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Oracle® Fusion Middleware Oracle Adaptive Access Manager開発者ガイド
11gリリース2(11.1.2)
B71697-01
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28 FAQ/トラブルシューティング

この章では、トラブルシューティングのヒントとよくある質問に対する答えについて説明します。この項の内容は、次のとおりです。

28.1 My Oracle Supportを使用したその他のトラブルシューティング情報

Oracle Fusion Middlewareの問題の解決にMy Oracle Support(以前のMetaLink)を使用できます。My Oracle Supportには、次のような有用なトラブルシューティング・リソースが含まれています。


注意:

サービス・リクエストを登録する場合にMy Oracle Supportを使用することもできます。


My Oracle Supportにはhttps://support.oracle.comからアクセスできます。

28.2 複雑な問題を解決するための手法

この項では、複雑な問題をより簡単に解決するためのプロセスについて説明します。内容は次のとおりです。

28.2.1 簡単な手法

問題の解決を目指して、いくつかの簡単なトラブルシューティング手法を順に実施できます。

手順 説明

経験

以前にもこの問題を経験しているか、問題の解決策がわかっています。

フォーラムへの投稿

これは最初の手順ではありません。基本的な手順を適用した後、第2の意見が必要である場合にのみ有効です。厳密な分析中に行うのが妥当であり、分析前に行うのは適切ではありません。

直感的な飛躍(推測)

問題から単純に原因を推測できます。勘で問題またはその原因がわかります。これは場合によっては非常に効率的であり、すばやい解決につながりますが、適切な確認を怠ると、症状が長引き、真の原因を解決できないことがあります。

基本的な診断の確認

ログでエラーおよびフローを確認します。フロー(HTTPヘッダー、ネットワーク・パケット・トレース、SQLトレース、strace)を確認します。フローを実行し、文書化します。構成詳細を照合してチェックし、予想したとおりのフローであることを確認します。

エラー・メッセージの確認

エラーおよびフローの情報を確認することにより、大きな手がかりを得ることができます。コンポーネントの動作に関するナレッジと合せることにより、理解を深めることができます。常に、ナレッジ(Oracleおよび検索エンジン)に一致する事例がないか確認してください。エラーが重大かどうかを判断するために必要な診断を実行します。エラーが複数ある場合は、どのエラーが原因であり、どのエラーが単なる結果であるかを調べます。

比較

ログおよびフローを稼働中のシステムと比較します。テスト・ケースを実行します。エラーが特定のサイトのみで発生する場合は、違いを比較します。

分断

問題を分割します。


28.2.2 分断攻略

この項では、問題を切り分けて管理可能な単位にする手順を示します。

プロセス 説明

問題の単純化

問題を可能なかぎり単純にします。

不要なコンポーネントの削除

ほとんどの問題には、複雑なコンポーネントおよび各コンポーネント間の結合が関連しています。また、サード・パーティのコンポーネントが関連していることがほとんどです。このため、可能であれば、まずサード・パーティのコンポーネントを削除し、次にできるだけ多くのコンポーネントおよびカスタム・コンポーネントを削除します(たとえば、コマンドラインはアプリケーションでないか、SQLPLUSはアプリケーションでないか)。

複雑さの軽減

症状は同じでより単純な問題が存在するかどうかを調べるテストを実施します(たとえば、複雑な選択のコンポーネントをまたは検索フィルタ削除し、1つのリクエストまたは数件のリクエストで十分かどうかを確認します)。

たとえるのであれば漏れ穴のある埋設管の修理

複雑な構成を、漏れ穴のある埋設管として考えます。どこかがおかしいことを知っています(漏れ穴があるのは知っていますが、どこにあるのかはわかりません)。

コンポーネントの列記

各コンポーネントを枠で囲み、次のコンポーネントと結び付ける線を引きます。これらを結合する際のプロトコルに注意してください。

両端の確認

入れたものと出てくるものは同じである必要があります。出入りするデータに問題が生じる場合、問題があるのはどちらかの端です。フローが予想どおりではない場合、問題はその途中にあります。

横向きのY

構成内のポイントをテストし、逸脱が生じている場所を見つけます。1つの構成部分が予想どおりに動作することが(確実に)わかれば、その部分は無視できます。

繰返し

このループを繰り返して、問題を突き止めます。

ヘルプ

サード・パーティのコンポーネントが問題に関連している場合は、他社からのサポートを受け、協力して問題を解決します。


28.2.3 厳密な分析

次のような場合、プロセスの全部または一部を適用する必要があります。

  • 問題が複雑な場合

  • 問題が大幅に拡大した場合

  • 最初の試行で問題が解決しなかった場合

  • 問題を制御できなくなってきた場合

  • 問題を制御できなくなる可能性がある場合

28.2.4 分析のプロセス・フロー

分析のプロセス・フローは次のとおりです。

  1. 問題を記述します。

  2. 問題を詳述します。

    次のものに基づいて、考えられる原因を展開します。

    1. 知識と経験

    2. 差異と変更

  3. 考えられる原因を詳述書に対してテストします。

  4. 最も可能性の高い原因を特定します。

  5. 解決策を検証します。

28.2.4.1 問題の記述

問題を記述することは、問題を解決するために最も重要な手順です。

手順 説明

明確かつ正確な問題記述を確実に行う

問題の記述は最も重要な手順です。このことは無視されることが多いか、または少なくとも問題記述があることが前提になっています。問題記述を行わずに問題を解決しようとしても、意味がありません。そうでなければ、実際に何を解決しようとしているのかがあいまいになります。問題の本質がわからなければ、問題の解決方法もわかりません。

記述された問題を説明できるかどうかを考察する

説明できる場合は問題記述ではありません。問題記述が説明可能な場合は前に戻って、より正確な問題記述を作成してください。他の人の問題解決を支援する場合は、ここからコミュニケーションを開始します。直接的な質問をして問題を絞り込むか、電話で担当者と話して真の問題を明確にします。問題が多数ある場合は、それらを個別の問題として書き留めます。

あいまいな記述で妥協しない

「パフォーマンスが悪い」、「何かがクラッシュする」などのあいまいな問題記述は無意味であり、問題が長引き制御がきかなくなる原因となります。

複数の問題を1つの記述にまとめない

対処する問題は常に1つにします。1つにまとめられた問題を受け入れないでください。1つにまとめられた問題は、別々の問題が複数存在するか、一部の問題が実際には症状であるかのどちらかです。


28.2.4.2 問題の詳述

問題を詳述し、明確な質問をして関連情報を収集します。

手順 説明

問題を詳述する

これらは問題の症状です。

まず質問をする

何が、どこで、いつ、どの程度といった質問をします。

何が

「何が」は明確な質問であり、通常は事実と症状(何が予測から逸脱しているか)のリストになります。

どこで

「どこで」は関連しない場合もありますが、重要であることが多いのに見過ごされることも多いため、価値のある質問です。

いつ

パターンを特定したり、どの変更によって問題が発生したかを判断するうえで時系列が役立つため、「いつ」は重要な質問です。

どの程度

「どの程度」または「どれだけの数量」は、考えられる原因を特定するうえで非常に有用です。たとえば、システム全体であれば、システム全体が影響を受けるどうかを確認するか、テスト・ケースを試行します。「どれくらいの頻度で」は、非常に重要です。1週間に1回と1秒に複数回では大きな違いがあり、どのような種類の問題であるかを把握する大きな手がかりとなります。

症状と事実を列記する

症状と事実、およびそれらの重要度を列記します。

何が変更されたか

何かが変更されたことは確かですが、問題が最初から常にあった場合は除きます。これは特殊なケースです。

想定

提供されたデータを検証し、競合や矛盾がないかを確認します。

必ず、想定がないかを確認します。検証されておらず想定でしかない情報を、注意深く特定してください。実際に、これは特に技術的な経験が豊富なアナリストにありがちな誤りです。しかし、経験の少ないアナリストが自分より知識があると思われる人から詳細情報を得るような場合にも多く起こることです。その想定がどれほど些細なものに見えても、その実証と確認は怠らないでください。


28.2.4.3 最初から機能していなかった要素

コンポーネントが前から機能していなかった場合、次の手順を実行します。

考慮事項 説明

パフォーマンス問題の場合、動作と期待を考慮する

ある要素が最初から正常に機能したことがない場合は、まず、正常な動作とは何か、それが合理的であるかを判断する必要があります。これによって、最初から適切な期待を明確にできます。これは特に、パフォーマンスの問題に該当します。

誤解がないことを確認する

要件が合理的かどうかを判断します。

リンゴとみかんを比較しない

具体的な目標について合意します。その問題のみに取り組みます。

関連するすべてのコンポーネントを考慮する

関連するすべてのコンポーネントについて考慮します。

  • ソフトウェアのみでない

  • ハードウェアの速度は十分か

認識を変えるだけが解決策かどうかを考慮する

問題があると思った理由は何ですか。

  • 人的な要因

  • 認識


28.2.4.4 「である」および「でないが、かもしれない」

何が問題であって、何が問題でないか、何が問題である可能性があるかを考慮します。

手順 説明

「である」および「でないが、かもしれない」

事実または症状ごとに、「である」か、「でないが、かもしれない」かという質問をします。

比較を提供する

多くの場合、テスト・ケースが問題を比較するための手段となります。

問題が再現された場合、ここでの問題分析には役立たなかったことになりますが、問題の修正にあたる次のチームに問題を引き継ぐ際に非常に有用です。また、可能性のある修正策や解決策(回避策)をすばやくテストすることもできます。もちろん、経験の蓄積にもつながります。

比較がない場合はテスト・ケースを作成する

問題が再現されない場合、問題のシステムと比較する対象となり、場合によっては潜在的な回避策となることもあります。


28.2.4.5 考えられる原因の展開

問題を解決するには、考えられる原因を展開することが必要です。

展開 説明

知識と経験

知識と経験を使用して、考えられる原因を認識できます。

  • 以前に発生したことがある

  • 文書化されている

  • サポート・ノートまたは検索エンジンによる検索

差異と変更

差異と変更のリストを作成して、原因を絞り込むことができます。

  • このサイトのみか、1つのプラットフォームのみか

  • アップグレード直後

  • 負荷が大きくなったとき

  • 木曜日のみ

各症状と比較の調査

それぞれの事実を考慮し、事実どうしが関連していること、および競合していないことを確認します。


28.2.4.6 考えられる各原因の詳述書に対するテスト

考えられる各原因を詳述書に対してテストします。

  • 考えられる各原因は、詳述書のすべてのアイテムと合致している必要があります。

  • 原因なしという結果になった場合は、戻ってプロセスを調整します。

  • 原因は、「である」と「でないが、かもしれない」の両方を説明している必要があります。

  • 最も可能性の高い原因を特定します。

  • 合致する原因は無視しないでください。

28.2.4.7 原因の確定

アクション・プランを考案できるように、原因を確定します。

次のことを行えます。

  • 考えられる原因をテストする方法の考案

  • 観察

  • 想定のテスト

  • 試験

  • 解決策のテストおよび監視

理論を実証または反証するためのアクション・プランを考案することが主要な点です。各アクション・プランの理由を伝達することが重要です。反証テスト(何かが真ではないことを証明するためのテスト)を実施する場合は、特にそうです。すべてのアクション・プランは問題を解決するためのものだと考えていて、正しい方向に進んでいないと思われるものには抵抗を示す人がいます。

28.2.4.8 失敗

ある解決策が失敗した場合、最初に戻ってそのアプローチを再び適用しますが、その際、新しい結果で更新したものを適用します。問題が非常に複雑な場合は、何度かの反復が必要になることがあります。

プロセスにまったく誤りがないわけではありません。

失敗の主な原因は次のとおりです。

  • 問題記述が不十分または不適切

  • 情報が不正確またはあいまい

  • 「である」と「でない」に大きな差異がない

  • 判断を阻害する想定がある

  • 広範なスキル・セットの関与がない

28.3 トラブルシューティング・ツール

この項では、システムの問題の調査とトラブルシューティングに使用できるツールおよびプロセスに関する情報を示します。

表28-1に、問題のトラブルシューティングに使用できる汎用ツールとOAAM固有のツールを示します。

表28-1 トラブルシューティング・ツール

カテゴリ 説明

汎用ツール

  • Oracle Enterprise Manager Fusion Middleware Control

  • Database Enterprise Manager

  • DMSの監視データ

  • 監査データ

  • Ping/ネットワーク・チェック・ツール

OAAM固有のツール

  • ダッシュボード

  • 監視データ

  • ログ・ファイル


表28-2に、システムをトラブルシューティングする際に確認するアイテムを示します。

表28-2 トラブルシューティングのヒント

ヒント 理由

オペレーティング・システムの確認

プラットフォームに固有の問題もあります。たとえば、IBM以外のプラットフォームで作成されたJavaキーストアはIBMプラットフォームでは動作しません。

WebLogicサーバー・バージョンの確認

OAAMが11gで動作保証済のWebLogicサーバーにインストールされていることを確認します。

JDK(SunまたはJRockit)の確認

JDKがIdentity Management 11g Suiteで動作保証されていることを確認します。

Oracle Enterprise Manager Fusion Middleware Controlを使用したロギング構成の変更

トレースおよびデバッグの前に、ログ・レベルが適切に変更されていることを確認します。

Oracle Enterprise Manager Fusion Middleware Controlを使用したログ・メッセージの検索

スクリプトの実行方法に関して知っておくと役立つまたは重要と思われるログ・メッセージ・レコード情報。

実行コンテキストIDを使用したログ・メッセージの検索

ECIDは、個々のイベントを同じリクエスト実行フローの一部として相互に関連付けるために使用できる一意の識別子です。

WebLogicコンソールを使用したデータベース接続プールの監視

WebLogicコンソールを使用して、接続プールの状態を確認します。


表28-3に、問題およびそのトラブルシューティングと解決のために実行できるチェックをまとめます。

表28-3 問題およびヒント

問題 実行できるチェック

一般的なトラブルシューティング・ユース・ケース

  • ほとんどの操作が遅い

  • サーバーでメモリー不足の例外がスローされる

  • サーバーで暗号化関連の例外がスローされる

  • サーバー起動時に接続プールに関連するエラーが発生する

  • 11.1.1.4から11.1.2にアップグレードした後、管理対象サーバーの起動中にエラーが発生する

  • OAAM CLIスクリプトの問題

  • SOAPコールの問題

  • ネイティブ統合の問題

ほとんどの操作が遅い

  • OAAMポリシーのパフォーマンスを確認します。

    • ダッシュボードを使用して、ルールのパフォーマンスを確認します。

    • 必要な場合、ルールまたはそのパラメータをチューニングします。

  • Oracle Enterprise Manager Fusion Middleware Controlを使用してデータベースを確認し、遅い問合せがないか確認します。推奨索引の追加に関する推奨事項については、『Oracle Fusion Middlewareパフォーマンスおよびチューニング・ガイド』を参照してください。

  • アプリケーション・サーバーのCPUが高くなっているかどうかを確認します。

    可能な場合、スレッド・ダンプを取得します。

  • アプリケーション・サーバーとデータベース間の接続およびネットワークのスピードを確認します。

  • データソース設定でデータベース・マシンのIPを使用します。

サーバーでメモリー不足の例外がスローされる

  • OAAMのWebLogic Serverドメインの構成を確認します。

  • すべてのOAAM Webアプリケーションが同じ管理対象サーバーにデプロイされているかどうかを確認します。

  • 管理対象サーバーのヒープ・サイズを大きくします。

接続プール・エラー

  • データベース・リスナーが実行されていることを確認します。

  • JDBC URLには名前ではなくIPアドレスを使用します。

  • データベース・サービス名が正しいことを確認します。

  • 接続プールが大きくなりすぎていないか確認します。

    同じデータベースにアクセスする管理対象サーバーの数が多すぎないかどうかを確認します。

アップグレード後の管理対象サーバーの起動中のエラー

  • 暗号化キーが適切にコピーされていることを確認します。

  • アップグレードのドキュメントに示されているすべての手動手順に従ってください。

  • WebLogicコンソールで、すべてのWebアプリケーションが適切に管理対象サーバーのターゲットになっていることを確認します。

OAAM CLIスクリプトの問題

  • JAVA_HOME環境変数が、11gのIdentity Management Suiteに対して動作保証済のJDKに設定されていることを確認します。

  • oaam_cli.propertiesファイル内にCLI関連のプロパティが設定されていることを確認します。

SOAPコールの問題

  • SOAPGenericImpl内のタイムアウトに関連する既知の問題があります。

  • Oracle Web Services Manager(OWSM)がデフォルトで有効化されているため、SOAPを使用する前にOWSMポリシーを設定する必要があります。

  • ポート番号を含むSOAPサーバーURLが有効であることを確認します。

ネイティブ統合の問題

  • 適切なバージョンのOAAM拡張共有ライブラリが使用されていることを確認します(WARファイルではWARファイル・バージョンを、EARファイルではEARファイル・バージョンを使用する必要があります)。

  • OAAMデータソースが作成されており、JNDI名が正しい(OAAMサーバーのJNDI名と一致している)ことを確認します。

  • OAAM管理およびOAAMサーバーにより使用されているキーと同じキーがネイティブ・アプリケーションで使用されていることを確認します。

  • 暗号化キーに関連する問題

    • すべての管理対象サーバーが同じWebLogic Serverドメイン上にあることを確認し、そうでない場合はキーを各ドメインにコピーします。

    • 11g以外のサーバーを使用している場合は、Javaキーストアを使用します。

  • 同じサーバー上での多数のアプリケーションによる共有ライブラリの使用

    現在、同じ管理対象サーバー上で複数のアプリケーションによりOAAM拡張共有ライブラリを使用することはできません。


28.4 OAAM UIOプロキシ

UIO ISAプロキシ

OAAM UIOプロキシのWeb公開における問題をトラブルシューティングする手順は次のとおりです。

UIOプロキシの構成時の問題をトラブルシューティングするには、ファイルに対するトレースを有効化し、トレース・レベルを0x8008fに設定します。そうすることで、詳細なインターセプタ評価と実行情報がログ・ファイルに出力されます。

UIO Apacheプロキシ

この項では、UIO Apacheプロキシの問題をトラブルシューティングするためのヒントについて説明します。

Oracle Adaptive Access Managerデバッグ・モード

デバッグ・モードでは、どの変数の値(ユーザー名、パスワードおよびその他の情報)も表示されません。取得モードでは、HTTPトラフィックが表示されます。そのため、本番では取得モードを使用しないでください。

セッション中/トランザクション分析

UIOプロキシは、ログイン・セキュリティのみの解決策です。セッション中の機能はサポートしていません。考えられる要件に応じて、次のオプションが用意されています。

11gのプロキシに変更はない

質問/問題: 10gと11gの間にUIOプロキシの変更はありますか。

回答/解決策: 10gと11gの間にプロキシの変更はありません。OHSへの依存性はありません。ユーザーは、Apache 2.2.8のみを使用する必要があります。

HTTPヘッダーへのappidの追加

質問/問題: TestConfig.xmlでは、PSFT URLと/asa/ URLの両方のHTTPヘッダーでappidを追加する必要があるでしょうか。

回答/解決策: いいえ、/asa/ URLのみに追加してください。app-idPSFT URLでは必要ないため、/asa/ URLのみに追加する必要があります。

「次を含む」一致

質問/問題: 完全一致の場合、「次を含む」の条件は一致しますか。

回答/解決策: はい。

リクエストURL

質問/問題: リクエストURLは部分URLとして指定できますか。(URLの最初の部分のみを指定するなど)

回答/解決策: いいえ。URLはそのまま記述する必要があり、問合せパラメータ(?に続く文字列など)はURLの一部とはみなされません。そのため、これらのパラメータは条件の一部として指定して、URLの一部には含めないでください。

28.5デバイスのフィンガープリント処理

失効したCookie

質問/問題: Flash CookieとセキュアなCookieが失効した場合、OAAMではどのように処理されますか。

回答/解決策: 『Oracle Fusion Middleware Oracle Adaptive Access Manager管理者ガイド』を参照してください。

28.6 ナレッジベース認証

2つのチャレンジ質問の回答をユーザーに求める

質問/問題: ユーザーが新しいデバイスからのログオンを試みるときに、2つのチャレンジ質問への回答をユーザーに求めたいと思います。これは、どうすれば可能ですか。質問はランダムに選択されるため、同じ質問が2回提示される可能性はないでしょうか。

回答/解決策: OAAMでは、意図的に「一度に1つの質問」フローが採用されています。1つの質問を提示し、ユーザーがチャレンジ質問に正しく答えた場合にのみ次の質問を表示する手法は、2つの質問を提示するよりも優れたセキュリティ手法です。これにより、フィッシングのために質問が収集される事態を防げます。また、OAAMでは、ユーザーが質問の回答を何度も試みることが許可されており、ユーザーが何回間違った回答を入力したかも記録しておく必要があります。複数の質問が一度に表示された場合、この記録を維持するのは困難になり、エンド・ユーザーにとってわかりにくいものになるでしょう。複数の質問でユーザーにチャレンジするときは、それらの質問を順番に表示された別個の画面で提示する必要があります。OAAMでは、複数の質問を一度に使用した認証がサポートされていません。

28.7 仮想認証デバイス

OAAM 11gのカスタマイズ機能のヒントおよびトラブルシューティング手順

第8章「OAAM Webアプリケーション・ページのカスタマイズ」のガイドラインは次のとおりです。

質問/問題: プロパティ・ファイルに次のエントリを追加することにより、registerQuestionのかわりにregisterQuestionHTMLを使用しようと思います。oaam_custom.propertiesファイルとclient_resource.propertiesファイルの両方に追加しましたが、値が有効なようには見えません。bharosa.uio.default.RegisterQuestions.authenticator.device = DeviceHTMLControl bharosa.uio.default.ChallengeQuestion.authenticator.device=DeviceHTMLControl。

回答/解決策: 前述のプロパティは、プロパティ・ファイルに記述されているとおり、AuthentiPadチェックポイントがオフにされた場合にのみ使用されます。Authentipadチェックポイントのプロパティは、bharosa.uio.default.use.authentipad.checkpoint=trueです。または(推奨)、Authentipadチェックポイントのポリシーを変更して、ページ上に期待されるデバイス結果を表示できます。

ヒント: ユーザー表示の文字列はすべて、client_resource.propertiesまたはそのロケール固有のバリエーション(client_resource_es.propertiesなど)でカスタマイズする必要があります。

ヒント: カスタム・ユーザー・インタフェース文字列はWEB-INF/classes/client_resource.propertiesに配置します。カスタム・フレーム・ファイル・イメージはWEB-INF/classes/bharosa_properties/pad_images(クラスパス上にある必要があるため)に、フレーム・ファイル・プロパティはWEB-INF/classes/client_resource.propertiesに配置します。また、フレーム・ファイルの値(pad_images/authenticator_pad.pngなど)も更新します。

ヒント: カスタムJSPのキャッシュの問題: WeblogicではカスタムJSPがキャッシュされるようです。そのため、JSPと一緒にWARファイルがデプロイされると、追加された変更を確認するのは困難です。この問題を回避するための実証された方法として、ファイル名(およびプロパティ値)の変更と、Weblogicで使用されているデプロイメント・ディレクトリの消去があります。(DefaultDomain/servers/DefaultServer/tmpおよびo.j2ee/drs)。

仮想認証デバイスのアクセス可能なバージョン

質問/問題: アシスティブ・テクノロジを使用してアクセスするユーザーは、仮想認証デバイスのアクセシビリティ対応バージョンを使用する必要があります。これらのバージョンはどのように有効化すればよいでしょうか。

回答/解決策: デフォルトでは、TextPad、QuestionPad、KeyPadおよびPinPadのアクセシビリティ対応バージョンは有効化されていません。デプロイメントでアクセシビリティ対応バージョンが必要な場合は、OAAM管理のプロパティ・エディタを使用するか、Oracle Adaptive Access Manager拡張共有ライブラリを使用して有効化できます。

アクセシビリティ対応バージョンの仮想認証デバイスには、スクリーン・リーダーおよびその他のアシスティブ・テクノロジを使用したナビゲーションで必要なタブ、使用方法およびALTテキストが含まれます。

oaam_custom.propertiesを変更する必要があります。

これらのバージョンを有効にするには、is ADA compliantフラグをtrueに設定します。

ネイティブ統合では、次のプロパティで仮想認証デバイスを制御します。

desertref.authentipad.isADACompliant

Oracle Adaptive Access Managerの即時利用可能な機能では、次のプロパティで仮想認証デバイスを制御します。

bharosa.uio.default.authentipad.is_ada_compliant

表示されるテキスト入力またはパスワード(非表示)の入力設定

質問/問題: チャレンジ回答を非表示のテキストとして入力できるようにQuestionPadを構成するにはどうすればよいでしょうか。

回答/解決策: 次のプロパティをoaam_custom.propertiesに追加します。このプロパティにより、QuestionPadに表示されるテキスト入力が設定されるか、それともパスワード(非表示)入力が設定されるかが決定されます。

bharosa.authentipad.questionpad.datafield.input.type

有効な値はtextおよびpasswordです。

ユーザーが使用するデバイスの数をOAAMで制限できるかどうか

質問/問題: ユーザーが使用するデバイスの数をいくつか(たとえば、5つか6つ)に制限するように構成し、その特定のユーザーに対して構成したデバイス・リストにないデバイスからのアクセスをブロックする方法はありますか。

回答/解決策: ユーザビリティとセキュリティ上の理由から、OAAMでは、ユーザーからのアクセスを特定の数のデバイスに制限する機能はサポートされていません。また、適切なセキュリティを実装するうえで、この動作は不要です。OAAMでは、使用するデバイスを含め、ユーザーの動作がプロファイリングされるためです。デバイス数の合計は、リスク測定における適切な測定値であるとはいえません。一部のエンド・ユーザーは、通常の動作の一環として多くのデバイスを使用するからです。OAAMでは、かわりにユーザーが特定のデバイスをどれだけ頻繁に使用するかを追跡します。また、その同一デバイスを過去に使用した他のユーザーとその使用頻度も追跡します。これらは、アクセス・リクエストに付随するリスク・レベルを把握するうえでより効果的な評価値です。

KBAチャレンジにKeyPadまたはPinPadを使用できるかどうか

質問/問題: KBAチャレンジにKeyPadまたはPinPadを使用できますか。

回答/解決策: KBAは、QuestionPadまたはプレーンHTMLでの使用を目的に設計されています。KeyPadまたはPinPadは使用しないでください。それらの利用シナリオに、KBA質問は含まれていないからです。

仮想認証デバイスがユーザーをスクリーン・キャプチャ・マルウェアから保護する方法

質問/問題: 仮想認証デバイスは、ユーザーをスクリーン・キャプチャ・マルウェアからどのように保護しますか。

回答/解決策: この攻撃に対しては、現在手動による対応が必要です。各ユーザーは、キャプチャされたビデオやイメージを参照して、PINやパスワードを判別する必要があります。仮想デバイスは主に、数多くのカスタマに影響を与える自動化された攻撃の回避を目的としています。トロイの木馬にOCRテクノロジが採用されている場合でも、KeyPadやPinPadでクリックされた文字の判別はその他の画面キーボード・タイプでの判別よりも困難になります。Oracle Adaptive Access Managerのキーは半透明であるため、バックグラウンド・イメージが透けて見えるからです。また、セッションごとにキーの形状をランダムに変化させる機能も存在します。

また、ジッターにより、判別作業がさらに困難になります。仮想認証デバイスは、大規模なデプロイメントにおいてセキュリティとユーザビリティのバランスをとるためのよい方法です。すでに使用されている認証を保持しながら、その上層にセキュリティ・レイヤーを配置できるからです。パスワードの解読が可能なマルウェアが開発されたとしても、不正行為が発生するとはかぎりません。仮想認証デバイスは、完全なソリューションのうちの1つのコンポーネントにすぎません。不正者がPINやパスワードを知っていたとしても、リアルタイムの動作、イベント、トランザクションからなる分析や、セカンダリ認証を通過する必要があります。Oracle Adaptive Access Managerでは、このような認証とは別に、ユーザー、デバイス、位置の活動がリアルタイムに追跡、プロファイリングおよび評価されます。Oracle Adaptive Access Managerでは、高リスクの状況を検知した場合に、不正行為を防止するためのプロアクティブなアクションがとられます。このように、アプリケーションから標準形式(パスワードやPINまたはその他の方法の)の認証が排除された場合でも、不正行為を防止できます。

KeyPadのトラブルシューティング

質問/問題: KeyPadで問題が発生しています。この問題をトラブルシューティングするためにはどうすればよいでしょうか。

回答/解決策: 次のリストを参照してください。

KeyPadが表示されない。

ボタンのジッターが停止する。

すべてのユーザーに同じイメージが表示される。

パッドの背景にイメージが表示されない。

28.8 構成可能なアクション

構成可能なアクションのテスト環境から本番環境への移行

質問/問題: テスト環境でカスタムの構成可能なアクションを定義しましたが、今度はカスタム・アクション・テンプレートをテストから本番へと移行したいと思います。

回答/解決策: そのためには、次の手順を実行します。

  1. Oracle Adaptive Access Manager拡張共有ライブラリを使用して、JARファイルをパッケージ化します。

  2. JARファイルをoaam-extensions\WEB-INF\libフォルダに追加します。

  3. oracle.oaam.extensions.warを再パッケージ化します。

  4. JARファイルをデプロイします。

詳細は、第7章「OAAM拡張共有ライブラリの使用によるOAAMのカスタマイズ」を参照してください。

28.9 ワンタイム・パスワード

数字や英数字およびプラガブルなランダム・アルゴリズムがサポートされているかどうか

質問/問題: OTPでは、数字や英数字およびプラガブルなランダム・アルゴリズムがサポートされていますか。

回答/解決策: OTPは、次の2種類のプロパティで構成できます。

# Length of the Pin bharosa.uio.otp.generate.code.length = 5 
# Characters to use when generating the Pin bharosa.uio.otp.generate.code.characters = 1234567890 

インテグレータはベース・クラス(AbstractOTPChallengeProcessor)のPIN生成メソッドを使用して、generateCodeメソッドをオーバーライドできます。

28.10 ローカライゼーション

仮想デバイスのカスタマイズとローカライズ

質問/問題: カスタマイズを生成して、仮想認証デバイスをローカライズできますか。

回答/解決策: 仮想認証デバイスは使用を選択できるサンプルとして提供されています。これらのサンプルは、英語のみで提供されています。ソース画像とドキュメントは、ユーザーが独自のカスタム仮想認証デバイスのフレーム、キー、パーソナライズされたイメージおよびフレーズを開発するために提供されています。ローカライゼーションは、これらのカスタマイズに含まれます。カスタム開発はサポートされていません。KeyPadのローカライゼーションでは、問題が発生する可能性があります。すべての言語で同じ文字数が存在するわけではないからです。たとえば、ポルトガル語には英語にはない特殊文字があります。これらの文字キーを追加すると、キー・レイアウトは少々異なる可能性があります。レイアウトにキーを追加する際には、ジッターが機能するための十分な空白をキーの周りに確保しておくことが重要です。一般的なベスト・プラクティスは、キーをジッター領域の中心に配置したとして、そのキーの周縁部を単一のキーで囲んだ分の空白を確保することです。ソース画像には、この領域のピクセル・サイズを示すメモが含まれます。

これらのサンプルの変更は、カスタム開発と見なされます。

パッドのフレームとキー・イメージ

フレームとキーのサンプルは、英語のみで提供されています。仮想認証デバイスのフレームとキーのマスター・ファイル、また各部の説明は、必要に応じて提供されています。独自のカスタム・フレームとキー・イメージを作成して、本番ドキュメントに従ってデプロイできます。これらのイメージや対応するプロパティに対する変更は、カスタム開発とみなされます。特に注意を要するのは、テキスト、ホット・スポットおよびキー・サイズに関する問題です。これらは、提供サンプルよりもサイズを小さくしないでください。

バックグラウンド・イメージおよびフレーズ・テキスト

Oracle Adaptive Access Managerには、一連のサンプル・イメージが同梱されています。これらのイメージは、仮想認証デバイスのみでの使用を目的としています。セキュリティ上の理由から、仮想認証デバイスのコンテキスト以外でエンド・ユーザーに使用可能にしないでください。あらゆるユーザーを対象にした迅速なダウンロードを可能にするために、その内容、ファイル・サイズおよびその他の属性が最適化されています。パッケージでは、各サポート言語用のサンプル・フレーズ・テキストが提供されています。これらのイメージやテキストに対する変更は、カスタム開発とみなされます。イメージを編集するときには、そのイメージの物理的寸法を拡大したり、サンプル・イメージのアスペクト率を変更したりしないでください。そのイメージがゆがんでしまうからです。また、デプロイメントで使用されている仮想認証デバイスごとに同じ名前のイメージが存在している必要があります。

登録時に表示されるイメージ

質問/問題: ユーザー登録前に表示されるページの各イメージが、ロケール言語ではなく英語で表示されます。

グローバル化されていないVADイメージが示されます。

回答/解決策: グローバル化された仮想認証デバイスのイメージ・ファイル(認証登録フローを含む)が提供されていません。デプロイメント・チームによる開発が必要です。

28.11 Man-in-the-Middle/Man-in-the-Browser

質問/問題: SMSを介したOTPを使用する際に、モバイル・トランザクション認証番号を使用して各トランザクションに署名しています。SMSのコストは高くつきます。Oracle Adaptive Access Managerはどのように役立ちますか。また、Man-in-the-Middle(MiTM)攻撃やMan-in-the-Browser(MiTB)攻撃に対する保護を提供するソリューションも必要としています。

回答/解決策:

  1. Oracle Adaptive Access Managerを使用してリスクを評価し、mTANなどのセカンダリ認証をリスクが高いトランザクションのみで使用します。そうすることで、SMSはすべてのトランザクションに送信されずに、中から高リスクのトランザクションにのみ送信されるようになります。

  2. MiTMやMiTBから保護するための最善の方法の1つに、トランザクション・リスク分析の実行があります。たとえば、ユーザーが特定の口座を以前に使用したことがあるかどうか、またはそのユーザーが指定の金額を超える送金を行ったことがあるかどうかが検証されます。本日のトランザクションの分析をリアルタイムで実行するには、Webアプリケーションとのネイティブ統合が必要です。

  3. 対象となる口座番号の入力にはPinPadを使用してください。これにより、セッションがハイジャックされた場合でも、ユーザーが入力した口座番号は容易には変更できなくなります。この口座番号はネットワーク上には送信されないため、MiTMまたはMiTBは容易には変更できません。

  4. HTTPSを介した通信には、KeyPadやPinPadなどの仮想認証デバイスを必ず使用することをお薦めします。仮想認証デバイスでは、エンド・ユーザーのマシンで生成された一度かぎりのランダム・データ(マウス・クリックの座標で識別される)がサーバーに送信されます(ここで、デコードされる)。HTTPSでは、従来の暗号化による保護も提供されます。セキュリティ上の脅威となり得るクライアント・ソフトウェアやロジックは、エンド・ユーザーのマシンに存在しません。

  5. Oracle Adaptive Access Managerを使用すると、非常に危険性の高い送金を完全にブロックできます。危険性の高い送金をブロックすることで、使用する認証方式に関係なく、不正行為の発生を減らすことができます。

28.12 失敗カウンタ

失敗カウンタの自動増分が機能するには、updateAuthStatusのクライアント・タイプを9に設定する必要があります(質問/回答)。