Oracle® Fusion Middlewareドメイン・テンプレート・ビルダーによるドメイン・テンプレートの作成 12c リリース1 (12.1.1) B65937-01 |
|
前 |
次 |
この項では、ドメイン・テンプレート・ビルダーを使用してWebLogic Serverにテンプレートを作成する方法の概要を説明します。
この章の内容は以下のとおりです。
WebLogicドメインを作成または拡張するために必要なキー属性およびファイルを含む拡張テンプレートおよびドメインを使用してWebLogicドメインを作成できます。ドメインまたは拡張テンプレートを作成するには、スタンドアロンのJavaアプリケーションのドメイン・テンプレート・ビルダーを使用します。このプロセスについては、図1-1を参照してください。
ドメイン・テンプレート・ビルダーはオフラインのグラフィカル・モードで使用するように設計されています。コンソール・モードではサポートされません。したがって、ドメイン・テンプレート・ビルダーを使用するマシンに接続されるコンソールは、JavaベースのGUIをサポートする必要があります。す。Windowsシステムの場合、すべてのコンソールがJavaベースのGUIをサポートしています。UNIXベースのコンソールのうちいくつかが、JavaベースのGUIをサポートしています。
製品のインストールには、事前に定義したドメインおよび拡張テンプレートのセットが含まれています。テンプレートのセットは、WebLogic Serverのベース・ドメイン・テンプレート、およびベース・ドメインに製品機能を追加するのに使用できる様々な拡張テンプレートを含みます。様々な製品に有効なテンプレートの詳細は、『ドメイン・テンプレート・リファレンス』を参照してください。
ドメインを作成し、それに新しいリソースやアプリケーションを追加したあと、ドメイン・テンプレート・ビルダーを使用してカスタム・ドメイン・テンプレートを作成します。また、既存のテンプレートをカスタマイズするために、ドメイン・テンプレート・ビルダーを使用することもできます。たとえば、アプリケーションを削除し、追加データベース用にSQLスクリプトを追加することも可能です。このためには、新しいカスタム・テンプレートのソースとして、既存のドメインまたはテンプレートを選択します。カスタム・ドメイン・テンプレートが完成すると、これらを利用し構成ウィザード、WLSTオフラインまたはunpack
コマンドを使用してドメインを作成します。これらのツールの詳細は、テンプレートを作成するための追加ツールを参照してください。
ドメイン・テンプレート・ビルダーとの関連で、テンプレートはJavaアーカイブ(JAR)ファイルを参照します。テンプレートJARには、WebLogicドメインを作成したり拡張するうえで必要なファイルやスクリプトが含まれています。ドメインを作成したり拡張するうえで、構成ウィザードにより使用可能なテンプレートのタイプは次のものを含んでいます。
ドメイン・テンプレート- WebLogicドメイン内にリソースの完全なセットを定義し、これにはインフラストラクチャ・コンポーネント、アプリケーション、サービス、セキュリティ・オプションや一般環境およびオペレーティング・システム・オプションが含まれます。ドメイン・テンプレート・ビルダーまたはpack
コマンドを使用し、既存のドメインからテンプレートのタイプを作成します。さらに、テンプレートをもとに、ドメインを作成することもできます。
製品の配布にはWebLogic Serverベース・ドメイン・テンプレートも含まれています。このテンプレートでは、ドメイン内の中核的なリソース・セットを定義しています。これには、管理サーバーと基本的な構成情報、インフラストラクチャ・コンポーネント、および一般的な環境とオペレーティング・システムのオプションが含まれます。サンプル・アプリケーションは含まれません。このテンプレートを使用して基本的なWebLogic Serverドメインを作成し、アプリケーションとサービスまたは追加の製品コンポーネント機能を使用して拡張できます。
拡張テンプレート- アプリケーション、またはJDBCリソース、JMSコンポーネントあるいはデプロイ済ライブラリのような追加機能を備えたアプリケーションおよびサービスを定義します。このようなテンプレートは、既存のWebLogicドメインを更新するために使用可能です。
管理対象サーバーのテンプレート- リモート・マシン上で管理対象サーバー・ドメインを作成するために必要なリソースのサブセット(ドメイン内)を定義します。テンプレートのこのタイプはpack
コマンドを使用して作成できます。
製品のインストールには、事前に定義したドメインおよび拡張テンプレートのセットが含まれています。セットは、WebLogic Serverベース・ドメイン・テンプレートや様々な拡張テンプレートを含んでおり、ベース・ドメインにコンポーネント機能やサンプルを追加することができます。テンプレートやテンプレート間の相互関係の詳細は、「ドメイン・テンプレート・リファレンス」を参照してください。
ドメイン・テンプレート・ビルダーを使用してカスタム・ドメイン・テンプレートを作成するには、新しいドメイン・テンプレートを作成する、元のドメインまたはドメイン・テンプレートを選択します。次の変更を行うオプションがあります。
基本テンプレート情報
アプリケーション・ディレクトリおよびドメイン・ディレクトリの内容
データベース構成用のSQLスクリプト
管理サーバーおよびユーザーの構成
基本セキュリティ構成(ユーザー、グループ、グローバル・ロールおよびそれらの割当の作成など)
「スタート」メニューのエントリ(Windowsシステムのみ)
カスタマイズしたスクリプトおよび変数
表1-1はドメイン・テンプレート・ビルダーを使用し、ドメイン・テンプレートを作成する手順をまとめたものです。これらの手順は第3章「ドメイン・テンプレート・ビルダーによるドメイン・テンプレートの作成」で詳細に説明しています。
表1-1 ドメイン・テンプレート・ビルダーによるドメイン・テンプレート作成の手順
手順 | 実行するアクション |
---|---|
|
ドメイン・テンプレートを作成するには「ドメイン・テンプレートの作成」を選択します。 |
|
ドメイン・テンプレートまたはドメイン・テンプレートを作成するWebLogicドメイン・ディレクトリを選択します。 |
|
テンプレートの説明を入力します。 |
|
テンプレートに組み込むアプリケーションのリストを確認し、必要に応じて修正します。 |
|
テンプレートに組み込むファイルを確認し、必要に応じて修正します。 |
|
このテンプレートから作成したドメインで使用する各データベース用のSQLスクリプトを追加し、スクリプトの実行順序を指定します。 |
|
リスニング・ポートやSSLが有効かどうかなど、管理サーバーの設定を定義します。 |
|
管理サーバーのユーザー名およびパスワードを指定します。オプションでユーザーやグループを定義したり、グローバル・セキュリティ・ロールにそれらを割り当てることで、追加のセキュリティ機能を構成できます。 |
|
必要に応じて、Windowsの「スタート」メニューのエントリを定義します。 |
|
テンプレートに含まれるテキスト・ファイルで、特定のパス、ファイル名、およびその他のドメイン環境設定を置換変数で置き換えます。あとから、構成ウィザードにより、変数が実際の文字列に置換されて、特定のWebLogicドメインが設定されます。 |
|
テンプレートに定義した設定を確認します。 |
|
ドメイン・テンプレートの名前とディレクトリを指定し、ドメイン・テンプレートを作成するプロセスを開始します。 |
拡張テンプレートを作成するプロセスは、ドメイン・テンプレートを作成するプロセスと類似していますが、管理サーバーの構成、管理者のユーザー名とパスワードの割り当て、あるいは「スタート」メニュー・エントリの指定を求められない点が異なります。これらのドメインの設定は拡張対象のドメインですでに定義済です。
拡張テンプレートを作成するには、拡張テンプレートのベースとして使用するドメインまたは拡張テンプレートを選択します。次の変更を行うオプションがあります。
基本テンプレート情報(名前や説明など)
アプリケーション・ディレクトリの内容と場所
テンプレートに組み込むファイル
データベース構成用のSQLスクリプト
追加のセキュリティ(ユーザー、グループ、グローバル・ロールの作成など)
カスタマイズしたスクリプトおよび変数
ドメイン・テンプレート・ビルダーでは、既存のWebLogicドメインの拡張に使用できる拡張テンプレート(JARファイル)が作成されます。
表1-2は拡張テンプレートを作成する手順をまとめたものです。これらの手順は第4章 「ドメイン・テンプレート・ビルダーによる拡張テンプレートの作成」で詳細に説明しています。
表1-2 ドメイン・テンプレート・ビルダーによる拡張テンプレート作成の手順
手順 | 実行するアクション |
---|---|
|
拡張テンプレートテンプレートを作成するには「拡張テンプレートの作成」を選択します。 |
|
拡張テンプレートまたは拡張テンプレートを作成するWebLogicドメイン・ディレクトリを選択します。 |
|
テンプレートの説明を入力します。既存のテンプレートをソースとして選択すると、そのテンプレートの説明が表示されます。説明を確認し、必要に応じて変更します。 |
|
拡張テンプレートに組み込むアプリケーションのリストを確認し、必要に応じて修正します。 |
|
拡張テンプレートに組み込むファイルのリストを確認し、必要に応じて修正します。 |
|
このテンプレートから作成したドメインで使用する各データベース用のSQLスクリプトを追加し、スクリプトの実行順序を指定します。 |
|
必要に応じてユーザー、グループ、およびロールを作成し、グループとグローバル・ロールに割り当てます。 |
|
テンプレート内のテキスト・ファイルで、特定のパス、ファイル名、および他の環境固有の文字列を置換変数で置き換えます。あとから、特定のWebLogicドメインを作成するときに、構成ウィザードによって変数が実際の文字列に置き換えられます。 |
|
テンプレートに定義した設定を確認します。 |
|
拡張テンプレートの名前とディレクトリを入力し、拡張テンプレートを作成するプロセスを開始します。 |
以上の説明に従って、ドメイン・テンプレート・ビルダーを使用してカスタム・ドメインおよび拡張テンプレートを作成できます。次のツールも、テンプレートおよびドメインの作成に使用することができます。
pack
このコマンドを使用し、WebLogicドメイン全体またはWebLogicドメインのサブセットのスナップショットを含むテンプレート・アーカイブ(JARファイル)を作成できます。ドメインのサブセットを含むテンプレートを使用し、リモート・マシン上で管理対象サーバーのドメイン・ディレクトリの階層を作成できます。
詳細は、『PackおよびUnpackコマンドによるテンプレートとドメインの作成』を参照してください。
WebLogic Scripting Tool (WLST)
WLSTはコマンドライン・スクリプティング・インタフェースで、WebLogic Serverのインスタンスおよびドメインの対話的操作と構成に使用できます。WLSTがオフラインのとき、稼働中のWebLogic Serverに接続することなくWebLogicドメインを作成したり、既存のWebLogicドメインを更新できます - つまり、構成ウィザードと同じ機能がサポートされます。
詳細は、「Oracle WebLogic Scripting Tool」および「WebLogic Scripting Toolコマンド・リファレンス」を参照してください。