In-Memory Database CacheおよびClusterwareの構成

Oracle ClusterwareとOracle In-Memory Database Cacheでアクティブ・スタンバイ・ペアを構成するには、次の8つの手順が必要です。

1. キャッシュ・グループの作成
  キャッシュ・データベースにアクティブ・スタンバイ・ペアを設定するには、最初にキャッシュ・データベースにキャッシュ・グループを作成する必要があります。
このデータベースには、ADMIN権限を持つユーザーおよびレプリケーションに使用される一部のオブジェクトを持つキャッシュ・ユーザーを含める必要があります。
   
この例では、事前定義済のクイック・スタートDSN cachedb1_1121を使用します。
   
a. OracleにTimesTenスキーマおよびキャッシュ管理ユーザーを作成し、キャッシュ管理ユーザーに対象となるOracle表に対する権限を付与します。
   
b. インスタンス管理者としてホストmobile-qa3からttIsqlを使用して、cachedb1_1121データベースの作成または接続、あるいはその両方を実行します。
   
c. ttCWAdminは、読取り専用AWTSWT動的および非動的なローカルおよびグローバル・キャッシュ・グループをサポートします。
次のSQLスクリプトを使用して、HR部門表に基づく読取り専用キャッシュ・グループを作成します。
   
  quickstart/sample_scripts/cachegrid/create_local_ro.sql
   
  読取り専用キャッシュ・グループ
   

2. キャッシュ・グリッドからのデータベースのデタッチ

a. この手順は、データベースがキャッシュ・グリッドに現在アタッチされている場合にのみ実行する必要があります。組込みのttGridDetachを使用して、データベースをデタッチします。
 
call ttgriddetach;
   
b. プロシージャttGridNodeStatusを使用して、cachedb1がキャッシュ・グリッドにアタッチされていないことを確認します。
   
  call ttgridnodestatus;
   
 

3. TimesTenクラスタ情報の登録

a. TimesTenクラスタ情報は、Oracle Cluster Registryに格納されています。TimesTenクラスタ情報を登録するには、UNIXまたはLinuxプラットフォームのrootユーザーとして、あるいはWindowsのインスタンス管理者として、ttCWAdmin -ocrConfigコマンドをいずれかのホストで実行します。
 
ttCWAdmin -ocrConfig

4. クラスタ・エージェントの起動

a. 任意のホストでttCWAdmin -initコマンドを実行して、TimesTenクラスタ・エージェントを起動します。たとえば、mobile-qa6で実行する場合は次のようになります。
   
ttCWAdmin -init
   
  ttCWAdmin -init
   
  このコマンドによって、クラスタ内のすべてのノードでTimesTen ClusterwareエージェントとTimesTenデーモンが起動され、Oracle Clusterwareを介してその監視が開始されます。

5. TimesTen cluster.ini構成ファイルの作成

a. キャッシュ・グループを使用して基本的なアクティブ・スタンバイ・ペアを構成する場合は、MasterHostsおよびCacheConnect属性のみが必要です。
 
cachedb1_1121クラスタ・エントリ
 
cluster.oracle.iniエントリ名([cachedb1_1121]など)は、アクティブ・データベースおよびスタンバイ・データベースのシステムDSNに対応させる必要があります。
 
グローバル・キャッシュ・グループを使用するか、またはグローバル・キャッシュ・グリッド問合せを実行する必要がある場合は、GridPort属性も必要です。この属性では、キャッシュ・グリッド・メンバーであるアクティブ・スタンバイ・ペアのアクティブ・データベースとスタンバイ・データベースのキャッシュ・グリッド・エージェントが使用するポート番号がリストされます。

例: GridPort=9991,9992

TCP/IPポート番号9991および9992は任意ですが、他のTCPポート(ftp、telnetなど)と競合しないようにしてください。特に、ホスト名とポートの組合せは一意である必要があります。
 
注意: インストーラまたはttmodinstallを使用してOracle Clusterwareにサポートを追加する際に、必須のMasterHosts属性がcluster.oracle.iniファイルに作成されます。より複雑な構成を行うには、クラスタのすべてのノードで、関連する属性をcluster.oracle.iniファイルに追加する必要があります。

6. アクティブ・スタンバイ・ペアの作成

a. cachedb1_1121データベースで、既存のすべての[SQL]アクティブ・スタンバイ・ペアを削除します。
 
DROP ACTIVE STANDBY PAIR;
 
SQLが管理するアクティブ・スタンバイ・ペアとttCWAdminが管理するアクティブ・スタンバイ・ペアを混在させることはできません
キャッシュ・データベースのアクティブ・スタンバイ・ペアは、SQLまたはttCWAdminのいずれかによって管理する必要があり、その両方で管理することはできません。
 
b. 任意のホストでttCWAdmin -createコマンドを実行して、アクティブ・スタンバイ・ペアのレプリケーション・スキームを作成します。たとえば、mobile-qa3で実行する場合は次のようになります。
 
ttCWAdmin -create -dsn cachedb1_1121
 
ttCWAdminの作成[キャッシュ]
 
このコマンドによって、システムDSNおよびcluster.oracle.inicachedb1_1121エントリに基づいて、mobile-qa3および mobile-qa6マシンにcachedb1_1121データベースのレプリケーション・スキームが作成されました。

7. アクティブ・スタンバイ・ペアの開始

a. 任意のホストでttCWAdmin -startコマンドを実行して、アクティブ・スタンバイ・ペアのレプリケーション・スキームを開始します。たとえば、mobile-qa6で実行する場合は次のようになります。
 
ttCWAdmin -start -dsn cachedb1_1121
 
ttcwadminの開始[キャッシュ・グループ]
   
このコマンドは、クラスタで任意のノードから実行して、アクティブ・スタンバイ・ペアを開始できます。

注意:
ttCWAdminは、スタンバイ・マシンで自動的にRepAgentを起動して、アクティブ・データベースを複製します。
アクティブ・データベースの複製に必要な時間は、アクティブ・データベースのサイズと使用されるハードウェアのパフォーマンスに比例します。
ttCWAdminがアクティブ/スタンバイペアを開始すると、アクティブ・データベースに対するコミット済の書込みはローカル・トランザクション・ログに書き込まれます。ただし、スタンバイ・データベースへのレプリケートは、複製操作が完了するまで行われません。

ttCWAdmin -status -dsn your_DSNコマンドを使用すると、データベースの複製の進捗を確認できます。

8. キャッシュ・グループへのデータの事前ロード

a. Oracleから行をロードしてキャッシュ・グループを移入します。
 
load cache group ro commit every 256 rows;
 
  読取り専用キャッシュ・グループのロード
   
このコマンドは、アクティブ・ノードで実行する必要があります。