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Oracle® Database Firewall管理ガイド
リリース5.1
B66170-01
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7 ローカル・モニタリングの構成および使用

この章の内容は、次のとおりです。

ローカル・モニタリングの概要

ローカル・モニタリング・ソフトウェアを使用すると、コンソール・ユーザーや、データベース・サーバーで実行されるバッチ・ジョブなど、データベースに直接アクセスするソースから発生したSQLトラフィックを強制ポイントで監視できます(ただし、ブロックできません)。ローカル・モニタリングでは、トラフィックをネットワーク経由で送信しません。Oracle Database Firewallのローカル・モニタリング・ソフトウェアを監視対象データベースに直接インストールします。ローカル・モニタリングでは、データベースの追加の表を使用して次の内容を記録します。

強制ポイントでは、一定の間隔でデータベースを問い合せることでデータを収集し、そのデータをデータベース・クライアントで作成された文と同じ方法で使用します。ポリシーの設計に応じて、各文はログに記録されたり警告を発行しますが、ローカル・モニタリングはトラフィックとデータベース間のインラインではないため、文をブロックすることはできません。ローカル・モニターでログに記録されたトラフィックでは、そのソースIPアドレスに0.0.0.0が指定されます。

Oracle Database Firewallでは、Oracle、SQL ServerおよびSybase ASEの各データベースに対するローカル・モニタリングをサポートしています。サポート対象のデータベース製品の完全なリストについては、『Oracle Database Firewallインストレーション・ガイド』を参照してください。

次のガイドラインに留意してください。

ローカル・モニタリングのインストール

この項の内容は、次のとおりです。

ローカル・モニタリングのインストールに必要なスクリプトへのアクセス

保護対象データベースにローカル・モニタリング・コンポーネントをインストールするために使用するスクリプトは、Oracle Database Firewall Utilities 5.1ディスクのdatabase\localmonitorフォルダにあります。Oracle、SybaseおよびMicrosoft SQLの各データベース用に個別のスクリプトが用意されています。

データベースがWindowsプラットフォーム上にある場合は、.zipアーカイブ・ファイルからスクリプトを取得します。Linuxプラットフォームを使用している場合は、次のように.tarアーカイブ・ファイルを解凍できます。

mkdir localmonitoring 
cd localmonitoring
tar -xvf oracle.tar

ローカル・モニタリング用に作成されるデータベース・アカウント

インストール・プロセスによって、次の2つのデータベース・アカウントと必要な権限が自動的に作成されます。

  • DBFW_CONSOLE_ACCESSは、スキーマ・オブジェクトを所有します。

  • DBFW_CONSOLE_ACCESS_QRYは、データベースを問い合せるためにOracle Database Firewallで使用します。

DBFW_CONSOLE_ACCESSアカウントには、次の権限があります。

  • CREATE SESSION

  • ADMINISTER DATABASE TRIGGER

  • CREATE PROCEDURE

  • CREATE SEQUENCE

  • CREATE TABLE

  • CREATE TRIGGER

DBFW_CONSOLE_ACCESS_QRYアカウントには、次の権限があります。

  • CREATE SESSION

Oracleデータベースへのローカル・モニタリングのインストール

Oracleデータベースにローカル・モニタリング・コンポーネントをインストールする手順は、次のとおりです。

  1. Oracle Database Firewall製品のCD (Oracle Database Firewall Utilities 5.1)から、スクリプトを実行するサーバーにdatabaseディレクトリをコピーします。

  2. このサーバーで、database/localmonitorディレクトリに移動し、oracle圧縮ファイルをoracleというディレクトリ(推奨)に解凍します。

  3. oracleディレクトリに移動して解凍したファイルを確認し、これらのスクリプトのユーザーに付与される権限を理解します。

  4. ユーザーの作成およびユーザー権限の設定を行う権限が付与されているユーザーとして、Oracle Databaseにログインします。

    次に例を示します。

    sqlplus sys/as sysdba
    Enter password: password
    Connected. 
    SQL> 
    

    Oracle Database Vaultとともに使用するデータベースの場合は、DV_ACCTMGRロールが付与されたユーザーとしてログインします。

  5. dcam_new_userという名前のスクリプトを実行して、DBFW_CONSOLE_ACCESSアカウントを作成します。

    次に例を示します。

    SQL> @dcam_new_user password1 for DBFW_CONSOLE_ACCESS password2
    

    password1には、DBFW_CONSOLE_ACCESSアカウントのパスワードを入力します。

    password2には、DBFW_CONSOLE_ACCESS_QRY表のパスワードを入力します。

    ここでパスワードを省略すると、実行時にパスワードの入力が求められます。このスクリプトではセキュリティの強化のためにパスワードの入力が求められます。

  6. DBFW_CONSOLE_ACCESSアカウントとしてdcam_setupという名前のスクリプトを実行します。

    connect DBFW_CONSOLE_ACCESS
    Enter passowrd: password1
    SQL> @dcam_setup.sql
    

    このスクリプトでは、モニタリング・システムで使用する表とトリガーが作成され、DBFW_CONSOLE_ACCESS_QRY表に対するアクセス権が付与されます。

    管理コンソールからローカル・モニタリングを有効にするユーザーに、DBFW_CONSOLE_ACCESS_QRY表のパスワードを提供します。

  7. (オプション)前述の権限、表、トリガーを削除する必要がある場合には、cam_dropスクリプトを実行します。

    connect DBFW_CONSOLE_ACCESS
    Enter passowrd: password1
    SQL> @dcam_drop.sql
    
  8. (オプション) DBFW_CONSOLE_ACCESSアカウントを無効にし、DBFW_CONSOLE_ACCESS_QRY表へのアクセスを削除する必要がある場合には、dcam_remove_userスクリプトを実行します。

    SQL> @dcam_remove_user.sql
    

Microsoft SQL Serverデータベースへのローカル・モニタリングのインストール

混合モードの認証を実行中のMicrosoft SQL Serverデータベースにローカル・モニタリング・コンポーネントをインストールする手順は、次のとおりです。

  1. Oracle Database Firewall製品のCD (Oracle Database Firewall Utilities 5.1)から、スクリプトを実行するサーバーにdatabaseディレクトリをコピーします。

  2. このサーバーで、database/localmonitorディレクトリに移動し、sqlserver圧縮ファイルをsqlserverというディレクトリ(推奨)に解凍します。

  3. sqlserverディレクトリに移動して解凍したファイルを確認し、これらのスクリプトのユーザーに付与される権限を理解します。

  4. ユーザーの作成およびユーザー権限の設定を行う権限が付与されているユーザーとして、SQL Serverにログインします。

    sqlcmd -S server_name -U sa -P password 
    
  5. dcam_new_userという名前のスクリプトを実行して、アカウントを作成します。

    1> :r dcam_new_user.sql
    

    このスクリプトでは、DBFW_CONSOLE_ACCESSおよびDBFW_CONSOLE_ACCESS_QRYアカウントならびにデフォルトのパスワードが作成されます。

  6. この2つのアカウントのパスワードを変更します。

    1> alter login DBFW_CONSOLE_ACCESS with password = 'new password';
    2> go
    1> alter login DBFW_CONSOLE_ACCESS_QRY with password = 'new password';
    2> go
    
  7. dcam_setup.sqlという名前のスクリプトを実行します。

    1> :r dcam_setup.sql
    

    このスクリプトでは、モニタリング・システムで使用する表とイベント通知フレームワークが作成され、DBFW_CONSOLE_ACCESS_QRY表に対するアクセス権が付与されます。

    管理コンソールからローカル・モニタリングを有効にするユーザーに、DBFW_CONSOLE_ACCESS_QRYアカウントのパスワードを提供します。

  8. (オプション) ステップ5で作成したユーザー・アカウントを削除する場合には、dcam_remove_userスクリプトを実行します。

    1> :r dcam_remove_user.sql
    
  9. (オプション) ステップ7で作成した表と通知を削除する場合には、dcam_dropスクリプトを実行します。

    1> :r dcam_drop.sql
    

Sybase ASEデータベースへのローカル・モニタリングのインストール

Sybase ASEデータベース(Sybase SQL Anywhereデータベースはサポート対象外)にローカル・モニタリング・コンポーネントをインストールする手順は、次のとおりです。

  1. Oracle Database Firewall製品のCD (Oracle Database Firewall Utilities 5.1)から、スクリプトを実行するサーバーにdatabaseディレクトリをコピーします。

  2. このサーバーで、database/localmonitorディレクトリに移動し、sybase圧縮ファイルをsybaseというディレクトリ(推奨)に解凍します。

  3. sybaseディレクトリに移動して解凍したファイルを確認し、これらのスクリプトのユーザーに付与される権限を理解します。

  4. 管理権限およびユーザーを作成する権限が付与されているユーザーとして、Sybase ASEデータベースに対してdcam_sa_setupスクリプトを実行します。

    isql -S server_name -U sa -i dcam_sa_setup.sql
    

    このスクリプトでは、dbfw_console_access_qryアカウントとデフォルトのパスワードが作成されます。

  5. dbfw_console_access_qryアカウントのパスワードを変更します。

    isql -S server_name -U sa
    1> sp_password "sa password", new password, dbfw_console_access_qry
    2> go
    

    dbfw_console_access_qryアカウント名を小文字で入力します。このアカウント名は、大文字と小文字が区別されます。

  6. Sybase ASEデータベースに対して次のスクリプトを実行します。

    isql -S server_name -U dbfw_console_access_qry -i dcam_setup.sql
    isql -S server_name -U sa -i dcam_sa_setup_global_trigger.sql
    

    このスクリプトでは、モニタリング・システムで使用する表とグローバル・トリガーが作成され、表に対するアクセス権がdbfw_console_access_qryアカウントに付与されます。

  7. 管理コンソールからローカル・モニタリングを有効にするユーザーに、手順5で作成したdbfw_console_access_qryアカウントのパスワードを提供します。

  8. Sybase ASEを再起動します。

  9. (オプション) この手順で追加した権限と表を削除する場合には、dcam_dropスクリプトを実行し、Sybase ASEを再起動します。

ローカル・モニタリングの有効化

SQLデータベースのローカル・モニタリングを有効にする手順は、次のとおりです。

  1. Management Server管理コンソールにログインします。

    詳細は、「管理コンソールへのログイン」を参照してください。

  2. 「Monitoring」タブをクリックします。

  3. 該当する強制ポイントの「Settings」ボタンをクリックします。

  4. 「Monitoring Settings」ページで、「Activate Local Monitor」を選択します。

    「Activate Local Monitor」領域が次のように展開されます。

    activate_loc_mon.gifの説明が続きます
    図activate_loc_mon.gifの説明

  5. 次の設定を指定します。

    • 「Database Address」「Port」「Database Name」: データベース名、データベース・マシンのIPアドレスまたは名前、およびポート番号を指定します。ドメイン・ネーム・サーバー(DNS)を使用している場合は、IPアドレスのかわりに、ホスト名を入力できます。

    • PasswordPassword Confirmation: 保護対象データベースでのソフトウェアのインストール時に指定されたDBFW_CONSOLE_ACCESS_QRYアカウントのパスワード。

  6. 「Save」をクリックします。

ローカル・モニタリングをテストするには、データベース・サーバーで適切な問合せを実行し、Oracle Database Firewallでその問合せがログに記録されていることを確認します。

ローカル・モニタリングの無効化

ローカル・モニタリングを無効にできます。ローカル・モニタリングを完全に削除する場合は、『Oracle Database Firewallインストレーション・ガイド』を参照してください。

ローカル・モニタリングを無効にする手順は、次のとおりです。

  1. Management Server管理コンソールにログインします。

    詳細は、「管理コンソールへのログイン」を参照してください。

  2. Monitoring」タブを選択します。

    デフォルトでは、「Enforcement Points」ページが表示されます。表示されない場合は、ページの左側の「Enforcement Points」メニューで「List」ボタンをクリックします。

  3. ローカル・モニタリングを無効にする強制ポイントを検索します。

  4. 「Settings」ボタンをクリックします。

    「Monitoring Settings」ページが表示されます。

  5. 「Local Monitoring」領域で、「Activate Local Monitoring」チェック・ボックスの選択を解除します。

  6. 「Monitoring Settings」ページの下部までスクロールして、「Save」ボタンをクリックします。

  7. UIでこの手順を完了してから、dcam_dropスクリプトを実行する必要があります。データベース・タイプ別の例については、この章で該当するデータベースの項を参照してください。この手順を実行しない場合、データベースが最終的な領域不足になります。