この項では、Oracle WebLogic Server 10.3でTimesTen JDBCドライバを使用するための構成に関する説明および例を示します。
前提: Oracle TimesTenおよびWeblogic Serverが同じホストマシンに正常にインストールされており、その両方のインスタンスが実行されている。
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TimesTen JDBCドライバの構成
WebLogic Serverを使用してTimesTenデータベースにアクセスするには、サーバー環境に、TimesTen JDBCドライバjarファイルおよびTimesTen共有ライブラリへのアクセス権限が必要です。次の手順を実行します。
手順1 |
UNIXまたはLinuxの場合は<WL_install_dir>/common/bin/commEnv.shスクリプトを、Windowsの場合は<WL_install_dir>/common/bin/commEnv.cmdスクリプトを編集します。ファイルで定義されているWEBLOGIC_CLASSPATH変数に、TimesTen JDBCドライバjarファイルのパスを追加します。WebLogic ServerでJDK 1.5が実行されている場合は<timesten_install_dir>/lib/ttjdbc5.jarのTimesTenドライバjarファイルを使用し、WebLogic ServerでJDK 1.6が使用されている場合はttjdbc6.jarを使用します。
<timesten_install_dir>は、Oracle TimesTenがインストールされているホーム・ディレクトリです。<WL_install_dir>は、WebLogic Serverがインストールされているホーム・ディレクトリです。 |
手順2 |
TimesTen共有ライブラリが含まれるようにLD_LIBRARY_PATH環境変数(またはご使用のOSにおける同等の変数)を変更します。<WL_install_dir>/common/bin/commEnv.shファイルに設定されている<LD_LIBRARY_PATH環境変数(またはそれに相当する変数)に、<timesten_install_dir>/libを追加します。
Windowsの場合は、TimesTen DLLが存在する<timesten_install_dir>/binディレクトリが含まれるようにPATH環境変数を設定します。PATH変数は、WebLogic Serverが実行される環境で設定されている必要があります。 |
手順3 |
WebLogic Serverを再起動して、変更を有効にします。 |
TimesTenデータ・ソースの構成
TimesTen JDBCドライバでは、TimesTenデータベースにアクセスするために、4つの異なる接続タイプがサポートされます。次の表に、接続タイプおよび接続プロパティを示します。TimesTen JDBCドライバの各接続タイプについて、一意のデータ・ソース構成が必要です。次の例では、直接リンク接続モードの場合はsampledb_1121というTimesTen DSN、クライアント/サーバー接続モードの場合はsampledbCS_1121というTimesTen DSNを参照しています。これらのTimesTen DSNは、UNIXまたはLinuxプラットフォームのodbc.iniまたはsys.odbc.iniファイルで構成するか、Windowsのデータ・ソース・アドミニストレータで構成する必要があります。
ローカル・トランザクションのみを使用した直接リンク接続 |
この構成では、TimesTenデータベース・ライブラリに処理中にリンクされます。直接リンク接続では、データベース操作で最短のレスポンス時間が得られ、より高いトランザクション・スループットが実現します。この構成を使用するには、WebLogic ServerおよびTimesTenデータベースが同じマシンで実行されている必要があります。
TimesTenクラス: com.timesten.jdbc.ObservableConnectionDS |
XA分散トランザクションを使用した直接リンク接続 |
JDBCドライバでは、XA分散トランザクションがサポートされます。直接リンク接続の場合、TimesTenデータベースは、WebLogic Serverと同じマシンに存在する必要があります。この接続タイプでは、分散トランザクションによるオーバーヘッドが発生します。
TimesTenクラス: com.timesten.jdbc.xa.TimesTenXADataSource URLプロパティの例: jdbc:timesten:direct:sampledb_1121 |
ローカル・トランザクションのみを使用したクライアント/サーバー・アクセス |
クライアント/サーバー接続は、TimesTenデータベースと異なるマシンで実行されているアプリケーションを対象とします。ここでは、WebLogic Serverはリモート・マシンからTimesTenデータベースにアクセスすることができます。この接続モードではネットワーク(TCP/IP)によるオーバーヘッドが発生するため、直接リンク接続モードよりもレスポンスに時間がかかります。
TimesTenクラス: com.timesten.jdbc.ObservableConnectionDS URLプロパティの例: jdbc:timesten:client:sampledb_1121 |
XA分散トランザクションを使用したクライアント/サーバー・アクセス |
JDBCドライバでは、XA分散トランザクションがサポートされます。クライアント/サーバー接続の場合、WebLogic Serverはリモート・マシンからTimesTenデータベースにアクセスできます。この接続タイプでは、分散トランザクションによるオーバーヘッドに加えてネットワークによるオーバーヘッドが発生します。
TimesTenクラス: com.timesten.jdbc.xa.TimesTenXADataSource URLプロパティの例: jdbc:timesten:client:sampledb_1121 |
データ・ソースは、通常、WebLogicコンソールを使用して構成されます。次に、WebLogicコンソールを使用してTimesTenデータ・ソースを構成するための手順の例を示します。
1. |
WebLogic Server管理コンソールに接続して、「データ・ソース」をクリックします。 |
2. |
「新規」をクリックします。 |
3. |
「JDBCデータ・ソースのプロパティ」画面で、データ・ソースの名前およびJNDI名を入力します。「データベースのタイプ」および「データベース」ドロップダウン・リスト・ボックスで、「その他」を選択します。画面は図1のようになります。![]() 図1 「次」をクリックします。 |
4. |
「トランザクション・オプション」画面で、「グローバル・トランザクションのサポート」が選択されていることを確認します。TimesTen非XA接続を使用する場合は、3つのトランザクション・プロトコル・オプションのうちのいずれかを選択します。画面は図2のようになります。![]() 図2 「次」をクリックします。(注意: TimesTen XA接続を使用する場合、この画面のトランザクション・プロトコル・オプションは無視されます。かわりに、WebLogicでは、トランザクションを制御するためにTimesTenに実装されているXAResourceが使用されます。) |
5. |
「接続プロパティ」画面で、データベース名、ホスト名およびポートを入力します。これらの属性はWebLogicでは必要ですが、TimesTen JDBCドライバでは使用されません。画面は図3のようになります。![]() 図3 「次」をクリックします。 |
6. |
「データベース接続のテスト」画面で、TimesTen JDBCドライバの名前を入力します。非XA接続を使用する場合は、com.timesten.jdbc.TimesTenDriverクラスを指定します。TimesTen XA接続を使用する場合は、com.timesten.jdbc.xa.TimesTenXADataSourceクラスを指定します。データ・ソースが接続されるTimesTen DSNのTimesTen JDBC URLを入力します。TimesTen URLの形式はjdbc:timesten:[direct|client]:<DSN>です。
sampledb_1121という直接的なDSNの場合、画面は図4のようになります。 「次」をクリックします |
7. |
「ターゲットの選択」画面で、データソースに関連付ける必要があるWebLogicサーバーを選択します。「終了」をクリックします。 |
TimesTenデータ・ソース構成ファイル
WebLogicコンソールを介して構成されるすべてのデータ・ソースによって、<WL_install_dir>/config/jdbcディレクトリに*-jdbc.xmlという形式のファイル名を持つXMLファイルが生成されます。<WL_install_dir>はWebLogic Serverドメインが含まれるディレクトリです。
次に、quickstart/sample_config/j2ee_weblogicディレクトリで利用可能な4つのTimesTen接続タイプ構成ファイルの例を示します。
接続タイプ | データ・ソース構成ファイルの例 |
ローカル・トランザクションのみを使用した直接リンク接続 TimesTenクラス: com.timesten.jdbc.TimesTenDriver |
SampledbDirectDS-jdbc.xml |
XA分散トランザクションを使用した直接リンク接続 TimesTenクラス: com.timesten.jdbc.xa.TimesTenXADataSource |
SampledbDirectXADS-jdbc.xml |
ローカル・トランザクションのみを使用したクライアント/サーバー・アクセス TimesTenクラス: com.timesten.jdbc.TimesTenDriver |
SampledbClientDS-jdbc.xml |
XA分散トランザクションを使用したクライアント/サーバー・アクセス TimesTenクラス: com.timesten.jdbc.xa.TimesTenXADatatSource |
SampledbClientXADS-jdbc.xml |
これらの構成ファイルを使用するには、次の手順を実行します。
- 前述の*-jdbc.xmlファイルを<wl_install_dir>/config/jdbcディレクトリにコピーします。
- <WL_install_dir>/config/config.xmlを編集して、<domain> セクションにデータ・ソース構成ファイルへの参照を含めます。
<domain>セクション:
<jdbc-system-resource>
<name>SampledbDirectDS</name>
<target>AdminServer</target>
<descriptor-file-name>jdbc/SampledbDirectDS-jdbc.xml
</descriptor-file-name>
</jdbc-system-resource>
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