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Oracle® Database Express Edition 2日でJava開発者ガイド
11g リリース2
B66472-01
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8 ユニバーサル接続プールの作成

接続プールは、データベース接続オブジェクトのキャッシュです。オブジェクトは、アプリケーションでデータベースへの接続に使用できる物理的なデータベース接続を表します。実行時に、アプリケーションはプールに接続をリクエストします。リクエストを満たすことができる接続がプールにある場合、その接続がアプリケーションに戻されます。接続が見つからない場合は、新しい接続が作成されてアプリケーションに戻されます。アプリケーションは、その接続を使用してデータベースで処理を実行した後、オブジェクトをプールに返します。その接続は次の接続リクエストに使用できます。

Universal Connection Pool (UCP) for JDBCは、JDBC接続をキャッシュするための接続プールを実装します。データベース集約型のJavaアプリケーションでは、この接続プールを使用することでパフォーマンスが向上し、システム・リソースをより効率的に利用します。UCP JDBC接続プールでは任意のJDBCドライバを使用して物理接続を作成することができ、作成した接続はプールで管理されます。このプールは構成可能で、アプリケーションのパフォーマンス要件や可用性要件に基づいてプールの動作を最適化するために使用するプロパティが一とおり用意されています。さらに高度なアプリケーションでは、UCP for JDBCのプール・マネージャを使用して、プール・インスタンスを管理できます。


関連項目:

『Oracle Universal Connection Pool for JDBC開発者ガイド』

この章では、ユニバーサル接続プールの作成方法について説明します。この章は次の項で構成されています。

8.1 JDeveloperプロジェクト・プロパティの設定

ユニバーサル接続プールを作成するには、次の手順を実行し、JDeveloperプロジェクトのプロパティを最初に設定する必要があります。

  1. 「アプリケーション」メニューから「デフォルト・プロジェクト・プロパティ」を選択します。

    図8-1 デフォルト・プロジェクト・プロパティの設定

    図8-1の説明が続きます。
    「図8-1 デフォルト・プロジェクト・プロパティの設定」の説明

  2. 「デフォルト・プロジェクト・プロパティ」画面の左パネルにある「ライブラリとクラスパス」をクリックします。

    図8-2 「ライブラリとクラスパス」の設定

    図8-2の説明が続きます。
    「図8-2 「ライブラリとクラスパス」の設定」の説明

  3. 「デフォルト・プロジェクト・プロパティ」画面の右パネルにある「Jar/ディレクトリの追加」をクリックします。

    「アーカイブまたはディレクトリの追加」画面が表示されます。

  4. $ORACLE_HOME/ucp/libフォルダ内のucp.jarファイルを選択し、「選択」をクリックします。

    図8-3 「アーカイブまたはディレクトリの追加」画面

    このイメージは、jarをクラスパスに追加する方法を示しています。
  5. 「OK」をクリックします。

8.2 株価表示機アプリケーションの作成

次の例は、ユニバーサル接続プールを使用してデータベースから株価情報を取得する株価表示機アプリケーションです。この例を使用して、ユニバーサル接続プールのプロパティを表示したり、プール・インスタンスをシャットダウンすることなく実行時にプロパティを変更したり、ユニバーサル接続の統計を表示したりなどの操作を実行できます。この例を実行する手順は、次のとおりです。

  1. 「アプリケーション・ナビゲータ」パネルで、「新規アプリケーション」をクリックします。

    図8-4 「アプリケーション・ナビゲータ」パネルのオプション

    このイメージは、新規アプリケーションの作成方法を示しています。
  2. 「アプリケーションの名前付け」画面で、「アプリケーション名」としてStockTickerAppと入力し、「次へ」をクリックします。

  3. 「プロジェクトの名前付け」画面で、「プロジェクト名」としてStockTickerProjと入力し、「終了」をクリックします。

  4. 「ファイル」メニューから「開く」をクリックします。

  5. UCPDemo.javaClientSimulator.javaDBConfig.javaHttpServer.javaおよびDbConfig.propertiesファイルを選択し、「開く」をクリックします。

  6. DbConfig.propertiesファイルで、ユーザー名、パスワードおよびOracleデータベースのURLの情報が正しいことを確認します。

    図8-5 コード・エディタ内のDbConfig.propertiesファイル

    このイメージは、DBConfigファイルのコンテンツを示しています。
  7. コード・エディタで「UCPDemo.java」タブを右クリックし、「StockTickerProj.jprに追加」を選択します。

    図8-6 プロジェクトへのソース・ファイルの追加

    このイメージは、ファイルをプロジェクトに追加する方法を示しています。
  8. 「プロジェクト・コンテンツに追加」画面で、コンテンツ・パスのデフォルト値を維持したまま、「OK」をクリックします。

    図8-7 「プロジェクト・コンテンツに追加」

    このイメージは、ファイルをプロジェクトに追加する方法を示しています。
  9. ClientSimulator.javaDBConfig.javaHttpServer.javaおよびDbConfig.propertiesファイルについて、手順7および8を繰り返し、これらのファイルをStockTickerProjプロジェクトに追加します。

  10. 「アプリケーション・ナビゲータ」ウィンドウでUCPDemo.javaファイルを右クリックし、「メイク」をクリックします。

  11. 「実行」メニューから「アクティブな実行構成を選択」を選択し、「実行構成の管理」を選択します。

    図8-8 「実行」メニューのオプション

    図8-8の説明は次にあります。
    「図8-8 「実行」メニューのオプション」の説明

  12. 「プロジェクト・プロパティ」画面で、StockTickerProjプロジェクトの「編集」をクリックします。

    図8-9 StockTickerProjプロジェクトの「プロジェクト・プロパティ」画面

    図8-9の説明は次にあります。
    「図8-9 StockTickerProjプロジェクトの「プロジェクト・プロパティ」画面」の説明

    「実行構成の編集」画面が表示されます。

  13. 「プログラムの引数」フィールドに、8067またはシステム上の空きポートを入力し、「OK」をクリックします。

    図8-10 「実行構成の編集」画面

    図8-10の説明は次にあります。
    「図8-10 「実行構成の編集」画面」の説明

  14. 「OK」をクリックし、「プロジェクト・プロパティ」画面を終了します。

  15. 「アプリケーション・ナビゲータ」ウィンドウでUCPDemo.javaファイルを右クリックし、「実行」をクリックします。

8.3 出力の監視

アプリケーションを実行すると、最初の数秒間で株価データがデータベースに保存されます。図8-11のように、...ready to go!というメッセージが画面に出力されるまで待ちます。

図8-11 JDeveloperログ内の株価表示機アプリケーションの出力

このイメージは、株価表示機デモの出力を示しています。

メッセージが表示された後、UCPデモ・サーバーが起動し実行状態になるため、このサーバーを次の手順で使用できます。

  1. ブラウザのアドレス・バーに、次のURLを入力します。

    http://localhost:8067

    ユニバーサル接続プール・デモ・ページが表示されます。

    図8-12 ブラウザを使用したユニバーサル接続プールからの情報取得

    このイメージは、ブラウザ上のUCPオプションを示しています。
  2. Try the Demo:セクションの下にあるリンクをクリックし、データベースから株価情報を取得します。

    UCPプロパティを表示するには、Show UCP Propertiesをクリックします。

    図8-13 UCPプロパティ・ページ

    図8-13の説明は次にあります。
    「図8-13 UCPプロパティ・ページ」の説明

    Get Stock Price from Databaseをクリックして株価表示機を実行します。

    図8-14 ブラウザ上の株価表示機ページ

    図8-14の説明は次にあります。
    「図8-14 ブラウザ上の株価表示機ページ」の説明

    UCP統計を表示するには、Show UCP Statisticsをクリックします。

    図8-15 ブラウザ上のUCP統計ページ

    図8-15の説明は次にあります。
    「図8-15 ブラウザ上のUCP統計ページ」の説明

    UCPプロパティを更新するには、Dynamically Reconfigure UCP Propertiesをクリックします。


    注意:

    Dynamically Reconfigure UCP Propertiesリンクをクリックすると、ブラウザ上でUCPプロパティを変更できます。ただし、関係するデータベースが単一インスタンス・データベースでないプロパティを設定しようとすると、例外がスローされることがあります。

    図8-16 ブラウザ上のUCPプロパティ更新ページ

    図8-16の説明は次にあります。
    「図8-16 ブラウザ上のUCPプロパティ更新ページ」

    サービスを同時使用する多数の株価表示機クライアントをシミュレートするには、Run Massive Website Client Access Simulationをクリックします。

    図8-17 ブラウザ上のクライアント・シミュレータ・ページ

    図8-17の説明は次にあります。
    「図8-17 ブラウザ上のクライアント・シミュレータ・ページ」の説明

    このページには次のフィールドが含まれています。

    フィールド 説明
    Ticket server URL 表示機WebサービスのURLを指定します。
    Number of simulated users (threads) to run 実行する同時スレッドの数を指定します。
    Number of ticket requests per user 各スレッドで実行する表示機リクエストの数を指定します。