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Oracle® Enterprise Manager for Oracle TimesTen In-Memory Databaseユーザーズ・ガイド
リリース12.1.0.3.0
E64876-01
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6 パフォーマンス・サマリー・ページの操作

この章では、TimesTenパフォーマンス・サマリー・ページについて説明します。パフォーマンス・サマリー・ページには、TimesTenデータベース・ターゲット用にカスタマイズされたパフォーマンス固有の情報が表示されます。

内容は次のとおりです。

パフォーマンス・サマリー・ページの表示

パフォーマンス・サマリー・ページを表示するには、TimesTenデータベース・ターゲット・ページを開いている必要があります。TimesTenデータベース・ターゲット・ページへの移動については、「TimesTenターゲット・ページへの移動」を参照してください。

「TimesTenデータベース・ホーム」メニューから、「モニタリング」「パフォーマンス・サマリー」の順に選択します。

TimesTenパフォーマンス・サマリー・ページの情報の分析

図6-1は、ご使用のTimesTenデータベース・ターゲット用にカスタマイズされたパフォーマンス固有の7つの領域を示しています。特定のタブをクリックすると、詳しいパフォーマンス情報が表示されます。

図6-1 パフォーマンスのタブ

図6-1の説明が続く
「図6-1 パフォーマンスのタブ」の説明

各領域の説明を次に示します。

接続

「接続」タブでは、データベースの接続と切断に関する情報を表示できます。「接続」タブには次の1つのグラフ・リージョンがあります。

接続および切断

図6-2 「接続および切断」リージョン

図6-2の説明が続く
「図6-2 「接続および切断」リージョン」の説明

接続と切断の比率リージョンでは、1分当たりの接続および切断の数が折れ線グラフを使用して表示されます。

X軸は時間を表します。Y軸は1分当たりの接続と切断の数を表します。この数値は、アプリケーションによるすべての接続と切断および構成データとパフォーマンス・データを収集するためにTimesTenプラグインにより作成された接続を表します。

接続と切断の比率が高い場合は、そうした高い比率の理由を調査します。接続プールを実行するためにアプリケーションの変更を検討することもあります。

「文」タブでは、SQL文の実行率を比較および確認できます。次の4つのリージョンに分かれています。

書込み率

図6-3 「書込み率」リージョン

図6-3の説明が続く
「図6-3 「書込み率」リージョン」の説明

「書込み率」リージョンでは1秒間に実行されたINSERTUPDATEおよびDELETE文の割合が、折れ線グラフを使用して表示されます。

読取り率

図6-4 「読取り率」リージョン

図6-4の説明が続く
「図6-4 「読取り率」リージョン」の説明

「読取り率」リージョンでは1秒間に実行されたSELECT文の割合が、折れ線グラフを使用して表示されます。

実行から準備の率

図6-5 「実行から準備の率」リージョン

図6-5の説明が続く
「図6-5 「実行から準備の率」リージョン」の説明

「実行率に対する準備率の割合」リージョンでは実行中の文の全体的なパフォーマンスが折れ線グラフを使用して表示されます。

SQL文が毎回の実行ごとに準備された場合、実行に対する準備の比率は値1.0と等しくなります。この種の比率はパフォーマンスに影響します。SQL文の準備ではCPUの負荷が高くなります。SQL文が準備される回数が最小限になるように努めてください。アプリケーションではバインド変数の使用を検討してください。SQL文を一度準備して、その後に何回も実行できます。

1.0未満の値は、実行回数が準備回数よりも多いことを意味しています。この値が出現している場合、実行されている文がすでにSQLコマンド・キャッシュにあり、すでに準備されています。その結果、文の実行に必要な作業が少なくなります。

実行された文タイプの細分化

「実行された文タイプの細分化」リージョンには実行された文に関する情報が表示されます。このリージョンは次の2つのサブリージョンに分かれています。

サマリー

図6-6 「サマリー」サブリージョン

図6-6の説明が続きます
「図6-6 「サマリー」サブリージョン」の説明

「サマリー」サブリージョンには、データベースがメモリーにロードされてから実行されたSQL文の合計数が表示されます。データベースがメモリーにロードされた日時を示すフィールドもあります。

詳細

図6-7 「詳細」サブリージョン

図6-7の説明が続く
「図6-7 「詳細」サブリージョン」の説明

「詳細」サブリージョンには、TimesTenデータベース・ターゲットがメモリーにロードされてから実行されたSQL文のタイプを示す円グラフが表示されます。

ワークロード

「ワークロード」タブにはTimesTenターゲットのワークロードが表示されます。このページは次の2つのリージョンに分かれています。

書込みワークロード

図6-8 「書込みワークロード」リージョン

図6-8の説明が続く
「図6-8 「書込みワークロード」リージョン」の説明

「書込みワークロード」リージョンには、1分間に削除、挿入および更新された表の行数が折れ線グラフを使用して表示されます。

TimesTenデータベースのすべてのデータベースおよびオペレーティング・システムの統計を収集する機能を有効にすると、書込みワークロード・リージョンに値が移入されます。すべてのデータベースおよびオペレーティング・システムの統計をTimesTenが収集できるようにするには、StatsLevelパラメータをALLに設定してttStatsConfig組込みプロシージャをコールします。

Command> call ttStatsConfig('StatsLevel','ALL');< STATSLEVEL, ALL >1 row found.

ttStatsConfig組込みプロシージャの詳細は、『Oracle TimesTen In-Memory Databaseリファレンス』のttStatsConfigに関する説明を参照してください。

読取りワークロード

図6-9 「読取りワークロード」リージョン

図6-9の説明が続く
「図6-9 「読取りワークロード」リージョン」の説明

読取りワークロード・リージョンには、1分間に読み取られた表の行数が折れ線グラフを使用して表示されます。

TimesTenデータベースのすべてのデータベースおよびオペレーティング・システムの統計を収集する機能を有効にすると、読取りワークロード・リージョンに値が移入されます。すべてのデータベースおよびオペレーティング・システムの統計をTimesTenが収集できるようにするには、StatsLevelパラメータをALLに設定してttStatsConfig組込みプロシージャを実行します。

Command> call ttStatsConfig('StatsLevel','ALL');< STATSLEVEL, ALL >1 row found.

ttStatsConfig組込みプロシージャの詳細は、『Oracle TimesTen In-Memory Databaseリファレンス』のttStatsConfigに関する説明を参照してください。

準備回数と再準備回数

図6-10 準備回数と再準備回数

図6-10の説明が続く
「図6-10 準備回数と再準備回数」の説明

「準備回数と再準備回数」リージョンには、1分間に準備されたコマンド数および1分間に再準備されたコマンド数が、折れ線グラフを使用して表示されます。1分当たりに再準備されたコマンド数が多い場合は、複数の無効化が発生していることを示しています。これはパフォーマンスの低下を招きます。

ご使用のアプリケーションでバインド変数の使用を検討し、SQL文は一度準備してください。その後にそのSQL文を何回も実行できます。こうすることで、1分間に準備されるコマンド数はゼロに近づくはずです。

コミットとロールバック

図6-11 「コミットとロールバック」リージョン

図6-11の説明が続く
「図6-11 「コミットとロールバック」リージョン」の説明

「コミットとロールバック」リージョンでは、永続的にコミットされたトランザクション、コミットされたトランザクションおよびロールバック間の関係が折れ線グラフを使用して表示されます。

X軸は時間を表します。Y軸は、1秒当たりに永続的にコミットされたトランザクション、非永続的にコミットされたトランザクションおよびロールバックされたトランザクションの比率を示しています。

ロック

「ロック」ページには、TimesTenデータベース・ターゲットのロックおよび同時操作のパフォーマンスに関連した情報が表示されます。次の3つのリージョンがあります。

ロックおよびデッドロック

図6-12 「ロックおよびデッドロック」リージョン

図6-12の説明が続く
「図6-12 「ロックおよびデッドロック」リージョン」の説明

「ロックとデッドロック」リージョンでは1分当たりのデッドロックおよび1分当たりのロックの比率が、折れ線グラフを使用して表示されます。

デッドロック率はできるだけ低くする必要があります。デッドロック率が低くならない、または増加する場合は、アプリケーションがリソースを得る手段を確認します。デッドロック率がゼロ(0)よりも大きい場合は、「トランザクション・モニターの操作」を確認します。

1分当たりのロックのタイムアウト回数は少なくする必要があります。1分当たりのロックのタイムアウト回数が多い場合は、同じリソースに対する競合があることを示しています。ロックのタイムアウトの原因を見つけるには、「トランザクション・モニターの操作」を確認します。

ロックの許可

図6-13 「許可されたロック」リージョン

図6-13の説明が続く
「図6-13 「許可されたロック」リージョン」の説明

「ロックの許可」リージョンでは、1分当たりのロックの許可件数が折れ線グラフを使用して表示されます。待機後に付与されたロックの比率は低くなっている必要があります(この比率が低いことは、ロックが定時に取得されたことを示しています)。この比率はゼロになるのが理想です。

待機なしで取得されたロックの比率

図6-14 「待機せずに取得したロックの割合」リージョン

図6-14の説明が続く
「図6-14 「待機せずに取得したロックの割合」リージョン」の説明

「待機なしで取得されたロックの比率」では、1分当たりの即時許可の比率を1分当たりの許可の合計比率で割った値が、折れ線グラフを使用して表示されます。このパーセンテージは100%に近くなる必要があります(100%はロックが待機なしで取得されることを示します)。このグラフはTimesTenターゲットでのロックの競合と同時性を確認するための良い指標となります。

トランザクション・ログ

「トランザクション・ログ」ページには、ログの保持に関する情報とログ保持のパフォーマンスが表示されます。このページは2つの副タブに分かれています。

ログの保持

「ログ・ホールド」サブタブには、TimesTenデータベース・ターゲットで実行された様々な操作について保持されているログのレポートが示されます。このような操作にはトランザクション、チェックポイント、レプリケーションなどがあります。

図6-15 「ログ・ホールド」リージョン

図6-15の説明が続く
「図6-15 「ログ・ホールド」リージョン」の説明

「ログの保持」表には、ttLogHolds組込みプロシージャと同じ列および同じ値が入っています。ttLogHoldsの詳細は、『Oracle TimesTen In-Memory Databaseリファレンス』のttLogHoldsに関する説明を参照してください。この表を使用して、ログ・バッファに依存する操作の程度を監視します。

「ログ・ホールド」表のログの累積が開始されている場合は、トランザクション・ログ・ファイルのパージを許可していない操作を確認します。

ログ・パフォーマンス

「ログ・パフォーマンス」ページではログ・バッファのパフォーマンスを確認できます。「ログ・パフォーマンス」サブタブは次の2つのリージョンに分かれています。

ログの読取り回数とログのフラッシュ回数

図6-16 「ログ読取りおよびフラッシュ」リージョン

図6-16の説明が続く
「図6-16 「ログ読取りおよびフラッシュ」リージョン」の説明

「ログの読取り回数とログのフラッシュ回数」リージョンでは、1分当たりのファイル・システムからのログ読取り回数と1分当たりのファイル・システムへのログ・フラッシュ回数が、折れ線グラフを使用して表示されます。ログの読取り回数もログのフラッシュ回数も少ない状態である必要があります。ファイル・システムからのログの読取り回数の率がゼロではないということは、レスポンス時間の低下につながります。メモリーからのログ・レコードの読取りははるかに速いため、すべてのログ・レコードがディスクからではなくメモリー(ログ・バッファ)から読み取られることが理想的です。

ファイル・システムへのログ・フラッシュが高率であることは、より大きなログ・バッファが必要であるか、またはチェックポイント、レプリケーション、XLAなどの操作の実行が遅く、ログ・バッファがディスクに残ってしまうことを示している場合があります。

ログ・バッファ待機

図6-17 「ログ・バッファ待機」リージョン

図6-17の説明が続く
「図6-17 「ログ・バッファ待機」リージョン」の説明

ログ・バッファ待機(秒)リージョンでは、ログ・ファイルを使用する操作の実行状況を確認できます。この値は0である必要があります。ゼロ以外の値は、ログ・バッファへの書込み前にトランザクションが待機する必要があったことを示します。

チェックポイント

図6-18 「チェックポイント」表

図6-18の説明が続く
「図6-18 「チェックポイント」表」の説明

「チェックポイント」表には、過去24時間のチェックポイント履歴が表示されます。識別子は、チェックポイントの一意の数値識別子です。識別子はデータベースが存続している間、単純に増加します。データベースを破棄すると、識別子はリセットされます。データベースは破棄するが、Enterprise Managerでターゲットを維持する場合は、破棄されたデータベースと新しいデータベースの両方のチェックポイントが混ざって表示されます。新しいデータベースの識別子は小さい値の場合が多く、表の一番下に表示されます。新しいデータベースの識別子を表の上の方に表示する場合は、「開始時間」でソートします。

「タイプ」の有効な値は、「静的」、「ブロック中」、「ファジー」または「なし」です。「開始者」の有効な値は、「ユーザー」、「チェックポインタ」または「サブデーモン」です。「使用済ブロック」列の値は、書き込まれた使用済ブロックの数です。これらのブロックは、最後のチェックポイント以降に変更されたブロックです。「率」列の値は、1秒当たりに書き込まれる容量です(メガバイト単位)。「ステータス」列の有効な値は「進行状況」、「完了」または「失敗」です。

TimesTenプラグインでは、10分ごとにTimesTenデータベース・ターゲットをポーリングし、最新の8つのチェックポイントを確認します。10分の間隔にチェックポイントが9つ以上ある場合は、最新の8つのチェックポイントのみが表示されます。列ヘッダーをクリックすると開始時間でチェックポイントをソートできます。