| Oracle® Fusion Middleware Oracle Application Development Framework Webユーザー・インタフェース開発者ガイド 11gリリース2 (11.1.2.1.0) B66719-01 |
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この章では、ユーザーが属性やオブジェクトの値をコンポーネントから別のコンポーネントにドラッグしたり、コンポーネントをドラッグ・アンド・ドロップしたりできるようにするドラッグ・アンド・ドロップ機能を、ページに追加する方法について説明します。
この章では、次の項目について説明します。
ADF Facesフレームワークには、ページ上の場所から別の場所へアイテムをドラッグ・アンド・ドロップする機能があります。ほとんどの場合、ドラッグ・アンド・ドロップは、ソースおよびターゲットに適切なタグを追加し、マネージドBeanにコードを実装することにより、簡単に実装できます。ドラッグ・アンド・ドロップにより、ユーザーはWebアプリケーションでは当然期待されるGUI経験を体感できます。たとえば、File Explorerアプリケーションでは、図33-1で示すように、ファイルを「表」タブからドラッグし、別のディレクトリ・フォルダにドロップできます。
このシナリオでは、オブジェクトを実際にコレクション(Folder0)からドラッグし、別のコレクション(Folder2)にドロップしています。これは、多数サポートされているドラッグ・アンド・ドロップ・シナリオの1つです。ADF Facesでは、次のシナリオがサポートされています。
属性値をコンポーネント・インスタンスからドラッグして、別のインスタンスへコピーします。たとえば、ユーザーはoutputTextコンポーネントをinputTextコンポーネントにドラッグでき、その結果、outputTextコンポーネントのtext属性がinputTextコンポーネントのtext属性の値になります。
オブジェクトの値をドラッグし、別のオブジェクトの値になるようにドロップします。たとえば、ユーザーはoutputTextコンポーネントを別のoutputTextコンポーネントにドラッグでき、その結果、Stringオブジェクトの配列になり、後者のoutputTextコンポーネントのtext属性に値が移入されます。
図33-1に示すように、コレクションからオブジェクトをドラッグし、別のコレクションにドロップします。
コンポーネントをページ上の場所から別の場所にドラッグします。たとえば、ユーザーは既存のpanelBoxコンポーネントをpanelGridコンポーネント内の新規の場所にドラッグできます。
カレンダ内のアクティビティをある開始時刻または開始日から別の時刻または日付にドラッグします。
コンポーネントをpanelDashboardコンポーネントへ、または同コンポーネントからドラッグします。
DVT散布図またはバブル・グラフのマーカーをドラッグして値を変更します。
オブジェクトをDVTガント・チャートから別のコンポーネントにドラッグします。
ユーザーがソースをクリックしてドラッグし始めると、ブラウザにはドラッグされている要素がマウス・ポインタにアタッチされたゴースト要素として表示されます。ゴースト要素が有効なターゲット上に移動すると、そのターゲット・コンポーネントにはなんらかのフィードバック(強調表示されるなど)が現れます。ユーザーがゴースト要素を無効なターゲットにドラッグすると、カーソルが変わり、そのターゲットが有効でないことを示します。
属性値をドラッグするとき、ユーザーはターゲットに対して値のコピーしかできません。他のすべてのドラッグ・アンド・ドロップ・シナリオの場合、ドロップ時に要素は、コピー(コピー・アンド・ペースト)、移動(カット・アンド・ペースト)またはリンク(リンクが実際のファイル・オブジェクトの参照となるディレクトリ内のファイルへのショートカットを作成)できます。
ドラッグされ値を含むコンポーネントは、ソースと呼ばれます。ドロップを受け入れるコンポーネントは、ターゲットと呼ばれます。ソースおよびターゲット・コンポーネントに子として特定のタグを使用し、フレームワークにドロップを許可するように指示します。表33-1に、様々なドラッグ・アンド・ドロップシナリオ、有効なソースおよびターゲット、そのシナリオで使用するように関連付けられたタグを示しています。
表33-1 ドラッグ・アンド・ドロップのシナリオ
| シナリオ | ソース | ターゲット |
|---|---|---|
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属性値のドラッグ |
コンポーネント上の属性値 |
別のコンポーネント上の属性値(同じオブジェクト型である場合) |
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タグ: |
タグ: |
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オブジェクトをコンポーネントから別のコンポーネントへドラッグ |
すべてのコンポーネント |
すべてのコンポーネント |
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タグ: |
タグ: |
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アイテムをコレクションからドラッグして別のコレクションにドロップ |
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タグ: |
タグ: |
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コンポーネントをコンテナから別のコンテナへドラッグ |
すべてのコンポーネント |
すべてのコンポーネント |
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タグ: |
タグ: |
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カレンダ・アクティビティをある開始時刻または開始日から別の時刻または日付にドラッグ |
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Tag: |
タグ: |
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タグ: |
タグ: |
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panelBoxコンポーネントを |
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すべてのコンポーネント |
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タグ: |
タグ: |
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DVTグラフ内のマーカーをドラッグ |
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タグ: |
タグ: |
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DVTガント・チャートからオブジェクトをドラッグし、別のコンポーネントにドロップ |
ガント・チャート |
すべてのコンポーネント |
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タグ: |
タグ: |
ターゲットにドロップできるオブジェクトの型は、dataFlavorタグを追加することで制限でいます。これは、ターゲットでは1つのオブジェクト型しか受け入れられないのに、ソースが多数の異なる型の1つである場合に役立ちます。dataFlavorタグでは、ターゲットで複数のソースまたは複数の型を含む可能性のあるソースからオブジェクトを受け入れることができるよう、複数の型を設定することもできます。ドロップが成功するには、ターゲットとソースの両方にdataFlavorタグを含め、値が同じである必要があります。
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注意: ドラッグ・アンド・ドロップ機能は、ウィンドウ間ではサポートされていません。ウィンドウ境界を越えるドラッグは取り消されます。ポップアップ・ウィンドウとポップアップのベース・ページとの間のドラッグ・アンド・ドロップ機能はサポートされています。また、ドラッグ・アンド・ドロップ機能はアクセスできないため、ドラッグ・アンド・ドロップを実行するために使用できるキーボード・ストロークがありません。したがって、アプリケーションですべての機能をアクセス可能にすることが求められる場合、このロジックを提供する必要があります。たとえば、ページでユーザーに、オブジェクトを選択する方法と、選択したオブジェクトを移動できるようにする「移動」ボタンまたはメニュー項目を提供する場合もあります。 |
ドラッグ・アンド・ドロップを実装する前に、その他のADF Faces機能を理解しておくと役に立ちます。ドラッグ・アンド・ドロップの実装に役立つ他の項へのリンクは、次のとおりです。
マネージドBean: コードにマネージドBeanを使用している可能性があります。マネージドBeanの使用の詳細は、3.6項「マネージドBeanの作成と使用」を参照してください。
イベント: 表およびツリー・コンポーネントでは、なんらかのロジックを実行することにより、アプリケーションを反応させることができるサーバー側およびクライアント側の両方のイベントを起動します。詳細は、第6章「イベントの処理」を参照してください。
属性のドラッグ・アンド・ドロップ機能は、あるコンポーネントの属性をターゲットとして定義し、別のコンポーネントの属性をソースとして定義して追加します。
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注意: ターゲットとソースの属性値は同じデータ型である必要があります。たとえば、ソースとターゲットの両方がString型の場合、属性のドラッグ・アンド・ドロップが使用可能です。どちらも数値型の場合は、両方で同じコンバータを使用します。 |
次の手順では、ターゲットとソースのコンポーネントはJSFページにすでにあるものとします。
始める前に:
ドラッグ・アンド・ドロップ機能について理解しておくと役立ちます。詳細は、33.2項「属性のドラッグ・アンド・ドロップ機能の追加」を参照してください。
他のADF Faces機能を使用して追加できる機能について理解することが役立つ場合もあります。詳細は、33.1.1項「ドラッグ・アンド・ドロップの追加機能」を参照してください。
属性のドラッグ・アンド・ドロップ機能を追加する手順:
コンポーネント・パレットで、「操作」セクションから、「属性ドロップ・ターゲット」をターゲット・コンポーネントに子としてドラッグ・アンド・ドロップします。
「属性ドロップ・ターゲットの挿入」ダイアログで「属性」ドロップダウンを使用して、ドラッグ・アンド・ドロップ・アクションによる移入先の属性を選択します。このドロップダウン・リストには、ターゲット・コンポーネントの有効な属性がすべて表示されます。
ターゲットへの値の代入元のコンポーネントの子として、属性ドラッグ・ソースをコンポーネント・パレットからドラッグ・アンド・ドロップします。
「属性ドラッグ元の挿入」ダイアログで、「属性」ドロップダウンを使用して、ターゲット属性への移入に使用される値の属性を選択します。このドロップダウン・リストには、ソース・コンポーネントの有効な属性がすべて表示されます。
ユーザーが属性値以外をドラッグできるようにする場合、またはあるコンポーネントから別のコンポーネントへ属性をコピーする以外の操作をユーザーができるようにする場合、dropTargetタグを使用します。また、DataFlavorオブジェクトを使用して、ドロップ・ターゲットに対して有効なソースのJava型を決めます。ドロップ・ターゲットとドラッグ・ソースが複数ある場合のために、識別値を使用して有効な組合せを制限できます。ドラッグ・アンド・ドロップ・アクションを受けて必要となる機能の実装も必要です。
たとえば、図33-2に示すように、outputTextコンポーネントがあり、ユーザーがoutputTextコンポーネントをpanelBoxコンポーネントにドラッグできるようにし、そのコンポーネントにarrayを表示するとします。
outputTextコンポーネントにはattributeDragSourceタグが含まれます。ただし、(属性のString値のみでなく)arrayをドラッグするため、attributeDropTargetタグではなくdropTargetタグを使用する必要があります。また、dataFlavorタグを使用してarrayオブジェクトのみがターゲットで受け入れられるようにします。
dataFlavorタグの識別値の定義もできます。同じオブジェクト型の2つのターゲットと2つのソースがある場合に、これは有用です。識別値を作成することで、各ターゲットで有効なソースのみが受け入れられることが保証されます。たとえば、EMPLOYEEオブジェクトを受け入れるTargetAとTargetBの2つのターゲットがあるとします。EMPLOYEEオブジェクトのソースも2つあるとします。TargetAにalphaという値を使用して識別値を設定することにより、識別値alphaを持つEMPLOYEEソースのみが受け入れられます。
ドロップ・イベントのリスナーも実装する必要があります。ドロップ・イベントのオブジェクトはtransferableと呼ばれ、ドロップのペイロードを含みます。リスナーはtransferableオブジェクトにアクセスし、ここからDataFlavorオブジェクトを使用してオブジェクトがドロップ可能なことを確認します。その後、ドロップ・イベントを使用してターゲット・コンポーネントを取得し、ドロップされたオブジェクトを使用してプロパティを更新します。このリスナーの詳細は、33.9.1項「DVTコンポーネントのドラッグ・アンド・ドロップ機能の追加方法」の手順で説明します。
ドラッグ・アンド・ドロップ機能を追加するには、まず、コンポーネントをドラッグ・アンド・ドロップ・アクションのターゲットとして定義するタグをコンポーネントに追加します。次に、ドラッグ・アンド・ドロップ・アクションのロジックを処理するイベント・ハンドラ・メソッドを実装します。最後に、ドラッグ・アンド・ドロップのソースを定義します。
始める前に:
ドラッグ・アンド・ドロップ機能について理解しておくと役立ちます。詳細は、33.3項「オブジェクトのドラッグ・アンド・ドロップ機能の追加」を参照してください。
他のADF Faces機能を使用して追加できる機能について理解することが役立つ場合もあります。詳細は、33.1.1項「ドラッグ・アンド・ドロップの追加機能」を参照してください。
次のタスクを完了する必要があります。
ドラッグ・アンド・ドロップ機能を追加する手順:
ターゲットを含むJSFページで、コンポーネント・パレットから(「操作」パネルにある)「ドロップ・ターゲット」タグをドラッグ・アンド・ドロップし、dropTargetタグをターゲット・コンポーネントの子として追加します。
「ドロップ・ターゲットの挿入」ダイアログで、イベントを処理するマネージドBeanのメソッド(このコードはステップ5で作成)に評価される式を入力します。
マネージドBeanの使用の詳細は、3.6項「マネージドBeanの作成と使用」を参照してください。
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ヒント: clientDropListener属性を挿入して、クライアントでドロップを捕捉することもできます。詳細は、33.3.3項「ClientDropListenerの使用について」を参照してください。 |
「データ・フレーバの挿入」ダイアログで、ターゲットにドロップ可能なオブジェクトのクラス(java.lang.Objectなど)を入力します。この選択は、dataFlavorタグを作成するために使用され、このタグにより、ターゲットにドロップできるオブジェクトの型(StringやDateオブジェクトなど)が決まります。1つのドロップ・ターゲットに複数のdataFlavorタグを使用し、ドロップ・ターゲットでこれらの型のいずれも受け入れるようにすることができます。
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ヒント: DataFlavorタグに型指定された配列を指定するには、java.lang.Object[]のようにクラス名に大カッコ([])を追加します。 |
構造ウィンドウで、dropTargetタグを選択します。プロパティ・インスペクタで、actions属性に値を選択します。これによって、ドロップ・ターゲットでサポートされるアクションが定義されます。有効な値は、COPY(コピーして貼付け)、MOVE(切り取って貼付け)およびLINK(コピーしてリンクとして貼付け)です。
MOVE COPY
アクションが指定されない場合、デフォルトはCOPYです。
例33-1に、panelBoxコンポーネントに挿入され、配列オブジェクトをドロップ・ターゲットとするdropTargetコンポーネントのコードを示します。アクションが定義されていないため、許可されるアクションはCOPYのみであることに注意してください。
ステップ2で作成したEL式で参照されるマネージドBeanに、ドラッグ・アンド・ドロップ機能を処理するイベント・ハンドラ・メソッドを(EL式での名前と同じ名前を使用して)作成します。
このメソッドでは、パラメータとしてDropEventイベントをとり、DnDActionオブジェクトを返す必要があり、これはソースをドロップするときに実行されるアクションです。有効な戻り値は、DnDAction.COPY、DnDAction.MOVEおよびDnDAction.LINKで、ステップ5でターゲット属性を定義したときに設定されたものです。このメソッドでは、DropEventイベントをチェックし、ドロップを受け入れるかどうか判断する必要があります。ドロップを受け入れる場合、メソッドではドロップを実行し、実行したDnDActionオブジェクトを返します。そうでない場合は、ドロップが拒否されたことを示すDnDAction.NONEを返します。
このメソッドでは、各dataFlavorオブジェクトの存在も優先順に確認される必要があります。
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ヒント: ターゲットに複数のdataFlavorオブジェクトが定義されている場合、Transferable.getSuitableTransferData()メソッドを使用できます。このメソッドでは、Transferableオブジェクトで使用可能なTransferDataオブジェクトのListが適合性の高いものから順に返されます。 |
DataFlavorオブジェクトでは、ドロップされるデータの型(java.lang.Objectなど)が定義されます。これは、手順3で作成したJSPのDataFlavorタグでの定義と同じである必要があります。
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ヒント: DataFlavorオブジェクトに型指定された配列を指定するには、java.lang.Object[]のようにクラス名に大カッコ([])を追加します。
ドラッグ・アンド・ドロップ・フレームワークで、サーバーの |
例33-2に、イベント・ハンドラ・メソッドがコールするプライベート・メソッドを示します(イベント・ハンドラそのものは何もしませんが、このメソッドをコールします。このメソッドには、panelBoxコンポーネントでoutputTextコンポーネントの値となるStringパラメータも必要です)。このメソッドでは、イベント・ペイロードから配列オブジェクトをコピーし、そのイベントを開始したコンポーネントに割り当てます。
例33-2 dropListenerのイベント・ハンドラ・コード
public DnDAction handleDrop(DropEvent dropEvent)
{
Transferable dropTransferable = dropEvent.getTransferable();
Object[] drinks = dropTransferable.getData(DataFlavor.OBJECT_ARRAY_FLAVOR);
if (drinks != null)
{
UIComponent dropComponent = dropEvent.getDropComponent();
// Update the specified property of the drop component with the Object[] dropped
dropComponent.getAttributes().put("value", Arrays.toString(drinks));
return DnDAction.COPY;
}
else
{
return DnDAction.NONE;
}
}
コンポーネント・パレットから(「操作」パネルにある)クライアント属性をドラッグしてclientAttributeタグをソース・コンポーネントの子として追加します。このタグは、イベントに対するソースのペイロードの定義に使用されます。プロパティ・インスペクタで、clientAttributeタグに次の定義を行います。
名前: ペイロードの名前を入力します。
値: ペイロードの値と評価されるEL式を入力します。飲み物を例とすると、これは異なる飲み物の値を含むArrayに解決されます。
ソース・コンポーネントの別の子として、パレットから(「操作」パネルにある)属性ドラッグ・ソースをドラッグ・アンド・ドロップします。「属性ドラッグ元の挿入」ダイアログで、前述の手順で作成したclientAttributeタグに定義するnameをドロップダウン・リストから選択します。これにより、clientAttributeタグの値がソースのペイロードになります。例33-3に、ドラッグ・アンド・ドロップ操作のソースであるoutputTextコンポーネントのコードを示します。
ドラッグ・アンド・ドロップ操作時、ユーザーはキーボードのキーを押して(キーボード修飾子と呼ばれます)、ドラッグ・アンド・ドロップで行われるアクションを選択できます。ドラッグ・アンド・ドロップ・フレームワークでは、次のキーボード修飾子がサポートされます。
[Shift]: MOVE
[Ctrl]: COPY
[Ctrl]+[Shift]: LINK
ユーザーがドラッグ・アンド・ドロップ操作を行うと、ドロップ・ターゲットで、まず、ドラッグ・ソースのデータ形式の値が受け入れ可能かどうかを判断します。ソースとターゲットがコレクションの場合、次に、フレームワークでドラッグ・ソースとドロップ・ターゲットとの間で可能なアクションの論理積を求め、論理積のアクション(COPY、MOVEまたはLINKのうち1つ)をこの順に実行します。有効なアクションが1つのみの場合、そのアクションが実行されます。複数のアクションが可能で、ユーザーのキーボード修飾子がそのうちの1つに合致する場合、それが実行されます。キーボード修飾子が使用されない、あるいはキーボード修飾子と可能なアクションが合致しない場合、可能なアクションのセットからCOPY、MOVE、LINKがこの順にフレームワークで選択されます。
たとえば、COPYとMOVEをサポートするドロップ・ターゲットがあるとします。まず、ドロップ・ターゲットでは、ドラッグ・ソースが有効なデータ・フレーバであることを確認します。次に、ユーザーがドロップを実行したときに、どのアクションを実行するかを判断します。この例では、セットはCOPYとMOVEです。ユーザーがドラッグ中に[Shift]キーを押し続けると(MOVEのキーボード修飾子)、フレームワークではMOVEアクションが選択されます。ユーザーがドラッグ中に[Shift]キーを押し続ける以外のことをしている場合、修飾子キーが選択されていないときはCOPYがデフォルトであるため(順番の1番目)、アクションはCOPYになります。ユーザーが[Ctrl]キーを押している場合は、その修飾子はCOPYと一致し、その結果COPYが実行されます。ユーザーが[Ctrl]キーと[Shft]キーを押していた場合、その修飾子は許可されたアクションの論理積のセットにはないLINKアクションと一致するため、アクションはやはりCOPYになります。
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注意: JavaとJavaScriptとの間のラウンドトリップで情報が失われるため、ドロップでのデータが見込みとは異なる型の場合があります。たとえば、すべての数値型はdoubleオブジェクトとして、charオブジェクトはStringオブジェクトとして、ListオブジェクトとArrayオブジェクトはListオブジェクトとして、その他の大部分のオブジェクトはMapオブジェクトとして表されます。詳細は、6.4.3項「データのマーシャリングとアンマーシャリングについて」を参照してください。 |
dropTargetタグにはclientDropListener属性が含まれており、この属性によりクライアントでドロップ・イベントを処理するJavaScriptを参照できます。クライアント・ハンドラはパラメータをとることはなく、AdfDnDContextアクションを返します。たとえば、メソッドがAdfDnDContext.ACTION_NONEを返すと、ドロップ操作は取り消され、サーバーでコールされません。メソッドがAdfDnDContext.ACTION_COPYを返すと、コピー操作が許可され、dropListenerが存在する場合には、それを実行するコールがサーバーで発生します。
たとえば、ドロップ・イベントの起動時にメッセージをログ出力するとします。メッセージの出力を処理し、サーバー・リスナーが起動されるよう適切なアクションを返すクライアント・ハンドラを作成します。例33-4に、メッセージの出力にロガーを使用するクライアント・ハンドラを示します。
ユーザーは、collectionDropTargetおよびdragSourceタグを使用して、コレクションからアイテム(表から行など)をドラッグし、ツリーなどの別のコレクション・コンポーネントにドロップできるドラッグ・アンド・ドロップ機能を追加します。たとえば、File Explorerアプリケーションでは、ユーザーは、ディレクトリの内容を表示する表からディレクトリ・ツリーのフォルダにファイルをドラッグできます。図33-3に、Folder0ディレクトリの内容を表示する表からFolder3ディレクトリにドラッグされるFile0.docオブジェクトを示します。ドロップが完了すると、オブジェクトはFolder3を構成するコレクションの一部になります。
単一オブジェクトのドラッグ・アンド・ドロップ同様、コレクションに対しドロップによりコピー、移動またはコピーしてリンクとして貼り付ける(あるいは3つを組み合せる)ことができ、dataFlavorタグを使用してターゲットでの受け入れ対象を限定できます。
ターゲット・ソースがコレクションで、移動動作がサポートされている場合、dragDropEndListener属性のメソッドを実装して、ソース・コンポーネントから参照し、ドラッグ・アンド・ドロップ操作後のコレクションのクリーン・アップに使用することもできます。詳細は、33.4.2項「dragDropEndListenerについて」を参照してください。
コレクションのドラッグ・アンド・ドロップ機能を追加するには、dropTargetタグを使用するかわりにcollectionDropTargetタグを使用します。その後、ドラッグ・アンド・ドロップ・アクションのロジックを処理するイベント・ハンドラ・メソッドを実装する必要があります。次に、dragSourceタグを使用して、ドラッグ・アンド・ドロップ操作のソースを定義します。
始める前に:
ドラッグ・アンド・ドロップ機能について理解しておくと役立ちます。詳細は、33.4項「コレクションのドラッグ・アンド・ドロップ機能の追加」を参照してください。
他のADF Faces機能を使用して追加できる機能について理解することが役立つ場合もあります。詳細は、33.1.1項「ドラッグ・アンド・ドロップの追加機能」を参照してください。
次のタスクを完了する必要があります。
ドラッグ・アンド・ドロップ機能を追加する手順:
コンポーネント・パレットからコレクション・ドロップ・ターゲットをドラッグし、collectionDropTargetタグをターゲット・コレクション・コンポーネントの子として追加します。
「コレクション・ドロップ・ターゲットの挿入」ダイアログで、イベントを処理するマネージドBeanのメソッド(このコードはステップ4で作成)に評価される式をdropListener属性に入力します。
プロパティ・インスペクタで次の設定を行います。
actions: ドラッグ・アンド・ドロップ操作時にソースで行われるアクションを選択します。
アクションが指定されない場合、デフォルトはCOPYです。
modelName: コレクションのモデルを定義します。
modelName属性の値は、互換性のためにドラッグ・ソースの識別に使用されるStringオブジェクトです。この属性の値は、ステップ6で使用するdragSourceタグのdiscriminant属性の値と一致させる必要があります。つまり、これは任意の名前で、ターゲットとソースが同じmodelName値や識別値を共有する場合に役立ちます。
ステップ2でEL式に挿入されたマネージドBeanに、ドロップ・イベントのハンドラを実装します。
このメソッドでは、DropEventイベントをパラメータとして使用し、DnDActionを返す必要があります。このメソッドでは、DropEventを使用して、 Transferableオブジェクトを取得し、そこからRowKeySet (ドラッグのために選択された行)を取得します。Transferableオブジェクトから取得したCollectionModelを使用して、実際のrowDataを取得し、ドロップを完了することができます。メソッドでは次にDropEventをチェックして、ドロップを受け入れるかどうかを判断します。メソッドでドロップを受け入れる場合は、ドロップを実行して、実行したDnDAction(DnDAction.COPY、DnDAction.MOVEまたはDnDAction.LINK)を返し、受け入れない場合は、DnDAction.NONEを返して、ドロップが拒否されたことを示します。
例33-5に、2つの表の間での行のコピーを処理するcollectionDropTargetデモに使用されるCollectionDnd.javaマネージドBeanのイベント・ハンドラ・メソッドを示します。
例33-5 コレクションのdropListenerのイベント・ハンドラ・コード
public DnDAction handleDrop(DropEvent dropEvent)
{
Transferable transferable = dropEvent.getTransferable();
// The data in the transferable is the row key for the dragged component.
DataFlavor<RowKeySet> rowKeySetFlavor =
DataFlavor.getDataFlavor(RowKeySet.class, "DnDDemoModel");
RowKeySet rowKeySet = transferable.getData(rowKeySetFlavor);
if (rowKeySet != null)
{
// Get the model for the dragged component.
CollectionModel dragModel = transferable.getData(CollectionModel.class);
if (dragModel != null)
{
// Set the row key for this model using the row key from the transferable.
Object currKey = rowKeySet.iterator().next();
dragModel.setRowKey(currKey);
// And now get the actual data from the dragged model.
// Note this won't work in a region.
DnDDemoData dnDDemoData = (DnDDemoData)dragModel.getRowData();
// Put the dragged data into the target model directly.
// Note that if you wanted validation/business rules on the drop,
// this would be different.
// getTargetValues() is the target collection used by the target component
getTargetValues().add(dnDDemoData);
}
return dropEvent.getProposedAction();
}
else
{
return DnDAction.NONE;
}
}
コンポーネント・パレットで、「操作」セクションから、「ドラッグ元」をソース・コンポーネントの子としてドラッグ・アンド・ドロップします。
dragSourceタグを選択して、プロパティ・インスペクタでactions、discriminantおよび任意のdragDropEndListenerをターゲットに対して構成済として設定します。たとえば、dragSourceタグは次のようになります。
<af:dragSource actions="MOVE" discriminant="DnDDemoModel
dragDropEndListener="#{collectionDnD.endListener}"/>
ドロップ・イベントの後でソース・コレクションをクリーンアップする必要がある場合が考えられます。たとえば、ドラッグで移動を行った場合、移動した項目がコレクションの一部ではなくなるように、ソース・コンポーネントをクリーンアップする必要があることがあります。
dragSourceタグには、ドラッグ・アンド・ドロップ操作の終了後のロジックを含むハンドラを登録できるdragDropEndListener属性が含まれます。
たとえば、ドラッグ・アンド・ドロップでオブジェクトを移動する場合、ドロップの正常終了後にソース・コンポーネントからオブジェクトを物理的に削除する必要があります。例33-6に、dragDropEndListener属性のハンドラを示します。
例33-6 dragDropEndListenerのハンドラ
public void endListener(DropEvent dropEvent)
{
Transferable transferable = dropEvent.getTransferable();
// The data in the transferrable is the row key for the dragged component.
DataFlavor<RowKeySet> rowKeySetFlavor =
DataFlavor.getDataFlavor(RowKeySet.class, "DnDDemoModel");
RowKeySet rowKeySet = transferable.getData(rowKeySetFlavor);
if (rowKeySet != null)
{
Integer currKey = (Integer)rowKeySet.iterator().next();
// Remove the dragged data from the source model directly.
// getSourceValues() represents a collection object used by the source
// component
Object removed = getSourceValues().remove(currKey.intValue());
}
// Need to add the drag source table so it gets redrawn.
// The drag source component needs to be partially refreshed explicitly, while
// drop target component automatically refreshed and displayed.
AdfFacesContext.getCurrentInstance().addPartialTarget(dropEvent.getDragComponent());
ある親から別の親へのコンポーネントの移動を可能にしたり、親コンポーネントの子コンポーネントの並替えを可能にしたりできます。例として、図33-4に、panelGridコンポーネントの最初の子で最後に移動される暗色のpanelBoxコンポーネントを示します。
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注意: panelDashboardコンポーネントでのコンポーネントの出し入れを行う場合、そのコンポーネント固有のプロシージャを使用する必要があります。詳細は、33.6項「panelDashboardコンポーネントでのドラッグ・アンド・ドロップ機能の追加」を参照してください。 |
コンポーネントに対するドラッグ・アンド・ドロップ機能の追加は、オブジェクトに対するものと同様です。ただし、attributeDragSourceタグを使用するかわりにcomponentDragSourceタグを使用します。オブジェクトまたはコレクションのドラッグ・アンド・ドロップ同様、dropListenerハンドラを実装する必要もあります。
始める前に:
ドラッグ・アンド・ドロップ機能について理解しておくと役立ちます。詳細は、33.5項「コンポーネントのドラッグ・アンド・ドロップ機能の追加」を参照してください。
他のADF Faces機能を使用して追加できる機能について理解することが役立つ場合もあります。詳細は、33.1.1項「ドラッグ・アンド・ドロップの追加機能」を参照してください。
ドラッグ・アンド・ドロップ機能を追加する手順:
コンポーネント・パレットの「操作」パネルから、「ドロップ・ターゲット」をターゲット・コンポーネントに子としてドラッグ・アンド・ドロップします。
「ドロップ・ターゲットの挿入」ダイアログで、イベントを処理するマネージドBeanのメソッド(このコードはステップ4で作成)に評価される式を入力します。
dropTargetタグを選択した状態のまま、プロパティ・インスペクタでaction属性に有効なアクション・セットを選択します。
ステップ2で作成したEL式で参照されるマネージドBeanに、ドラッグ・アンド・ドロップ機能を処理するイベント・ハンドラ・メソッドを(EL式での名前と同じ名前を使用して)dropListener属性に対して作成します。
メソッドでドロップを受け入れる場合は、ドロップを実行して、実行したDnDAction(DnDAction.COPY、DnDAction.MOVEまたはDnDAction.LINK)を返し、受け入れない場合は、DnDAction.NONEを返して、ドロップが拒否されたことを示します。
このハンドラ・メソッドでは、DropEventイベントを使用してtransferableオブジェクトとそのデータを取得し、移動またはコピーを完了して、必要に応じてコンポーネントを並べ替えます。ドロップを完了したら、メソッドでは実行したDnDActionを返します。そうでない場合は、ドロップが拒否されたことを示すDnDAction.NONEを返します。
例33-7に、デモ・アプリケーションのcomponentDragSource JSFページで使用されるDemoDropHandler.javaマネージドBeanのhandleComponentMoveイベント・ハンドラを示します。
例33-7 コンポーネントの移動を処理するdropListenerのイベント・ハンドラ・コード
public DnDAction handleComponentMove(DropEvent dropEvent)
{
Transferable dropTransferable = dropEvent.getTransferable();
UIComponent movedComponent = dropTransferable.getData
(DataFlavor.UICOMPONENT_FLAVOR);
if ((movedComponent != null) &&
DnDAction.MOVE.equals(dropEvent.getProposedAction()))
{
UIComponent dropComponent = dropEvent.getDropComponent();
UIComponent dropParent = dropComponent.getParent();
UIComponent movedParent = movedComponent.getParent();
UIComponent rootParent = null;
ComponentChange change = null;
// Build the new list of IDs, placing the moved component after the dropped
//component.
String movedLayoutId = movedParent.getId();
String dropLayoutId = dropComponent.getId();
List<String> reorderedIdList = new
ArrayList<String>(dropParent.getChildCount());
for (UIComponent currChild : dropParent.getChildren())
{
String currId = currChild.getId();
if (!currId.equals(movedLayoutId))
{
reorderedIdList.add(currId);
if (currId.equals(dropLayoutId))
{
reorderedIdList.add(movedLayoutId);
}
}
}
change = new ReorderChildrenComponentChange(reorderedIdList);
rootParent = dropParent;
// apply the change to the component tree immediately
// change.changeComponent(rootParent);
// redraw the shared parent
AdfFacesContext.getCurrentInstance().addPartialTarget(rootParent);
return DnDAction.MOVE;
}
else
{
return DnDAction.NONE;
}
}
コンポーネント・パレットからコンポーネント・ドラッグ・ソースをドラッグ・アンド・ドロップし、ソース・コンポーネントの子としてcomponentDragSourceタグをソース・コンポーネントに追加します。たとえば、componentDragSourceタグは次のようになります。
<af:componentDragSource discriminant="col2"/>
デフォルトで、panelDashboardコンポーネントではそれ自体の内部でのコンポーネントのドラッグ・アンド・ドロップがサポートされています。つまり、panelDashboardコンポーネントでは、リスナーを実装したり、追加のタグを使用したりする必要なしに、内部のコンポーネントを並べ替えることができます。ただし、panelDashboardコンポーネントにコンポーネントをドラッグ、またはpanelDashboardコンポーネントからコンポーネントをドラッグできるようにする場合は、タグを使用し、リスナーを実装する必要があります。コンポーネントのドラッグ・アンド・ドロップをするため、panelDashboardへのドラッグの際には、componentDragSourceタグを使用します。ただし、panelDashboardではすでにドロップ・ターゲットになることがサポートされているため、dropTargetタグを使用する必要はありません。かわりに、識別値の付いたdataFlavorを使用する必要があります。タグおよび識別値は、フレームワークにそのドロップが外部コンポーネントからのものであることを知らせます。
panelDashboardからのコンポーネントのドラッグは、他のコンポーネントのドラッグ・アンド・ドロップとほとんど同じです。ターゲットにはdropTargetタグを、ソースにはcomponentDragSourceタグを使用します。ただし、dataFlavorタグと識別値も使用する必要があります。
panelDashboardコンポーネントには、ダッシュボード内のpanelBoxコンポーネントの並替えに使用するドラッグ・アンド・ドロップ機能が組み込まれているため、dropTargetタグを使用する必要はありませんが、識別値の付いたdataFlavorタグを使用し、dropListenerを実装する必要があります。その実装では、コンポーネントの並替えを処理する必要があります。
始める前に:
ドラッグ・アンド・ドロップ機能について理解しておくと役立ちます。詳細は、33.6項「panelDashboardコンポーネントでのドラッグ・アンド・ドロップ機能の追加」を参照してください。
他のADF Faces機能を使用して追加できる機能について理解することが役立つ場合もあります。詳細は、33.1.1項「ドラッグ・アンド・ドロップの追加機能」を参照してください。
始める前に:
panelDashboardコンポーネントを作成します。詳細は、9.7項「ダッシュボードでのコンテンツの配置」を参照してください。
panelBoxコンポーネントを含むpanelDashboardの外にもう1つのコンポーネントを作成します。panelBoxコンポーネントの詳細は、9.8.3項「panelBoxコンポーネントの使用方法」を参照してください。
panelDashboardコンポーネントにドラッグ・アンド・ドロップ機能を追加する手順:
構造ウィンドウで、ターゲット・コンポーネントとなる「panelDashboard」コンポーネントを選択します。
プロパティ・インスペクタで、「DropListener」に、マネージドBean上でドロップ・イベントを処理するメソッド(このコードはステップ6で作成)として評価される式を入力します。
コンポーネント・パレットで、「操作」パネルから、「データ・フレーバ」をドラッグし、子として「panelDashboard」コンポーネントにドロップします。
「データ・フレーバの挿入」ダイアログで、javax.faces.component.UIComponentを入力します。
プロパティ・インスペクタで、Discriminantを、panelDashboardコンポーネントへのドラッグを許可されたコンポーネントを識別する一意の名前(dragIntoDashboardなど)に設定します。
ステップ2で作成したEL式で参照されるマネージドBeanに、ドラッグ・アンド・ドロップ機能を処理するイベント・ハンドラ・メソッドを(EL式での名前と同じ名前を使用して)dropListener属性に対して作成します。
panelDashboardではその子コンポーネントの配置が処理されるため、このメソッドでは、パラメータとしてDropEventイベントを使用し、NONEのDnDActionを返す必要があります。
このハンドラ・メソッドでは、dropEvent.getTransferable().getData(DataFlavor.UICOMPONENT_FLAVOR)を使用して、transferableオブジェクトとそのデータを取得します。メソッドによりドロップが完了すると、org.apache.myfaces.trinidad.change.ReorderChildrenComponentメソッドを使用して子の新規順序を保存し、
ChangedropEvent.getDropSiteIndex()メソッドを使用してユーザーがドラッグしたコンポーネントを置く場所を取得することができます。dashboardComponent.prepareOptimizedEncodingOfInsertedChild()メソッドを使用して、コンポーネントのドロップをアニメーション化することもできます。
例33-8に、ADF Facesデモ・アプリケーションでdashboard JSFページにより使用されるDemoDashboardBean.javaマネージドBeanでのmoveイベント・ハンドラおよびヘルパー・メソッドを示します。
例33-8 panelDashboard Component上のDropListenerのハンドラ
public DnDAction move(DropEvent e)
{
UIComponent dropComponent = e.getDropComponent();
UIComponent movedComponent = e.getTransferable().getData(DataFlavor.UICOMPONENT_FLAVOR);
UIComponent movedParent = movedComponent.getParent();
// Ensure that we are handling the re-order of a direct child of the panelDashboard:
if (movedParent.equals(dropComponent) && dropComponent.equals(_dashboard))
{
// Move the already rendered child and redraw the side bar since the insert indexes have
// changed:
_moveDashboardChild(e.getDropSiteIndex(), movedComponent.getId());
}
else
{
// This isn't a re-order but rather the user dropped a minimized side bar item into the
// dashboard, in which case that item should be restored at the specified drop location.
String panelKey = _getAssociatedPanelKey(movedComponent);
if (panelKey != null)
{
UIComponent panelBoxToShow = _dashboard.findComponent(panelKey);
// Make this panelBox rendered:
panelBoxToShow.setRendered(true);
int insertIndex = e.getDropSiteIndex();
// Move the already rendered child and redraw the side bar since the insert indexes have
// changed and because the side bar minimized states are out of date:
_moveDashboardChild(insertIndex, panelKey);
// Let the dashboard know that only the one child should be encoded during the render phase:
_dashboard.prepareOptimizedEncodingOfInsertedChild(
FacesContext.getCurrentInstance(),
insertIndex);
}
}
return DnDAction.NONE; // the client is already updated, so no need to redraw it again
}
private void _moveDashboardChild(int dropIndex, String movedId)
{
// Build the new list of IDs, placing the moved component at the drop index.
List<String> reorderedIdList = new ArrayList<String>(_dashboard.getChildCount());
int index = 0;
boolean added = false;
for (UIComponent currChild : _dashboard.getChildren())
{
if (currChild.isRendered())
{
if (index == dropIndex)
{
reorderedIdList.add(movedId);
added = true;
}
String currId = currChild.getId();
if (currId.equals(movedId) && index < dropIndex)
{
// component is moved later, need to shift the index by 1
dropIndex++;
}
if (!currId.equals(movedId))
{
reorderedIdList.add(currId);
}
index++;
}
}
if (!added)
{
// Added to the very end:
reorderedIdList.add(movedId);
}
// Apply the change to the component tree immediately:
ComponentChange change = new ReorderChildrenComponentChange(reorderedIdList);
change.changeComponent(_dashboard);
// Add the side bar as a partial target since we need to redraw the state of the side bar items
// since their insert indexes are changed and possibly because the side bar minimized states
// are out of date:
RequestContext rc = RequestContext.getCurrentInstance();
rc.addPartialTarget(_sideBarContainer);
}
コンポーネント・パレットで、「操作」パネルから、「コンポーネント・ドラッグ元」をドラッグし、子としてソース・コンポーネントとなる「panelBox」コンポーネントにドロップします。
プロパティ・インスペクタで、「Discriminant」をステップ5で「panelDashboard」上の「Discriminant」に入力したのと同じ値になるように設定します。
panelDashboardコンポーネントからのドラッグ・アンド・ドロップ機能の実装は、識別値付きのdataFlavorタグを使用する必要があることを除けば、その他のコンポーネントの標準のドラッグ・アンド・ドロップ機能と同様です。
始める前に:
ドラッグ・アンド・ドロップ機能について理解しておくと役立ちます。詳細は、33.6項「panelDashboardコンポーネントでのドラッグ・アンド・ドロップ機能の追加」を参照してください。
他のADF Faces機能を使用して追加できる機能について理解することが役立つ場合もあります。詳細は、33.1.1項「ドラッグ・アンド・ドロップの追加機能」を参照してください。
panelDashboardコンポーネントからドラッグ・アンド・ドロップ機能を追加する方法:
コンポーネント・パレットで、「操作」パネルから、「ドロップ・ターゲット」をターゲット・コンポーネントに子としてドラッグ・アンド・ドロップします。
「ドロップ・ターゲットの挿入」ダイアログで、イベントを処理するマネージドBeanのメソッド(このコードはステップ5で作成)に評価される式を入力し、javax.faces.component.UIComponentを「FlavorClass」として入力します。
「dropTarget」タグを選択した状態のまま、プロパティ・インスペクタでaction属性の値として「MOVE」を選択します。
構造ウィンドウで、「dataFlavor」タグを選択し、プロパティ・インスペクタで、「Discriminant」をこのコンポーネントへのドラッグを許可されたpanelBoxコンポーネントを識別する一意の名前(dragOutOfDashboardなど)に設定します。
ステップ2で作成したEL式で参照されるマネージドBeanに、ドラッグ・アンド・ドロップ機能を処理するイベント・ハンドラ・メソッドを(EL式での名前と同じ名前を使用して)dropListener属性に対して作成します。
このハンドラ・メソッドでは、DropEventイベントを使用してtransferableオブジェクトとそのデータを取得し、移動を完了して、必要に応じてコンポーネントを並べ替えます。ドロップを完了したら、メソッドではNONEのDnDActionを返します。
dashboardComponent.prepareOptimizedEncodingOfDeletedChild()メソッドを使用して、panelBoxコンポーネントの削除をアニメーション化できます。
例33-9に、デモ・アプリケーションでdashboard JSFページにより使用されるoracle.adfdemo.view.layout.DemoDashboardBean.javaマネージドBeanでのhandleSideBarDropイベント・ハンドラおよびヘルパー・メソッドを示します。
例33-9 panelDashboardコンポーネントからのpanelBox移動を処理するdropListenerのイベント・ハンドラのコード
public DnDAction handleSideBarDrop(DropEvent e)
{
UIComponent movedComponent = e.getTransferable().getData(DataFlavor.UICOMPONENT_FLAVOR);
UIComponent movedParent = movedComponent.getParent();
// Ensure that the drag source is one of the items from the dashboard:
if (movedParent.equals(_dashboard))
{
_minimize(movedComponent);
}
return DnDAction.NONE; // the client is already updated, so no need to redraw it again
}
private void _minimize(UIComponent panelBoxToMinimize)
{
// Make this panelBox non-rendered:
panelBoxToMinimize.setRendered(false);
// If the dashboard is showing, let's perform an optimized render so the whole dashboard doesn't
// have to be re-encoded.
// If the dashboard is hidden (because the panelBox is maximized), we will not do an optimized
// encode since we need to draw the whole thing.
if (_maximizedPanelKey == null)
{
int deleteIndex = 0;
List<UIComponent> children = _dashboard.getChildren();
for (UIComponent child : children)
{
if (child.equals(panelBoxToMinimize))
{
_dashboard.prepareOptimizedEncodingOfDeletedChild(
FacesContext.getCurrentInstance(),
deleteIndex);
break;
}
if (child.isRendered())
{
// Only count rendered children since that's all that the panelDashboard can see:
deleteIndex++;
}
}
}
RequestContext rc = RequestContext.getCurrentInstance();
if (_maximizedPanelKey != null)
{
// Exit maximized mode:
_maximizedPanelKey = null;
_switcher.setFacetName("restored");
rc.addPartialTarget(_switcher);
}
// Redraw the side bar so that we can update the colors of the opened items:
rc.addPartialTarget(_sideBarContainer);
}
コンポーネント・パレットで、「操作」パネルから、「コンポーネント・ドラッグ元」をソースのpanelBoxコンポーネントの子として「panelDashboard」コンポーネントにドラッグ・アンド・ドロップします。
プロパティ・インスペクタで、「Discriminant」をステップ4でターゲット・コンポーネントのdataFlavorタグ上の「Discriminant」に入力したのと同じ値になるように設定します。
Calendarには、ユーザーがアクティビティのハンドルをドラッグして終了時間を変更できる機能が含まれています。ただし、ユーザーがアクティビティを別の開始時間、さらには別の日にドラッグ・アンド・ドロップできるようにする場合は、ドラッグ・アンド・ドロップ機能を実装します。ドラッグ・アンド・ドロップを使用すると、アクティビティを移動できるだけでなく、コピーすることもできます。
calendarDropTargetタグを使用して、ドラッグ・アンド・ドロップ機能を追加します。コレクションをドラッグ・アンド・ドロップするのと異なり、ソース・タグの必要はなく、アクティビティの移動はターゲット(アクティビティの移動先のオブジェクト、この場合はカレンダ)の役割です。ソース(移動またはコピーされるアイテム)がカレンダ内のアクティビティである場合、calendarDropTargetタグのみを使用します。タグでは、転送可能なオブジェクトはCalendarActivityオブジェクトになります。
ただし、Calendarの外からオブジェクトをドラッグ・アンド・ドロップすることもできます。この操作を有効にする場合は、ソース・オブジェクト(calendarActivityオブジェクト以外のオブジェクト)をドロップできるように構成されているdataFlavorタグを使用します。
始める前に:
ドラッグ・アンド・ドロップ機能について理解しておくと役立ちます。詳細は、33.7項「Calendarへのドラッグ・アンド・ドロップ機能の追加」を参照してください。
他のADF Faces機能を使用して追加できる機能について理解することが役立つ場合もあります。詳細は、33.1.1項「ドラッグ・アンド・ドロップの追加機能」を参照してください。
Calendarにドラッグ・アンド・ドロップ機能を追加する手順:
コンポーネント・パレットで、「操作」パネルから、「カレンダ・ドロップ・ターゲット」を子として「calendar」コンポーネントにドラッグ・アンド・ドロップします。
Calendarドロップ・ターゲットの挿入ダイアログで、イベントを処理するマネージドBeanのメソッドに対して評価されるdropListener属性の式を入力します(このコードは手順4で作成)。
プロパティ・インスペクタで、「Actions」を設定します。この値で、アクティビティ(または他のソース)の移動、コピー、リンクとしてコピー、またはこの3つの任意の組合せを実行できるかどうかが決まります。アクションを指定しない場合、デフォルトはCOPYです。
ステップ2でEL式に挿入されたマネージドBeanに、ドロップ・イベントのハンドラを実装します。
このメソッドでは、DropEventイベントをパラメータとして使用し、DnDActionを返す必要があります。DnDActionは、ソースをドロップするときに実行されるアクションです。有効な戻り値は、COPY、MOVEおよびLINKで、ステップ3でactions属性を定義するときに設定されます。このメソッドでは、DropEventを使用してtransferableオブジェクトを取得し、そこからドラッグされたデータ内のCalendarModelオブジェクトにアクセスし、そこから実際のデータのアクセスします。その結果、リスナーではそのデータをソースのモデルに追加してから、実行したDnDAction(DnDAction.COPY、DnDAction.MOVEまたはDnDAction.LINK)を返し、そうでない場合は、DnDAction.NONE返して、ドロップが拒否されたことを示します。
ドロップ・イベントのドロップ・サイトは、oracle.adf.view.rich.dnd.CalendarDropSiteクラスのインスタンスです。Calendarのドラッグ・アンド・ドロップ・ハンドラの例は、ADF Facesデモ・アプリケーションのoracle.adfdemo.view.calendar.rich.DemoCalendarBeanマネージドBeanのhandleDropメソッドを参照してください。
アクティビティのソースがカレンダの外部にある場合は、「データ・フレーバ」をドラッグし、子として「calendarDropTarget」タグにドロップします。このタグにより、ターゲットにドロップできるオブジェクトの型(StringやDateオブジェクトなど)が決まります。1つのドロップ・ターゲットに複数のdataFlavorタグを使用し、ドロップ・ターゲットでこれらの型のいずれも受け入れるようにすることができます。
「データ・フレーバの挿入」ダイアログで、ターゲットにドロップ可能なオブジェクトのクラス(java.lang.Objectなど)を入力します。
|
ヒント: dataFlavorタグに型指定された配列を指定するには、java.lang.Object[]のようにクラス名に大カッコ([])を追加します。 |
Calendar内のドラッグ・アンド・ドロップ・アクティビティの場合、ユーザーは表示内でのみドラッグ・アンド・ドロップを行うことができます。つまり、ユーザーは、日表示内の1つの時間スロットから別の時間スロットにアクティビティをドラッグできますが、日表示からアクティビティを切り取り、月表示に貼り付けることはできません。
ユーザーが日表示または週表示でアクティビティをドラッグ・アンド・ドロップしている場合、Calendarでは30分ごとにドロップ・サイトがマークされます。日表示では、終日のアクティビティまたは複数日のアクティビティは移動できません。
週表示では、終日のアクティビティおよび複数日のアクティビティを移動できますが、その他の終日のスロットにのみドロップできます。つまり、終日のアクティビティを、開始時間と終了時間が設定されているアクティビティには変更できません。月表示では、終日のアクティビティおよび複数日のアクティビティを任意の日に移動できます。
DVTバブル・グラフおよび散布図のドラッグ・アンド・ドロップを構成でき、それにより、ユーザーはマーカーを再配置することで、マーカーの値を変更できます。ユーザーがグラフでドラッグ・アンド・ドロップできるようにする場合、dragSourceタグとdropTargetタグを使用します。また、DataFlavorオブジェクトを使用して、ドロップ・ターゲットに対して有効なソースのJava型を決めます(この場合はGraphSelectionオブジェクト)。ドラッグ・アンド・ドロップ・アクションを受けて必要となる機能の実装も必要です。
たとえば、scatterGraphコンポーネントがあり、図33-5で示すように、従業員の職能評定を調整するために、ユーザーが人型のマーカーをドラッグできるようにします。
scatterGraphコンポーネントには、dragSourceタグとdropTargetタグの両方が含まれます。また、dataFlavorタグを使用して、ドロップされるオブジェクトの型を決めます。
ドロップ・イベントのリスナーも実装する必要があります。ドロップ・イベントのオブジェクトはtransferableと呼ばれ、ドロップのペイロードを含みます。リスナーはtransferableオブジェクトにアクセスし、ここからDataFlavorオブジェクトを使用してオブジェクトがドロップ可能なことを確認します。その後、ドロップ・イベントを使用してターゲット・コンポーネントを取得し、ドロップされたオブジェクトを使用してプロパティを更新します。
ドラッグ・アンド・ドロップ機能を追加するには、まずソース・タグとターゲット・タグをグラフに追加します。次に、ドラッグ・アンド・ドロップ・アクションのロジックを処理するイベント・ハンドラ・メソッドを実装します。実行時に行われる処理の詳細は、33.3.2項「実行時に行われる処理」を参照してください。
始める前に:
ドラッグ・アンド・ドロップ機能について理解しておくと役立ちます。詳細は、33.8項「DVTグラフのドラッグ・アンド・ドロップ機能の追加」を参照してください。
他のADF Faces機能を使用して追加できる機能について理解することが役立つ場合もあります。詳細は、33.1.1項「ドラッグ・アンド・ドロップの追加機能」を参照してください。
ドラッグ・アンド・ドロップ機能を追加する手順:
コンポーネント・パレットで、「操作」パネルから、「ドロップ・ターゲット」タグをドラッグし、子としてグラフ・コンポーネントにドロップします。
「ドロップ・ターゲットの挿入」ダイアログで、イベントを処理するマネージドBeanのメソッド(このコードはステップ6で作成)に評価される式を入力します。
「データ・フレーバの挿入」ダイアログで、ターゲットにドロップできるオブジェクトのクラス、oracle.adf.view.faces.bi.component.graph.GraphSelectionを入力します。このエントリは、dataFlavorタグを作成するために使用され、このタグにより、ターゲットにドロップできるオブジェクトの型が決まります。
プロパティ・インスペクタで、必要に応じて、「Discriminant」の値を設定します。識別値は、ターゲットにドロップできるソースを判断するために使用される任意の文字列です。たとえば、どちらもGraphSelectionオブジェクトを受け入れるGraphAとGraphBの2つのグラフがあるとします。GraphSelectionオブジェクトの2つのソースもあるとします。GraphAにalphaという値を使用して識別値を設定することにより、識別値alphaを持つGraphSelectionソースのみが受け入れられます。
構造ウィンドウで、dropTargetタグを選択します。プロパティ・インスペクタで、「Actions」の値として「MOVE」を選択します。
コンポーネント・パレットで、「操作」パネルから、「ドラッグ元」を子としてグラフ・コンポーネントにドラッグ・アンド・ドロップします。
「dragSource」タグを選択して、プロパティ・インスペクタで「MOVE」を許可されたアクションとして設定し、必要な識別値を「dataFlavor」タグに構成したとおりに追加します。
ステップ2で作成したEL式で参照されるマネージドBeanに、ドラッグ・アンド・ドロップ機能を処理するイベント・ハンドラ・メソッドを(EL式での名前と同じ名前を使用して)作成します。
このメソッドでは、パラメータとしてDropEventイベントをとり、DnDActionオブジェクトを返す必要があり、これはソースをドロップするときに実行されるアクションです(この例ではDnDAction.MOVE)。このメソッドでは、DropEventイベントをチェックし、ドロップを受け入れるかどうか判断する必要があります。ドロップを受け入れる場合、メソッドではドロップを実行し、実行したDnDActionオブジェクトを返します。そうでない場合は、ドロップが拒否されたことを示すDnDAction.NONEを返します。このメソッドでは、dataFlavorオブジェクトの存在も確認する必要があります(この例ではoracle.adf.view.faces.bi.component.graph.GraphSelection)。
ユーザーがガント・チャートとその他のコンポーネントとの間でドラッグ・アンド・ドロップできるようにする場合、dragSourceタグとdropTargetタグを使用します。また、DataFlavorオブジェクトを使用して、ドロップ・ターゲットに対して有効なソースのJava型を決めます。ドラッグ・アンド・ドロップ・アクションを受けて必要となる機能の実装も必要です。projectGanttおよびschedulingGanttコンポーネントでは、ドラッグ・アンド・ドロップ機能がサポートされています。
たとえば、projectGanttコンポーネントがあり、ユーザーがタイムラインをtreeTableコンポーネントにドラッグできるようにし、そのコンポーネントにタイムラインに関する情報が図33-6のように表示されるとします。
projectGanttコンポーネントにはdragSourceタグが含まれます。ユーザーは、表示された出力テキストのString値のみでなく、オブジェクト全体をドラッグするため、attributeDropTargetタグのかわりにdropTargetタグを使用します。
また、dataFlavorタグを使用して、ドロップされるオブジェクトの型を決めます。このタグでは、識別値を定義できます。同じオブジェクト型の2つのターゲットと2つのソースがある場合に、これは有用です。識別値を作成することで、各ターゲットで有効なソースのみが受け入れられることが保証されます。たとえば、TaskDragInfoオブジェクトを受け入れるTargetAとTargetBの2つのターゲットがあるとします。TaskDragInfoブジェクトのソースも2つあるとします。TargetAにalphaという値を使用して識別値を設定することにより、識別値alphaを持つTaskDragInfoソースのみが受け入れられます。
ドロップ・イベントのリスナーも実装する必要があります。ドロップ・イベントのオブジェクトはtransferableと呼ばれ、ドロップのペイロードを含みます。リスナーはtransferableオブジェクトにアクセスし、ここからDataFlavorオブジェクトを使用してオブジェクトがドロップ可能なことを確認します。その後、ドロップ・イベントを使用してターゲット・コンポーネントを取得し、ドロップされたオブジェクトを使用してプロパティを更新します。
ドラッグ・アンド・ドロップ機能を追加するには、まず、コンポーネントをドラッグ・アンド・ドロップ・アクションのターゲットとして定義するタグをコンポーネントに追加します。次に、ドラッグ・アンド・ドロップ・アクションのロジックを処理するイベント・ハンドラ・メソッドを実装します。最後に、ドラッグ・アンド・ドロップのソースを定義します。実行時に行われる処理の詳細は、33.3.2項「実行時に行われる処理」を参照してください。clientDropListener属性の使用方法の詳細は、33.3.3項「ClientDropListenerの使用について」を参照してください。
始める前に:
ドラッグ・アンド・ドロップ機能について理解しておくと役立ちます。詳細は、33.9項「DVTガント・チャートのドラッグ・アンド・ドロップ機能の追加」を参照してください。
他のADF Faces機能を使用して追加できる機能について理解することが役立つ場合もあります。詳細は、33.1.1項「ドラッグ・アンド・ドロップの追加機能」を参照してください。
ドラッグ・アンド・ドロップ機能を追加する手順:
コンポーネント・パレットで、「操作」パネルから、「ドロップ・ターゲット」タグをドラッグし、子としてターゲット・コンポーネントにドロップします。
「ドロップ・ターゲットの挿入」ダイアログで、イベントを処理するマネージドBeanのメソッド(このコードはステップ6で作成)に評価される式を入力します。
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ヒント: clientDropListener属性を挿入して、クライアントでドロップを捕捉することもできます。詳細は、33.3.3項「ClientDropListenerの使用について」を参照してください。 |
「データ・フレーバの挿入」ダイアログで、ターゲットにドロップ可能なオブジェクトのクラス(java.lang.Objectなど)を入力します。この選択は、dataFlavorタグを作成するために使用され、このタグにより、ターゲットにドロップできるオブジェクトの型が決まります。1つのドロップ・ターゲットに複数のdataFlavorタグを使用し、ドロップ・ターゲットでこれらの型のいずれも受け入れるようにすることができます。
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ヒント: DataFlavorタグに型指定された配列を指定するには、java.lang.Object[]のようにクラス名に大カッコ([])を追加します。 |
プロパティ・インスペクタで、必要に応じて、「Discriminant」の値を設定します。識別値は、dataFlavorで指定されたタイプのどのソースがソースとして受け入れられるかを判断するために使用される任意の文字列です。
構造ウィンドウで、dropTargetタグを選択します。プロパティ・インスペクタで、「Actions」の値を選択します。これによって、ドロップ・ターゲットでサポートされるアクションが定義されます。有効な値は、COPY(コピーして貼付け)、MOVE(切り取って貼付け)およびLINK(コピーしてリンクとして貼付け)です。
MOVE COPY
アクションが指定されない場合、デフォルトはCOPYです。
例33-10に、ドロップ・ソースとしてTaskDragInfoオブジェクトをとるdropTargetコンポーネントのコードを示します。actions属性の値としてCOPYが設定されているため、それが許可される唯一のアクションになります。
例33-10 dropTargetタグのJSPコード
<af:treeTable id="treeTableDropTarget"
var="task" value="#{projectGanttDragSource.treeTableModel}">
<f:facet name="nodeStamp">
<af:column headerText="Task Name">
<af:outputText value="#{task.taskName}"/>
</af:column>
</f:facet>
<af:column headerText="Resource">
<af:outputText value="#{task.resourceName}"/>
</af:column>
<af:column headerText="Start Date">
<af:outputText value="#{task.startTime}"/>
</af:column>
<af:column headerText="End Date">
<af:outputText value="#{task.endTime}"/>
</af:column>
<af:dropTarget actions="COPY"
dropListener="#{projectGanttDragSource.onTableDrop}">
<af:dataFlavor flavorClass= "oracle.adf.view.faces.bi.component.gantt.TaskDragInfo"/>
</af:dropTarget>
</af:treeTable>
ステップ2で作成したEL式で参照されるマネージドBeanに、ドラッグ・アンド・ドロップ機能を処理するイベント・ハンドラ・メソッドを(EL式での名前と同じ名前を使用して)作成します。
このメソッドでは、パラメータとしてDropEventイベントをとり、DnDActionオブジェクトを返す必要があり、これはソースをドロップするときに実行されるアクションです。有効な戻り値は、DnDAction.COPY、DnDAction.MOVEおよびDnDAction.LINKで、ステップ5でターゲット属性を定義したときに設定されたものです。このメソッドでは、DropEventイベントをチェックし、ドロップを受け入れるかどうか判断する必要があります。ドロップを受け入れる場合、メソッドではドロップを実行し、実行したDnDActionオブジェクトを返します。そうでない場合は、ドロップが拒否されたことを示すDnDAction.NONEを返します。
このメソッドでは、各dataFlavorオブジェクトの存在も優先順に確認される必要があります。
|
ヒント: ターゲットに複数のdataFlavorオブジェクトが定義されている場合、Transferable.getSuitableTransferData()メソッドを使用できます。このメソッドでは、Transferableオブジェクトで使用可能なTransferDataオブジェクトのListが適合性の高いものから順に返されます。 |
DataFlavorオブジェクトでは、ドロップされるデータの型(java.lang.Objectなど)が定義されます。これは、手順3で作成したJSPのDataFlavorタグでの定義と同じである必要があります。
|
ヒント: DataFlavorオブジェクトに型指定された配列を指定するには、java.lang.Object[]のようにクラス名に大カッコ([])を追加します。
ドラッグ・アンド・ドロップ・フレームワークで、サーバーの |
例33-11に、イベント・ペイロードからTaskDragInfoオブジェクトをコピーし、そのイベントを開始したコンポーネントに割り当てるハンドラ・メソッドを示します。
例33-11 dropListenerのイベント・ハンドラ・コード
public DnDAction onTableDrop(DropEvent evt)
{
// retrieve the information about the task dragged
DataFlavor<TaskDragInfo> _flv = DataFlavor.getDataFlavor(TaskDragInfo.class, null);
Transferable _transferable = evt.getTransferable();
// if there is no data in the transferable, then the drop is unsuccessful
TaskDragInfo _info = _transferable.getData(_flv);
if (_info == null)
return DnDAction.NONE;
// find the task
Task _draggedTask = findTask(_info.getTaskId());
if (_draggedTask != null) {
// process the dragged task here and indicate the drop is successful by returning DnDAction.COPY
return DnDAction.COPY;
}
else
return DnDAction.NONE;
}
コンポーネント・パレットで、「操作」セクションから、「ドラッグ元」をソース・コンポーネントの子としてドラッグ・アンド・ドロップします。
「dragSource」タグを選択して、プロパティ・インスペクタで許可されたアクションと必要な識別値を、ターゲットに構成されているとおりに設定します。