting Tool (WLST)コマンドの実行」を参照してください。 |
次に例を示します。
wls: /wc_domain/serverConfig> importMetadata(application='webcenter', server='serverName', fromLocation='directoryPath', docs='/**')
各要素の意味は次のとおりです。
application: Spacesアプリケーションを識別する名前です。
serverName: Spacesアプリケーションが実行されているサーバーの名前です。
directoryPath: oracle/webcenter/notification/custom/<この後ろに任意のサブディレクトリ>/notification-service-settings.xmlの上位にあるディレクトリ・パスです。
たとえば、notification-service-settings.xmlへのディレクトリ・パスが/scratch/mydir/oracle/webcenter/notification/customの場合、/scratch/mydirをdirectoryPathに入力します。
docs: インポートする対象を指定します。この例では、directoryPath以下のすべてのパスとファイルを指定しています。
表19-3に、サービスID oracle.webcenter.peopleconnections.connectionsに対する様々な設定の組合せの効果を示します。
表19-3 コネクションのサブスクリプション構成の効果
| subscription-enabled | end-user-configurable | 効果 |
|---|---|---|
|
true |
true |
|
|
true |
false |
|
|
false |
true |
|
|
false |
false |
|
脚注1 これは出荷時のデフォルトです。
表19-4 に、サービスID oracle.webcenter.peopleconnections.wallに対する様々な設定の組合せの効果を示します。
表19-4 メッセージ・ボードのサブスクリプション構成の効果
| subscription-enabled | end-user-configurable | 効果 |
|---|---|---|
|
true |
true |
|
|
true |
false |
|
|
false |
true |
|
|
false |
false |
|
表19-5に、サービスID oracle.webcenter.peopleconnections.kudosに対する様々な設定の組合せの効果を示します。
表19-5 フィードバックのサブスクリプション構成の効果
| subscription-enabled | end-user-configurable | 効果 |
|---|---|---|
|
true |
true |
|
|
true |
false |
|
|
false |
true |
|
|
false |
false |
|
表19-6に、サービスID oracle.webcenter.communityに対する様々な設定の組合せの効果を示します。
表19-6 スペース管理のサブスクリプション構成の効果
| subscription-enabled | end-user-configurable | 効果 |
|---|---|---|
|
true |
true |
|
|
true |
false |
|
|
false |
true |
|
|
false |
false |
|
各ユーザーは、Spacesアプリケーションの「プリファレンス」ダイアログで各自のサブスクリプション・プリファレンスを設定します。この目的のために、次の2つの「プリファレンス」パネルが用意されています。
サブスクリプション: 自分のスペース・メンバーシップやピープル・コネクション・サービス(コネクション、メッセージ・ボードおよびフィードバック)で発生するアクションについて通知を受けるためにサブスクライブしたり、スペースレベルやオブジェクトレベルの自分のサブスクリプションを表示および削除できます。
メッセージング: 優先するメッセージング・チャネルおよびフィルタを構成するための各コントロールにアクセスできます(BPEL接続タイプのみ)。
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関連項目: Oracle Fusion Middleware Oracle WebCenter Portal: Spacesユーザーズ・ガイドのメッセージング・チャネルおよびフィルタの設定と管理およびアプリケーションレベルのサブスクリプションの設定に関する項 |
この項では、メッセージング接続タイプの概要を示すとともに、通知チャネルを定義する前に満たしておく必要がある前提条件および通知で使用する通知チャネルを設定する手順を説明します。内容は次のとおりです。
通知の接続タイプによって、ユーザーがSpacesで各自の通知用のメッセージング・プリファレンスを構成するときに使用できるメッセージング・チャネルが決まります。
次の2つの接続タイプ候補のうち、いずれかを使用します。
BPELサーバー: メール、ショート・メッセージ・サービス(SMS)およびワークリストの3つのメッセージング・チャネルを提供します。
メール・サーバー: Spacesアプリケーション用に構成されたメール・サーバーのみを経由して通知メッセージを配信します。
BPELサーバー
BPELサーバーを選択する場合、ユーザー・メッセージング・サービス(UMS)が利用可能なBPELサーバーとの接続が確立されていることが前提となります。BPELサーバーとの接続の詳細は、第23章「ワークリスト・サービスの管理」を参照してください。
SpacesアプリケーションでsetSpacesWorkFlowConnectionNameが設定されている場合、Spacesアプリケーションの「プリファレンス」ダイアログの「メッセージング」パネルで「構成の管理」ボタンが使用可能になります。
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ヒント: 通知にBPELサーバーを使用する場合、 |
メール・サーバー
メール・サーバーを選択する場合、メール・サーバーとの接続が確立されていることが前提となります。さらに、メール・サーバー接続と関連付けられている外部アプリケーションが共有資格証明を含んでいる必要があります。メール・サーバーとの接続の詳細は、第17章「メール・サービスの管理」を参照してください。
選択した接続タイプがメール・サーバーの場合、Spacesアプリケーションの「プリファレンス」ダイアログの「メッセージング」パネルで「構成の管理」ボタンが灰色表示される場合とされない場合があります。これは、spacesWorkFlowConnectionを設定したかどうかによります。ただし、それとは無関係に、選択した接続タイプがメール・サーバーの場合は、メッセージング・プリファレンスの「構成の管理」ボタンをクリックしてユーザー・メッセージング・プリファレンスを開いても、そこで加えた変更はすべて無視されます。
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関連項目: Oracle Fusion Middleware Oracle WebCenter Portal: Spacesユーザーズ・ガイドのメッセージング・チャネルおよびフィルタの設定と管理に関する項 |
通知の接続タイプを定義する前に、次の各項で説明する点を考慮し、指定の手順を実行する必要があります。
通知に関するインストール要件は、通知メッセージングに選択する接続タイプによって異なります。
通知メッセージングにBPEL接続経由でユーザー・メッセージング・サービス(UMS)を使用する場合、デフォルトではメール・ドライバのみがインストールされていることに注意ください。SMSおよびワークリスト・メッセージング・チャネルを使用するには、これらに対応するドライバもインストールする必要があります。UMS用のSMSドライバおよびワークリスト・ドライバのインストールの詳細は、Oracle Fusion Middleware Oracle SOA SuiteおよびOracle Business Process Management Suite管理者ガイドの「Oracle User Messaging Serviceの構成」の章を参照してください。
通知メッセージングにメール・サービスを使用する場合、通知に固有のインストールは必要ありませんが、第17章「メール・サービスの管理」の説明に従ってメール・サービスを構成する必要があります。
通知の構成に関する前提条件も、通知メッセージングに選択する接続タイプによって異なります。
BPELサーバー
ユーザーにメッセージング・チャネルのオプション(メール、SMSおよびワークリスト)を用意する場合は、BPELサーバーとの接続が確立されている必要があります。通知では、ユーザー・メッセージング・サービス(UMS)によるマルチチャネル通知をサポートするためにSOAインストールが使用されます。UMSは、SOAドメインの一部としてインストールされます。初期設定では、メール・ドライバのみが構成されています。SMSドライバも使用可能ですが、デプロイする必要があります。ワークリスト・チャネルを使用するには、SOAドメインをワークリスト・ドライバ拡張テンプレートによって拡張する必要があります。
詳細は、第23章「ワークリスト・サービスの管理」とOracle Fusion Middleware Oracle SOA SuiteおよびOracle Business Process Management Suite管理者ガイドの「Oracle User Messaging Serviceの構成」の章を参照してください。
メール・サーバー
ユーザーが常にメールでのみ通知を受けるようにする場合、メール・サーバーとの接続が確立されている必要があります。さらに、メール・サーバー接続と関連付けられている外部アプリケーションが共有資格証明を含んでいる必要があります。詳細は、第17章「メール・サービスの管理」を参照してください。
メール通知は、各ユーザーのプロファイルで指定された優先言語で送信されます。ユーザーの優先言語が指定されていない場合は、サーバーのロケール設定がメール通知に使用されます。たとえば、サーバーが韓国ロケールで実行されており、ユーザーの優先言語が設定されていない場合、通知メールの言語は韓国語になります。
優先言語の設定の詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle WebCenter Portal管理者ガイド』の優先表示言語の設定に関する項を参照してください。
特に通知に関連するセキュリティの考慮事項はありません。
図19-2と表19-7に、WebCenter Portalアプリケーションで通知サービスを動作させるための前提条件と必要な作業の概要を示します。
表19-7 通知の構成
| 担当者 | タスク | サブタスク | ノート |
|---|---|---|---|
|
管理者 |
1. 通知のバックエンド・コンポーネントを設定します
|
||
|
管理者 |
2. (メール・サーバーの場合のみ)外部アプリケーションを構成します |
|
|
|
管理者 |
3. WebCenter Portalアプリケーションと選択したバックエンド・コンポーネント間の接続を作成または変更します
|
||
|
管理者 |
4. 次のいずれかのツールを使用して、通知に使用する接続のタイプ(BPELまたはメール)を選択します
|
||
|
管理者 |
5. アプリケーションがデプロイされている管理対象サーバーを再起動します |
Spacesアプリケーションの場合は、 |
|
|
管理者 |
6. すべてのユーザーに対するデフォルトのサブスクリプション・プリファレンスを設定します |
||
|
開発者/エンド・ユーザー |
7. アプリケーション内で通知を構成してテストします
|
Fusion Middleware Controlで通知メッセージの接続タイプを指定する手順は次のとおりです。
Oracle Fusion Middleware Controlにログインし、Spacesのホームページに移動します。
詳細は、第6.2項「Spacesアプリケーションのホームページへの移動」を参照してください。
「WebCenterポータル」メニューから、「設定」→「アプリケーション構成」を選択します。
「アプリケーション構成」ページで、下へスクロールしてページ下部の「通知」に移動し、アウトバウンド通知に使用する接続タイプとして「BPELサーバー」または「メール・サーバー」のいずれかを選択します。
次の手順は、選択した接続タイプによって異なります。
「BPELサーバー」を選択した場合:
「接続名」のリストから、その接続を設定するときに指定したBPELサーバーの名前を選択します。
「送信者のメール・アドレス」フィールドに、すべての通知メッセージの送信元とするメール・アドレスを入力します。送信者のメール・アドレスは、対応するドメインからメッセージを送信するように構成されているドライバの少なくとも1つに一致する必要があります。
「送信者のSMSアドレス」フィールドに、ユーザー・メッセージング・サービス(UMS)ですべての通信メッセージの送信元のドライバとして使用される4桁から6桁の数値を入力します。送信者のSMSアドレスは、対応するドメインからメッセージを送信するように構成されているドライバの少なくとも1つに一致する必要があります。
「メール・サーバー」を選択した場合は、「接続名」のリストからメール接続を選択します。
変更を保存します。
構成の変更を有効にするために、ポータル・アプリケーションがデプロイされている管理対象サーバーを再起動します。
WLSTコマンドのsetNotificationsConfigを使用して、通知で使用する接続タイプを構成します。コマンドの構文と例は、『Oracle Fusion Middleware WebLogic Scripting Toolコマンド・リファレンス』のsetNoticationsConfigに関する項を参照してください。同ガイドのgetNotificationConfigに関する項も参照してください。
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注意: この構成の更新は、MDSリポジトリに格納されます。構成の変更を有効にするには、アプリケーションがデプロイされている管理対象サーバーを再起動する必要があります。詳細は、『Oracle Fusion Middleware管理者ガイド』のコマンド・ラインを使用したWebLogic管理対象サーバーの起動および停止に関する項を参照してください。 |
この項では、WLSTを使用してSpacesアプリケーションのメール通知を設定する例を示します。
この例では、外部アプリケーション接続を作成し、外部アプリケーションの共有資格証明を構成します。さらに、メール接続を作成し、メールをSpacesの通知チャネルとして設定します。その後、Spacesアプリケーションでサブスクリプション・プリファレンスを設定します。
WLSTコマンド・プロンプトで、Oracle WebCenter Portalの管理サーバーに接続します。
connect('admin_user','mypassword','<servername>:7001')
外部アプリケーション接続を作成します。
createExtAppConnection(appName='webcenter', name='NotificationSharedApp', displayName= 'NotificationSharedApp')
このコマンドにより、NotificationSharedAppという名前の接続が作成されます。
外部アプリケーションNotificationSharedAppの共有資格証明を構成します。
addExtAppCredential(appName='webcenter', name='NotificationSharedApp', type='SHARED', username='john.doe@example.com', password='sharedpassword')
usernameは、電子メール通知の送信元とする電子メール・アカウントです。これは、<user>@<domain of the mail server>という形式で指定する必要があります。
オプションとして、メール通知の送信時に使用される次のフィールドを追加できます。
addExtAppField(appName='webcenter',name='NotificationSharedApp',fieldName='Email Address',fieldValue='sender's_email_address',displayToUser=false) addExtAppField(appName='webcenter',name='NotificationSharedApp',fieldName='Your Name',fieldValue='sender's_display_name',displayToUser=false)
メール接続を作成します。
createMailConnection(appName='webcenter',name='NotificationSharedConn',
imapHost='<mailserver>',imapPort=143,
smtpHost='<mailserver>',smtpPort=25,
imapSecured=false,smtpSecured=false,
appId='NotificationSharedApp',default=1)
このコマンドにより、NotificationSharedConnという名前のメール接続が作成されます。
メールを通知チャネルとして設定します。
setNotificationsConfig(appName='webcenter', type='MAIL',
name='NotificationSharedConn')
これにより、NotificationSharedConnが通知の送信に使用されるメール接続として設定されます。
変更を有効にするために、Spacesアプリケーションがデフォルトでデプロイされている管理対象サーバーWC_Spacesを再起動します。
ユーザーとしてSpacesにログインし、「プロファイル」ページの「情報」タブに移動して、自分の電子メール・アドレスが「電子メール」フィールドに設定されていることを確認します。これは、通知が目的の電子メール・アドレスに送信されるようにするためです。
電子メール・アドレスが設定されていない場合は、「編集」をクリックし、「電子メール」フィールドに自分の電子メール・アドレスを指定したら、保存をクリックします。
通知を受けるアクティビティをサブスクライブします。たとえば、「プリファレンス」ダイアログに移動し、「サブスクリプション」をクリックし、「スペース管理」を選択すると、メンバーシップやロールの変更について通知を受信できます。
サブスクライブしたアクティビティを実行して構成をテストします。たとえば、自分のロールをモデレータから参加者に変更して通知をトリガーします。
ユーザーがワークリストまたはメールで受け取る通知には、コンテンツおよびコンテンツ表示用のデフォルトの書式があります。アプリケーション管理者は、デフォルトのかわりにカスタム・テンプレートを作成して適用することで、通知メッセージに独自の書式を設定できます。
この項では、通知メッセージのカスタム・テンプレートの作成について説明します。内容は次のとおりです。
WLSTコマンドを使用してMDSにアクセスし、defaultTemplate.xmlファイル(および右から左に記述する言語の場合はdefaultTemplate_rtl.xmlファイル)を上書きすることで、サブスクリプション・ベースの通知メッセージのレイアウトとコンテンツをカスタマイズできます。
表のCSSスタイル(label、value、background)やフッターのCSSスタイル(note)を編集して、これらのxmlファイルの独自のバージョンを作成できます。また、<payload>や<group-space-footer>などのタグを移動してレイアウトを変更できます。これらのタグの内容を変更するには、<html-format>内のCDATAセクションを編集します。
<text-format/>タグは必須で、常に空であることが必要です。<custom>タグを使用すると、コンテンツを追加できます。<html-format>で囲まれたCDATA内に新しいHTMLコンテンツを追加し、<text-format/>は空のままにします。
例19-2と例19-3に、通知メッセージ・テンプレート・ファイルのデフォルトの内容を示します。これらを使用してカスタム・ファイルを作成できます。
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注意: これらのファイルのデフォルトの内容はよく似ています。違いは |
例19-2 デフォルト・ファイルdefaultTemplate.xml
<?xml version="1.0"?>
<notification-template xmlns="http://xmlns.oracle.com/webcenter/notification">
<!-- The CSS Style of the Notification -->
<style>
<text-format/>
<html-format>
<![CDATA[
<style type="text/css">
.title {font-size:1.2em; font-weight:bold;
white-space:nowrap;}
.label {text-align:right; margin-left:30px;
padding-right:10px; white-space:nowrap;}
.value {text-align:left; margin-right:20px;
padding-left:10px; white-space:nowrap;
width:100%;}
.note {font-size:0.8em; color:#999999}
.background {background-color:#fcfcfc}
</style>
]]>
</html-format>
</style>
<!-- The Subject line of the Notification -->
<subject>
<message-key>NOTIFICATION_SUBJECT</message-key>
</subject>
<group-space-subject>
<message-key>GROUP_SPACE_SUBJECT_SUFFIX</message-key>
</group-space-subject>
<!-- Actual srvc-specific data. Provided/Overridden by srvc template -->
<payload>
<text-format/>
<html-format/>
</payload>
<!-- Any generic/common footer to appear after service-specific payload -->
<!-- Group Space footer - if applicable -->
<group-space-footer>
<text-format/>
<html-format>
<![CDATA[
<p>
<a href="<token>groupSpaceUrl</token>" target="_blank">
<message-key>GO_TO_SPACE</message-key> <token>
groupSpaceName</token>
</a>
</p>
]]>
</html-format>
</group-space-footer>
<!-- Unsubscribe footers -->
<unsubscribe-footer>
<text-format/>
<html-format>
<![CDATA[
<hr/>
<p class="note">
<token>unsubscribeMessage</token>
</p>
]]>
</html-format>
</unsubscribe-footer>
</notification-template>
例19-3 デフォルト・ファイルdefaultTemplate_rtl.xml
<?xml version="1.0"?>
<notification-template xmlns="http://xmlns.oracle.com/webcenter/notification">
<!-- The CSS Style of the Notification -->
<style>
<text-format/>
<html-format>
<![CDATA[
<style type="text/css">
.title {font-size:1.2em; font-weight:bold;
white-space:nowrap;}
.label {text-align:left; margin-right:30px;
padding-left:10px; white-space:nowrap;}
.value {text-align:right; margin-left:20px;
padding-right:10px; white-space:nowrap;
width:100%;}
.note {font-size:0.8em; color:#999999}
.background {background-color:#fcfcfc}
</style>
]]>
</html-format>
</style>
<!-- The Subject line of the Notification -->
<subject>
<message-key>NOTIFICATION_SUBJECT</message-key>
</subject>
<group-space-subject>
<message-key>GROUP_SPACE_SUBJECT_SUFFIX</message-key>
</group-space-subject>
<!-- Actual srvc-specific data. Provided/Overridden by srvc template -->
<payload>
<text-format/>
<html-format/>
</payload>
<!-- Any generic/common footer to appear after service-specific payload -->
<!-- Group Space footer - if applicable -->
<group-space-footer>
<text-format/>
<html-format>
<![CDATA[
<p>
<a href="<token>groupSpaceUrl</token>" target="_blank">
<message-key>GO_TO_SPACE</message-key> <token>
groupSpaceName</token>
</a>
</p>
]]>
</html-format>
</group-space-footer>
<!-- Unsubscribe footers -->
<unsubscribe-footer>
<text-format/>
<html-format>
<![CDATA[
<hr/>
<p class="note">
<token>unsubscribeMessage</token>
</p>
]]>
</html-format>
</unsubscribe-footer>
</notification-template>
既存のXMLファイルを上書きして通知メッセージの書式をカスタマイズする手順は次のとおりです。
defaultTemplate.xml (または右から左へ記述する言語の場合はdefaultTemplate_rtl.xml)という名前のカスタムXMLファイルを作成します。
これらのデフォルト・ファイルの1つを編集したバージョンをカスタム・ファイルにコピーします。
ネームスペースoracle/webcenter/notification/customを含む絶対パスにカスタム・ファイルを置いて元のファイルを上書きします。
次に例を示します。
/tmp/repository/oracle/webcenter/notification/custom/template/defaultTemplate.xml
WLSTコマンドのimportMetadata()を実行して、カスタム・ファイルをWebCenter PortalのMDSリポジトリにアップロードします。
次に例を示します。
importMetadata(application='webcenter', server='WC_Spaces',
fromLocation='template-file-location',
docs='/oracle/webcenter/notification/custom/template/defaultTemplate.xml')
template-file-locationは、完全修飾カスタム・ファイルが置かれているディレクトリを示します。完全修飾カスタム・ファイルは、通常、そのネームスペースに対応するディレクトリ構造に置かれています。たとえば、ファイルが次のネームスペースに作成されているとします。
/tmp/repository/oracle/webcenter/notification/custom/template/defaultTemplate.xml
この場合、fromLocationは/tmp/repositoryになります。残りのサブディレクトリは、XMLファイルのネームスペースで構成されています。ネームスペースには、/oracle/webcenter/notification/customというパスが少なくとも必要です。
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関連項目:
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ポータル・アプリケーションを再起動します。
一般に、管理者が設定した時点で通知が有効かどうかは、基礎となるメール接続またはBPEL接続に依存します。これらの接続をテストして有効であれば、その延長として通知接続の要件も満たされます。
問題
通知がまったく受信されない。
解決策
通知の送信者が構成されていないことをログが示している場合、使用する接続をサービスが検出できないことを意味します。
有効なBPEL接続またはメール接続を使用するように通知が構成されていることを確認してください。これは、WLSTコマンドのgetNotificationsConfig() (第19.2.5項「WLSTを使用した通知チャネルの指定」を参照)またはFusion Middleware Controlのユーザー・インタフェース(第19.2.4項「Fusion Middleware Controlを使用した通知チャネルの指定」を参照)を使用して検証できます。
問題
通知は正しく構成されているが(BPELまたはメール)、それでも通知が受信されない。
解決策
通知は、有効なBPEL接続またはメール接続に依存しています。第17章「メール・サービスの管理」または第23章「ワークリスト・サービスの管理」の説明に従って、それぞれの接続の検証とトラブルシューティング・シナリオを実行してください。
問題
メール接続またはBPEL接続は適切に設定されているが、それでも通知が受信されない。
解決策
通知は、ユーザーのサブスクリプションに基づいて生成されます。あらかじめ構成されている、コネクションへの招待の通知を除き、それ以外の通知はユーザーが明示的にサブスクライブした場合にのみ生成されます。ユーザーが個人のプリファレンスか、スペース・レベルまたはオブジェクト・レベルのサブスクリプションによってサブスクリプションを作成していることを確認してください。詳細は、Oracle Fusion Middleware Oracle WebCenter Portal: Spacesユーザーズ・ガイドのアプリケーション、スペースおよびオブジェクト・レベルのサブスクライブに関する項を参照してください。
問題
ユーザーはサブスクリプションを設定しているが、それでも通知が受信されない。
解決策
通知では、構成に基づいて、通知の配信がBPEL/UMSまたはメール・サービスに委任されます。メール・サービスの場合は、ユーザーの電子メール・アドレスが構成されていることを確認してください。UMSの場合は、Fusion Middleware Controlで「ユーザー・メッセージング・サービス」の「メッセージ・ステータス」セクションを参照してください。ここで、UMSから送信される各メッセージのステータスを確認できます。詳細は、Oracle Fusion Middleware Oracle SOA SuiteおよびOracle Business Process Management Suite管理者ガイドの「Oracle User Messaging Serviceの監視」の章を参照してください。
UMSの場合、この問題は、WebCenter Portal側の送信者の設定がUMS側の対応するドライバと一致しないか、対応するドライバを検出できないことを意味する可能性もあります。送信者のアドレス(ドメイン)をUMSがアウトバウンド・メッセージのドライバの少なくとも1つと照合できるようにしてください。
メール・サービスの場合、第19.2.1項「接続チャネルに関する必要な知識」の説明に従って、メール接続が共有接続をポイントしていることを確認してください。
問題
(UMS構成の場合)ユーザーが一部のチャネルからは通知を受信するが、他のチャネルからは受信しない。
解決策
これは、ユーザーのメッセージング・チャネルおよびフィルタの構成に起因する可能性が高いと考えられます。詳細は、Oracle Fusion Middleware Oracle WebCenter Portal: Spacesユーザーズ・ガイドのメッセージング・チャネルおよびフィルタの設定と管理に関する項を参照してください。
問題
(UMS構成の場合)メール・チャネルの通知のみが配信され、ワークリスト・チャネルが機能しない。
解決策
Oracle Fusion Middleware Oracle SOA SuiteおよびOracle Business Process Management Suite管理者ガイドの「Oracle User Messaging Serviceの構成」の章の説明に従って、SOAドメインがワークリスト・ドライバ・テンプレートによって拡張されていることを確認してください。