サンプルのTimesTen ODBCドライバ・マネージャ

TimesTen ODBCドライバ・マネージャ(TTDM)は、Oracle TimesTen In-Memory Databaseと併用するために特別に開発および最適化された軽量のODBCドライバ・マネージャです。

ドライバ・マネージャの概要およびこれを使用する理由

ODBCベースのアプリケーションは、TimesTenデータベースに接続する際に論理名であるデータ・ソース名(DSN)に接続します(DSNによって接続先のデータ・ソースが識別されます)。接続は、ODBCドライバから提供される様々なODBC関数をコールすることで行われます。構成情報の外部リポジトリの一部に、接続を確立してデータ・ソースの使用を管理するためにODBCドライバで必要となる構成情報および制御情報とともに、使用可能な様々なDSN値が保持されています。

ODBCドライバは、ODBC APIを実装する1つのソフトウェア(通常、ある種のライブラリ)であり、特定の種類のデータ・ソースに接続する機能を提供します。たとえば、一般的なほとんどのデータベース(Oracle、SQL Server、Sybase、DB2など)で使用可能なODBCドライバがあります。それぞれの種類のデータベース(データ・ソース)で、異なるODBCドライバが必要とされます。ここに潜在的な問題があります。

各ODBCライブラリでほぼ同じ関数(ODBC APIで定義された関数)のセットが定義されて公開されているため、アプリケーションは一度に1つのODBCドライバ・ライブラリにしかリンクできません。これは、アプリケーションが異なる種類のデータ・ソースをサポートする必要がある場合、データ・ソースの種類ごとに異なるバージョンのアプリケーションを構築する必要があることを意味します。1つのアプリケーションが同時に異なる種類のデータ・ソースに接続する必要があっても(つまり、1つ以上のODBCドライバを同時に使用する必要があっても)、これを実現できないということになります。

この問題を解決するために、ドライバ・マネージャを使用します。ドライバ・マネージャ自体にODBC APIが実装されて公開されるため、アプリケーションは、個々のODBCドライバ・ライブラリのかわりに、ドライバ・マネージャ・ライブラリに直接リンクすることができます。実行時にアプリケーションから要求があると、ドライバ・マネージャは一部の構成データまたは他のメカニズムに基づいて、関連するODBCドライバ・ライブラリを動的にロードします。ドライバ・マネージャは、アプリケーションと個々のODBCドライバの間に存在して、すべてのODBCコールを仲介します。これによって、様々なODBCドライバを使用して、同時に複数のデータ・ソースに接続できるようになります。

TTDMの機能

TTDMを使用すると、アプリケーションは直接リンク・モードとクライアント/サーバー・モードの両方を同時に使用して、TimesTenデータベースに接続することができます。TTDMは、接続に使用されているDSNに基づいて、適切な接続タイプを動的に決定します。

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TTDM User's Guide
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TTDMのソースttdrvmgr.c

注意: TTDMは、現状のままソースコードとともに提供されます。オラクル社は、サンプル・ドライバ・マネージャに対してユーザーが行ったいかなる変更に関しても責任を負いかねます。