TimesTenインメモリー・データベースでは、起動および停止の概念がディスク・ベースのRDBMSと異なります。TimesTenでは、メモリーにロードされたデータベースは、アプリケーションで使用する準備ができています。

TimesTenの起動

TimesTenデータベースに接続する前に、TimesTenメイン・デーモン・プロセスを起動する必要があります。次のようにttDaemonAdminユーティリティを使用します。

  ttDaemonAdmin -start

データベースのロードおよびアンロード

TimesTenデータベースは、初回接続時にメモリーにロードされます。データベースのロードに必要な時間は、データベースのサイズとディスク記憶域の速度によって異なります。データベースは最後の接続が切断するメモリーに残ります。最後の接続が切断されると、データベースがロードされた状態を保持するようRAMポリシーが設定されていないかぎり、データベースはメモリーから自動的にアンロードされます。RAMポリシーの設定については、下で説明されています。

TimesTenデータベースは、データベースのスナップショットを保持するために、定期的なチェックポイントを使用してディスク記憶域に自動的に保存されます。チェックポイント・ファイルは、メモリーにデータベースをロードするために使用されます。データベースをアンロードする前に、最後のチェックポイントが実行されます。

TimesTenの停止

TimesTenデータベースを正常に停止するには、データベースからすべてのアプリケーションとエージェント・プロセスを切断してから、次のコマンドを実行します。

  ttDaemonAdmin -stop

TimesTenメイン・デーモン・プロセスが同じTimesTenインストールのすべてのデータベースを管理しているため、前述のコマンドを実行する前に、すべてのデータベースから切断する必要があることに注意してください。

アクティブなエージェント・プロセス、接続およびトランザクションが残っている場合にメイン・デーモン・プロセスを停止すると、データベースが無効化されるため、再起動時にリカバリ手順を実行する必要があります。障害が発生したデータベースのリカバリには、チェックポイント・ファイルとトランザクション・ログからのデータの取得が含まれます。リカバリが必要なデータベースを再起動するには、正常に停止されたデータベースを再起動するよりも長い時間がかかります。

RAMポリシーの設定

TimesTenでは、メイン・メモリーからデータベースをロードするタイミングおよびアンロードするタイミングを決定するRAMポリシーを指定することができます。ポリシーには、次のオプションがあります。

- inUse: データベースは、最初の接続時にロードされ、最後の切断時にアンロードされます。これは、デフォルトのポリシーです。

- Inuse: with RamGrace: 最後の切断後も、猶予期間中はデータベースがメモリーに保持されます。

- always: データベースは常にメモリーで保持され、TimesTenデーモン・プロセスの再起動時に自動的にロードされます。

- manual: データベースのロードおよびアンロードを手動で行います。

RAMポリシーを設定するには、ttAdminユーティリティを使用します。詳細は、Ramポリシーに関するドキュメントを参照してください。

ご使用の環境に適したRAMポリシーの選択

企業の運用手順とアプリケーション特性に応じて、運用環境に最適なRAMポリシー・オプションを評価する必要があります。

- 「inUse」ポリシーは、デフォルト設定であり、特に開発用として役立ちます。このポリシーのデメリットは、アプリケーションの初回接続時に、データベースがロードされるのを待機する必要があることです。データベースが比較的大きく、アプリケーションがデータベースに必ずしも接続しない場合、データベースをロードするのに不要な待機時間が発生する可能性があります。

- 「inUse with RamGrace」ポリシーは、データベースへの接続がまったく行われないアイドル時間が頻繁に発生するアプリケーションに役立ちます。データベースをメモリーに保持する猶予期間を設定することで、不要なロード/アンロード操作を回避できます。

- 「manual」 ポリシーを使用すると、データベース管理者は、TimesTenデータベースをロードおよびアンロードするタイミングについてより制御できるようになります。TimesTenアプリケーションをサポートするための操作手順の一部としてTimesTenデータベースが管理されている会社では、システムの起動および停止手順でこのポリシーが一般的に使用されます。

- 「always」ポリシーを使用すると、アプリケーションに関係なく、サーバーが起動または再起動される際は常に、データベースがメモリーに保持されます。このポリシーは、データベースを共有している複数のアプリケーションがある場合に役立ちます。