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Oracle® Fusion Middleware Oracle Adaptive Access Manager開発者ガイド
11gリリース2(11.1.2)
B71697-01
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26 ネイティブ・アプリケーションのOAAM 11gへの移行

この章では、現在SOAP認証を使用している既存のネイティブ統合の10.1.4.5アプリケーションを、11gに移行するための関連作業について説明します。

26.1 移行の準備

既存のネイティブ統合アプリケーションを移行するための前提条件は次のとおりです。

26.2 ネイティブの静的リンク付けされた(In-Proc)アプリケーションのOAAM 11gへの移行

このネイティブ統合では、ローカルAPIコールのみが関係しているため、リモート・サーバーのリスク・エンジンがコールされることはありません。この統合では、アプリケーションにOAAMの処理エンジンが埋め込まれるため、基礎となるデータベースを処理に直接活用することが可能になります。

ネイティブ統合されたIn-ProcアプリケーションをOAAM 11gに移行するには、次のようにします。

26.2.1 OAAM JARファイルへの静的リンクのかわりとしてのOAAM共有ライブラリの使用

Oracle Adaptive Access Managerの共有ライブラリを使用するには、WebLogicデプロイメント・ディスクリプタ・ファイル(weblogic.xml)に次のエントリを追加して、共有ライブラリを参照する必要があります。

<library-ref>
       <library-name>oracle.oaam.libs</library-name>
</library-ref>

26.2.2 すべての構成可能なプロパティのoaam_custom.propertiesファイルへの移動

アプリケーションの移行の一環として、次の手順を実行する必要があります。

  1. すべての構成可能なプロパティをoaam_custom.propertiesに移動します。

  2. ネイティブ・アプリケーションから他のすべてのOAAMプロパティ・ファイルを削除します。

  3. 古いOAAM JARファイルをすべて削除します。

26.3 ネイティブSOAPアプリケーションのOAAM 11gへの移行

Webアプリケーションは、Webサービスを介してOAAMと通信します。

ネイティブSOAPアプリケーションをOAAM 11gに移行するには、この項の手順に従ってください。

26.3.1 OAAM JARファイルへの静的リンクのかわりとしてのOAAM共有ライブラリの使用

Oracle Adaptive Access Managerの共有ライブラリを使用するには、WebLogicデプロイメント・ディスクリプタ・ファイル(weblogic.xml)に次のエントリを追加して、共有ライブラリを参照する必要があります。

<library-ref>
       <library-name>oracle.oaam.libs</library-name>
</library-ref>

26.3.2 すべての構成可能なプロパティのoaam_custom.propertiesファイルへの移動

アプリケーションの移行の一環として、次の手順を実行する必要があります。

  1. すべての構成可能なプロパティをoaam_custom.propertiesに移動します。

  2. oaam_custom.propertiesに次のプロパティが設定されていることを確認します。

    • vcrypt.tracker.soap.useSOAPServer=true

    • vcrypt.soap.disable=false

    • bharosa.config.impl.classname=com.bharosa.common.util.BharosaConfigPropsImpl

    • bharosa.config.load.impl.classname=com.bharosa.common.util.BharosaConfigLoadPropsImpl

  3. ネイティブ・アプリケーションから他のすべてのOAAMプロパティ・ファイルを削除します。

  4. 古いOAAM JARファイルをすべて削除します。

26.3.3 SOAP/Webサービス・アクセスの構成

SOAPまたはWebサービス・アクセスの構成方法の詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle Adaptive Access Manager管理者ガイド』の「SOAP Webサービス・アクセスの構成」を参照してください。

26.4 OAAM共有ライブラリを使用できないネイティブ・アプリケーションの移行

次のプロセスでは、現在SOAP認証を使用している、既存の10.1.4.5のネイティブ統合されたアプリケーションを11gに移行する方法について説明します。

26.4.1 OAAM 11g JARファイルの使用

上述のファイルをコピーした後で、$ORACLE_HOME/oaam/cli/libフォルダのoaam_core.jarファイルをアプリケーション・ライブラリ・ディレクトリにコピーできます。$ORACLE_HOMEは通常、ミドルウェア・ホームのORACLE_IDM1フォルダになります。

26.4.2 OAAM 11gプロパティ・ファイルのコピー

更新されたプロパティ・ファイルとライブラリはすべて、$ORACLE_HOME/oaam/cliフォルダに置かれます。conf/bharosa_propertiesフォルダには更新されたプロパティが、libフォルダには更新されたライブラリが含まれます。

既存のネイティブ統合されたアプリケーションをアップグレードする場合は、まず、既存のbharosa_propertiesフォルダの内容を削除してから、$ORACLE_HOME/oaam/cli/conf/bharosa_propertiesディレクトリの内容に置き換えることができます。

26.4.3 oaam_custom.propertiesファイルの構成可能なプロパティの指定

10gでは、すべてのクライアント固有の構成オーバーライドがbharosa_client.propertiesファイルで作成されていましたが、今回はこれらのオーバーライドをoaam_custom.propertiesファイルで作成する必要があります。これは通常、同じ目的のためにサーバー側で変更されるファイルです。古いbharosa_client.propertiesの内容に次の新しいプロパティを追加したoaam_custom.propertiesファイルを、次の情報を含むアプリケーションのbharosa_propertiesフォルダで作成する必要があります。

# New Properties

vcrypt.tracker.soap.useSOAPServer=true

vcrypt.soap.disable=false

bharosa.config.impl.classname=com.bharosa.common.util.BharosaConfigPropsImpl

bharosa.config.load.impl.classname=com.bharosa.common.util.BharosaConfigLoadPropsImpl

これらの新しいプロパティは、OAAMサーバー・コンポーネントとの通信に一般的なSOAP実装クラスを使用することを新しいライブラリに指示します。また、OAAMデータベースを参照してBharosaConfigクラスから取得したプロパティを読み取るのではなく、ローカル・プロパティ・ファイルから取得します。

これらのプロパティは、既存のbharosa_client.propertiesファイルの内容とともに使用されることに注意してください。このファイルには、SOAPユーザー名やSOAPキーストア情報も含まれている必要があります。注意: 10gでSOAP認証を設定していない場合は、10.1.4.5のOracle Adaptive Access Managerインストレーションおよび構成ガイドの暗号化の設定に関する項を参照して、新しい11g環境で使用するSOAPキーストアを作成してください。