クライアント認証とは、クライアントによって提供される証明書に基づいて行われる、Oracle Traffic Director仮想サーバーによるクライアントの検証です。
クライアント認証は、デフォルトでは有効化されません。管理コンソールまたはCLIを使用して、クライアントに証明書の提供を要求するようにOracle Traffic Directorリスナーを構成できます。
管理コンソールを使用したクライアント認証の構成
管理コンソールを使用してリスナーのクライアント認証を有効化するには、次の操作を行います。
2.3.2項「管理コンソールへのアクセス」の説明に従って、管理コンソールにログインします。
ページの左上隅にある「構成」ボタンをクリックします。
使用可能な構成のリストが表示されます。
自己署名証明書を作成する構成を選択します。
ナビゲーション・ペインで、「HTTPリスナー」を展開し、クライアント認証を構成するリスナーを選択します。
「リスナー設定」ページが表示されます。
ページの「詳細設定」セクションに移動し、「SSL」サブセクションにスクロール・ダウンします。
必要な「クライアント認証」モードを選択します。
必須: サーバーがクライアントに証明書を要求し、クライアントが証明書を提供しない場合、接続はクローズされます。
オプション: サーバーはクライアントに証明書を要求しますが、必須ではありません。クライアントにより証明書が提供されなくても、接続は確立されます。
False (デフォルト): クライアント認証は無効化されます。
「認証タイムアウト」および「最大認証データ」パラメータを指定します。
画面上のヘルプおよびプロンプトがすべてのパラメータに提供されています。
フィールドの値を変更する、または変更したテキスト・フィールドからタブアウトすると、ページの右上隅にある「保存」ボタンが有効になります。
「リセット」ボタンをクリックすることで、いつでも変更を破棄できます。
必要な変更を行った後、「保存」をクリックします。
更新されたリスナーが保存されたことを確認するメッセージが、「コンソール・メッセージ」ペインに表示されます。
さらに、「デプロイメント保留中」メッセージが、メイン・ペインの上部に表示されます。4.3項「構成のデプロイ」の説明に従い、「変更のデプロイ」をクリックして更新された構成を即座にデプロイすることも、さらに変更を行いその後でデプロイすることもできます。
CLIを使用したクライアント認証の構成
リスナーのクライアント認証を有効化するには、set-ssl-prop
コマンドを実行します。
たとえば、次のコマンドでは、リスナーhttp-listener-1
のクライアント認証が必須とされ、認証タイムアウト時間は60秒、バッファ可能な認証データの最大長は262144バイトと設定されます。
tadm> set-ssl-prop --config=soa --http-listener=http-listener-1
client-auth=required max-client-auth-data=262144 client-auth-timeout=60
OTD-70201 Command 'set-ssl-prop' ran successfully.
更新された構成を有効にするには、deploy-config
コマンドを使用して、構成をOracle Traffic Directorインスタンスにデプロイする必要があります。
この項で説明されたCLIコマンドの詳細は、『Oracle Traffic Directorコマンドライン・リファレンス』を参照するか、--help
オプションを付けてコマンドを実行してください。