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Oracle® Fusion Middleware Oracle Identity and Access Managementアップグレードおよび移行ガイド
11gリリース2(11.1.2)
B69539-01
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12 Oracle Access Manager 10g環境の移行

この章では、Oracle Access Manager 10gをOracle Access Management Access Manager (Access Manager) 11gリリース2(11.1.2)に移行する方法について説明します。内容は次のとおりです。

12.1 移行の概要

この章で説明する手順を使用して、Oracle Access Manager 10gの次のアーティファクトをAccess Manager 11.1.2に移行できます。

この移行では、Access Manager 11gリリース2(11.1.2)をインストールし、新しいOracleホーム(IAM_HOME)を作成して、Oracle Access Manager 10gインストールから新しいAccess Manager 11gリリース2(11.1.2)のOracleホームにポリシー・データを移行する必要があります。

この項には次のトピックが含まれます:

12.1.1 移行のモード

この章で説明する手順を使用して、次の2つのモードで移行を実行できます。

12.1.1.1 完全移行

この移行モードでは、11.1.2と互換性のあるOracle Access Manager 10gのすべてのアーティファクトがAccess Manager 11.1.2に移行されます。完全移行を実行できるのは1回のみです。完全移行の実行後に増分移行を実行することはできません。

12.1.1.2 増分移行

増分移行は、Oracle Access Manager 10gの選択されたエージェント、ポリシー・ドメインとその関連アーティファクト(ホスト識別子など)、リソースのリソース・タイプ、および認証スキームがAccess Manager 11.1.2に移行される移行モードです。増分移行で、選択されたポリシー・ドメインを移行する際、移行ユーティリティにより、認証スキーム、ホスト識別子、リソース・タイプなどの依存アーティファクトの有無がチェックされ、まずそれらが移行されます。この移行の後、関連付けられているポリシー・ドメインの移行が行われます。

Access Manager 11.1.2環境に存在していないアーティファクトを移行することができます。移行対象のアーティファクトがすでにAccess Manager 11.1.2環境に存在している場合、そのアーティファクトは無視され、移行されません。

増分移行は複数回実行できます。増分移行の後に完全移行を実行することも可能です。または、増分移行を複数回実行して、すべてのアーティファクトを移行することができます。

増分移行の手順は、完全移行の手順と同じですが、加えて、「増分移行のための追加手順」で説明されている、増分移行で必要な追加手順を実行する必要があります。

12.1.2 移行のサマリー

表12-1は、Access Manager 11.1.2に移行できるOracle Access Manager 10gのアーティファクトのサマリーを示しています。

表12-1 アーティファクトの互換性

アーティファクト 説明

ホスト識別子

  • Oracle Access Manager 10gのすべてのホスト識別子は、Access Manager 11.1.2の対応するホスト識別子にマップされます。

  • Oracle Access Manager 10gのホスト名のバリエーション(ポート値に数値以外の文字が含まれるもの)は、Access Manager 11.1.2に移行されません。数値以外のポート値は削除され、バリエーションのホスト部分は保持されます。

  • Oracle Access Manager 10gの複数のホスト識別子で重複するバリエーションは無視されます。指定されたホストIDのすべてのバリエーションが重複している場合、すべてのバリエーションが削除され、そのホストIDの名前を持つ新しいバリエーションが追加されます。

エージェント

  • 移行では、IIS偽装ユーザー名およびパスワードを除いて、Oracle Access Manager 10gエージェント・プロファイルのすべての属性がサポートされています。

  • Oracle Access Manager 10gデプロイメントにOpen/Simple/Certトランスポート・セキュリティ・モードのWebGateが混在している場合、移行ユーティリティでは、そのトランスポート・セキュリティ・モードのWebGateの移行が試行されます。この場合、WebGateのセキュリティ・モードに応じてAccess Manager 11.1.2サーバーを構成する必要があります。詳細は、第12.7項「Access Manager 11.1.2サーバー用のトランスポート・セキュリティ・モードの構成」を参照してください。

  • すべてのWebGateを同じモードで移行する場合は、プロパティ・ファイルでagent_mode_to_overrideプロパティを、必要なモードに応じてOPEN /SIMPLE /CERTに設定する必要があります。プロパティ・ファイルで指定されるプロパティの詳細は、表12-4を参照してください。

  • 移行ユーティリティでは、ObAccessClient.xmlpassword.xmlcertificatesなどのアーティファクトは生成されません。WebGateにはすでに、Oracle Access Manager 10gデプロイメントからのこれらのアーティファクトがあるためです。必要な場合は、Access Manager 11.1.2管理コンソールを使用してWebGateプロファイルを手動で更新することで、これらのアーティファクトを生成できます。

データ・ストア

  • Oracle Access Manager 10gディレクトリ・プロファイルのディレクトリ・インスタンスの移行がサポートされています。ディレクトリ・インスタンスのすべての関連属性は移行され、Access Manager 11.1.2の対応するデータ・ストアにマップされます。ディレクトリ・プロファイルにセカンダリ・ディレクトリ・インスタンスがある場合、それは別のデータ・ストアとして移行されます。

  • 移行プロセスの間、データ・ストアは起動しており実行中である必要があります。オフラインのデータ・ストアは無視されます。

認証スキーム

  • Form、Basic、X509などの認証スキームの移行がサポートされています。

  • カスタマイズされた認証フローを持つ認証スキームの移行もサポートされています。

  • カスタムの認証チャレンジ・パラメータを持つ認証スキームは、カスタムのチャレンジ・パラメータなしで移行されます。移行後、対応するOracle Access Manager 10g認証スキームで使用されているのと同じ値を持つ移行済の認証スキームにおいてチャレンジ・パラメータを手動で追加または変更する必要があります。

  • Oracle Access Manager 10gからの外部認証スキームは、Access Manager 11.1.2ではサポートされていません。そのため、外部認証スキームは、委任認証プロトコル(DAP)を使用して11.1.2に移行されます。移行されたスキームでは、移行後の手順がいくつか必要です。

  • カスタム認証の移行はサポートされていません。カスタム・プラグインが含まれている認証スキームは、正しく移行されない場合があります。

  • Oracle Access Manager 10gAnonymousタイプのすべての認証スキームは、Access Manager 11.1.2の単一のNONE認証スキームに直接マップされます。

リソース・タイプ

  • Oracle Access Manager 10gのリソース・タイプと、移行されたAccess Manager 11.1.2のリソース・タイプは、1対1でマッピングされます。

  • HTTPwl_authenという名前を持つリソース・タイプは、Access Manager 11.1.2でデフォルトで使用できるため、移行されません。

ポリシー・ドメイン

  • Oracle Access Manager 10gのポリシー・ドメインは、Access Manager 11.1.2の別個のアプリケーション・ドメインにマップされます。

  • URL接頭辞は、Access Manager 11.1.2に移行されます。すべての接頭辞に対して、追加リソース<urlprefix>/**が作成され、デフォルトの認証および認可ポリシーによって保護されます。内部ポリシーに、すべての操作が選択され、かつURLパターンがないURL接頭辞が含まれている場合、リソース<urlprefix>および<urlprefix>/**は、デフォルトの認証スキームから削除されます。リソースは、該当する特定の内部ポリシー用に構成されている認証スキームによって保護されます。そのようなリソースは、そのリソース・タイプで定義されている操作をすべて選択することで作成されます。

  • デフォルトの認証ルールと認可条件式はそれぞれ、デフォルトの認証ポリシーと認可ポリシーに移行されます。

  • 移行では、認可条件式に関連付けられている、成功/失敗のレスポンスおよびリダイレクトのみがサポートされています。未確定のレスポンスおよびリダイレクトは無視されます。認可ルールに関連付けられているレスポンスおよびリダイレクトは、Access Manager 11.1.2でそれらがサポートされていないため、移行の対象とは見なされません。認可ルールの場合、成功と失敗の両方のリダイレクトおよびレスポンスがAccess Manager 11.1.2に移行されます。ただし、ユーザー・インタフェースには、成功のレスポンスのみが表示されます。

  • いずれの認可条件式の一部も形成していない認可ルールは、移行では無視されます。

  • Oracle Access Manager 10gの内部ポリシーをAccess Manager 11.1.2に移行する場合、次のようなことが当てはまります。

    • ポリシー・ドメインに関連付けられているデフォルトの認証ルールが使用されている場合、内部ポリシーで定義されているリソースは、移行後、デフォルトの認証ポリシーに関連付けられます。それ以外の場合、その認証ルールに対して新しい認証ポリシーが作成されます。

    • ポリシー・ドメインに関連付けられているデフォルトの認可条件式が使用されている場合、内部ポリシーで定義されているリソースは、移行後、デフォルトの認可ポリシーに関連付けられます。それ以外の場合、その認可条件式に対して新しい認可ポリシーが作成されます。

    • Oracle Access Manager 10gでは、条件式の一部である認可ルールに関連付けられているALLOWおよびDENY条件は、移行時に条件に変換されます。後で、移行された条件を使用して、移行された認可ポリシーのためのALLOWおよびDENYルールが作成されます。

    • タイミング条件は、一時条件として移行され、Access Manager 11.1.2のALLOWおよびDENYルールの一部を形成します。

    • 移行後、ALLOWルールのみが作成されます。このルールには、ALLOWおよびDENY条件を含む結合式があり、ALLOWまたはDENYの評価が導かれます。DENYルールは常に空になります。


12.2 トポロジの比較

図12-1は、Oracle Access Manager 10gとAccess Manager 11.1.2のトポロジを比較したものです。

図12-1 Oracle Access Manager 10gとAccess Manager 11.1.2のトポロジの比較

図12-1の説明が続きます
「図12-1 Oracle Access Manager 10gとAccess Manager 11.1.2のトポロジの比較」の説明

12.3 移行ロードマップ

表12-2は、Oracle Access Manager 10gからAccess Manager 11.1.2への移行手順を示しています。

表12-2 移行タスク

タスク番号 タスク 参照先

1

前提条件を満たします。

「移行の前提条件」を参照してください。

2

Oracle Identity and Access Management 11gリリース2(11.1.2)をインストールします。

「Oracle Identity and Access Management 11.1.2のインストール」を参照してください。

3

Access Manager 11.1.2を構成します。

「Oracle Access Management Access Manager 11.1.2の構成」を参照してください。

4

移行後、WebGateがAccess Manager 11.1.2との通信を開始したときに、Access Manager 11.1.2サーバーがエージェントからの接続を受け入れるように、Access Manager 11.1.2サーバー・インスタンスとWebGateのセキュリティ・モードを構成します。

「Access Manager 11.1.2サーバー用のトランスポート・セキュリティ・モードの構成」を参照してください。

5

管理サーバーおよびAccess Manager 11.1.2管理対象サーバーを起動します。

「管理サーバーおよびAccess Manager 11.1.2管理対象サーバーの起動」を参照してください。

6

LDAP詳細および必要な情報を使用してプロパティ・ファイルを作成します。

「プロパティ・ファイルの作成」を参照してください。

7

評価レポートを生成し、どのエージェントとアーティファクトをAccess Manager 11.1.2に移行できるかを分析します。

Oracle Access Manager 10g環境を移行する前に、このタスクを複数回実行できます。

「評価レポートの生成」を参照してください。

8

Access Manager 11.1.2があるドメインの管理サーバーを再起動します。

「管理サーバーの再起動」を参照してください。

9

増分移行を実行する場合は、追加手順(入力ファイルの作成など)を実行します。

完全移行を実行する場合は、このタスクは無視してください。

「増分移行のための追加手順」を参照してください。

10

Oracle Access Manager 10gをAccess Manager 11.1.2に移行します。

Access Manager 11.1.2へのOracle Access Manager 10gのアーティファクトの移行」を参照してください。

11

移行されたWebGateをOracle Access Management 11.1.2サーバーに関連付けます。

「Access Manager 11.1.2サーバーとWebGateの関連付け」を参照してください。

12

移行を確認します。

「移行の確認」を参照してください。


12.4 移行の前提条件

Oracle Access Manager 10gをAccess Manager 11.1.2に移行するには、次の前提条件を満たす必要があります。

  1. Oracle Fusion Middlewareのシステム要件および仕様のドキュメントを読み、インストール、アップグレードおよび移行を行う製品の最小要件を環境が満たしていることを確認します。


    注意:

    Oracle Fusion Middlewareの概念とディレクトリ構造の詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle Identity and Access Managementインストレーション・プランニング・ガイド』のOracle Fusion Middlewareの概念とディレクトリ構造の理解に関する項を参照してください。


  2. 使用しているOracle Access Manager 10gのバージョンで移行がサポートされていることを確認します。Oracle Access Manager 10gの移行がサポートされている開始ポイントについては、第11.2項「Oracle Access Manager 10gの移行がサポートされている開始ポイント」を参照してください。

  3. Oracle Access Manager 10gデプロイメント内で構成されているすべてのユーザー・ストアが実行されていることを確認します。


注意:

移行ユーティリティでは、SSLポート経由で構成ストアに接続することはできません。


12.5 Oracle Identity and Access Management 11.1.2のインストール

移行プロセスの一部として、Oracle Identity and Access Management 11gリリース2(11.1.2)をインストールする必要があります。Oracle Identity and Access Managementは、Oracle Access Management Access Manager 11.1.2を含むスイートです。これは、Oracle Access Manager 10gがインストールされているのと同じマシンにも異なるマシンにもインストールできます。

Oracle Identity and Access Management 11.1.2のインストールの詳細は、Oracle Fusion Middleware Oracle Identity and Access Managementインストレーション・ガイドのOracle Identity and Access Management (11.1.2)のインストールに関する項を参照してください。

12.6 Oracle Access Management Access Manager 11.1.2の構成

Oracle Identity and Access Management 11.1.2をインストールしたら、Access Manager 11.1.2を構成し、ドメインを作成する必要があります。

Access Manager 11.1.2の構成については、Oracle Fusion Middleware Oracle Identity and Access Managementインストレーション・ガイドのOracle Access Managementの構成に関する項を参照してください。

12.7 Access Manager 11.1.2サーバー用のトランスポート・セキュリティ・モードの構成

移行後、移行されたWebGateがAccess Manager 11.1.2サーバーと通信できるように、Access Manager 11.1.2サーバーのセキュリティ・モードを構成する必要があります。セキュリティ・モードは次のとおりです。これらのセキュリティ・モードは、セキュリティ・レベルの低いものから高いものへという順番で示されています。

Openがセキュリティ・レベルの最も低いモードであり、Certがセキュリティ・レベルの最も高いモードです。Openは、デフォルトのセキュリティ・モードです。どのセキュリティ・モードでAccess Manager 11.1.2サーバーを構成する必要があるかは、移行対象のOracle Access Manager 10g WebGateのセキュリティ・モードによって異なります。

この項には次のトピックが含まれます:

12.7.1 Access Manager 11.1.2サーバーのセキュリティ・モードの決定

移行するすべてのWebGateが同じセキュリティ・モードである場合は、Access Manager 11.1.2サーバーをそのモードで構成する必要があります。移行されたWebGateに異なるセキュリティ・モードのWebGateが混在する場合は、Access Manager 11.1.2サーバーを、よりセキュリティ・レベルの低いモードで構成する必要があります。表12-3は、様々なユースケースとAccess Manager 11.1.2サーバーを構成する必要のあるセキュリティ・モードを示しています。

表12-3 Access Manager 11.1.2サーバーのセキュリティ・モードの選択

Oracle Access Manager 10g WebGateのトランスポート・セキュリティ・モード Access Manager 11.1.2インスタンスで構成する必要のあるセキュリティ・モード 構成手順

一部またはすべてがOpen

Open

Openモードはデフォルトのモードです。追加手順は必要ありません。

すべてがCert

Cert

「Access Manager 11.1.2サーバー用のCertモード通信の構成」を参照してください。

すべてがSimple

Simple

「Access Manager 11.1.2サーバー用のSimpleモード通信の構成」を参照してください。

OpenSimpleおよびCertが混在

Open

Openモードはデフォルトのモードです。追加手順は必要ありません。

SimpleおよびCertが混在

Simple

「Access Manager 11.1.2サーバー用のSimpleモード通信の構成」を参照してください。


12.7.2 Access Manager 11.1.2サーバー用のCertモード通信の構成

Access Manager 11.1.2用にCertモード通信を構成するには、Oracle Fusion Middleware Oracle Access Management管理者ガイドのAccess Manager用のCertモード通信の構成に関する項の次の手順を実行します。

  1. OAMサーバーとWebGate間の通信の保護の概要に関する項、およびCertモード暗号化とファイルに関する項を確認します。

    このタスクで説明されているすべての手順を実行します。

  2. OAMサーバー用の証明書リクエストおよび秘密鍵の生成に関する項

    このタスクで説明されているすべての手順を実行します。

  3. OAMキーストア別名およびパスワードの取得に関する項

    このタスクで説明されているすべての手順を実行します。

  4. 信頼できる、署名された証明書チェーンの、キーストアへのインポートの項

    このタスクでは、WebGateのCertモード証明書の発行に使用される認証局(CA)証明書をインポートします。このCA証明書が、Access Manager 11.1.2サーバーが信頼済の証明書とは異なる場合は、このタスクの次の手順を実行します。そうでない場合は、これらのタスクは無視してください。

    • aaa_chain.pem: テキスト・エディタを使用してaaa_chain.pemファイルを変更して、CERTIFICATEブロック内に含まれるデータを除くすべてのデータを削除してからそのファイルを保存します。

    • 次のコマンドと環境に応じた詳細を使用して、信頼された証明書チェーンをインポートします。

    • 証明書を信頼するかどうか尋ねられたら、「yes」と入力します。

  5. Access Manager設定への証明書詳細の追加に関する項

    このタスクの、OAMサーバー登録ページを開き、「プロキシ」タブをクリックし、プロキシ・モードを「証明書」に変更して「適用」をクリックする手順は無視してください。

Access Manager 11.1.2サーバーのCertモード証明書で使用されているルート認証局(CA)が、WebGate側のaaa_chain.pemファイルにあるCA証明書と異なる場合は、aaa_chain.pemファイルを、サーバーのCertモード証明書の発行に使用されるルートCA証明書で更新する必要があります。次の手順を実行します。

  1. Access Manager 11.1.2サーバー・インスタンス用のCertモード証明書の生成に使用された、PEM形式のCA証明書を取得します。

  2. 任意のテキスト・エディタでこのCA証明書を開き、このファイルのコンテンツを、BEGIN、ENDマーカーを含めてコピーします。次に例を示します。

    ----BEGIN CERTIFICATE-----

    ...

    CERTIFICATE

    ...

    -----END CERTIFICATE-----

  3. 任意のテキスト・エディタを使用してOHS_INSTANCE_HOME/config/OHS/ohs2/webgate/configにあるaaa_chain.pemファイルを開き、サーバーCA証明書ベースの64エンコードのコンテンツをaaa_chain.pemファイルの最後に貼り付けます。

  4. ファイルを保存して閉じます。

12.7.3 Access Manager 11.1.2サーバー用のSimpleモード通信の構成

Access Manager 11.1.2サーバー用のSimpleモード通信を構成するには、次の手順を実行します。

  1. 次のURLを使用して、Oracle Access Management 11.1.2管理コンソールにログインします。

    http://<host>:<port>/oamconsole

    ここで、<host>はAccess Manager 11.1.2が実行されているマシンであり、<port>はポート番号です。

  2. 「システム構成」タブに移動します。

  3. 「Access Manager」を開き、「Access Managerの設定」をダブルクリックします。

  4. 「アクセス・プロトコル」セクションを開きます。

  5. 「グローバル・パスフレーズ」を、Oracle Access Manager 10gデプロイメントで使用されているのと同じ値に設定します。

12.8 管理サーバーおよびAccess Manager 11.1.2管理対象サーバーの起動

Oracle Access Manager 10gをAccess Manager 11.1.2に移行する作業を開始する前に、WebLogic管理サーバーおよびAccess Manager 11.1.2管理対象サーバーが起動しており実行中であることを確認してから、Oracle Access Manager 10gの移行を開始してください。WebLogic管理サーバーおよびAccess Manager 11.1.2管理対象サーバーを起動していない場合は、次の手順を使用して起動します。

管理サーバーの起動

管理サーバーを起動するには、次を実行します。

UNIXの場合:

  1. 次のコマンドを使用して、現在の作業ディレクトリからMW_HOME/user_projects/domains/domain_name/binディレクトリに移動します。

    cd MW_HOME/user_projects/domains/domain_name/bin/
    
  2. 次のコマンドを実行します:

    ./startWebLogic.sh
    

    プロンプトが表示されたら、WebLogic管理サーバーのユーザー名とパスワードを入力します。

Windowsの場合:

  1. コマンドラインで次のコマンドを使用して、現在の作業ディレクトリからMW_HOME\user_projects\domains\domain_name\binディレクトリに移動します。

    cd MW_HOME\user_projects\domains\domain_name\bin\
    
  2. 次のコマンドを実行します:

    startWebLogic.cmd
    

    プロンプトが表示されたら、WebLogic管理サーバーのユーザー名とパスワードを入力します。

Access Manager 11.1.2管理対象サーバーの起動

Access Manager 11.1.2管理対象サーバーを起動するには、次の手順を実行します。

UNIXの場合:

  1. 次のコマンドを使用して、現在の作業ディレクトリからMW_HOME/user_projects/domains/domain_name/binディレクトリに移動します。

    cd MW_HOME/user_projects/domains/domain_name/bin/
    
  2. 次のコマンドを実行します:

    ./startManagedWebLogic.sh oam_managed_server admin_url
    

    このコマンドでは、次のように指定します。

    oam_managed_serverは、起動するAccess Manager 11.1.2管理対象サーバーの名前です。

    admin_urlは、WebLogic管理コンソールのURLです。http://host:port/consoleという形式で指定する必要があります。

    プロンプトが表示されたら、WebLogic管理サーバーのユーザー名およびパスワードを入力します。

Windowsの場合:

  1. コマンドラインで次のコマンドを使用して、現在の作業ディレクトリからMW_HOME\user_projects\domains\domain_name\binディレクトリに移動します。

    cd MW_HOME\user_projects\domains\domain_name\bin\
    
  2. 次のコマンドを実行します:

    startManagedWebLogic.cmd oam_managed_server admin_url
    

    このコマンドでは、次のように指定します。

    oam_managed_serverは、起動するAccess Manager 11.1.2管理対象サーバーの名前です。

    admin_urlは、管理コンソールのURLです。http://host:port/consoleという形式で指定する必要があります。

    プロンプトが表示されたら、WebLogic管理サーバーのユーザー名とパスワードを入力します。

12.9 プロパティ・ファイルの作成

アクセス可能な任意の場所にプロパティ・ファイルを作成します。たとえば、oam_migration.propertiesファイルを作成します。

プロパティ・ファイルのコンテンツは、次のようなものです。

## Configuration store details
config_store_ldap_url=ldap://<Host Name>:<Port>/
config_store_ldap_base=<Configuration store ldap base>
config_store_principal=<Configuration store LDAP Principal>
config_store_password=<Configuration store OAM 10g encrypted password>
config_store_initial_context_factory=com.sun.jndi.ldap.LdapCtxFactory

## Policy store details
policy_store_ldap_url=ldap://<Host Name>:<Port>/
policy_store_ldap_base=<Policy store ldap base>
policy_store_principal=<Policy store LDAP Principal>
policy_store_password=<Policy store OAM 10g encrypted password>
policy_store_initial_context_factory=com.sun.jndi.ldap.LdapCtxFactory

## migration_mode indicates what type of migration does the administrator intends
## to perform.
## 1. COMPLETE   : A full migration will be performed. Ideal for a new OAM 11g
##                 environment with a clean database.
## 2. INCREMENTAL: In case complete migration has already been performed and 
##                 optimizations are done in the 10g environment, then 
##                 incremental mode can be used to migrate selective artifacts
##                 from 10g enviroment. Incremental mode will be dictated by the
##                 include and exclude file properties.
## Defaults to COMPLETE if not specified.
migration_mode=COMPLETE

## The include filename property indicates the absolute filename that would
## contain the list of artifacts that the administration wishes to selectively
## migrate to the 11g environment in incremental mode. For migration modes other
## than incremental, this property will be directly ignored.
include_file=<include input filename>

## The exclude filename property indicates the absolute filename that would
## contain the list of artifacts that the administration wishes to selectively
## exclude from migrating to the 11g environment in incremental mode. For
## migration modes other than incremental, this property will be directly ignored.
## In incremental mode migration, if the administrator specifies both the include
## and exclude files then the include file wiil take precedence and exclude file
## will be ignored.
exclude_file=<exclude input filename>

## This flag denotes whether the preview file should be created or not. If true,
## then preview report will be created irrespective of the value of the
## evaluate_only flag. If set to false, then preview report will not be created.
## Defaults to TRUE if not specified.
preview_enabled=true

## Parameter to filter out preview report file based on the compatibility of an
## artifact. It can take values as COMPATIBLE, INCOMPATIBLE and ALL.
## If set to INCOMPATIBLE, it will include records with compatibility as
## INCOMPATIBLE,INCOMPATIBLE_WITH_LESS_FEATURES and IGNORE. If set to COMPATIBLE,
## it will include records with compatibility as COMPATIBLE. If set to ALL, 
## it will include all types of record.
## Defaults to INCOMPATIBLE if not specified.
preview_level=ALL

## Indicates the absolute path and filename of the evaluation preview record file.
## If not specified, defaults to 
## <MW_Home>/user_projects/domains/base_domain/MigrationPreviewFile.txt
evaluate_filename=<Preview report filename>

## Flag indicating whether the migration utility runs in evalute mode. If true,
## only preview records will be generated and actual migration to 11g environment
## will be skipped. If false, then actual migration will take place.
## Defaults to FALSE if not specified.
evaluate_only=false

## Parameter for indicating the threashold limit for the artifacts processed in
## memory. Can be used on machines with less memory. If not provided, then
## defaults to 5000. If the migration utility is being used in 'evaluate only'
## mode, this value will be ignored.
## If you feel that the memory will not prove to be insufficient for the amount 
## of data that is being migrated, set the value to "MAX".
artifact_queue_limit=3000

## Parameter to provide mode of an agent while migration. It will migrate all the
## agents in the mode specified here. The values can be, OPEN, SIMPLE, CERT 
## and RETAIN_EXISTING. Defualt value will be RETAIN_EXISTING. This value will
## migrate agent in its existing mode.
agent_mode_to_override=RETAIN_EXISTING

表12-4は、プロパティ・ファイル内の各プロパティに指定する必要のある値を示しています。

表12-4 プロパティ・ファイルの値

プロパティ 説明

config_store_ldap_url

Oracle Access Manager 10gデプロイメントで使用されている構成ストアのLDAPホストとポートを、ldap://<hostname>:<port>という形式で指定します。

config_store_ldap_base

Oracle Access Manager 10gデプロイメントの構成ストア用のLDAP検索ベースを指定します。これは、Oracle Access Manager 10gのインストール時に指定したのと同じ検索ベースです。この値を取得するには、次の手順を実行します。

  1. Oracle Access Manager 10g管理コンソールにログインします。

  2. 「システム構成」タブに移動します。

  3. 左側のナビゲーション・ペインの「サーバー設定」をクリックします。

  4. 「構成ベース」に表示されている値をチェックします。oblixの親ノードを使用します。

    たとえば、コンソールに表示されている「構成ベース」の値がo=Oblix,dc=company,dc=usである場合、このプロパティconfiguration_store_ldap_baseの値は、dc=company,dc=usである必要があります。

config_store_principal

構成ストアの管理者のLDAP DNを指定します。

config_store_password

Oracle Access Manager 10gの構成LDAPストアの暗号化パスワードを指定します。暗号化パスワードを取得するには、次の手順を実行します。

  1. 現在の作業ディレクトリから次の場所に移動します。

    Access_Server_Installation Directory/oblix/config/ldap/

  2. ConfigDB.xmlファイルからldapRootPasswdの値をコピーします。

  3. プロパティ・ファイル内のconfig_store_passwordプロパティにこの値を使用します。

config_store_initial_context_factory

このプロパティの値は、com.sun.jndi.ldap.LdapCtxFactoryである必要があります。この値は修正しないでください。

policy_store_ldap_url

Oracle Access Manager 10gデプロイメントで使用されているポリシー・ストアのLDAPホストとポートを、ldap://<hostname>:<port>という形式で指定します。

policy_store_ldap_base

Oracle Access Manager 10gデプロイメントのポリシー・ストア用のLDAP検索ベースを指定します。これは、Oracle Access Manager 10gのインストール時に指定したのと同じ検索ベースです。この値を取得するには、次の手順を実行します。

  1. Oracle Access Manager 10g管理コンソールにログインします。

  2. 「システム構成」タブに移動します。

  3. 左側のナビゲーション・ペインの「サーバー設定」をクリックします。

  4. 「ポリシー・ベース」に表示されている値をチェックします。oblixの親ノードを使用します。

    たとえば、コンソールに表示されている「ポリシー・ベース」の値がo=Oblix,dc=company,dc=usである場合、このプロパティpolicy_store_ldap_baseの値は、dc=company,dc=usである必要があります。

policy_store_principal

ポリシー・ストアの管理者のLDAP DNを指定します。

policy_store_password

Oracle Access Manager 10gのポリシーLDAPストアの暗号化パスワードを指定します。暗号化パスワードを取得するには、次の手順を実行します。

  1. 現在の作業ディレクトリから次の場所に移動します。

    Access_Server_Installation_Directory/oblix/config/ldap/

  2. WebResrcDB.xmlファイルからldapRootPasswdの値をコピーします。

  3. プロパティ・ファイル内のpolicy_store_passwordプロパティにこの値を使用します。

policy_store_initial_context_factory

このプロパティの値は、com.sun.jndi.ldap.LdapCtxFactoryである必要があります。この値は修正しないでください。

migration_mode

このプロパティは、実行する移行のモードを示します。次の値のいずれかを設定します。

  • COMPLETE

    完全移行を実行する場合は、この値を指定します。クリーン・データベースを持つ新しいAccess Manager 11.1.2環境には、この値が適しています。

  • INCREMENTAL

    増分移行を実行する場合は、この値を指定します。

    増分モードは、プロパティ・ファイルで指定されているinclude_fileおよびexclude_fileプロパティによって決まります。

移行のモードの詳細は、「移行のモード」を参照してください。

include_file

増分移行を実行する場合、一部のアーティファクトをAccess Manager 11.1.2に移行するには、include_fileプロパティを使用する必要があります。

include_fileプロパティの値は、Access Manager 11.1.2に移行するアーティファクトのリストを含むファイルへの絶対パスである必要があります。インクルード・ファイルの作成に関する詳細は、「増分移行のための追加手順」を参照してください。

include_fileプロパティを指定して増分移行を実行する場合は、exlcude_fileプロパティをコメント・アウトします。

増分移行の実行時に、include_fileexclude_fileの両方のプロパティを指定した場合、include_fileプロパティがexclude_fileプロパティよりも優先され、exclude_fileプロパティは無視されます。

完全移行では、このプロパティは無視されます。

exclude_file

増分移行を実行する場合、一部のアーティファクトを移行から除外するには、exclude_fileプロパティを使用する必要があります。

exclude_fileプロパティの値は、移行から除外するアーティファクトのリストを含むファイルへの絶対パスである必要があります。除外ファイルの作成に関する詳細は、「増分移行のための追加手順」を参照してください。

exclude_fileプロパティを指定して増分移行を実行する場合は、inlcude_fileプロパティをコメント・アウトします。

増分移行の実行時に、include_fileexclude_fileの両方のプロパティを指定した場合、include_fileプロパティがexclude_fileプロパティよりも優先され、exclude_fileプロパティは無視されます。

完全移行では、このプロパティは無視されます。

preview_enabled

このプロパティは、評価レポートを作成するかどうかを示します。このプロパティの値がtrueに設定されている場合は、evaluate_onlyプロパティの値に関係なく、評価レポートが生成されます。

preview_enabledプロパティの値がfalseに設定されている場合は、評価レポートは生成されません。

値を何も指定しないと、デフォルト値であるtrueが使用され、評価レポートが生成されます。

preview_level

このプロパティは、アーティファクトの互換性に基づいて評価レポートのデータをフィルタ処理します。このプロパティには、次のいずれかの値を指定できます。

  • COMPATIBLE

  • INCOMPATIBLE

  • ALL

このプロパティの値がCOMPATIBLEに設定されている場合、評価レポートには、Access Manager 11.1.2で互換性のあるOracle Access Manager 10gのアーティファクトが含まれます。

このプロパティの値がINCOMPATIBLEに設定されている場合、評価レポートには、Access Manager 11.1.2で互換性のないOracle Access Manager 10gのアーティファクト、Access Manager 11.1.2で互換性はあるが機能が低下するアーティファクト、およびAccess Manager 11.1.2で無視されるアーティファクトが含まれます。

このプロパティの値がALLに設定されている場合、評価レポートには、Access Manager 11.1.2で互換性のあるOracle Access Manager 10gのアーティファクト、Access Manager 11.1.2で互換性のないアーティファクト、Access Manager 11.1.2で互換性はあるが機能が低下するアーティファクト、およびAccess Manager 11.1.2で無視されるアーティファクトが含まれます。

互換性のないアーティファクト、および互換性はあるが機能が低下するアーティファクトの詳細は、表12-6を参照してください。

evaluate_filename

生成する評価レポート・ファイルの絶対パスとファイル名を指定する必要があります。評価レポートのデフォルトのパスはMW_HOME/user_projects/domains/base_domain/MigrationPreviewFile.txt、デフォルトの名前はMigrationPreviewFile.txtです。

evaluate_only

このプロパティは、移行ユーティリティが評価モードで実行されるかどうかを示します。

このプロパティの値がtrueに設定されている場合、評価レポートが生成されるのみで、Oracle Access Manager 10gはAccess Manager 11.1.2に移行されません。

このプロパティの値がfalseに設定されている場合、評価レポートが生成され、Oracle Access Manager 10gがAccess Manager 11.1.2に移行されます。

このプロパティに値を何も指定しないと、デフォルト値であるfalseが使用されます。

artifact_queue_limit

このプロパティは、メモリーで処理されるアーティファクトのしきい値の制限を示します。移行プロセスでメモリーが少ないマシンを使用している場合は、このプロパティを指定できます。

移行されるデータの量が多く、かつメモリーが十分である場合は、このプロパティの値をMAXに設定します。

このプロパティのデフォルト値は5000です。移行ユーティリティが評価モードで実行される場合、このプロパティの値は無視されます。

agent_mode_to_override

このプロパティは、すべてのエージェントが移行されるモードを示します。このプロパティには、次のいずれかの値を指定できます。

  • OPEN

    すべてのエージェントをOPENモードで移行する場合は、この値を指定します。

  • SIMpLE

    すべてのエージェントをSIMPLEモードで移行する場合は、この値を指定します。

  • CERT

    すべてのエージェントをCERTモードで移行する場合は、この値を指定します。

  • RETAIN_EXISTING

    エージェントをその既存のモードで移行する場合は、この値を指定します。

デフォルト値はRETAIN_EXISTINGです。



注意:

config_store_passwordプロパティの値は暗号化する必要があります。10g_Installation_Directory/Access/oblix/config/ldap/ConfigDB.xmlファイルから暗号化されたパスワードを取得できます。

policy_store_passwordプロパティの値は暗号化する必要があります。10g_Installation_Directory/Access/oblix/config/ldap/ConfigDB.xmlファイルから暗号化されたパスワードを取得できます。


12.10 評価レポートの生成

Oracle Access Manager 10gアーティファクトをAccess Manager 11.1.2に移行する前に、評価レポートを生成する必要があります。

評価レポートは、プロパティ・ファイルで該当するプロパティを設定することにより、移行ユーティリティの実行時に生成されるテキスト・ファイルです。このレポートには、Oracle Access Manager 10gのすべてのアーティファクトに関する情報と、Access Manager 11.1.2でのそれらの互換性に関する情報が含まれます。

このレポートには、次の3つのデータ・セクションがあります。

  1. レポートの分析方法に関する注意事項、およびアーティファクトの互換性に関するいくつかの一般的な情報。

  2. Access Manager 11.1.2で互換性のあるアーティファクト、互換性のないアーティファクト、互換性はあるが機能が低下するアーティファクト、および無視されるアーティファクトの数。

  3. Oracle Access Manager 10gのすべてのアーティファクトに関する詳細情報(表形式)。

表12-5は、Oracle Access Manager 10gのアーティファクトに関する情報が表示される表の列を示しています。

表12-5 評価レポートの内容

列番号 説明

1

ARTIFACT TYPE

この列には、Oracle Access Manager 10g内のアーティファクトのタイプが表示されます。アーティファクトのタイプは次のとおりです。

  • DATA SOURCES

  • AUTHENTICATION SCHEMES

  • RESOURCE TYPES

  • HOST IDs

  • AGENTS

  • POLICY DOMAINS

2

ARTIFACT

この列には、Oracle Access Manager 10gのすべてのアーティファクトの名前が表示されます。

ポリシー・ドメインの名前は、2つの部分に分かれています。最初の部分はポリシー・ドメインの名前を示し、2番目の部分はポリシー・ドメインのコンテンツを示します。

3

DETAILS

この列には、各アーティファクトに関する情報が表示されます。

  • アーティファクト・タイプDATA SOURCESでは、名前、ホストおよびポートがここに示されます。

  • アーティファクト・タイプAUTHENTICATION SCHEMESでは、各アーティファクトの説明が表示されます。

  • アーティファクト・タイプRESOURCE TYPESでは、アーティファクトの詳細が表示されます(ある場合)。

  • アーティファクト・タイプHOST IDsでは、各アーティファクトのホストとポートが表示されます。

  • アーティファクト・タイプAGENTSでは、アーティファクトのモードが表示されます。

  • アーティファクト・タイプPOLICY DOMAINSでは、ポリシー・ドメインの名前が表示されます。

4

COMPATIBILITY

この列には、Access Manager 11.1.2でのアーティファクトの互換性に関する情報(アーティファクトがAccess Manager 11.1.2と互換性があるかどうか)が表示されます。この列のすべてのアーティファクトの値は、次のいずれかです。

  • COMPATIBLE: これは、アーティファクトがAccess Manager 11.1.2でサポートされており、移行ユーティリティでは追加のモデリングは何も実行されないことを示します。

  • INCOMPATIBLE: これは、アーティファクトがAccess Manager 11.1.2でサポートされておらず、移行されないことを示します。

  • COMPATIBLE_WITH_LESS_FEATURES: これは、アーティファクトがAccess Manager 11.1.2で互換性があるが、機能が低下することを示します。このアーティファクトを11.1.2にマップするために、移行ユーティリティにより一部のモデリングが実行されます。この互換性モードを持つアーティファクトはすべて移行されます。

  • IGNORE: これは、アーティファクトがAccess Manager 11.1.2では有用でなく、したがって移行時に無視されることを示します。

5

MESSAGE

この列には、各アーティファクトの移行に関連するメッセージが表示されます。

6

ACTION REQUIRED

この列には、ユーザーによって要求されたアクションが表示されます(ある場合)。



注意:

評価レポートで生成されるデータのレベルは、プロパティ・ファイルのpreview_levelプロパティによって決まります。

Oracle Access Manager 10gのアーティファクトをAccess Manager 11.1.2に実際に移行する前に、評価レポートを複数回生成できます。


表12-6は、Access Manager 11.1.2で互換性がないOracle Access Manager 10gのアーティファクトのタイプ、および互換性はあるが機能が低下するアーティファクトのタイプを示しています。

表12-6 評価レポートのサマリー

アーティファクト 説明

INCOMPATIBLE

  • 異種リソース・タイプのURL接頭辞を含むポリシー・ドメインは、Access Manager 11.1.2環境と互換性がありません。

  • タイプHTTPに対する操作OTHERは、Access Manager 11.1.2と互換性がなく、移行されません。

  • ポリシー・ドメインに関連付けられた委任管理権限は、移行の対象として見なされません。

  • 255文字を超えるWebGateプロファイル名は移行されません。

  • カスタムの認証プラグインを含む認証スキームは移行されません。

COMPATIBLE_WITH_LESS_FEATURES

  • ポリシー・ドメインでIGNOREと識別されるリソースは、COMPATIBLE_WITH_LESS_FEATURESとしてマークされます。

  • Access Manager 11.1.2では、問合せ文字列パターン問合せの名前と値のペアのいずれかを指定することができます。移行時、ポリシーに問合せ文字列と問合せの名前と値のペアの両方がある場合、問合せ文字列のみが移行されます。

  • DAPなどの外部認証スキームはサポートされていません。

  • ホスト名のバリエーションの形式が正しくない場合、またはポート値が数値でない場合は、ホスト識別子はCOMPATIBLE_WITH_LESS_FEATURESとしてマークされます。

  • ホスト名のバリエーションが他のホスト識別子内に存在する場合、ホスト識別子から削除され、COMPATIBLE_WITH_LESS_FEATURESとしてマークされます。

  • Oracle Access Manager 10gポリシー・ドメインの認可ルールの、時間「曜日」などのタイミング条件は、Access Manager 11.1.2に移行されます。「月」「日付」などの、その他の条件は、Access Manager 11.1.2ではサポートされていないため、移行されません。

  • 255文字を超える名前と1024文字を超える説明を持つアーティファクトは、移行されますが、機能が低下します。移行ユーティリティでは、255文字を超えるアーティファクト名は切り捨てられ、説明の先頭にこの切り捨てられた名前が追加されます。アーティファクトの説明が1024文字を超える場合、超えた文字は、移行時に失われます。


評価レポートを生成するには、次の手順を実行します。

  1. 第12.9項「プロパティ・ファイルの作成」で作成したプロパティ・ファイルを次のように編集します。

    1. migration_modeプロパティの値をCOMPLETEに設定します。

    2. preview_enabledプロパティの値をtrueに設定します。

    3. evaluate_onlyプロパティの値をtrueに設定します。

    4. 評価レポート・ファイルの絶対パスをevaluate_filenameプロパティに設定したことを確認します。

    5. プロパティ・ファイルを保存して閉じます。

  2. 第12.13項「Access Manager 11.1.2へのOracle Access Manager 10gのアーティファクトの移行」の手順2から手順6を実行します。

    これにより、作成したプロパティ・ファイルのevaluate_filenameプロパティで指定されている場所に評価レポートが作成されます。このレポートは、Microsoft Excelで開くこともできます。評価レポートに含まれるレコードは、プロパティ・ファイルのpreview_levelプロパティで設定された値に基づきます。

    プロパティ・ファイルのevaluate_onlyプロパティがtrueに設定されているため、移行ユーティリティでは、評価レポートのみが生成され、Oracle Access Manager 10gのアーティファクトの移行は実行されません。


    注意:

    移行を開始する前に、評価レポートを分析し、Oracle Access Manager 10g環境に必要な変更を加えることができます。


評価レポートを作成し、かつOracle Access Manager 10gアーティファクトを移行する場合は、evaluate_onlyプロパティの値をfalseに設定し、第12.13項「Access Manager 11.1.2へのOracle Access Manager 10gのアーティファクトの移行」で説明されている手順に従います。

12.11 管理サーバーの再起動

次のように、Access Manager 11.1.2があるドメインのWebLogic管理サーバーを再起動します。

  1. 管理サーバーを停止します。

  2. 管理サーバーを起動します。

管理サーバーの停止

管理サーバーを停止するには、次を実行します。

UNIXの場合:

  1. 次のコマンドを使用して、現在の作業ディレクトリからMW_HOME/user_projects/domains/domain_name/binディレクトリに移動します。

    cd MW_HOME/user_projects/domains/domain_name/bin/
    
  2. 次のコマンドを実行します:

    ./stopWebLogic.sh admin_username admin_password admin_url
    

    このコマンドでは、次のように指定します。

    admin_usernameは、WebLogic管理サーバーのユーザー名です。

    admin_passwordは、WebLogic管理サーバーのパスワードです。

    admin_urlは、管理コンソールのURLです。http://host:port/consoleという形式で指定する必要があります。

Windowsの場合:

  1. コマンドラインで次のコマンドを使用して、現在の作業ディレクトリからMW_HOME\user_projects\domains\domain_name\binディレクトリに移動します。

    cd MW_HOME\user_projects\domains\domain_name\bin\
    
  2. 次のコマンドを実行します:

    stopWebLogic.cmd
    

    プロンプトが表示されたら、管理サーバーのユーザー名およびパスワードを入力します。

管理サーバーの起動

WebLogic管理サーバーを起動するには、次の手順を実行します。

UNIXの場合:

  1. 次のコマンドを使用して、現在の作業ディレクトリからMW_HOME/user_projects/domains/domain_name/binディレクトリに移動します。

    cd MW_HOME/user_projects/domains/domain_name/bin/
    
  2. 次のコマンドを実行します:

    ./startWebLogic.sh
    

    プロンプトが表示されたら、WebLogic管理サーバーのユーザー名とパスワードを入力します。

Windowsの場合:

  1. コマンドラインで次のコマンドを使用して、現在の作業ディレクトリからMW_HOME\user_projects\domains\domain_name\binディレクトリに移動します。

    cd MW_HOME\user_projects\domains\domain_name\bin\
    
  2. 次のコマンドを実行します:

    startWebLogic.cmd
    

    プロンプトが表示されたら、WebLogic管理サーバーのユーザー名とパスワードを入力します。

12.12 増分移行のための追加手順

増分移行を実行する場合のみ、次の手順を実行します。

  1. 移行プロセスで作成するプロパティ・ファイルでmigration_modeプロパティをINCREMENTALに設定します(第12.9項「プロパティ・ファイルの作成」)。

  2. 増分移行を実行するには、移行するアーティファクト(エージェントとポリシー・ドメイン)のリスト、または移行から除外するアーティファクト(エージェントとポリシー・ドメイン)のリストを、入力ファイルと呼ばれるテキスト・ファイルで指定する必要があります。新しい入力ファイルを作成することも、評価レポートの生成時に作成される入力ファイル(第12.10項「評価レポートの作成」)を使用することも可能です。

    アーティファクトを移行の対象とするには、次の手順を実行します。

    1. 入力ファイルの名前をincludeファイルとします。

    2. 次の例に示す形式で、移行するアーティファクトを指定します。

      例: エージェント・プロファイルISAPI_OAM101430_WGを移行するには、includeファイル内のエントリを次のように設定する必要があります。

      AGENT##ISAPI_OAM101430_WG##ISAPI_OAM10430##Y
      

      説明は次のとおりです。

      Yは、アーティファクトが増分移行の対象として選択されることを示します。

    3. プロパティ・ファイル(oam_migration.properties)のinclude_fileプロパティを、includeファイルへの絶対パスに設定します。

    アーティファクトを移行から除外するには、次の手順を実行します。

    1. 入力ファイルの名前をexcludeファイルとします。

    2. 次の例に示す形式で、移行から除外するアーティファクトを指定します。

      例: エージェント・プロファイルISAPI_OAM101430_WGを移行から除外するには、excludeファイル内のエントリを次のように設定する必要があります。

      AGENT##ISAPI_OAM101430_WG##ISAPI_OAM10430##Y
      

      説明は次のとおりです。

      Yは、アーティファクトが増分移行の対象として選択されないことを示します。

      除外ファイルにリストされているすべてのアーティファクトは移行されません。

    3. プロパティ・ファイル(oam_migration.properties)のexclude_fileプロパティを、excludeファイルへの絶対パスに設定します。


注意:

includeファイルとexcludeファイルを両方とも作成し、プロパティ・ファイルで両方のファイルへのパスが指定された場合、includeファイルが優先され、excludeファイルは無視されます。

プロパティ・ファイルでこれらの入力ファイルを何も指定しないと、移行は中断されます。

増分移行は複数回実行できます。


12.13 Access Manager 11.1.2へのOracle Access Manager 10gのアーティファクトの移行

Oracle Access Manager 10gをAccess Manager 11.1.2に移行する前に、(第15.9項「評価レポートの生成」の説明に従って)評価レポートを生成し、Access Manager 11.1.2で互換性のあるアーティファクトと互換性のないアーティファクトを分析することをお薦めします。


注意:

評価レポートの分析後、Oracle Access Manager 10gをAccess Manager 11.1.2に移行する場合は、この項の手順1から6を実行します。

増分移行を実行する場合は、プロパティ・ファイルでmigration_modeプロパティがINCREMENTALに設定されていることを確認してください。また、この項で説明されている手順を実行する前に、第12.12項「増分移行のための追加手順」で説明されている追加手順を完了したことも確認してください。

完全移行を実行する場合は、プロパティ・ファイルでmigration_modeプロパティがCOMPLETEに設定されていることを確認してください。


完全移行または増分移行を実行するには、次の手順を実行します。

  1. 「プロパティ・ファイルの作成」で作成したプロパティ・ファイルでevaluate_onlyプロパティをfalseに設定します。ファイルを保存して閉じます。

  2. 次のコマンドを実行して、WebLogic Scripting Tool(WLST)を起動します。

    UNIXの場合:

    1. コマンドラインで次のコマンドを実行し、現在の作業ディレクトリからIAM_HOME/common/binディレクトリに移動します。

      cd IAM_HOME/common/bin

    2. 次のコマンドを実行して、WebLogic Scripting Tool(WLST)を起動します。

      ./wlst.sh

    Windowsの場合:

    1. コマンドラインで次のコマンドを実行し、現在の作業ディレクトリからIAM_HOME\common\binディレクトリに移動します。

      cd IAM_HOME\common\bin

    2. 次のコマンドを実行して、WebLogic Scripting Tool(WLST)を起動します。

      wlst.cmd

  3. 次のコマンドを実行して、WLSTをWebLogic Serverインスタンスに接続します。

    connect('wls_admin_username','wls_admin_password','t3://hostname:port');
    

    このコマンドでは、次のように指定します。

    wls_admin_usernameは、WebLogic管理サーバーのユーザー名です。

    wls_admin_passwordは、WebLogic管理サーバーのパスワードです。

    hostnameは、WebLogic管理サーバーが実行されているホストです。

    portは、WebLogic管理サーバーのポートです。

    次に例を示します。

    connect('weblogic','password','t3://localhost:7001');
    
  4. 次のコマンドを実行します:

    domainRuntime();
    
  5. 次のコマンドを実行します:

    setLogLevel(logger="oracle.oam",level="TRACE:32",persist="0",target="AdminServer");
    
  6. 次のコマンドを実行して、Oracle Access Manager 10gのアーティファクトをAccess Manager 11.1.2に移行します。

    oamMigrate(oamMigrateType="OAM10g",pathMigrationPropertiesFile="absolute_path_of_properties_file");
    

    説明は次のとおりです。

    absolute_path_of_properties_fileは、手順1で作成したプロパティ・ファイルの絶対パスです。次に例を示します。

    UNIXの場合: oamMigrate(oamMigrateType="OAM10g",pathMigrationPropertiesFile="abc/def/oam_migration.properties"

    Windowsの場合: oamMigrate(oamMigrateType="OAM10g",pathMigrationPropertiesFile="abc\\def\\oam_migration.properties"

移行が完了すると、WLSTコンソールに、移行の結果を示すメッセージが表示されます。次の場所にログ・ファイルが生成されます。

MW_HOME/user_projects/domains/base_domain/servers/AdminServer/logs/Adminserver-diagnostic*.log

移行プロセスでなんらかのエラーが発生した場合は、ログ・ファイルを参照してください。

12.14 Access Manager 11.1.2サーバーとWebGateの関連付け

Oracle Access Manager 10gをAccess Manager 11.1.2に移行した後、移行されたすべてのWebGateをAccess Manager 11.1.2 Serverに関連付ける必要があります。次の手順を実行します。

  1. Access Manager 11.1.2サーバー・インスタンスのホスト名とポートの詳細を使用して、Oracle Access Manager 10gアクセス・システム・コンソール上に新しいサーバー・プロファイルを作成します。それには、次の手順を実行します。

    1. Oracle Access Manager 10gアクセス・システム・コンソールにログインします。

    2. 「アクセス・システム構成」タブに移動します。

    3. 左側のナビゲーション・ペインの「アクセス・サーバー構成」をクリックします。

    4. 「追加」をクリックして、新しいサーバー・プロファイルを作成します。

    5. 次の詳細を指定します。

      名前: このサーバーの名前を指定します。

      ホスト名: Access Manager 11.1.2サーバー・インスタンスが実行されているマシンのホスト名を指定します。

      ポート: Access Manager 11.1.2サーバー・インスタンスのプロキシ・ポートを指定します。Access Manager 11.1.2のデフォルトのプロキシ・ポートは5575です。

      トランスポート・セキュリティ: Access Manager 11.1.2サーバー・インスタンスと同じトランスポート・セキュリティ・モードを指定します。

      他のパラメータについてはデフォルト値のままにします。

    6. 「保存」をクリックします。

  2. 関連付けの後でAccess Manager 11.1.2サーバーとの接続を確立できないWebGateのプロファイル内のWebGate (AccessGate)のMAX Connectionsパラメータの値を設定します。

    Oracle Access Manager 10gのプライマリ・サーバーがすべて起動している場合、MAX Connectionsの値を、Oracle Access Manager 10gのすべてのプライマリ・サーバーへの接続数の合計と同じ数に設定します。

    WebGateプロファイルの変更に関する詳細は、Oracle Access Managerアクセス管理ガイドリリース10g(10.1.4.3)のアクセス・ゲートの変更に関する項を参照してください。

  3. 既存のOracle Access Manager 10gサーバーを保持することで、各WebGateを1つ以上のプライマリ・サーバーとしてAccess Manager 11.1.2サーバーに関連付けます。Access Manager 11.1.2サーバーへの接続数を1以上に設定します。

    非アクティブな再構成期間の後、WebGateは、サーバーの新しいリストで更新されます。

  4. オプション: 各WebGateで、webgate_installation_directory/oblix/lib/ObAccessClient.xmlにあるObAccessClient.xmlファイルが、プライマリ・サーバーのリスト内のAccess Manager 11.1.2サーバーのホストとポートで更新されることを確認します。これを行うには、ObAccessClient.xmlファイルを開き、プライマリ・サーバーのリストを探します。

  5. 次のタスクのいずれかを実行して、WebGateをAccess Manager 11.1.2サーバーにポイントします。

    • すべてのOracle Access Manager 10gサーバーを停止します。Oracle Access Manager 10gサーバーへの接続数が多い場合、WebGateがAccess Manager 11.1.2サーバーとの通信を開始するには数分かかります。WebGateをホストするWebサーバーを再起動すると、WebGateはただちに、Access Manager 11.1.2サーバーとの通信を開始します。

    • MAX Connectionsパラメータの値を1つ増やして、WebGateがAccess Manager 11.1.2サーバーとの通信を確立できるようにします。WebGate上でのロードが大きいほど、Access Manager 11.1.2サーバーへの接続にかかる時間は短くなります。

    WebGateは、Access Manager 11.1.2サーバーからの新しい構成情報を取得しますが、Access Manager 11.1.2サーバーのプライマリ・サーバーは1つのみです。そのため、WebGateは、Access Manager 11.1.2サーバーとのみ通信します。こうしておけば、サーバーは1つしかないので、MAX Connectionsの値を減らすことができます。

12.15 移行の確認

移行を確認するには、次の手順を実行します。

  1. 移行が成功すると、WLSTコンソールに「移行が正常に完了しました。」というメッセージが表示されます。

  2. 次のディレクトリに生成されているoam-config.xmlファイルで、アップグレードされたステータス、移行のタイプ、タイムスタンプなどの移行の詳細を確認します。

    UNIXの場合:

    MW_HOME/user_projects/domains/Domain_Name/config/fmwconfig/

    Windowsの場合:

    MW_HOME\user_projects\domains\Domain_Name\config\fmwconfig\

  3. 次のURLを使用してOracle Access Managementコンソールにログインします。

    http://host:port/oamconsole
    

    このURLで、hostはAccess Manager 11.1.2が実行されているマシン、およびportはポート番号です。

    Oracle Access Manager 10gのアーティファクトがAccess Manager 11.1.2に移行されたことを確認します。

12.16 トラブルシューティング

この項では、Oracle Access Manager 10gをAccess Manager 11.1.2に移行するときに発生する可能性のある一般的な問題の解決策について説明します。内容は次のとおりです。

12.16.1 移行データの損失を防ぐためにログ・ファイルのサイズを増やす

ログ・ファイルのサイズが小さすぎると、ログ・ファイルのローテーション時に移行データが失われるおそれがあります。この問題を解決するには、次の手順を実行して、WebLogicコンソールでログ・ファイルのサイズを増やす必要があります。

  1. 次のURLを使用してWebLogic管理コンソールにログインします。

    http://host:port/console
    

    このURLで、hostはWebLogic管理サーバーをホストするマシンのホスト名、およびportは管理サーバーのポート番号です。

  2. 左側のナビゲーション・ペインの「ドメイン構造」で、それぞれのドメイン名の下の「環境」を開きます。

  3. 「サーバー」をクリックします。

  4. 「サーバーのサマリー」ページで、「構成」タブに移動し、管理サーバーの名前(たとえば、「AdminServer(admin」))をクリックします。

  5. 「ロギング」タブに移動し、「一般」タブをクリックします。

  6. 次のフィールドに適切な値を指定します。

    1. ローテーション・ファイル・サイズ: ログ・ファイルのサイズをKB単位で指定します。指定できる最大値は65535 KBです。

    2. 保存するファイル数: 保存する、ローテーションされたログ・ファイルの数を指定します。

  7. 「保存」をクリックします。

12.16.2 WebLogic Serverのヒープ・サイズを増やす

Oracle Access Manager 10gのポリシー・データが(様々なポリシー関連アーティファクトの数という点で)大規模である場合、移行ツールで、処理のために大量のメモリーが必要になる可能性があります。WebLogic管理サーバーのヒープ・サイズが小さい場合は、次の手順を実行して、そのサイズを増やすことができます。

UNIXの場合:

  1. ディレクトリMW_HOME/user_projects/domains/Domain_Name/bin/から、任意のテキスト・エディタでsetDomainEnv.shファイルを開きます。

  2. 次の行を検索します。

    if [ "${USER_MEM_ARGS}" != "" ]
    
  3. 前の手順で特定した行のすぐ前に、次の行を追加します。

    USER_MEM_ARGS="new_heap_size"
    export USER_MEM_ARGS
    

    ここで、new_heap_sizeは、WebLogic管理サーバーの新たなヒープ・サイズ(MB単位)です。

    たとえば、WebLogic管理サーバーのヒープ・サイズを2GBに増やすには、次のように指定します。

    USER_MEM_ARGS="-Xms2048m -Xmx2048m"
    export USER_MEM_ARGS
    

Windowsの場合:

  1. ディレクトリMW_HOME\user_projects\domains\Domain_Name\bin\から、任意のテキスト・エディタでsetDomainEnv.cmdファイルを開きます。

  2. 次の行を検索します。

    if NOT "%USER_MEM_ARGS%"=="" (
    
  3. 前の手順で特定した行のすぐ前に、次の行を追加します。

    set USER_MEM_ARGS="new_heap_size"
    

    ここで、new_heap_sizeは、WebLogic管理サーバーの新たなヒープ・サイズ(MB単位)です。

    たとえば、WebLogic管理サーバーのヒープ・サイズを2GBに増やすには、次のように指定します。

    set USER_MEM_ARGS=-Xms2048m -Xmx2048m