Oracle® Fusion Middleware Oracle Reports ServicesレポートWeb公開ガイド 11g リリース2(11.1.2) B70751-01 |
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レポート・リクエストのサイズと複雑さが増加し、ユーザー・ベースが増えてくると、レポートのパフォーマンス(レポートの実行時間)の効率化を検討することが必要になります。それによって、パフォーマンスが最大化されるとともに、レスポンス時間の最小化が実現します。レポートのパフォーマンスをチューニングする前に、次の要点を検討してください。
体感パフォーマンスと測定可能なパフォーマンスの両方を向上させることで生じるパフォーマンスとそのトレードオフ
必要となるコスト
コンピューティング環境の複雑性
これらの考慮事項の中には、その調査結果がパフォーマンスの向上に大きく寄与するものがあります。一方、パフォーマンスの向上に少ししか寄与しないものや、実際のレポートのパフォーマンスには影響はないものの、体感パフォーマンスを向上させる可能性があるものもあります。体感パフォーマンスとは、(最終出力として測定される)最終結果に影響を与えるイベントのことをいいます。体感パフォーマンスの例は、第23.7.1項「事前フェッチ」を参照してください。
この章では、個々のレポートを構築、実装およびチューニングする際に、パフォーマンスの向上に役立つガイドラインと提案を多数紹介します。ここで紹介する提案は全般的なものであるため、これらの提案すべてがどんな場合にも当てはまるわけではありません。ただし、アプリケーション環境に応じてこれらの提案の一部またはすべてを実装することで、レポートの実行パフォーマンス(実際のパフォーマンスも体感パフォーマンスも含めて)を向上させることができます。
注意: この章では、Oracle Reportsのデプロイメントやスケーラビリティに関する問題は取り上げません。詳細は、OTN(http://www.oracle.com/technetwork/middleware/reports/collateral-9i-10g-087783.html )で提供されているホワイト・ペーパー『Oracle Reports Services Scalability』を参照してください。 |
この章は、次の点についてレポートをより幅広く検討するために役立ちます。
アプリケーションの要件
基盤となるデータ・モデルの正確性
レポートが実行される環境(クライアント/サーバー、Web、ファイアウォールの内側など)
ユーザー操作の必要性の程度
レポートの状況が明確になったら、次の項目を最適化および最小化するチューニング・プロセスへと進みます。
データソースへのコール
レイアウトで要求される不要なフォーマットの量
これらの目的を達成するには、レポートの次の各側面にチューニングの焦点を当ててください。
実行時間。レポートの実行時にどの部分で多くの時間が費やされているかを突き止めます。それが明確になったら、適切なパフォーマンス・ツールを使用して、問合せの評価、データベースの最適化の再確認、レポートで使用されるコードの効率性の検証などを行います。
フォーマットとレイアウト。レポート情報のフォーマットとレイアウトについて考察します。
ランタイム・パラメータ。パフォーマンスとレポート配布が最大になるように、ランタイム・パラメータを設定します。レポートのパフォーマンスを最大化する配布方法の詳細は、第23.7.2項「一括処理と配布」を参照してください。
この章では、次の各項でこれらの側面について説明します。