| Oracle® Fusion Middleware Oracle Application Development Framework Webユーザー・インタフェース開発者ガイド 11gリリース2 (11.1.2.2.0) B66719-02 |
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この章では、commandButton、navigationPaneおよびtrainなど、ADF Facesのナビゲーション・コンポーネントを使用して、Webユーザー・インタフェースでのナビゲーションを実現する方法を説明します。
この章では、次の項目について説明します。
ナビゲーション・コンポーネントを使用すると、より詳細な情報のドリルダウン、関連ページまたはウィンドウへの移動、およびデータへの特定アクションの実行と同時のナビゲーションが可能になります。ナビゲーション・コンポーネントの一般的な形式はボタンやリンクで、その多くはそれのみで使用できますが、その他のコンポーネントと組み合せないと使用できないものもあります。
一部のコンポーネントは、階層ページをナビゲートし、ページ階層内でのユーザーの現在の場所を追跡するためのタブやブレッドクラムなどの項目をレンダリングします。リンクとボタンをレンダリングするコンポーネントは2つあり、特に、ユーザーに順を追ってマルチステップ・タスクを説明するために使用します。また、部分ページ・リクエストを起動するため、およびポップアップ・ダイアログや2次ウィンドウを(その他のADF Facesのタグやコンポーネントと組み合せて)実装するために、commandボタンまたはcommandLinkコンポーネントを使用することもできます。ナビゲーション・コンポーネントは、サーバー側のアクション付きで作成することも、アクションなしで作成することもできます。
図20-1に、ナビゲーションの提供に使用される様々なADF Facesコンポーネントを示します。
一般的にナビゲーション・コンポーネントは、別のページやウィンドウへのナビゲート、データに対するアクションの実行、またはアクションの実行と同時のナビゲートを可能にするためのボタンやリンクの作成に使用されます。たとえば、図20-2に示すように、File Explorerアプリケーションのメイン・ページには、スキンの選択後にページをリフレッシュするためにクリックするcommandButtonコンポーネント、クリックするとポップアップ・ウィンドウが開くcommandLinkコンポーネント、およびコンポーネント・ツリーの現在のビューIDへリダイレクトするgoImageLinkコンポーネントが含まれています。
File Explorerアプリケーションの上部右端には、4つのグローバル・アプリケーション・リンクがあります。ナビゲーション先の提供にはgoLinkコンポーネントを使用できますが、File Explorerアプリケーションでは、別の場所に直接ナビゲートする、または結果的にナビゲートするアクションを提供するリンクの作成にnavigationPaneおよび子のcommandNavigationItemコンポーネントが使用されます。
また、navigationPaneコンポーネントは、アプリケーション・コンテンツを意味のある構造に編成することが可能で、ユーザーが様々な機能を実行するために、アプリケーションのあらゆるコンテンツ領域内を移動するためのナビゲーション方法も提供します。たとえば、シンプルなHRアプリケーションには、図20-3に示すように、従業員が会社の給付金を確認できるページや、従業員データを表示および作成する管理ページがあります。navigationPaneコンポーネントは、タブ、バー、リストなどを含む構造を表示し、子のcommandNavigationItemコンポーネントはナビゲーション・リンクを表示します。
アプリケーション・ウィンドウがすべてのナビゲーション・アイテムを表示できるほど広くない場合には、図20-4に示すように、組込みのオーバーフロー・インジケータが表示されます。
navigationPaneコンポーネントも、コンポーネントがメニュー・モデル・マネージドBeanにバインドされるメニュー・モデルとともに使用できます。フレームワークにより、各ページの構造に適切な数のナビゲーション・アイテムが生成され、選択対象として表示されるアイテムも追跡されるため、複雑なページ階層の場合は、メニュー・モデルを使用するとより効果的です。
menuBarコンポーネントもメニュー・モデルにバインドし、ページ階層内の様々なレベルをナビゲートするためのメニューやサブメニューを実装できます。Webのショッピング・サイトの大部分では、ショッピング領域の分類にメニューのシステムを使用し、階層内の特定のサブカテゴリまたはアイテムへのワンクリック・アクションを提供しています。図20-5に示すように、メニュー・バーにメニュー項目の最初のレベルが一目でわかるように表示されています。メニューの上にマウス・カーソルを置くと、参照および選択するより多くのアイテムのサブメニューがユーザーに表示されます。一般的に、3レベルを超えるメニュー項目は実装しません。
ページ階層の作成にnavigationPaneとmenuBar (メニュー・モデルにバインド)のどちらを使用するかに関係なく、breadCrumbsコンポーネントと一連の子のcommandNavigationItemコンポーネントを使用して、ページ階層内でのユーザーの現在の場所を視覚的に示すことができます。図20-6に示すように、breadCrumbsコンポーネントには、ルート・ページから始まり現在のページ(常に最後のリンク)までの一行のテキスト・リンクが表示されます。メニュー・モデルを使用してページ階層を作成した場合、breadCrumbsコンポーネントを同じメニュー・モデル・マネージドBeanにバインドし、フレームワークによりリンクが動的に生成されるようにすることが可能です。
trainコンポーネントを使用すると、ユーザーは、マルチステップ・プロセスのどの段階であるかを簡単に確認し、そのプロセス全体をナビゲートすることもできるようになります。図20-7に示すように、trainButtonBarコンポーネントは、「Back」および「Next」ボタンの形式で、trainプロセスに追加のナビゲーションを提供します。
ナビゲーション・コンポーネントを実装する前に、ADF Facesのその他の機能を理解しておくと役に立ちます。また、ページにこれらのコンポーネントを追加してから、アクセシビリティやローカライゼーションなどの機能の追加が必要なことに気が付く場合もあります。次に、ナビゲーション・コンポーネントで使用できるその他の機能へのリンクを示します。
テキストでのパラメータの使用: コンポーネントに表示されるテキストに、実行時に解決されるパラメータを含める場合は、ADF Faces EL書式タグを使用できます。詳細は、3.5.2項「EL書式タグの使用方法」を参照してください。
イベント: ADF Facesコマンド・コンポーネントは、コンポーネントがアクティブ化されると、ActionEventイベントを提供します。サーバーおよびクライアント上でのイベントの処理方法の詳細は、第6章「イベントの処理」を参照してください。
部分ページ・レンダリング: ADF Facesコマンド・コンポーネントは、ページ上のコンポーネントの部分レンダリングのトリガーに使用できます。詳細は、第8章「部分ページ・コンテンツの再レンダリング」を参照してください。
アクセシビリティ: ナビゲーション・コンポーネントをアクセス可能にできます。詳細は、第30章「アクセス可能なADF Facesページの開発」を参照してください。
ローカライゼーション: ラベルに直接テキストを入力するかわりに、プロパティ・ファイルを使用できます。これらのファイルにより、テキスト文字列の翻訳を管理できます。詳細は、第29章「ページの国際化およびローカライズ」を参照してください。
スキン: スキンを変更することで、ナビゲーション・コンポーネントのルック・アンド・フィールドを変更できます。詳細は、第28章「スタイルおよびスキンを使用した外観のカスタマイズ」を参照してください。
JSFアプリケーション同様、ADF Facesコンポーネントを使用するアプリケーションには、(それのみ、またはその他のナビゲーション・コンポーネント内で使用される)ボタンやリンクがクリックされた場合に、次に表示するページを選択する一連のルールがあります。ルールは、アプリケーションの構成リソース・ファイル(faces-config.xml)にJSFナビゲーション・ルールおよびケースを追加することで定義します。
JSFでは、結果の文字列は、ページ・ナビゲーションの実行に使用するナビゲーション・ルールの選択に使用されます。javax.faces.component.ActionSourceインタフェースを実装するADF Facesのナビゲーション・コンポーネントでは、ユーザーがコンポーネントをアクティブ化するとActionEventイベントが生成されます。JSF NavigationHandlerおよびデフォルトのActionListenerメカニズムでは、アクティブ化されたコンポーネントの結果文字列を使用して、一連のナビゲーション・ルールで一致するものが検出されます。JSFで一致が検出されると、対応するページが選択され、レスポンスのレンダリング・フェーズで選択したページがレンダリングされます。JSFライフサイクルの詳細は、第5章「ADF FacesでのJSFライフサイクルの使用」を参照してください。また、ADF Facesアプリケーションのナビゲーションでは、部分ページ・レンダリングが使用される場合があります。詳細は、8.4項「部分ページ・ナビゲーションの使用について」を参照してください。
ADF Facesのボタンおよびリンクには、コマンド・コンポーネントcommandButton、commandLinkおよびcommandImageLinkと、実行コンポーネントgoButton、goImageLinkおよびgoLinkが含まれます。コマンド・コンポーネントと実行コンポーネントの主な違いは、コマンド・コンポーネントはリクエストを送信してActionEventイベントを起動するのに対し、実行コンポーネントはアクションを配信せずに直接別の場所に移動する点です。図20-8に示すように、レンダリングされたコマンド・コンポーネントと実行コンポーネントの外観は同じように見えます。
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ヒント: ADF Facesには、メニューやツールバー内でのみ使用される特殊なコマンド・コンポーネントや実行コンポーネントも用意されています。詳細は、第16章「メニュー、ツールバーおよびツールボックスの使用方法」を参照してください。 |
commandImageLinkおよびgoImageLinkコンポーネントは、図20-9に示すように、オプションのテキストとともに、イメージをリンクとしてレンダリングします。iconPosition属性に値を設定することで、オプションのテキストに対するイメージの位置を決定できます。また、ユーザーがアイコンにカーソルを置いた場合、またはアイコンが押された場合や無効化された場合のために、別々のアイコンを設定できます。
ADF Facesには、ツールバー・ボタンからポップアップ・メニューを開くことができるpopupファセットなど、その他の機能を提供するcommandToolbarButtonコンポーネントもあります。詳細は、16.3項「ツールバーの使用方法」を参照してください。
コマンド・コンポーネントおよびリンク・コンポーネントの動作は、印刷または電子メール用に簡略化モードでページを出力した場合には異なります。次に、印刷モードおよび電子メール・モードで表示されるリンク・コンポーネントを示します(起動することはできません)。
af:commandImageLink
af:commandLink
af:goImageLink
af:goLink
次に示すコマンド・コンポーネントおよび実行ボタン・コンポーネントは、印刷または電子メール用に簡略化モードでページを出力するとレンダリングされません。
af:commandButton
af:commandToolbarButton
af:goButton
電子メールおよび印刷の出力モードの詳細は、第34章「異なる出力モードの使用方法」を参照してください。
エンド・ユーザーが、リンクをレンダリングするコマンド・コンポーネントを右クリックした場合に、ブラウザのコンテキスト・メニューを起動できるようにアプリケーションを構成することが可能です。コマンド・コンポーネントによりレンダリングされたリンクを右クリックしたエンド・ユーザーは、ブラウザのコンテキスト・メニューを使用して、起動する必要のないアクション(新しいウィンドウのリンクを開くなど)を起動できてしまいます。詳細は、20.4項「コマンド・リンクへのブラウザ・コンテキスト・メニューの構成」を参照してください。
ナビゲート元のページにコミットされていないデータが含まれる場合には、ユーザーに警告メッセージを表示できます。immediate属性がtrueに設定されているコマンド・コンポーネントに、checkUncommittedDataBehaviorコンポーネントを子として追加します。ユーザーがナビゲートしないことを選択すると、子イベントは取り消されます。次のコンポーネントにcheckUncommittedDataBehaviorコンポーネントを子として追加できます。
af:commandButton
af:commandLink
af:commandImageLink
af:commandToolbarButton
af:activeCommandToolbarButton
エンド・ユーザーに警告メッセージを表示するには、9.2.5項「documentタグの構成方法」で説明されているように、ページにコミットされていないデータが含まれていて、documentタグのuncommittedDataWarning属性がonに設定されている必要があります。
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注意:
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通常、commandButton、commandLinkおよびcommandImageLinkコンポーネントは、ページ・ナビゲーションおよびサーバー側の処理を実行するために使用します。
始める前に:
コマンド・コンポーネントの属性が、機能にどのように影響するかを理解しておくと役に立ちます。詳細は、20.3項「ボタンおよびリンクのナビゲーション目的での使用」を参照してください。
他のADF Faces機能を使用して追加できる機能について理解することが役立つ場合もあります。詳細は、20.1.2項「ナビゲーション・コンポーネントのその他の機能」を参照してください。
コマンド・コンポーネントを作成および使用する手順:
コンポーネント・パレットの「一般コントロール」パネルからJSFページに「ボタン」をドラッグ・アンド・ドロップして、commandButtonコンポーネントを作成します。「リンク」をドラッグ・アンド・ドロップして、commandLinkコンポーネントを作成します。「リンク(イメージ)」をドラッグ・アンド・ドロップして、commandImageLinkコンポーネントを作成します。
プロパティ・インスペクタで、「共通」セクションを開き、text属性を設定します。
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ヒント: かわりに、 |
icon属性を、commandButtonまたはcommandImageLinkコンポーネント内に使用するイメージ・ファイルのURIに設定します(commandLinkではサポートされていません)。commandImageLinkコンポーネントの場合は、hoverIcon、disabledIconおよびdepressedIcon属性を設定することも可能です。
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ヒント:
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action属性を、結果の文字列、または論理結果のStringを返すバッキングBeanのアクション・メソッドを参照するメソッド式に設定します。ページ間のナビゲーションを構成する方法の詳細は、3.3項「ページ・フローの定義」を参照してください。
デフォルトのJSF ActionListenerメカニズムでは、結果の文字列を使用して適切なJSFナビゲーション・ルールが選択され、レスポンスのレンダリング・フェーズに使用するページがJSF NavigationHandlerに通知されます。マネージドBeanメソッドを使用してダイアログを開く方法の詳細は、第15章「ポップアップ・ダイアログ、メニューおよびウィンドウの使用方法」を参照してください。JSFアプリケーションでの結果の文字列およびナビゲーションの詳細は、http://download.oracle.com/javaee/index.htmlでJava EE 6チュートリアルを参照してください。
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ヒント: 結果を返すハンドラにバインドされている場合は、ナビゲーションに たとえば、File Explorerアプリケーションの「検索」パネルの「検索」ボタンにはナビゲート先はありません。かわりに、検索の実行に使用されます。
actionListener="#{explorer.navigatorManager.searchNavigator.
searchForFileItem}"
この式は、実際に検索を実行するメソッドに評価されます。 |
コンポーネントを対話型ではないボタンまたはリンクとして表示する場合は、「動作」セクションを開いて、disabled属性をtrueに設定します。
コンポーネントがアクティブ化されるたびに部分ページ・リクエストが起動されるように、partialSubmit属性をtrueに設定します。詳細は、8.2項「部分ページ・レンダリングの宣言的有効化」を参照してください。
検証の処理およびモデルの更新フェーズをスキップする場合は、immediate属性をtrueに設定します。コンポーネントのアクション・リスナー(存在する場合)およびデフォルトのJSF ActionListenerハンドラは、JSFライフサイクルのリクエスト値の適用フェーズの最後に実行されます。詳細は、5.2項「immediate属性の使用」を参照してください。
手順7で説明されているように、immediate属性をtrueに設定した場合は、オプションで、コマンド・コンポーネントにaf:checkUncommittedDataBehaviorコンポーネントを子として追加し、コミットされていないデータがページに含まれている際に、ユーザーに警告メッセージを表示できます。コンポーネント・パレットの「操作」パネルで、「動作」グループから「未コミット・データの確認動作」をドラッグし、手順1で追加したコマンド・コンポーネントの子としてドロップします。
コマンド・ボタンおよびリンクも、useWindow、windowHeight、windowWidth、launchListenerおよびreturnListenerの属性を使用して、2次ウィンドウを開くために使用できます。2次ウィンドウを開く方法の詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle Application Development Framework Fusion開発者ガイド』のADF Facesのダイアログ・フレームワークの使用に関する項を参照してください。
JavaScriptコードを記述せずにポップアップを起動するコマンド・ボタンおよびリンクを使用する場合は、15.3項「ポップアップの宣言的な呼出し」を参照してください。
goButton、goImageLinkおよびgoLinkコンポーネントは、ActionEventイベントを配信せずに、ページ・ナビゲーションを直接実行するために使用します。
始める前に:
実行コンポーネントの属性が、機能にどのように影響するかを理解しておくと役に立ちます。詳細は、20.3項「ボタンおよびリンクのナビゲーション目的での使用」を参照してください。
他のADF Faces機能を使用して追加できる機能について理解することが役立つ場合もあります。詳細は、20.1.2項「ナビゲーション・コンポーネントのその他の機能」を参照してください。
実行ボタンおよび実行リンクを作成および使用する手順:
コンポーネント・パレットの「一般コントロール」パネルからJSFページに「ボタン(実行)」をドラッグ・アンド・ドロップして、goButtonコンポーネントを作成します。「リンク(実行)」をドラッグ・アンド・ドロップして、goLinkコンポーネントを作成します。「イメージ(実行)」をドラッグ・アンド・ドロップして、goImageLinkコンポーネントを作成します。
プロパティ・インスペクタで、「共通」セクションを開き、text属性を設定します。
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ヒント: かわりに、 |
icon属性を、goButtonまたはgoImageLinkコンポーネント内に使用するイメージ・ファイルのURIに設定します(goLinkではサポートされていません)。goImageLinkコンポーネントの場合は、hoverIcon、disabledIcon、depressedIconおよびiconPosition属性を設定することも可能です。
iconPosition属性では、leading (デフォルト)およびtrailingの2つの値がサポートされています。アイコンをテキストの前にレンダリングする場合はleadingに設定します。アイコンをテキストの後ろにレンダリングする場合はtrailingに設定します。
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ヒント:
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destination属性を、リンクのナビゲート先のページのURIに設定します。
たとえば、File Explorerアプリケーションでは、popups.jspxファイルのgoLinkコンポーネントで、destination属性が次のように設定されています。
destination="http://www.oracle.com"
targetFrame属性を設定して、新しいページの表示場所を指定します。使用できる値は次のとおりです。
_blank: リンクにより、ドキュメントは新しいウィンドウに開かれます。
_parent: リンクにより、ドキュメントは親ウィンドウに開かれます。たとえば、リンクがダイアログに表示された場合、結果のページは親ウィンドウにレンダリングされます。
_self: リンクにより、ドキュメントは同じページまたはリージョンに開かれます。
_top: リンクにより、ページ全体が置き換えられて、ドキュメントはウィンドウ全体に開かれます。
コンポーネントを対話型ではないボタンまたはリンクとして表示する場合は、「動作」セクションを開いて、disabled属性をtrueに設定します。
8.4項「部分ページ・ナビゲーションの使用について」で説明されているように、部分ページ・レンダリング・リクエストを使用してナビゲーションがトリガーされるように、ADF Facesアプリケーションを構成できます。部分ページ・ナビゲーションが有効化されていると、次のコンポーネントで、GETリクエストの部分ページ・ナビゲーションが自動的にサポートされます。
af:goButton
af:goImageLink
af:goLink
af:goMenuItem (af:menuおよびaf:menuBar内で使用)
af:commandNavigationItem (af:navigationPane内で使用)
唯一の要件は、サポートされているコンポーネントのdestination属性に、/faces/myPage.jspxなどのように/で始まるアプリケーション・コンテキスト・ルートの相対URLが含まれていることです(ここで、facesはweb.xmlに定義されているアプリケーションのサーブレットへのURLマッピングで、myPage.jspxはナビゲート先のページです)。部分ページ・ナビゲーションでURLのハッシュ(#)部分が使用されるため、ページ内のアンカーへのナビゲーションにはハッシュ部分を使用できません。
サポートされているコンポーネントのtargetFrame属性が、新しいウィンドウでリンクを開くように設定されている場合、フレームワークは自動的にページ全体のナビゲーションに戻ります。
実行時にリンクをレンダリングするコマンド・コンポーネントを使用すると、エンド・ユーザーがアクションを起動できるようになります。また、ADF Facesフレームワークにより、エンド・ユーザーのブラウザにそれらのコマンド・コンポーネントのコンテキスト・メニューがレンダリングされるよう、アプリケーションを構成することも可能です。コンテキスト・メニューにより、コマンド・コンポーネントに指定されている別のアクション(新しいウィンドウにリンクを開くなど)を起動するメニュー・オプションが提供されます。この動作を構成できるコンポーネントは次のとおりです。
af:commandLink
af:commandImageLink
af:commandMenuItem (af:menuBarコンポーネント内で使用)
af:commandNavigationItem (destination属性に値が指定されていない場合、ADF Facesフレームワークにより、次のシナリオでブラウザのコンテキスト・メニューが有効化されます)
af:trainコンポーネント内で、af:commandNavigationItemによってレンダリングされる2つのアンカーの場合
af:breadCrumbsコンポーネント内で、af:commandNavigationItemによってレンダリングされる場合
af:navigationPaneコンポーネント(タブ、バー、ボタン、選択、リストなど、任意のヒント)内で、af:commandNavigationItemによってレンダリングされる場合
af:panelTabbed: タブおよびオーバーフロー・インジケータ
af:panelAccordion: 公開リンクおよびオーバーフロー・インジケータ
移動先を指定し、アクションを起動しないコンポーネントには、この動作を構成できません。次に、これらのコンポーネントの例を示します。
af:goLink
af:goImageLink
af:commandNavigationItem (destination属性に値を指定し、action属性には値を指定しない)
アプリケーションのweb.xmlファイルにあるoracle.adf.view.rich.ACTION_LINK_BROWSER_CONTEXT_SUPPRESSIONコンテキスト・パラメータの値をnoに設定します。
始める前に:
この機能を構成できるコマンド・コンポーネントを把握しておくと役に立ちます。詳細は、20.4項「コマンド・リンクへのブラウザ・コンテキスト・メニューの構成」を参照してください。
他のADF Faces機能を使用して追加できる機能について理解することが役立つ場合もあります。詳細は、20.1.2項「ナビゲーション・コンポーネントのその他の機能」を参照してください。
コマンド・リンクにブラウザ・コンテキスト・メニューを構成する手順:
アプリケーション・ナビゲータで、「web.xml」をダブルクリックし、ファイルを開きます。
JDeveloperではデフォルトで、web.xmlファイルは概要エディタで開かれます。
「コンテキスト初期化パラメータ」表で、oracle.adf.view.rich.ACTION_LINK_BROWSER_CONTEXT_SUPPRESSIONパラメータのエントリを追加し、noに設定します。
変更を保存して、web.xmlファイルを閉じます。
20.4.1項「コマンド・リンクへのブラウザのコンテキスト・メニューの構成方法」に説明されている手順に従った場合、例20-1に示すように、JDeveloperにより、web.xmlファイルに値が記述されます。
例20-1 ブラウザのコンテキスト・メニューを構成するためのコンテキスト・パラメータ
<context-param>
<param-name>oracle.adf.view.rich.ACTION_LINK_BROWSER_CONTEXT_SUPPRESSION</param-name>
<param-value>no</param-value>
</context-param>
アプリケーションのweb.xmlファイルにおけるADF Facesの構成オプションの詳細は、A.2項「web.xmlでの構成」を参照してください。
20.4項「コマンド・リンクへのブラウザのコンテキスト・メニューの構成」で説明されているように、特定のコンポーネントによってレンダリングされたリンクを右クリックすると、実行時にエンド・ユーザーがブラウザのコンテキスト・メニューを起動できます。
ナビゲーションにコマンド・コンポーネントを使用するのに加え、ADF Facesには、アクション・イベントの起動時に特定の機能を実行するためにコマンド・コンポーネントとともに使用できるリスナー・タグも含まれています。次に、ADF Facesに含まれるリスナー・タグを示します。
exportCollectionActionListener: table、treeおよびtreeTableコンポーネントから、Excelスプレッドシートにデータをエクスポートするために使用します。詳細は、12.10項「表、ツリーまたはツリー表からのデータのエクスポート」を参照してください。
fileDownloadActionListener: サーバーからローカル・ハード・ドライブへのファイルのダウンロードを開始するために使用します。詳細は、20.5.1項「ファイルをダウンロードするためのコマンド・コンポーネントの使用方法」を参照してください。
resetListener: 送信した値をリセットするために使用します。ただし、データ・モデルの状態は変更されません。詳細は、20.5.2項「入力フィールドをリセットするためのコマンド・コンポーネントの使用方法」を参照してください。入力コンポーネントをポップアップにレンダリングする場合は、15.7項「ポップアップの入力フィールドのリセット」を参照してください。
入力コンポーネントを以前の状態、つまりサーバーへの部分的または完全な送信が成功している状態にリセットする場合は、「リセット」ボタンを使用できます。詳細は、11.2.3項「formへの「リセット」ボタンの追加方法」を参照してください。
コマンド・ボタンなどのアクション・コンポーネントを作成し、fileDownloadActionListenerタグに関連付けることで、ユーザーがファイルをダウンロードする機能を作成できます。ユーザーがアクション・コンポーネントを選択またはクリックすると、図20-10に示すように、ユーザーが異なるダウンロード・オプションを選択できるポップアップ・ダイアログが表示されます。
アクション・コンポーネント(コマンド・ボタン、コマンド・リンクまたはメニュー項目など)により、ファイルのコンテンツがエンド・ユーザーに送信されるようにするには、fileDownloadActionListenerタグを使用します。このタグを使用すると、コンテンツ・タイプまたはファイル名を指定することもできます。fileDownloadActionListenerタグを使用すると、アクション・コンポーネントのpartialSubmit属性に設定した値は、レンダリング時に無視されます。fileDownloadActionListenerタグは、コンテキストに基づいて、アクション・コンポーネントが起動する送信のタイプを決定します。アプリケーションのJSFポートレット内でfileDownloadActionListenerタグを使用すると、アクション・コンポーネントにより部分送信(partialSubmit="true")が起動されます。ADF Facesサーブレットを使用するアプリケーション内にfileDownloadActionListenerタグを使用すると、アクション・コンポーネントにより完全送信(partialSubmit="false")が起動されます。
コンテンツがブラウザに送信された後、そのコンテンツが表示または保存される方法は、エンド・ユーザーがダイアログで選択したオプションにより異なります。エンド・ユーザーが「次で開く」オプションを選択した場合、そのファイル・タイプに関連付けられているアプリケーションが起動されてコンテンツが表示されます。たとえば、テキスト・ファイルの場合はメモ帳アプリケーションが起動されます。エンド・ユーザーがディスクに保存オプションを選択した場合は、ブラウザによっては、ファイル名およびコンテンツを格納する場所を選択するためのポップアップ・ダイアログが表示されます。
例20-2に、ユーザーにhello.txtという名前のファイルをダウンロードするためにfileDownloadActionListenerタグを使用するコマンド・ボタンのタグを示します。
例20-2 コマンド・ボタンおよびfileDownloadActionListenerタグを使用したファイルのダウンロード
<af:commandButton value="Say Hello">
<af:fileDownloadActionListener filename="hello.txt"
contentType="text/plain; charset=utf-8"
method="#{bean.sayHello}"/>
</af:commandButton>
例20-3に、ファイルのダウンロード処理に使用されるマネージドBeanメソッドを示します。
例20-3 ファイルのダウンロード処理に使用されるマネージドBeanメソッド
public void sayHello(FacesContext context, OutputStream out) throws IOException{
OutputStreamWriter w = new OutputStreamWriter(out, "UTF-8");
w.write("Hi there!");
. . .
}
アプリケーションのJSFポートレット内からfileDownloadActionListenerタグを使用すると、表20-1に説明されているパラメータを、アプリケーションのweb.xmlファイルにオプションで追加し、ファイルのサイズや一時的な場所のオプションをダウンロード中に構成できます。
表20-1 ポートレット内にfileDownloadActionListenerを使用するためにweb.xmlファイルに追加するパラメータ
| パラメータ名 | データ型 | 説明 |
|---|---|---|
|
|
Integer |
セッション中に
|
|
|
Integer |
|
|
|
String |
ダウンロード時にファイルを格納する一時的な場所を指定します。値を指定しない場合は、デフォルトで、 |
web.xmlファイルの構成の詳細は、A.2項「web.xmlでの構成」を参照してください。JSFポートレットの作成方法の詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle WebCenterのための開発者ガイド』を参照してください。
始める前に:
コマンド・コンポーネントの属性が、機能にどのように影響するかを理解しておくと役に立ちます。詳細は、20.5項「ボタンまたはリンクの機能の呼出し目的での使用」を参照してください。
他のADF Faces機能を使用して追加できる機能について理解することが役立つ場合もあります。詳細は、20.1.2項「ナビゲーション・コンポーネントのその他の機能」を参照してください。
ファイルのダウンロード・メカニズムを作成する手順:
コンポーネント・パレットからページにアクション・コンポーネントをドラッグ・アンド・ドロップします(アクション・コンポーネントの詳細は、20.3項「ボタンおよびリンクのナビゲーション目的での使用」を参照してください)。
コンポーネント・パレットで、「操作」パネルを開きます。パネルの「リスナー」グループから、「ファイル・ダウンロード・アクション・リスナー」タグをアクション・コンポーネントの子としてドラッグ・アンド・ドロップします。
プロパティ・インスペクタで次の属性を設定します。
contentType: text/plain、text/csv、application/pdfなど、ファイルのMIMEタイプを指定します。
filename: オブジェクトの選択したファイル名を指定します。ファイル名を指定すると、通常は「ファイルの保存」ダイアログが表示されますが、最終的にはブラウザにより異なります。名前を指定しない場合、通常、コンテンツはブラウザにインライン表示されます(可能な場合)。
method: ファイル・コンテンツのダウンロードに使用されるメソッドを指定します。methodには、FacesContextオブジェクトおよびOutputStreamオブジェクトの2つの引数を指定できます。OutputStreamオブジェクトは自動的に閉じられるため、このmethodの唯一の目的は、すべてのバイトをOutputStreamオブジェクトに書き込むことです。
たとえば、コマンド・ボタンのコードは次のようになります。
<af:commandButton text="Load File">
<af:fileDownloadActionListener contentType="text/plain"
filename="MyFile.txt"
method="#(mybean.LoadMyFile"/>
</af:commandButton>
resetListenerタグとコマンド・コンポーネントを組み合せて使用し、入力値をリセットできます。エンド・ユーザーがコマンド・コンポーネントを起動すると、すべての入力値がnullまたは空にリセットされます。入力コンポーネントを以前の状態、つまりサーバーへの部分的または完全な送信が成功している状態にリセットする場合は、「リセット」ボタンを使用する必要があります。詳細は、11.2.3項「formへの「リセット」ボタンの追加方法」を参照してください。
resetListenerタグを使用して、ポップアップにレンダリングされる入力コンポーネントをリセットする場合は、popupコンポーネントのresetEditableValuesプロパティの値も設定する必要があります。このユースケースの詳細は、15.7項「ポップアップの入力フィールドのリセット」を参照してください。
始める前に:
コマンド・コンポーネントの属性が、機能にどのように影響するかを理解しておくと役に立ちます。詳細は、20.5項「ボタンまたはリンクの機能の呼出し目的での使用」を参照してください。
他のADF Faces機能を使用して追加できる機能について理解することが役立つ場合もあります。詳細は、20.1.2項「ナビゲーション・コンポーネントのその他の機能」を参照してください。
リセット・リスナー・タグを使用する手順:
20.3項「ボタンおよびリンクのナビゲーション目的での使用」の説明に従い、コマンド・コンポーネントを作成します。
コンポーネント・パレットの「操作」パネルにある「リスナー」グループからリスナーのリセットをドラッグし、手順1で作成したコマンド・コンポーネントの子としてドロップします。
JDeveloperでは、リスナーのリセットの挿入ダイアログが表示されます。
resetListenerタグがレスポンスでアクティブ化するイベントのタイプを指定します。たとえば、コマンド・コンポーネントのactionListener属性により戻されたactionEventに、resetListenerタグが対応するようにactionを入力します。
リセット・リスナーの挿入ダイアログで「ヘルプ」をクリックして、サポートされる値のリストを表示します。
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注意: アプリケーションにADFコントローラを含むFusionテクノロジ・スタックが使用されている場合は、ADFタスク・フローおよび |
アプリケーションはツリー式階層に関連付けて編成されたページで構成されます。ユーザーは、リンクのパスをドリルダウンして、ページ上の特定の情報にアクセスします。たとえば、図20-11は、トップレベル・ノードであるHomeの下に3つのレベルのノードがある単純なページ階層を示しています。トップレベル・ノードは、ルートの親ページを表しています。第1レベルのノードであるBenefitsおよびEmployee Dataは、より詳細な情報を含む第2レベルの子ノード(InsuranceやView Employeeなど)に関する汎用情報が含まれる親ページを表しています。Insuranceノードも親ノードで、第3レベルの子ノードであるHealthとDentalに関する汎用情報が含まれています。ページ階層の各ノード(ルートのHomeノードを除く)は、同時に親ノードにも子ノードにもなることができ、ページ階層の各ノードは1つのページに対応しています。
ページ階層のナビゲーションは、親子のリンクに従います。たとえば、Healthの情報を表示するには、ユーザーはBenefitsページからドリルダウンを開始し、2つの選択肢(一方がHealth)が用意されているInsuranceページに移動します。Homeから始まり、Healthで終わる選択したリンクのパスは、ツリーのフォーカス・パスと呼ばれます。
直接の親子のナビゲーションのみでなく、レベル間または親間のナビゲーションも可能です。たとえば、Dentalページから、ユーザーは第2レベルのPaid Time Offページに移動することも、第1レベルのBenefitsページまたはEmployee Dataページに移動することもできます。
図20-11に示すように、階層内のどのノードにもリンクされていないが、トップレベルのHomeノードと同じレベルにあるHelpノードは、グローバル・ノードです。グローバル・ノードは、階層内のどのページからもアクセスできるグローバル・ページ(「ヘルプ」ページなど)を表します。
ページ階層をナビゲートするためのWebユーザー・インタフェースで使用される一般的なウィジェットは、タブ、バー、リスト、グローバル・リンクで、すべてnavigationPaneコンポーネントを使用して作成できます。図20-12に、図20-11で説明されたような階層が、navigationPaneおよびその他のコンポーネントを使用してどのようにレンダリングされるかの例を示します。
「Benefits」および「Employee Data」ページのタブがある図20-12に示すように、第1レベルのノードとして、一般的にタブが使用されます。InsuranceおよびPaid Time Offなどの第2レベルのノードはバーとして、HealthおよびDentalなどの第3レベルのノードはリストとしてレンダリングされます。ただし、タブは、第1および第2レベルのノードの両方に使用できます。(グローバル・ノードを表す)グローバル・リンクは、テキスト・リンクとしてレンダリングされます。図20-12で、Homeおよび「ヘルプ」グローバル・リンクはテキスト・リンクとしてレンダリングされています。
第1、第2、第3レベルのノードまたはグローバル・ノードのいずれであるかにかかわらず、1つのnavigationPaneコンポーネントは、1レベルのノードに対応します。navigationPaneコンポーネントがレベルにレンダリングするように構成されているアイテムのタイプに関係なく、必ずcommandNavigationItemコンポーネントを使用してレベル内のアイテムを表します。
navigationPaneコンポーネントは、ナビゲーション用のタブ、バー、リストおよびグローバル・リンクをレンダリングするだけです。図20-17や図20-18に示されているような、位置指定やページ背景のビジュアルなスタイル設定を行うには、decorativeBoxコンポーネントを第1レベルのnavigationPaneコンポーネントの親として使用します。decorativeBoxコンポーネントは、テーマおよびスキニング・キーを使用して、その様々なファセットの枠および色を制御します。たとえば、デフォルトのテーマを使用する場合、decorativeBoxコンポーネント本体は白、枠は青で、左上隅は丸くなります。ミディアム・テーマを使用する場合、本体は中間色の青になります。テーマおよびスキンの使用の詳細は、第28章「スタイルおよびスキンを使用した外観のカスタマイズ」を参照してください。
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ヒント: ページ階層を作成するには、階層内の各ページで同じレイアウトおよびルック・アンド・フィールを使用する必要があるため、ナビゲーション・コンポーネントの配置場所やスタイルを決定するためにテンプレートの使用を検討してください。詳細は、10.4項「ページ・テンプレートの使用」を参照してください。 |
単純な階層の各ページで、まず一連のnavigationPaneコンポーネントを使用して階層の各レベルを表します。その後、各レベルのそれぞれのリンクに対して、navigationPaneコンポーネントの直接の子として、commandNavigationItemコンポーネントを追加します。たとえば、図20-12に示されているような健康保険のページを作成するには、まず、ページに表示されている各レベルにnavigationPaneコンポーネントを使用します。この場合は、グローバル・リンク、第1レベルのノード、第2レベルのノード、第3レベルのノードにそれぞれ1つずつです。その後、個々のリンクを表すために、commandNavigationItemコンポーネントをnavigationPaneコンポーネントのそれぞれに対して子として追加する必要があります(たとえば、第3レベルのnavigationPaneコンポーネントにcommandNavigationItem子コンポーネントを2つ追加して、第3レベルのリスト・アイテム2つを表します)。図20-13に示すように「Benefits」ページを作成した場合は、navigationPaneコンポーネントを3つ(グローバル、第1、第2の各レベルに1つずつ)のみ追加し、このページに表示されるリンクにcommandNavigationItemコンポーネントのみを追加します。
大規模なページ階層では、このプロセスは非常に時間がかかり、ミスも発生しやすくなります。大規模な階層の場合は、各ページに別々のcommandNavigationItemコンポーネントをそれぞれ作成するのではなく、XMLMenuModel実装およびマネージドBeanを使用して、ページのナビゲーション・アイテムを動的に生成することをお薦めします。メタデータ・ファイルとともに使用するXMLMenuModelクラスには、各ページに適切な数の階層レベルを生成するためのすべての情報と、各レベルに属するナビゲーション・アイテムが含まれます。
navigationPaneコンポーネント内に複数のcommandNavigationItemコンポーネントを使用し、各ページで現在の項目を選択済としてマーキングするかわりに、各navigationPaneコンポーネントを宣言的に同じXMLMenuModel実装にバインドし、nodeStampファセットにcommandNavigationItemコンポーネントを1つ使用してナビゲーション・アイテムを指定します。commandNavigationItemコンポーネントは、navigationPaneコンポーネントのスタンプとして機能し、XMLMenuModelオブジェクトに保持されている(各レベルの)ノードのナビゲーション・アイテムにスタンプを設定します。
また、menuBarコンポーネントをXMLMenuModel実装とともに使用し、ページ階層をナビゲートするためにメニュー項目にスタンプを設定することもできます。
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注意: アプリケーションの変更の反映に使用できるメニュー(「Open」および「Delete」コマンドが含まれる「File」メニューなど)を作成する場合は、第16章「メニュー、ツールバーおよびツールボックスの使用方法」を参照してください。 |
どのページでも、ユーザーの現在の位置をページ階層全体との関連で表示するには、一連のcommandNavigationItemコンポーネントまたは1つのcommandNavigationItemコンポーネントを含むbreadCrumbsコンポーネントをnodeStampとして使用し、現在のページ(フォーカス・パスの現在のノード)からルート・ページへ戻るリンクのパスを指定します。
XMLMenuModelを使用したナビゲーション階層の作成の詳細は、20.7項「メニュー・モデルを使用したページ階層の作成」を参照してください。ナビゲーション階層の手動による作成の詳細は、20.8項「単純なナビゲーション階層の作成」を参照してください。
ページ階層へのナビゲーション・アイテムの作成にメニュー・モデルを使用するか、手動でナビゲーション・アイテムを作成するかに関係なく、JSFナビゲーション・モデルは、デフォルトのActionListenerメカニズムを介し、ユーザーがナビゲーション・アイテムを選択する際に、ナビゲート先のページの選択に使用されます。
始める前に:
ナビゲーション・コンポーネントの属性が、機能にどのように影響するかを理解しておくと役に立ちます。詳細は、20.6項「ページ階層用のナビゲーション・アイテムの使用」を参照してください。
他のADF Faces機能を使用して追加できる機能について理解することが役立つ場合もあります。詳細は、20.1.2項「ナビゲーション・コンポーネントのその他の機能」を参照してください。
ページ階層用にナビゲーション・ケースを作成する手順:
「アプリケーション・ナビゲータ」で、「faces-config.xml」をダブルクリックします。このファイルはデフォルトで、プロジェクトの「Webコンテンツ - WEB-INF」フォルダにあります。
ページ階層のすべてのノードのナビゲーション・ケースが含まれるグローバルなJSFナビゲーション・ルールを1つ作成します。
たとえば、図20-11に示されているページ階層には、グローバルのHelpノードを含む10のノードがあります。この場合、例20-4に示すように、faces-config.xmlファイルの1つのグローバル・ナビゲーション・ルール内に10のナビゲーション・ケースを作成します。
各ナビゲーション・ケースに、一意の結果文字列と、指定された文字列に一致する結果値がナビゲーション・システムによって返された場合に表示するJSFページへのパスを指定します。
例20-4 faces-config.xml内のページ階層のグローバル・ナビゲーション・ルール
<navigation-rule>
<navigation-case>
<from-outcome>goHome</from-outcome>
<to-view-id>/home.jspx</to-view-id>
</navigation-case>
<navigation-case>
<from-outcome>goHelp</from-outcome>
<to-view-id>/globalhelp.jspx</to-view-id>
</navigation-case>
<navigation-case>
<from-outcome>goEmp</from-outcome>
<to-view-id>/empdata.jspx</to-view-id>
</navigation-case>
<navigation-case>
<from-outcome>goBene</from-outcome>
<to-view-id>/benefits.jspx</to-view-id>
</navigation-case>
<navigation-case>
<from-outcome>goIns</from-outcome>
<to-view-id>/insurance.jspx</to-view-id>
</navigation-case>
<navigation-case>
<from-outcome>goPto</from-outcome>
<to-view-id>/pto.jspx</to-view-id>
</navigation-case>
<navigation-case>
<from-outcome>goView</from-outcome>
<to-view-id>/viewdata.jspx</to-view-id>
</navigation-case>
<navigation-case>
<from-outcome>goCreate</from-outcome>
<to-view-id>/createemp.jspx</to-view-id>
</navigation-case>
<navigation-case>
<from-outcome>goHealth</from-outcome>
<to-view-id>/health.jspx</to-view-id>
</navigation-case>
<navigation-case>
<from-outcome>goDental</from-outcome>
<to-view-id>/dental.jspx</to-view-id>
</navigation-case>
</navigation-rule>
JDeveloperにおけるナビゲーション・ケースの作成方法の詳細は、3.3項「ページ・フローの定義」を参照してください。
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注意: アプリケーションにFusionテクノロジ・スタックまたはADFコントローラが使用されている場合は、ADFタスク・フローおよび |
20.6項「ページ階層用のナビゲーション・アイテムの使用」に、複数のcommandNavigationItem子コンポーネントを含むnavigationPaneコンポーネントを使用して、非常に単純なページ階層用のナビゲーション・アイテムを作成する方法が説明されています。より複雑なページ階層で同じ方法を使用すると時間がかかり、ミスが起こりやすくなります。ナビゲーションを可能にするすべての項目を作成するために、複数のJSFページのnavigationPaneおよびbreadCrumbsコンポーネントに個々のcommandNavigationItemコンポーネントを手動で挿入し構成するのは、非効率的で単調な作業です。各項目について正確なselectedステータスを管理したり、現在のページからルート・ページに戻るブレッドクラム・リンクをたどって追跡するのも困難です。
より複雑なページ階層の場合(および単純なページ階層の場合でも)、ナビゲーション・システムを作成するより効率的な方法は、メニュー・モデルを使用することです。メニュー・モデルは、特別なツリー・モデルです。ツリー・モデルは、行キーで索引付けされた行のコレクションです。ツリーでは、現在行に子の行を含めることができます(ツリー・モデルの詳細は、12.6項「ツリーへのデータの表示」を参照してください)。メニュー・モデルは、現在フォーカス(フォーカス・ノード)があるノードのrowKeyを取得できるツリー・モデルです。メニュー・モデルにはページ・ナビゲーションの特別な情報はなく、ツリーにアクセスするノードに対する要件もありません。
XMLMenuModelクラスは、ナビゲーション・ツリー・モデルからメニュー・モデルを作成します。ただし、XMLMenuModelクラスには、XMLメタデータにナビゲーションの階層ツリーを定義できる追加のメソッドがあります。(他のADF Facesのメニュー・モデル・クラスの1つを使用している場合のように)Javaクラスを作成し多数のマネージドBeanを構成してメニュー・モデルを定義および作成するかわりに、XMLMenuModelクラスでメニュー・モデルを作成する際に必要なすべてのノード情報を含む1つ以上のXMLMenuModelメタデータ・ファイルを作成します。
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ヒント:
|
メニュー・モデルを使用してページ階層を作成する手順:
ページ階層にJSFナビゲーション・ルールおよびナビゲーション・ケースを作成します。20.6.1項「ページ階層用のナビゲーション・ケースの作成方法」を参照してください。
XMLMenuModelメタデータを作成します。20.7.1項「メニュー・モデル・メタデータの作成方法」を参照してください。
XMLMenuModelクラスにマネージドBeanを構成します。このマネージドBeanは、アプリケーションにより階層の作成に使用されます。この構成は、JDeveloperで「ADFメニュー・モデルの作成」ダイアログを使用してXMLMenuModelメタデータ・ファイルを作成する際に、自動的に行われます。20.7.2項「ADFメニュー・モデルの作成ウィザードを使用する場合の処理」を参照してください。
各階層ノード(グローバル・ノードも含む)にJSFページを作成します。
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ヒント: 通常、各レベルの項目(グローバル項目およびブレッドクラムを含む)に対するファセットが含まれるページ・テンプレートを使用して、各JSFページを作成します。たとえば、グローバル項目を表す |
各ページで、navigationPaneおよびbreadCrumbsコンポーネントをXMLMenuModelクラスにバインドします。20.7.3項「メニュー・モデルへのnavigationPaneコンポーネントのバインド方法」および20.7.4項「メニュー・モデルでのbreadCrumbsコンポーネントの使用方法」を参照してください。menuBarコンポーネントをバインドするには、20.7.5項「メニュー・モデルでのmenuBarコンポーネントの使用方法」を参照してください。
XMLMenuModelメタデータ・ファイルは、XML形式によるページ階層用のナビゲーション・メニューの表現です。1つ以上のXMLMenuModelメタデータ・ファイルを使用して、ページ階層全体を表すことが可能です。XMLMenuModelメタデータ・ファイルでは、ページ階層が、ファイルのルート要素であるmenu要素内に説明されています。各XMLMenuModelメタデータ・ファイルにはmenu要素が必要で、各ファイルで使用できるmenu要素は1つのみです。
XMLMenuModelメタデータ・ファイルまたは階層のその他の要素は、項目ノード、グループ・ノードおよび共有ノードで構成されています。項目ノードは、階層のナビゲート可能なノード(またはページ)を表します。たとえば、図20-14に示すような階層を作成するとします。
階層の各ノードにユーザーがナビゲートできる独自のページを作成する場合は、各ページのメタデータ・ファイルに項目ノードを作成します。親ノードに子ノードをネストさせて階層を作成します。ただし、Employee Dataノードにはページが必要ないが、ユーザーが直接View Employeeページにナビゲートできるようにするとします。グループ・ノードを使用して「Employee Data」ページを表し、グループ・ノードのidref属性を使用して、エンド・ユーザーが「Employee Data」タブをクリックすると開かれるページ(「View Employee」ページ)を参照します。グループ・ノードを使用すると、単に子ノードの集約であるノード用にページを作成せずに階層を維持できます。
例20-5に、大部分に項目ノードを使用し、グループ・ノードを1つ使用して図20-14に示されているページ階層全体を定義しているXMLMenuModelメタデータ・ファイルを示します。
例20-5 XMLMenuModelメタデータ・ファイルのサンプル1
<?xml version="1.0" encoding="windows-1252" ?>
<menu xmlns="http://myfaces.apache.org/trinidad/menu">
<itemNode id="in01" focusViewId="/home.jspx" label="Home" action="goHome">
<itemNode id="in1" focusViewId="/benefits.jspx" action="goBene"
label="Benefits">
<itemNode id="in11" focusViewId="/insurance.jspx" action="goIns"
label="Insurance">
<itemNode id="in111" focusViewId="/health.jspx" action="goHealth"
label="Health"/>
<itemNode id="in112" focusViewId="/dental.jspx" action="goDental"
label="Dental"/>
</itemNode>
<itemNode id="in12" focusViewId="/pto.jspx" action="goPto"
label="Paid Time Off">
<itemNode id="in121" focusViewId="/vacation.jspx"
action="goVacation" label="Vacation"/>
<itemNode id="in122" focusViewId="/sick.jspx" action="goSick"
label="Sick Pay"/>
</itemNode>
</itemNode>
<groupNode id="gn2" idref="newEmp" label="Employee Data">
<itemNode id="in21" focusViewId="/createemp.jspx" action="goCreate"
label="Create New Employee"/>
<itemNode id="in22" focusViewId="/viewdata.jspx" action="goView"
label="View Data"/>
</groupNode>
</itemNode>
<itemNode id="in02" focusViewId="/globalhelp.jspx" action="goHelp"
label="Help"/>
<itemNode id="in03" focusViewId="/preferences.jspx" action="goPref"
label="Preferences"/>
</menu>
ルートのmenu要素内では、menu要素の直接の子であればどのノードでもグローバル・ノードになります。たとえば、例20-5のコードには、Home、Help、Preferencesの3つのグローバル・ノードが示されています。
共有ノードを使用して、メニュー・モデルをネストさせることも可能です。ページ階層を維持しやすくなるため、この方法は、階層にサブ・ツリー(Benefitsツリーなど)がある場合にお薦めです。たとえば、(例20-6に示すように)Benefitsツリー全体を独自のメニュー・モデル・メタデータ・ファイルとして作成できるため、アプリケーション全体でメニュー・モデルを再利用できます。
例20-6 Benefits XMLMenuModelメタデータ・ファイル
<?xml version="1.0" encoding="windows-1252" ?>
<menu xmlns="http://myfaces.apache.org/trinidad/menu">
<itemNode id="in1" focusViewId="/benefits.jspx" action="goBene"
label="Benefits">
<itemNode id="in11" focusViewId="/insurance.jspx" action="goIns"
label="Insurance">
<itemNode id="in111" focusViewId="/health.jspx" action="goHealth"
label="Health"/>
<itemNode id="in112" focusViewId="/dental.jspx" action="goDental"
label="Dental"/>
</itemNode>
<itemNode id="in12" focusViewId="/pto.jspx" action="goPto"
label="Paid Time Off">
<itemNode id="in121" focusViewId="/vacation.jspx"
action="goVacation" label="Vacation"/>
<itemNode id="in122" focusViewId="/sick.jspx" action="goSick"
label="Sick Pay"/>
</itemNode>
</itemNode>
</menu>
独立したメニュー・モデルとしてノードを作成したら、そのれらのノードを使用する必要がある別のノード内で共有ノードを使用して、Benefitsメニュー・モデルを参照します。
例20-7に、図20-14に示されているのと同じページ階層を定義するために、項目ノード、共有ノード、グループ・ノードを使用しているXMLMenuModelメタデータ・ファイルを示します。
例20-7 XMLMenuModelメタデータ・ファイルのサンプル2
<?xml version="1.0" encoding="windows-1252" ?>
<menu xmlns="http://myfaces.apache.org/trinidad/menu">
<itemNode id="in01" focusViewId="/home.jspx" label="Home" action="goHome">
<sharedNode ref="#{benefits_menu}/>
<groupNode id="gn2" idref="newEmp" label="Employee Data">
<itemNode id="in21" focusViewId="/createemp.jspx" action="goCreate"
label="Create New Employee"/>
<itemNode id="in22" focusViewId="/viewdata.jspx" action="goView"
label="View Data"/>
</groupNode>
</itemNode>
<itemNode id="in02" focusViewId="/globalhelp.jspx" action="goHelp"
label="Help"/>
<itemNode id="in03" focusViewId="/preferences.jspx" action="goPref"
label="Preferences"/>
</menu>
sharedNode要素は、Benefits XMLMenuModelメタデータ・ファイル用に構成されているマネージドBeanを参照します。ADFメニュー・モデルの作成ウィザードを使用してメタデータ・ファイルを作成する場合はいつでも、JDeveloperにより、マネージドBean構成が自動的に追加されます。
始める前に:
ナビゲーション・コンポーネントの属性が、機能にどのように影響するかを理解しておくと役に立ちます。詳細は、20.7項「メニュー・モデルを使用したページ階層の作成」を参照してください。
他のADF Faces機能を使用して追加できる機能について理解することが役立つ場合もあります。詳細は、20.1.2項「ナビゲーション・コンポーネントのその他の機能」を参照してください。
XMLMenuModelメタデータを作成する手順:
アプリケーション・ナビゲータで、XMLMenuModelメタデータ・ファイルを作成するプロジェクトを探します。プロジェクトの「Webコンテンツ - WEB-INF」フォルダで、faces-config.xmlを右クリックし、コンテキスト・メニューから「ADFメニュー・モデルの作成」を選択します。
|
注意: アプリケーションでADFコントローラが使用されている場合は、このメニュー・オプションを使用できません。かわりに、バインド・タスク・フローを使用して階層を作成できます。『Oracle Fusion Middleware Oracle Application Development Framework Fusion開発者ガイド』のタスク・フローを使用したページ階層の作成に関する項を参照してください。 |
「ADFメニュー・モデルの作成」ダイアログで、XMLMenuModelメタデータ・ファイルのファイル名(root_menuなど)を入力します。
|
ヒント: ページ階層の定義に複数の |
メタデータ・ファイルのディレクトリを入力します。JDeveloperにより、デフォルトで、アプリケーションのWEB-INFディレクトリにXMLMenuModelメタデータ・ファイルが保存されます。
例20-8に示すように、「OK」をクリックすると、JDeveloperにより、空のXMLMenuModelメタデータ・ファイルがソース・エディタに表示されます。
例20-8 空のXMLMenuModelメタデータ・ファイル
<?xml version="1.0" encoding="windows-1252" ?> <menu xmlns="http://myfaces.apache.org/trinidad/menu"></menu>
JDeveloperによりfaces-config.xmlに自動的に追加されるマネージドBean構成の詳細は、20.7.2項「ADFメニュー・モデルの作成ウィザードを使用する場合の処理」を参照してください。
構造ウィンドウでmenuノードを選択し、プロパティ・インスペクタに適切な情報を入力します。
表20-2に、menu要素に指定できる属性を示します。
表20-2 menu要素の属性
| 属性 | 説明 |
|---|---|
|
|
オプション。実行時にナビゲーション・アイテムのラベル(表示可能なテキスト)に使用するリソース・バンドルです。 |
|
|
リソース・バンドルを使用している場合は、ナビゲーション・アイテム・ラベルのEL式のバンドルの参照に使用するIDを指定します。 |
|
|
必須。 |
例20-9に、ナビゲーション・アイテムのラベルのリソース・バンドルにアクセスするためにEL式を使用する、サンプルのXMLMenuModelメタデータ・コードを示します。
例20-9 リソース・バンドルを使用したXMLMenuModel
<?xml version="1.0" encoding="windows-1252" ?>
<menu xmlns="http://myfaces.apache.org/trinidad/menu"
resourceBundle="org.apache.myfaces.demo.xmlmenuDemo.resource.MenuBundle"
var="bundle">
<itemNode id="in1" label="#{bundle.somelabel1}" ../>
<itemNode id="in2" label="#{bundle.somelabel2}" ../>
</menu>
|
注意:
|
リソース・バンドルの使用方法の詳細は、第29章「ページの国際化およびローカライズ」を参照してください。
構造ウィンドウで、必要に応じてitemNode、groupNodeまたはsharedNodeを使用して、階層のノードに必要な要素を追加します。まず、menuを右クリックして「menuの中に挿入」を選択し、図20-15に示されているように、ポップアップ・メニューから必要な要素を選択します。
要素は次のいずれかです。
itemNode: ユーザーによる選択時にナビゲーションを実行するノードを指定します。
groupNode: グループの子コンポーネントで、groupNode自体はナビゲーションを行いません。子ノードは、itemNodeまたは別のgroupNodeにすることができます。
たとえば、Employee Dataノードにはページが必要ないが、ユーザーが直接View Employeeページにナビゲートできるようにするとします。必要な子ノードのid属性をグループ・ノードのidref属性の値として指定することで、グループ・ノードを使用して「Employee Data」ページを表します。グループ・ノードを使用すると、単に子ノードの集約であるノード用にページを作成せずに階層を維持できます。
sharedNode: 別のXMLMenuModelインスタンスを参照します。sharedNode要素は真のノードではなく、ナビゲーションの実行もノード自体へのレンダリングも行われません。
sharedNode要素は、階層内の任意の場所に挿入できます。たとえば、例20-10に示されているコードでは、sharedNode要素により、第1レベルのEmployee Dataノードと同じレベルにサブメニューが追加されています。
例20-10 sharedNodeのサンプル・コード
<?xml version="1.0" encoding="windows-1252" ?>
<menu xmlns="http://myfaces.apache.org/trinidad/menu"
<itemNode id="in0" label="Home" ..>
<sharedNode ref="#{shared_menu}"/>
<itemNode id="in1" label="Employee Data" ../>
</itemNode>
<itemNode id="in01" label="Help" ../>
</menu>
XMLMenuModelメタデータ・ファイルを作成すると、図20-16に示すように、メニュー・メタデータのインデント・レベルが構造ウィンドウに表示されるツリー構造に正確に反映されます。
ノードの作成に使用されている各要素に、プロパティ・インスペクタでプロパティを設定します。itemNode要素は表20-3に、groupNode要素は表20-4に、sharedNode要素は表20-5に説明されています。
表20-3 itemNode要素の属性
| 属性 | 説明 |
|---|---|
|
|
結果文字列、または結果文字列を返すELメソッド・バインディング式を指定します。どちらの場合も、結果文字列は、 |
|
|
ノードが選択されたときにナビゲートするページのURIを指定します(例: または、そのURIに評価されるELメソッド式を指定します。
|
|
|
必須。ノードのナビゲーション結果に一致するページのURI。つまり、 たとえば、ノードのアクション結果が(
|
|
|
必須。ノードの一意の識別子を指定します。 例20-5に示されているように、各 |
|
|
ノードに表示するラベル・テキストを指定します。 |
groupNode要素には、直接ナビゲーションを実行するactionまたはdestination属性はありませんが、(actionまたはdestination属性のある)子のitemNodeを直接示すか、itemNode要素に到達するまで、子ノードのいずれかを示す子のgroupNodeを間接的に示すことにより、アクション結果または宛先のURIを含む子ノードを示します。ナビゲーションは、その後、アクション結果またはそのitemNode要素の宛先のURIから決定されます。
例20-11に示されているgroupNodeのコードを例にとります。実行時、ユーザーがgroupNode id="gn1"、groupNode id="gn11"またはitemNode id="in1"をクリックすると、到達した最初のitemNode (つまり、itemNode id="id1")に指定されているように、ナビゲーション結果はgoToSubTabOneになります。表20-4に、groupNode要素を使用する際に指定する必要のある属性を示します。
例20-11 groupNode要素
<?xml version="1.0" encoding="windows-1252" ?>
<menu xmlns:"http://myfaces.apache.org/trinidad/menu">
<groupNode id="gn1" idref="gn11" label="GLOBAL_TAB_0">
<groupNode id="gn11" idref="in1" label="PRIMARY_TAB_0">
<itemNode id="in1" label="LEVEL2_TAB_0" action="goToSubTabOne"
focusViewId="/menuDemo/subtab1.jspx"/>
<itemNode id="in2" label="LEVEL2_TAB_1" action="goToSubTabTwo"
focusViewId="/menuDemo/subtab2.jspx"/>
</groupNode>
<itemNode id="in3" label="PRIMARY_TAB_1" focusViewId="/menuDemo/tab2.jspx"
destination="/faces/menuDemo/tab2.jspx"/>
</groupNode>
<itemNode id="gin1" label="GLOBAL_TAB_1" action="goToGlobalOne"
focusViewId="/menuDemo/global1.jspx"/>
<itemNode id="gin2" label="GLOBAL_TAB_2"
destination="/faces/menuDemo/global2.jspx"
focusViewId="/menuDemo/global2.jspx"/>
</menu>
表20-4 groupNode要素の属性
| 属性 | 説明 |
|---|---|
|
|
グループ・ノードの一意の識別子。 例20-11に示されているように、各 |
|
|
子ノードのID(
|
|
|
グループ・ノードに表示するラベル・テキストを指定します。リソース・バンドルの文字列へのEL式( |
ADFメニュー・モデルの作成ウィザードを使用してXMLMenuModelメタデータ・ファイルを作成する場合、マネージドBean名として指定したメタデータ・ファイル名を使用して、JDeveloperによりfaces-config.xmlファイルのメニュー・メタデータ・ファイルにマネージドBeanが自動的に構成されます。
例20-12に、XMLMenuModelメタデータ・ファイルの構成が1つ含まれるfaces-config.xmlファイルの一部を示します。JDeveloperでは、デフォルトで、oracle.adf.view.rich.model.MDSMenuModelクラスがマネージドBeanクラスとして使用され、必須で変更できないrequestはマネージドBeanスコープとして使用されます。
例20-12 faces-config.xml内のXMLMenuModelのマネージドBean構成
<managed-bean>
<managed-bean-name>root_menu</managed-bean-name>
<managed-bean-class>oracle.adf.view.
rich.model.MDSMenuModel</managed-bean-class>
<managed-bean-scope>request</managed-bean-scope>
<managed-property>
<property-name>createHiddenNodes</property-name>
<value>false</value>
</managed-property>
<managed-property>
<property-name>source</property-name>
<property-class>java.lang.String</property-class>
<value>/WEB-INF/root_menu.xml</value>
</managed-property>
</managed-bean>
また、XMLMenuModelのマネージドBeanに、次のマネージド・プロパティが追加されます。
createHiddenNodes: trueの場合、コンポーネントのrendered属性がfalseの場合でも、階層ノードを作成する必要があることを指定します。createHiddenNodes値は、取得されて、メニュー・メタデータ・ソース・ファイルが開かれて解析されると使用可能になります。これにより、実際のコンポーネントをレンダリングする必要がない場合でも、階層全体を作成できます。
source: 使用するメニュー・メタデータ・ソース・ファイル(/WEB-INF/root_menu.xmlなど)を指定します。
|
注意:
|
ウィザードを使用してプロジェクトに作成する各XMLMenuModelメタデータ・ファイルに対し、JDeveloperにより、faces-config.xmlファイルにマネージドBeanが構成されます。たとえば、(例20-10に示すように)別のXMLMenuModelメタデータ・ファイルを参照するために、XMLMenuModelにsharedNode要素を使用すると、2つのメタデータ・ファイルが作成されます。また、例20-13に示すように、JDeveloperにより、faces-config.xmlファイルに2つのマネージドBean構成(1つ目はメイン(ルート)メニュー・モデル用、2つ目のマネージドBeanは共有(参照)メニュー・モデル用)が追加されています。
例20-13 faces-config.xml内の共有メニュー・モデルのマネージドBean
<!-- managed bean for referenced, shared menu model -->
<managed-bean>
<managed-bean-name>shared_menu</managed-bean-name>
<managed-bean-class>
<managed-bean-class>oracle.adf.view.
rich.model.MDSMenuModel</managed-bean-class>
</managed-bean-class>
<managed-bean-scope>request</managed-bean-scope>
<managed-property>
<property-name>createHiddenNodes</property-name>
<value>false</value>
</managed-property>
<managed-property>
<property-name>source</property-name>
<property-class>java.lang.String</property-class>
<value>/WEB-INF/shared_menu.xml</value>
</managed-property>
</managed-bean>
つまり、XMLMenuModelメタデータ・ファイルに共有ノードを使用すると、faces-config.xmlファイルには、ルート・メニュー・モデルのマネージドBeanと、共有ノードを介して参照される任意のメニュー・モデル用のメニュー・モデルのマネージドBeanが含まれます。
ページ階層の各ノードは1つのJSFページに対応します。各ページで、XMLMenuModelメタデータ・ファイルに定義したナビゲーション・アイテム(グローバル・アイテムも含む)の各レベルにnavigationPaneコンポーネントを1つ使用します。レベルは、ゼロから始まるインデックスの番号によって決定されます。メタデータ・ファイルのグローバル・ノード(つまり、例20-5に示すように、menu要素の直接の子ノード)で始まり、level属性値は0 (ゼロ)で、次のレベル(通常はタブ)は1、その次のレベル(通常はバー)は2というように続きます。たとえば、図20-14や例20-5に示すようなページ階層の場合、Homeなどのページに3つのnavigationPaneコンポーネント(Homeノードの下にある3つのレベルのナビゲーション用)を使用し、グローバル・ノード用にもう1つのnavigationPaneコンポーネントを使用します。
|
ヒント: メニュー・モデルにより、動的に階層(各 コードが似ているため、 |
20.8.1項「単純なページ階層の作成方法」で説明されているように、各階層レベルに使用するナビゲーション・アイテムのタイプ(buttons、tabsまたはbarなど)を指定するにはhint属性を使用します。ただし、複数のcommandNavigationItemコンポーネントを手動で追加してナビゲーション・アイテムを指定するのではなく、例20-14に示すように、各navigationPaneコンポーネントをXMLMenuModelマネージドBeanにバインドし、各navigationPaneコンポーネントのnodeStampファセットにcommandNavigationItemコンポーネントを1つのみ挿入します。
例20-14 XMLMenuModelマネージドBeanにバインドされたnavigationPaneコンポーネント
<af:navigationPane var="menuNode" value="#{root_menu}" level="0"
hint="buttons">
<f:facet name="nodeStamp">
<af:commandNavigationItem text="#{menuNode.label}"
action="#{menuNode.doAction}"
icon="#{menuNode.icon}"
destination="#{menuNode.destination}"
visible="#{menuNode.visible}"
rendered="#{menuNode.rendered}"/>
</f:facet>
</af:navigationPane>
XMLMenuModelマネージドBeanとともに使用するnodeStampファセットと単一のcommandNavigationItemコンポーネントにより、次の操作が実行されます。
レベル内のナビゲーション・アイテムの適切な数がスタンプ設定されます。
正しいラベル・テキストとその他のプロパティが、メタデータに定義されているとおりに表示されます。たとえば、EL式#{menuNode.label}によりナビゲーション・アイテムに使用する適切なラベル・テキストが取得され、#{menuNode.doAction}は同じ項目に定義されているアクション結果に評価されます。
フォーカス・パスの現在の項目が選択済とマークされます。commandNavigationItemコンポーネントにはselected属性は指定できません。
|
注意: 特定の階層レベル(第3レベルのリストなど)の |
始める前に:
ナビゲーション・コンポーネントの属性が、機能にどのように影響するかを理解しておくと役に立ちます。詳細は、20.7項「メニュー・モデルを使用したページ階層の作成」を参照してください。
他のADF Faces機能を使用して追加できる機能について理解することが役立つ場合もあります。詳細は、20.1.2項「ナビゲーション・コンポーネントのその他の機能」を参照してください。
メニュー・モデルにnavigationPaneコンポーネントをバインドする手順:
ナビゲーション・アイテムのスタイルを設定する場合は、コンポーネント・パレットの「レイアウト」パネルから「装飾ボックス」をJSFページにドラッグ・アンド・ドロップして、decorativeBoxコンポーネントを作成します。テーマを設定して、タブの表示方法を決定します。有効な値は次のとおりです。
default: 本体は白で、枠は青です。左上隅は丸くなります。
light: 本体は薄い青です。左上隅は丸くなります。
medium: 本体は中間色の青です。左上隅は丸くなります。
dark: 本体は濃い青です。左上隅は丸くなります。
テーマの表示方法は変更できます。詳細は、第28章「スタイルおよびスキンを使用した外観のカスタマイズ」を参照してください。
コンポーネント・パレットからJSFページにナビゲーション・ペインをドラッグ・アンド・ドロップして、navigationPaneコンポーネントを作成します。階層の各レベルにnavigationPaneコンポーネントを追加します。
|
ヒント: コンポーネント・パレットの「レイアウト」パネルの「対話型コンテナおよびヘッダー」グループに、ナビゲーション・ペイン・コンポーネントが見つかります。 |
たとえば、図20-14の階層のようなページを作成するには、navigationPaneコンポーネントを4つドラッグ・アンド・ドロップします。
プロパティ・インスペクタで「共通」セクションを開き、各navigationPaneコンポーネントのhint属性を次に示すナビゲーション・アイテムのいずれかのタイプに設定して、navigationPaneで次のものをどのように表示するかを決定します。
bar: バーで分割されたナビゲーション・アイテムを表示します。図20-18の「Insurance」および「Paid Time Off」リンクなどがこれに当たります。
buttons: グローバル領域のバーで分割されたナビゲーション・アイテムを表示します。図20-18の「Home」および「Help」リンクなどがこれに当たります。
choice: 関連付けられたドロップダウン・アイコンがクリックされると、ポップアップ・リストにナビゲーション・アイテムが表示されます。navigationPaneコンポーネントのicon属性に値を含める必要があり、title属性を使用してドロップダウン・リストにラベルを関連付けることができます。
list: ナビゲーション・アイテムが箇条書きリストで表示されます。図20-18の「Health」および「Dental」リンクなどがこれに当たります。
tabs: ナビゲーション・アイテムがタブで表示されます。図20-18の「Benefits」および「Employee Data」タブなどがこれに当たります。
XMLMenuModelメタデータ・ファイルのメタデータの適切なレベルを指すように、level属性を設定します。level属性は、ゼロから始まるインデックスの番号です。メタデータ・ファイルのグローバル・ノード(つまり、例20-5に示すように、menu要素の直接の子ノード)で始まり、level属性値は0 (ゼロ)で、次のレベル(通常はタブ)は1、その次のレベル(通常はバー)は2というように続きます。
commandNavigationItemコンポーネントは、親のnavigationPaneコンポーネントのlevel属性を介して、メタデータ・ファイルからメタデータを取得することができます。level属性の値を指定しない場合は、デフォルトで0 (ゼロ)が使用され、これは、navigationPaneコンポーネントが、commandNavigationItemコンポーネントによるレンダリング用に、menu要素の下にある第1レベルからメタデータを取得することを意味します。
プロパティ・インスペクタで、「データ」セクションを開きます。value属性を、faces-config.xmlファイルのルートXMLMenuModelクラスに構成されているメニュー・モデルのマネージドBeanに設定します。
|
注意:
|
var属性を、メニュー・モデルから必要なデータを取得するためにcommandNavigationItemコンポーネントで使用するテキストに設定します。
実行時に階層が作成されて各ノードにスタンプが設定されると、EL式を使用して特定可能なvar属性に現在のノードのデータがコピーされます。varプロパティを使用して、このプロパティに使用する名前をEL式に指定します。
|
ヒント: ページまたはアプリケーションのすべての |
コンポーネント・パレットの「レイアウト」パネルにある「対話型コンテナおよびヘッダー」グループから、navigationPaneコンポーネントのnodeStampファセットに「ナビゲーション・アイテム」をドラッグ・アンド・ドロップします。
(必要な情報が含まれるメタデータを持つ)メニュー・モデルを参照するEL式を使用して、対応する値がメタデータに保持される残りの属性に値を設定します。手順6で、値がメタデータで保持されている対応するitemNode要素の名前とともに、親のnavigationPaneコンポーネントに設定したvar属性の値を使用してこれらの値にアクセスします。表20-6に、対応する値がメタデータにあるナビゲーション・アイテムの属性を示します。
表20-6 ナビゲーション・アイテムの属性および関連付けられたメニュー・モデルの属性
| ナビゲーション・アイテムの属性 | 関連付けられたメニュー・モデル要素の属性 |
|---|---|
|
text |
label |
|
action |
doAction |
|
icon |
icon |
|
destination |
destination |
|
visible |
visible |
|
rendered |
rendered |
たとえば、親のnavigationPaneコンポーネントのvar属性をmenuNodeに設定した場合、action属性の値のEL式として#{menuNode.doAction}を使用します。これは、各ノードのメタデータに設定されているactionプロパティに解決されます。例20-15に、4レベルの階層ノードがあるメニュー・モデルにバインドするためのJSFコードを示します。
例20-15 XMLMenuModelへのバインド
<af:form>
<af:navigationPane hint="buttons" level="0" value="#{root_menu}"
var="menuNode">
<f:facet name="nodeStamp">
<af:commandNavigationItem text="#{menuNode.label}"
action="#{menuNode.doAction}"
icon="#{menuNode.icon}"
destination="#{menuNode.destination}"/>
</f:facet>
</af:navigationPane>
<af:navigationPane hint="tabs" level="1" value="#{root_menu}"
var="menuNode">
<f:facet name="nodeStamp">
<af:commandNavigationItem text="#{menuNode.label}"
action="#{menuNode.doAction}"
icon="#{menuNode.icon}"
destination="#{menuNode.destination}"/>
</f:facet>
</af:navigationPane>
<af:navigationPane hint="bar" level="2" value="#{root_menu}"
var="menuNode">
<f:facet name="nodeStamp">
<af:commandNavigationItem text="#{menuNode.label}"
action="#{menuNode.doAction}"
icon="#{menuNode.icon}"
destination="#{menuNode.destination}"/>
</f:facet>
</af:navigationPane>
<af:navigationPane hint="list" level="3" value="#{root_menu}"
var="menuNode">
<f:facet name="nodeStamp">
<af:commandNavigationItem text="#{menuNode.label}"
action="#{menuNode.doAction}"
icon="#{menuNode.icon}"
destination="#{menuNode.destination}"/>
</f:facet>
</af:navigationPane>
</af:form>
メニュー・モデルを使用したブレッドクラムの作成は、ページ階層の作成に似ています。commandNavigationItemコンポーネントにスタンプを設定するnodeStampファセットを含むbreadCrumbsコンポーネントは、モデルのデータとともに使用します。
始める前に:
ナビゲーション・コンポーネントの属性が、機能にどのように影響するかを理解しておくと役に立ちます。詳細は、20.7項「メニュー・モデルを使用したページ階層の作成」を参照してください。
他のADF Faces機能を使用して追加できる機能について理解することが役立つ場合もあります。詳細は、20.1.2項「ナビゲーション・コンポーネントのその他の機能」を参照してください。
メニュー・モデルを使用したブレッドクラムの作成手順:
コンポーネント・パレットの「一般コントロール」パネルの「位置」グループからJSFページに「ブレッドクラム」をドラッグ・アンド・ドロップして、breadCrumbsコンポーネントを作成します。
デフォルトでは、ブレッドクラム・リンクは水平に表示されます。レイアウトが垂直になるように変更するには、プロパティ・インスペクタで、「共通」セクションを開き、orientation属性をverticalに設定します。
プロパティ・インスペクタで、「データ」セクションを開きます。faces-config.xmlファイルに構成されているように、value属性をルートXMLMenuModelのマネージドBeanに設定します。これが、navigationPaneコンポーネントがバインドされるのと同じBeanです。
|
注意:
|
var属性を、メニュー・モデルから必要なデータを取得するためにcommandNavigationItemコンポーネントで使用するテキストに設定します。
実行時に階層が作成されて各ノードにスタンプが設定されると、EL式を使用して特定可能なvar属性に現在のノードのデータがコピーされます。varプロパティを使用して、このプロパティに使用する名前をEL式に指定します。
|
ヒント: ページまたはアプリケーションの |
コンポーネント・パレットの「レイアウト」パネルにある「対話型コンテナおよびヘッダー」グループから、breadCrumbsコンポーネントのnodeStampファセットに「ナビゲーション・アイテム」をドラッグ・アンド・ドロップして、1つのcommandNavigationItemコンポーネントを子として追加します。
|
注意:
|
(必要な情報が含まれるメタデータを持つ)メニュー・モデルを参照するEL式を使用して、対応する値がメタデータに保持される残りの属性に値を設定します。手順4で、値がメタデータで保持されている対応するitemNode要素の名前とともに、親のbreadCrumbsコンポーネントに設定したvar属性の値を使用してこれらの値にアクセスします。表20-6に、対応する値がメタデータにあるナビゲーション・アイテムの属性を示します。
たとえば、breadCrumbsコンポーネントのvar属性をmenuNodeに設定した場合、action属性の値のEL式として#{menuNode.doAction}を使用します。これは、各ノードのメタデータに設定されているactionプロパティに解決されます。
第16章「メニュー、ツールバーおよびツールボックスの使用方法」で説明されているように、menuBarおよびmenuコンポーネントは、通常、アプリケーションで変更やアクションを実行するためにユーザーがクリックするメニューの編成および作成に使用されます。可能な場合は、menuBarコンポーネントをXMLMenuModel実装やマネージドBeanとともに使用し、ページ階層を作成します。breadCrumbsまたはnavigationPaneコンポーネント同様、menuBarがルートXMLMenuModelマネージドBeanにバインドされている場合は、nodeStampファセットにcommandNavigationItemコンポーネントを1つ使用して、ページ階層をナビゲートするためのメニュー項目を動的に作成します。
Webサイトのページ階層を(navigationPaneまたはpanelTabbedコンポーネントを使用して)タブのナビゲーション・システムで十分に表現できない場合は、menuBarコンポーネントを使用して、メニューおよびサブメニューのナビゲーション・バーを作成します。たとえば、ユーザーが参照するショッピング・カテゴリが多数あるWebストア・アプリケーションでは、すべてのカテゴリやサブカテゴリをタブ、サブタブ、バーおよびリストにレンダリングするのではなく、トップレベルのメニューをバーに横方向に配置することをお薦めします。menuBarがメニュー・モデルにバインドされている場合、サブメニューは、ユーザーがトップレベルのメニューまたはサブメニュー項目にカーソルを置いた場合にのみ表示されます。この配置により画面の表示領域を削減できるだけでなく、ユーザーも階層のトップから最も下のレベルまで、ワンクリックで簡単にナビゲートできます。
メニュー・モデルにバインドされていないmenuBarコンポーネントとは異なり、メニュー・モデルにバインドされているmenuBarは連結の解除ができず、ツールバーに使用することもできません。また、menuBarが同じページのメニュー・モデルにバインドされているナビゲーション・タブを使用しないでください。どちらも使用する必要がある場合は、menuBarコンポーネントを必ずナビゲーション・タブの上に配置してください。ただし、breadCrumbsコンポーネントが、ブレッドクラム・リンクを表示するページの同じモデルにバインドされている場合は、メニュー・モデルにバインドされているmenuBarを使用できます。
始める前に:
ナビゲーション・コンポーネントの属性が、機能にどのように影響するかを理解しておくと役に立ちます。詳細は、20.7項「メニュー・モデルを使用したページ階層の作成」を参照してください。
他のADF Faces機能を使用して追加できる機能について理解することが役立つ場合もあります。詳細は、20.1.2項「ナビゲーション・コンポーネントのその他の機能」を参照してください。
メニュー・モデルを使用した横方向のメニュー・バーを作成する手順:
メニュー・バーのスタイルを設定する場合は、コンポーネント・パレットの「レイアウト」パネルから「装飾ボックス」をJSFページにドラッグ・アンド・ドロップして、decorativeBoxコンポーネントを作成します。テーマを設定して、タブの表示方法を決定します。有効な値は次のとおりです。
default: 本体は白で、枠は青です。左上隅は丸くなります。
light: 本体は薄い青です。左上隅は丸くなります。
medium: 本体は中間色の青です。左上隅は丸くなります。
dark: 本体は濃い青です。左上隅は丸くなります。
テーマの表示方法は変更できます。詳細は、第28章「スタイルおよびスキンを使用した外観のカスタマイズ」を参照してください。
コンポーネント・パレットの「メニューおよびツールバー」パネルからJSFページに「メニュー・バー」をドラッグ・アンド・ドロップして、menuBarコンポーネントを作成します。
プロパティ・インスペクタの「メニュー・モデル」セクションで、faces-config.xmlファイルに構成されているように、value属性をルートXMLMenuModelのマネージドBeanに設定します。これが、breadCrumbsコンポーネントがバインドされるのと同じBeanです。
|
注意:
|
var属性を、メニュー・モデルから必要なデータを取得するためにcommandNavigationItemコンポーネントで使用するテキストに設定します。
実行時に階層が作成されて各ノードにスタンプが設定されると、EL式を使用して特定可能なvar属性に現在のノードのデータがコピーされます。varプロパティを使用して、このプロパティに使用する名前をEL式に指定します。
|
ヒント: ページまたはアプリケーションの |
コンポーネント・パレットの「レイアウト」パネルにある「対話型コンテナおよびヘッダー」グループから、menuBarコンポーネントのnodeStampファセットに「ナビゲーション・アイテム」をドラッグ・アンド・ドロップして、1つのcommandNavigationItemコンポーネントを子として追加します。
|
注意:
|
(必要な情報が含まれるメタデータを持つ)メニュー・モデルを参照するEL式を使用して、対応する値がメタデータに保持される残りの属性に値を設定します。手順4で、値がメタデータで保持されている対応するitemNode要素の名前とともに、親のmenuBarコンポーネントに設定したvar属性の値を使用してこれらの値にアクセスします。表20-6に、対応する値がメタデータにあるナビゲーション・アイテムの属性を示します。
たとえば、menuBarコンポーネントのvar属性をmenuNodeに設定した場合、action属性の値のEL式として#{menuNode.doAction}を使用します。これは、各ノードのメタデータに設定されているactionプロパティに解決されます。
メニュー・モデルにバインドされたコンポーネント(navigationPane、breadCrumbsまたはmenuBar)のvalue属性は、XMLMenuModel要素のマネージドBeanを参照します。そのマネージドBeanがリクエストされると、次の処理が実行されます。
faces-config.xmlファイルのmanaged-property要素に指定されているように、XMLMenuModelクラスのsetSource()メソッドが、モデルのメタデータの場所を使用してコールされます。
パーサー(SAXParser)が、メタデータへのInputStreamオブジェクトを使用できるようになります。ナビゲーション・アイテムのメタデータが解析され、MenuContentHandlerメソッドへのコールが実行されます。
MenuContentHandlerにより、次のようにして、ナビゲーション・メニューのツリー構造がListオブジェクトとして作成されます。
メタデータ内のノードの処理が開始される際に、startElement()メソッドがコールされます。
ノードの処理の終了時に、endElement()メソッドがコールされます。
各ノードが処理されると、メニュー・モデルのページ階層を構成するナビゲーション・メニュー・ノードのListが作成されます。
ナビゲーション・メニュー・ノードのリストから、TreeModelオブジェクトが作成されます。
TreeModelオブジェクトからXMLMenuModelオブジェクトが作成されます。
groupNode要素のidref属性に複数の子IDがある場合は、次の処理が実行されます。
IDはリストされている順序で処理されます。現在のIDで子ノードが検出されない場合は次のIDが使用され、これが繰り返されます。
idrefリストの現在のIDに一致する子ノードが検出されると、そのノードでは、rendered属性がtrueに設定されていること、disabled属性がfalseに設定されていること、readOnly属性がfalseに設定されていること、およびvisible属性がtrueに設定されていることが確認されます。条件のいずれかが一致しない場合は、idrefリストの次のIDが使用され、これが繰り返されます。
条件に一致する最初の子ノードは、アクション結果または宛先のURIの取得に使用されます。条件に一致する子ノードが検出されない場合は、エラーが記録されます。ただし、UIにはエラーは表示されません。
条件に一致する最初の子ノードが別のgroupNode要素の場合、処理はその子に続行されます。処理は、actionまたはdestination属性を含むitemNode要素が出現すると止まります。
itemNode要素にaction属性がある場合は、ユーザーの選択によりPOSTアクションが開始され、アクション結果を介してナビゲーションが実行されます。itemNode要素にdestination属性がある場合は、ユーザーの選択によりGETアクションが開始され、destination値を使用して直接ナビゲーションが実行されます。
XMLMenuModelクラスには、ナビゲーション・メニュー・システムを使用してナビゲートすると、ナビゲーション・メニューの項目(タブやバーなど)が適切に強調表示および有効にされるモデルがあります。モデルはlabel、doAction、およびナビゲーション・アイテムの動的な生成に使用されるその他のプロパティの値でもインスタンス化されます。
XMLMenuModelクラスではレンダリングは行われません。モデルにバインドされたコンポーネントでは、コールからgetFocusRowKey()メソッドへの戻り値を使用して、レベルのナビゲーション・メニュー項目がページにレンダリングされます。
メニュー・モデルにバインドされたコンポーネントのnodeStampファセットに格納されたcommandNavigationItemコンポーネントは、各ナビゲーション・アイテムのラベル・テキストおよびアクション結果を表示します。nodeStampファセットがスタンプ設定されるたびに、現在のナビゲーション・アイテムのデータが到達可能なELプロパティにコピーされます。その名前は、nodeStampファセットを格納するnavigationPaneコンポーネントのvar属性によって定義されます。nodeStampは、到達可能なELプロパティからさらにプロパティを取得して、各アイテムのデータを表示します。ナビゲーション・メニューがレンダリングを完了すると、このプロパティは削除されます(または元の値に戻されます)。ユーザーがナビゲーション・アイテムを選択すると、デフォルトのJSF actionListenerメカニズムでは、アクション結果文字列または宛先URIを使用してページ・ナビゲーションを処理します。
nodeStampファセットとともに、XMLMenuModelクラスも、ナビゲーション・アイテムを選択されたものとしてレンダリングするかどうかを制御します。前述のように、XMLMenuModelオブジェクトは、各ノードのviewId属性情報を含むツリー・モデルから作成されます。XMLMenuModelクラスには、どのページにフォーカスを置くかを決定するメソッドgetFocusRowKey()があり、ノードにフォーカス・パスがある場合は、選択されたものとして自動的にノードをレンダリングします。最も単純なgetFocusRowKey()メソッドでは、次の内容が実行されます。
現在のviewId属性が取得されます。
重複するviewId値の解決に使用される内部マップのID、およびメニュー・モデルの作成時にツリーをトラバースすることにより作成されたviewIdFocusPathMapオブジェクトのIDと、viewId属性の値が比較されます。
現在のviewId属性があるノードへのフォーカス・パスが返されるか、現在のviewId属性値が検出されない場合にはnullが返されます。
ノードのviewId属性は、フォーカスrowKeyオブジェクトの特定に使用されます。モデルの各項目には、現在のrowKeyオブジェクトに基づいてスタンプが設定されます。ユーザーがナビゲートして現在のviewId属性が変更されると、モデルのフォーカス・パスも変更されて、新しいナビゲーション・アイテムのセットがアクセスされます。
作成したカスタム属性を表示できるのはitemNode要素のみです。itemNode要素を追加してカスタム属性の値にアクセスできるようにするには、次のようにしてメニュー・モデルからツリーを取得する必要があります。
メニュー・モデルのgetWrappedData()メソッドをコールします。
getFocusRowKey()メソッドをコールして、現在のフォーカス・パスを取得します。
このフォーカス・パスを使用してツリーをトラバースし、フォーカス・パスのノードのリストを返します。
getCustomProperty() APIをコールし、カスタム属性に関してこれらのノードを1つ以上テストします。
例20-18に、必要なコードの例を示します。
例20-18 XMLMenuModelからのカスタム属性へのアクセス
/**
* Returns the nodes corresponding to a focus path
*
* @param tree
* @param focusPath
*/
public List getNodesFromFocusPath(TreeModel tree, ArrayList focusPath)
{
if (focusPath == null || focusPath.size() == 0)
return null;
// Clone the focusPath cause we remove elements
ArrayList fp = (ArrayList) focusPath.clone();
// List of nodes to return
List nodeList = new ArrayList<Object>(fp.size());
// Convert String rowkey to int and point to the
// node (row) corresponding to this index
int targetNodeIdx = Integer.parseInt((String)fp.get(0));
tree.setRowIndex(targetNodeIdx);
// Get the node
Object node = tree.getRowData()
// put the Node in the List
nodeList.add(node);
// Remove the 0th rowkey from the focus path
// leaving the remaining focus path
fp.remove(0);
// traverse into children
if ( fp.size() > 0
&& tree.isContainer()
&& !tree.isContainerEmpty()
)
{
tree.enterContainer();
// get list of nodes in remaining focusPath
List childList = getNodesFromFocusPath(tree, fp);
// Add this list to the nodeList
nodeList.addAll(childList);
tree.exitContainer();
}
return nodeList;
}
public String getElementLabel(XMLMenuModel model, Object myVal, String myProp)
{
TreeModel tree = model.getWrappedData();
Object node = findNodeByPropertyValue(tree, myVal, myProp);
FacesContext context = FacesContext.getCurrentInstance();
PropertyResolver resolver = context.getApplication().getPropertyResolver();
String label = (String) resolver.getValue(node, _LABEL_ATTR);
return label;
}
public Object findNodeByPropertyValue(TreeModel tree, Object myVal, String myProp)
{
FacesContext context = FacesContext.getCurrentInstance();
PropertyResolver resolver = context.getApplication().getPropertyResolver();
for ( int i = 0; i < tree.getRowCount(); i++)
{
tree.setRowIndex(i);
// Get a node
Object node = tree.getRowData();
// Get the value of the attribute of the node
Obect propVal = resolver.getValue(node, myProp);
if (propVal == myVal)
{
return node;
}
if (tree.isContainer() && !tree.isContainerEmpty())
{
tree.enterContainer();
node = findNodeByPropertyValue(tree, myVal, myProp);
if (node != null)
return node;
tree.exitContainer();
}guap
}
return null;
}
|
注意: アプリケーション階層が複雑で、深くネストされたページが含まれている場合は、メニュー・モデルを使用したナビゲーション・システムの作成がより効率的です。詳細は、20.7項「メニュー・モデルを使用したページ階層の作成」を参照してください。 |
20.6項「ページ階層へのナビゲーション・アイテムの使用」では、トップレベルのルート・ノードであるHomeの下に3つのレベルのリンクがある単純なページ階層について説明しています。図20-17および図20-18に、navigationPaneコンポーネントおよび個々のcommandNavigationItemコンポーネントを使用して、図20-11に示すページ階層のビューを作成した場合に、ユーザー・インタフェースがどのように表示されるかの例を示します。
手動で階層を作成する場合には、各ページのフォーカス・パス(ページが存在する階層内の正確な場所)を確認し、各ページに必要なnavigationPaneとcommandNavigationItemコンポーネントの正確な数、ならびにユーザーがページを表示した際に選択済として構成する必要があるコンポーネントを確認します。たとえば、「View Employee」ページが表示されている図20-17では、navigationPaneコンポーネントが3つ必要です。第1レベルのタブに加え、「Employee Data」の第2レベルの子のバーのみが必要で、「Employee Data」タブおよび「View Employee」バーのみが選択済としてレンダリングされます。
同様に、「Health」ページが表示されている図20-18では、「Benefits」の子のバーのみが必要で、「Benefits」タブと「Insurance」バーを選択済として構成する必要があります。また、このページには、「Insurance」の下に子ノードを作成しますが、ページの端に縦方向のリストとして表示させることが可能です。縦方向のリストにある「Health」アイテムは選択済として構成され、「Health」ページのコンテンツは、縦方向のリストの右側である中央部分に表示されます。
使用するナビゲーション・アイテムのタイプ(タブ、バー、リストなど)に関係なく、navigationPaneコンポーネントを使用して階層リンクの1レベルを表し、各navigationPaneコンポーネント内の一連のcommandNavigationItem子コンポーネントにより、実際のナビゲーション・アイテムが提供されます。たとえば、図20-18において、第1レベルのタブ(「Benefits」と「Employee Data」)の実際のリンク、第2レベルのバー(「Insurance」と「Paid Time Off」)、およびリストの「Health」と「Dental」のリンクはそれぞれ、commandNavigationItemコンポーネントにより表示されます。バーの下に、現在のページのフォーカス・パスを示すブレッドクラム・リンクを表示するには、必要な数のcommandNavigationItem子コンポーネントを含むbreadCrumbsコンポーネントを使用します。
ナビゲーション階層に含まれるページ数が少なく、階層があまり深くない場合は、手動で作成することを選択できます。これには、ナビゲーション・ルールおよびナビゲーション・ケースの作成、navigationPaneコンポーネントを使用した階層の作成、およびcommandNavigationItemコンポーネントを使用したリンクの作成が含まれます。
始める前に:
ナビゲーション・コンポーネントの属性が、機能にどのように影響するかを理解しておくと役に立ちます。詳細は、20.8項「単純なナビゲーション階層の作成」を参照してください。
他のADF Faces機能を使用して追加できる機能について理解することが役立つ場合もあります。詳細は、20.1.2項「ナビゲーション・コンポーネントのその他の機能」を参照してください。
手動でナビゲーション階層を作成する手順:
「アプリケーション・ナビゲータ」で、「faces-config.xml」をダブルクリックします。このファイルはデフォルトで、プロジェクトの「Webコンテンツ - WEB-INF」フォルダにあります。
ページ階層のすべてのノード(ページ)のナビゲーション・ケースが含まれるグローバルなJSFナビゲーション・ルールを1つ作成します。
たとえば、図20-11に示されているページ階層には、グローバルのHelpノードを含む10のノードがあります。この場合、例20-19に示すように、faces-config.xmlファイルの1つのグローバル・ナビゲーション・ルール内に10のナビゲーション・ケースを作成します。
各ナビゲーション・ケースに、一意の結果文字列と、指定された文字列に一致する結果値がナビゲーション・システムによって返された場合に表示するJSFページへのパスを指定します。
例20-19 faces-config.xml内のページ階層のグローバル・ナビゲーション・ルール
<navigation-rule>
<navigation-case>
<from-outcome>goHome</from-outcome>
<to-view-id>/home.jspx</to-view-id>
</navigation-case>
<navigation-case>
<from-outcome>goHelp</from-outcome>
<to-view-id>/globalhelp.jspx</to-view-id>
</navigation-case>
<navigation-case>
<from-outcome>goEmp</from-outcome>
<to-view-id>/empdata.jspx</to-view-id>
</navigation-case>
<navigation-case>
<from-outcome>goBene</from-outcome>
<to-view-id>/benefits.jspx</to-view-id>
</navigation-case>
<navigation-case>
<from-outcome>goIns</from-outcome>
<to-view-id>/insurance.jspx</to-view-id>
</navigation-case>
<navigation-case>
<from-outcome>goPto</from-outcome>
<to-view-id>/pto.jspx</to-view-id>
</navigation-case>
<navigation-case>
<from-outcome>goView</from-outcome>
<to-view-id>/viewdata.jspx</to-view-id>
</navigation-case>
<navigation-case>
<from-outcome>goCreate</from-outcome>
<to-view-id>/createemp.jspx</to-view-id>
</navigation-case>
<navigation-case>
<from-outcome>goHealth</from-outcome>
<to-view-id>/health.jspx</to-view-id>
</navigation-case>
<navigation-case>
<from-outcome>goDental</from-outcome>
<to-view-id>/dental.jspx</to-view-id>
</navigation-case>
</navigation-rule>
JDeveloperにおけるナビゲーション・ケースの作成方法の詳細は、3.3項「ページ・フローの定義」を参照してください。
すべての階層ノードにJSFページを作成します。ナビゲーション・タブのスタイルを設定する場合は、コンポーネント・パレットの「レイアウト」パネルから「装飾ボックス」を各ページにドラッグ・アンド・ドロップして、decorativeBoxコンポーネントを作成します。テーマを設定して、タブの表示方法を決定します。有効な値は次のとおりです。
default: 本体は白で、枠は青です。左上隅は丸くなります。
light: 本体は薄い青です。左上隅は丸くなります。
medium: 本体は中間色の青です。左上隅は丸くなります。
dark: 本体は濃い青です。左上隅は丸くなります。
テーマの表示方法は変更できます。詳細は、第28章「スタイルおよびスキンを使用した外観のカスタマイズ」を参照してください。JSFページの位置指定やビジュアルなスタイル設定を行うためにページ・テンプレートの使用を検討する場合は、10.4項「ページ・テンプレートの使用」を参照してください。
コンポーネント・パレットの「レイアウト」パネルにある「対話型コンテナおよびヘッダー」グループから、「ナビゲーション・ペイン」をドラッグ・アンド・ドロップして、navigationPaneコンポーネントを作成します。ページの階層の各レベルにnavigationPaneコンポーネントをドロップします。
たとえば、図20-18のような「Health」ページを作成するには、navigationPaneコンポーネントを4つドラッグ・アンド・ドロップします。Healthページでは、すでにページのルック・アンド・フィールを作成するためのレイアウト・コンポーネントが含まれているテンプレートの特定の領域に、コンポーネントをドロップします。
プロパティ・インスペクタで「共通」セクションを開き、各navigationPaneコンポーネントのhint属性を次に示すナビゲーション・アイテムのいずれかのタイプに設定して、navigationPaneコンポーネントをどのように表示するかを決定します。
bar: バーで分割されたナビゲーション・アイテムを表示します。図20-18の「Insurance」および「Paid Time Off」リンクなどがこれに当たります。
buttons: グローバル領域のバーで分割されたナビゲーション・アイテムを表示します。図20-18の「Home」および「Help」リンクなどがこれに当たります。
choice: 関連付けられたドロップダウン・アイコンがクリックされると、ポップアップ・リストにナビゲーション・アイテムが表示されます。navigationPaneコンポーネントのicon属性に値を含める必要があり、title属性を使用してドロップダウン・リストにラベルを関連付けることができます。
list: ナビゲーション・アイテムが箇条書きリストで表示されます。図20-18の「Health」および「Dental」リンクなどがこれに当たります。
tabs: ナビゲーション・アイテムがタブで表示されます。図20-18の「Benefits」および「Employee Data」タブなどがこれに当たります。
コンポーネント・パレットの「レイアウト」パネルにある「対話型コンテナおよびヘッダー」グループから、「ナビゲーション・アイテム」をドラッグ・アンド・ドロップして、各navigationPaneコンポーネントに、別々のリンクを表示するために必要なcommandNavigationItemコンポーネントを追加します。必要な各リンクのnavigationPaneコンポーネントの子として、「ナビゲーション・アイテム」をドロップします。
たとえば、図20-18のような「Health」ページを作成するには、各navigationPaneコンポーネントに2つずつ、合計8つのcommandNavigationItemコンポーネントを使用します。
|
パフォーマンスのヒント: 実行時、使用可能なブラウザの領域が、ナビゲーション・ペインのタブやバーのコンテンツ、またはブレッドクラムのコンテンツの表示に必要な領域より少ない場合、表示されていない項目をユーザーが選択して表示できるオーバーフロー・アイコンがADF Facesにより自動的に表示されます。 |
各commandNavigationItemコンポーネントで、ナビゲーションを必要なページに設定します。プロパティ・インスペクタで、「共通」セクションを開き、アクションの静的な結果文字列を指定するか、EL式を使用し、actionプロパティを介してアクション・メソッドを参照します。文字列を使用する場合は、手順2で作成したページのナビゲーション・ルールに設定されたナビゲーション・メタデータに一致する必要があります。メソッドを参照する場合は、必要な文字列がそのメソッドにより返される必要があります。
プロパティ・インスペクタで、「動作」セクションを開き、selected属性を設定します。ページの最初のレンダリング時に、commandNavigationItemコンポーネントを選択済として表示する必要がある場合はこの属性をtrueにし、その必要がない場合はfalseにします。
実行時、ナビゲーション・アイテムがユーザーに選択されている場合は、そのコンポーネントのselected属性がselected="true"に変更され、外観を変更してアイテムが選択済であることをユーザーに示します。たとえば、図20-18では、「Benefits」タブ、「Insurance」バー、および「Health」リスト・アイテムが、背景色またはフォント・スタイルの変更によって選択済として表示されます。選択済のステータスを表示するためにコードを記述する必要はありません。属性値がtrueの場合は、アイテムのcommandNavigationItemコンポーネントのselected属性により、選択済のステータスの有効化が処理されます。
例20-20に、現在のページが「Health」の場合に使用可能なナビゲーション・アイテムの生成に使用されるコードを示します。HealthページはBenefitsページを経由してInsuranceページからアクセスされているため、これらの3つのリンクのcommandNavigationItemコンポーネントではselected="true"です。
例20-20 1つのページに個々のナビゲーション・アイテムを使用したサンプル・コード
<af:navigationPane hint="buttons">
<af:commandNavigationItem text="Home" action="goHome"/>
<af:commandNavigationItem text="Help" action="goHelp"/>
</af:navigationPane>
.
.
.
<af:navigationPane hint="tabs">
<af:commandNavigationItem text="Benefits" action="goBene"
selected="true"/>
<af:commandNavigationItem text="Employee Data" action="goEmp"/>
</af:navigationPane>
.
.
.
<af:navigationPane hint="bar">
<af:commandNavigationItem text="Insurance" action="goIns"
selected="true"/>
<af:commandNavigationItem text="Paid Time Off" action="goPto"/>
</af:navigationPane>
.
.
.
<af:navigationPane hint="list">
<af:commandNavigationItem text="Health" action="goHealth"
selected="true"/>
<af:commandNavigationItem text="Dental" action="goDental"/>
</af:navigationPane>
選択済の状態をプログラムで変更するには、バッキングBeanメソッドを記述してアクション・イベントを処理する必要があります。その後、例20-21に示すように、commandNavigationItemコンポーネントのactionListener属性のメソッドを参照します。
例20-21 選択済の状態を変更するためのactionListenerの使用
JSF Page Code ----->
<af:navigationPane hint="tabs">
<af:commandNavigationItem text="Benefits"
actionListener="#{myBean.navigationItemAction}"
partialSubmit="true"../>
.
</af:navigationPane>
Managed Bean Code ----->
public void navigationItemAction(ActionEvent event)
{
UIComponent actionItem = event.getComponent();
UIComponent parent = actionItem.getParent();
while (! (parent instanceof UIXNavigationHierarchy) )
{
parent = parent.getParent();
if (parent == null)
{
System.err.println(
"Unexpected component hierarchy, no UIXNavigationHierarchy found.");
return;
}
}
List<UIComponent> children = parent.getChildren();
for (UIComponent child : children)
{
FacesBean childFacesBean = ((UIXComponent) child).getFacesBean();
FacesBean.Type type = childFacesBean.getType();
PropertyKey selectedKey = type.findKey("selected");
if (selectedKey != null)
{
childFacesBean.setProperty(selectedKey, child==actionItem);
}
}
RequestContext adfContext = RequestContext.getCurrentInstance();
adfContext.addPartialTarget(parent);
}
図20-17および図20-18の両方で、ページ階層におけるユーザーの現在の位置は、現在のページからルート・ページに戻るリンクのパスで示されています。ブレッドクラムとも呼ばれるリンクのパスは、2番目のバーの下、垂直のリスト(存在する場合)の上に表示されます。そのようなリンクのパスを作成するには、一連のcommandNavigationItemコンポーネントを子として含むbreadCrumbsコンポーネントを使用します。
始める前に:
ナビゲーション・コンポーネントの属性が、機能にどのように影響するかを理解しておくと役に立ちます。詳細は、20.8項「単純なナビゲーション階層の作成」を参照してください。
他のADF Faces機能を使用して追加できる機能について理解することが役立つ場合もあります。詳細は、20.1.2項「ナビゲーション・コンポーネントのその他の機能」を参照してください。
手動でブレッドクラムを作成する手順:
コンポーネント・パレットの「一般コントロール」パネルの「位置」グループからJSFページに「ブレッドクラム」をドラッグ・アンド・ドロップして、breadCrumbsコンポーネントを作成します。
デフォルトでは、ブレッドクラム・リンクは水平に表示されます。レイアウトが垂直になるように変更するには、プロパティ・インスペクタで、「共通」セクションを開き、orientation属性をverticalに設定します。
ブレッドクラムの各リンクに、コンポーネント・パレットの「レイアウト」パネルにある「対話型コンテナおよびヘッダー」グループからbreadCrumbsコンポーネントの子として「ナビゲーション・アイテム」をドラッグ・アンド・ドロップし、commandNavigationItemコンポーネントを作成します。最後の項目が現在のページを表します。
|
ヒント: レンダラまたはクライアントのデバイス・タイプによっては、ブレッドクラムの最後のリンクが表示されない場合がありますが、 |
各commandNavigationItemコンポーネント(最後を除く)で、ナビゲーションを必要なページに設定します。プロパティ・インスペクタで、「共通」セクションを開き、アクションの静的な結果文字列を指定するか、EL式を使用し、actionプロパティを介してアクション・メソッドを参照します。文字列を使用する場合は、手順2で作成したページのナビゲーション・ルールに設定されたナビゲーション・メタデータに一致する必要があります。メソッドを参照する場合は、必要な文字列がそのメソッドにより返される必要があります。
たとえば、図20-18の「Health」ページのようにブレッドクラムを作成するには、例20-22に示すように、commandNavigationItemコンポーネントを4つドラッグ・アンド・ドロップします。
例20-22 個々の子commandNavigationItemのあるbreadCrumbsコンポーネント
<af:breadCrumbs> <af:commandNavigationItem text="Home" action="goHome"/> <af:commandNavigationItem text="Benefits" action="goBene"/> <af:commandNavigationItem text="Insurance" action="goIns"/> <af:commandNavigationItem text="Health"/> </af:breadCrumbs>
hint属性の値がtabsのnavigationPaneコンポーネントは、個々のタブを閉じられるように構成できます。これは、すべてのタブを閉じる、最後のタブを除いてすべて閉じる、またはタブを閉じないように構成できます。ナビゲーション・タブを削除するように構成した場合、マウス・カーソルがタブの上に置かれると、各タブの端に閉じるアイコン(Xなど)が表示されます。
hint="tabs"の場合にnavigationPaneコンポーネントでのタブの削除を有効化するには、次のようにします。
navigationPane hint="tabs"のitemRemoval属性をallまたはallExceptLastに設定します。allExceptLastに設定されている場合は、1つを除くすべてのタブが閉じられます。これは、ユーザーがタブを閉じ、タブが1つのみ残ると、その最後の1つのタブは閉じられないことを意味します。
タブの削除を実行するにはハンドラを実装します。ユーザーがタブを閉じると、タイプがremoveのItemEventが起動されます。このイベントと実際のタブの削除、およびその他の必要な機能(警告ダイアログの表示や子コンポーネントの処理方法など)には、コードで対応する必要があります。イベントの詳細は、第6章「イベントの処理」を参照してください。ポップアップ・ダイアログおよびウィンドウの使用方法の詳細は、第15章「ポップアップ・ダイアログ、メニューおよびウィンドウの使用方法」を参照してください。
例20-23に示すように、commandNavigationItemコンポーネントのitemListener属性を、実際のタブの削除を処理するハンドラ・メソッドに解決されるEL式に設定します。
例20-23 タブ・アイテムを削除するためのitemListenerの使用
JSF Page Code ----->
<af:navigationPane hint="tabs" itemRemoval="all">
<af:commandNavigationItem text="Benefits" partialSubmit="true"
itemListener="#{closebean.handleCloseTabItem}"/>
.
.
.
</af:navigationPane>
Managed Bean Code ----->
import oracle.adf.view.rich.event.ItemEvent;
...
public void handleCloseTabItem(ItemEvent itemEvent)
{
if (itemEvent.getType().equals(ItemEvent.Type.remove))
{
Object item = itemEvent.getSource();
if (item instanceof RichCommandNavigationItem)
{
RichCommandNavigationItem tabItem = (RichCommandNavigationItem) item;
tabItem.setVisible(false);
// do other desired functionality here ...
}
}
}
|
注意: アプリケーションにFusionテクノロジ・スタックまたはADFコントローラが使用されている場合は、ADFタスク・フローを使用して、アプリケーションのページ階層にナビゲーション・システムを作成します。詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle Application Development Framework Fusion開発者ガイド』のバインドされたタスク・フローでのtrainコンポーネントの使用に関する項を参照してください。 |
ユーザーが特定の順序で表示する必要のある一連のページがある場合は、各ページにtrainコンポーネントを使用して、マルチステップ・プロセスをガイドする一連のナビゲーション・アイテムを表示することを検討してください。図20-19に、レンダリングされたtrainコンポーネントがページでどのように表示されるかの例を示します。trainコンポーネントはマルチステップ・プロセスのステップ数を表示するだけでなく、プロセス全体との関連における現在のステップの位置も示します。
trainコンポーネントは、トレイン・ストップとして表される構成済の各手順を、すべてのストップが線でつながった状態でレンダリングします。各トレイン・ストップにはイメージ(四角いブロックなど)があり、そのイメージの下にラベルがあります。
各トレイン・ストップは、マルチステップ・プロセスの1つの手順または1ページに対応します。ユーザーは、イメージまたはラベルをクリックして新しいページを表示し、トレイン・ストップをナビゲートします。通常、トレイン・ストップは順番に表示する必要があり、ユーザーは手順1から開始し、手順2、手順3というように移動する必要があります。ユーザーが手順2を表示していない場合は、手順3を表示することはできません。また、トレイン・ストップは、エンド・ユーザーがストップを順番に表示しなくてもよいように構成することも可能です。トレイン・ストップをこの方法で構成する場合は、直接表示できるすべてのトレイン・ストップが有効化されます。
図20-19に示すように、trainコンポーネントには、トレイン・ストップ用に少なくとも4つのスタイルが用意されています。ユーザーが表示している現在のストップは、トレイン・ストップのラベルが太字フォント・スタイルで示され、ストップには異なるイメージが使用されます。現在のストップより前の表示済のストップは、ラベルのフォントとイメージが異なる色で示されます。現在のストップの直後のストップは、有効化されて表示されます。表示されていないその他のストップは、グレー表示されます。
トレイン・ストップにはサブトレインを含めることができ、親ストップから子のマルチステップ・プロセスを開始し、サブプロセスの完了後に適切な親ストップに戻るよう、コマンド・コンポーネント(commandButtonコンポーネントなど)を構成できます。ストップ番号3に、2つのストップを含むサブプロセス・トレインがあると仮定します。ユーザーがサブプロセス・トレインの最初のストップにナビゲートすると、図20-20に示すように、ADF Facesにより、サブプロセス・トレインの前後の親トレインを表すアイコンが表示されます。
trainコンポーネントにtrainButtonBarコンポーネントを使用して、図20-21に示すように、「Back」および「Next」ボタンという形で、trainに追加のナビゲーション・アイテムを指定できます。これらの「Back」および「Next」ボタンを使用した場合、ユーザーは現在のストップから前後のトレイン・ストップにのみナビゲートできます。trainButtonBarコンポーネントは、trainコンポーネントなしでも使用できます。たとえば、表示されないストップがある場合、いくつかの条件付きロジックに基づいて、ストップを表示せずに「Back」および「Next」ボタンのみを表示することが必要な場合があります。
どちらのtrainコンポーネントも、value属性をタイプorg.apache.myfaces.trinidad.model.MenuModelのトレイン・モデルにバインドすることで機能します。トレイン・メニュー・モデルには、次の処理に必要な情報が含まれています。
特定のトレイン動作の制御(トレインによりユーザーがどのようにトレイン・ストップを前進してマルチステップ・プロセスを完了するか)
トレイン・ストップ・ラベルを含むトレイン・ストップおよび各ストップのステータスの動的な生成(現在ストップは選択、完了、未完了または無効のいずれの状態であるか)
|
注意: ADFモデル・レイヤーおよびADFコントローラを使用しているアプリケーションでは、このナビゲーションおよび表示は異なる方法で設定および処理されています。詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle Application Development Framework Fusion開発者ガイド』のバインド・タスク・フローでのtrainコンポーネントの使用に関する項を参照してください。 |
つまり、トレインのメニュー・モデルは、続いてTreeModelクラスを拡張するMenuModel抽象クラスを拡張することで実装されます(詳細は、第12章「表およびツリーの使用」を参照してください)。MenuModelオブジェクトは、ページやアプリケーションのメニュー構造を表すことも、ページの階層やフローに含まれるストップを表すこともあります。
MenuModelクラスのインスタンスは特殊なTreeModelオブジェクトであるため、TreeModelオブジェクト内のノードはトレイン・ストップを表すことができます。trainコンポーネント内のトレイン・ストップを表すノード・インスタンスは、タイプTrainStopModelにすることも、任意のオブジェクト(TrainStopModelオブジェクトと同じEL構造を提供する場合)にすることもできます。ただし、TrainStopModelクラスは、結果、およびストップのラベルやimmediate、disabled、visited属性の状態を取得するために、関連するすべてのメソッドを公開する便利なインタフェースです。
MenuModelクラスは、ツリーのどの部分で現在のトレイン・ストップ(ページ)がフォーカスされているかを示すこともできます。MenuModelクラスのgetFocusRowKey()メソッドは、現在のviewIdのフォーカス・ページのrowKeyオブジェクトを返します。trainのメニュー・モデル実装にも固有のトレイン動作があります。この動作は、MenuModel抽象クラス、または便利なProcessMenuModelクラスを拡張することで実装できます。これらのどちらのクラスも次のパッケージから派生しています。
org.apache.myfaces.trinidad.model
トレイン動作は、現在のトレイン・ストップを表示している間に、ユーザーがトレインのその他のどのストップを表示できるかを制御します。
トレイン・ストップ・モデルを作成するには、TrainStopModel抽象クラスを拡張して抽象メソッドを実装することも、同じメソッド・シグネチャを使用して独自のクラスを作成することもできます。作成するクラスではrowDataオブジェクトを返す必要があります。このクラスのインスタンスは、(MenuModel実装の)基礎となるコレクションのrowDataオブジェクトを表します。
メニュー・モデルへのtrainコンポーネントのバインドは、value属性を使用して、XMLMenuModelクラスにnavigationPaneコンポーネントをバインドするのに似ています(20.7.3項「メニュー・モデルへのnavigationPaneコンポーネントのバインド方法」で説明されています)。ただし、TrainStopModel実装がrowDataオブジェクトを表している場合は、トレイン・ストップの作成に、nodeStampファセットとそのcommandNavigationItemコンポーネントを使用する必要はありません。ADF Facesにより、実行時にnodeStampファセットおよびcommandNavigationItemコンポーネントが動的に作成され、トレイン・ストップ・モデルのメソッドがcommandNavigationItemコンポーネントの適切なプロパティに自動的にバインドされます。例20-24に、トレインの簡略化されたバインディングを示します。
|
ヒント: 様々な場所のトレイン・ストップの情報を照合する必要がある場合は、 |
トレイン・モデルのMenuModel実装には、特定のトレイン動作が必要です。トレイン動作は、現在表示されているページに基づいてユーザーがアクセスできるページをどのように制御するかを定義します。ADF Facesでは、Plus OneおよびMax Visitedという2つのトレイン動作がサポートされています。
トレインに5つのページまたは5つのストップがあり、ユーザーはページ1からページ4まで順番にナビゲート済であるとします。ユーザーは現在、ページ4を表示しています。ここでは、トレイン・モデルに実装されているトレイン動作に応じて、ユーザーは次に進むことができます。
Plus One動作: ユーザーはページ3またはページ5に移動できます。
Max Visited動作: ユーザーはページ1から3(前に表示済)と、順序の次のページであるページ5を表示できます。ユーザーがページ2に移動した場合、ユーザーが表示できる次のページは、ページ1、3、または4です。順序の中で表示された最大のトレイン・ストップはページ4であるため、ユーザーはページ5を表示できません。
マルチステップ・プロセスのすべてのページにトレインを定義および使用する手順:
トレインにJSFナビゲーション・ルールおよびナビゲーション・ケースを作成します。トレインへのナビゲーション・ルールおよびそのナビゲーション・ケースの作成は、20.8.1項「単純なページ階層の作成方法」に似ており、トレインのすべてのトレイン・ストップにナビゲーション・ケースがあるグローバル・ナビゲーション・ルールを1つ作成します。
|
注意: 各トレイン・ストップが個別のページで、クライアント・ブラウザのURLがそれぞれの新しいページを参照するように設定する場合は、JSFナビゲーション・ルール内に定義する各ナビゲーション・ケースの |
特定のトレイン動作を実装するトレイン・モデルを作成し、スタンプを設定するためのトレイン・ストップ項目を指定します。これには、トレイン・ストップ・モデル・クラスおよびメニュー・モデル・クラスの作成が含まれます。詳細は、20.9.1項「トレイン・モデルの作成方法」を参照してください。
トレイン・モデルにマネージドBeanを構成します。詳細は、20.9.2項「トレイン・モデルへのマネージドBeanの構成方法」を参照してください。
各トレイン・ストップにJSFページを作成します。
各ページで、トレイン・モデルにtrainコンポーネントをバインドします。20.9.3項「JSFページでのトレイン・モデルへのバインド方法」を参照してください。レインに追加のナビゲーション・ボタンを指定する場合は、オプションで、同じトレイン・モデルにtrainButtonBarコンポーネントをバインドします。
トレイン・メニュー・モデルを定義するには、次のものを作成します。
トレイン・ストップをレンダリングするためのデータを提供するトレイン・ストップ・モデル
特に、現在のトレイン・ストップを表示している間にユーザーがトレインのどのストップを表示できるか、どのストップを無効にする必要があるか、またはトレインを順番にナビゲートする必要があるかを制御する特定のトレイン動作(Max VisitedまたはPlus Oneなど)が指定されたMenuModel実装
ADF Facesを使用すると、次のような追加のpublicクラスが用意されているため、トレイン・メニュー・モデルの定義がより簡単になります。
トレイン・ストップ・モデルを実装するための抽象クラスTrainStopModel
Max VisitedおよびPlus One動作を実装するクラスProcessMenuModelおよびProcessUtils
ユーザーは、MenuModelをオーバーライドして独自のカスタム・トレイン動作を実装することも、既存のProcessMenuModelを拡張して特殊な動作を作成することもできます。
トレイン・モデル・クラスの例として、ADF Facesデモ・アプリケーションのoracle.adfdemo.view.nav.richパッケージを参照してください。
始める前に:
トレイン・コンポーネントの属性が、機能にどのように影響するかを理解しておくと役に立ちます。詳細は、20.9項「trainコンポーネントを使用したマルチステップ・プロセス用のナビゲーション・アイテムの作成」を参照してください。
他のADF Faces機能を使用して追加できる機能について理解することが役立つ場合もあります。詳細は、20.1.2項「ナビゲーション・コンポーネントのその他の機能」を参照してください。
トレイン・モデルを作成する手順:
トレイン・ストップ・モデル・クラスを作成します。トレイン・ストップ・モデル・オブジェクトには、各トレイン・ストップにスタンプを設定するための行データが保持されます。作成するトレイン・ストップ・モデル実装では、トレインの各ストップのプロパティを設定および取得し、トレイン・ストップのレンダリングに必要なメソッドを定義する必要があります。トレイン・ストップのプロパティは、commandNavigationItemコンポーネントのプロパティに対応します。このため、例20-24に示すように、簡略化されたバインディングを使用できます。
または、抽象クラスTrainStopModelを拡張して、サブクラスの抽象メソッドを実装できます。
ELにより自動的にバインドされるcommandNavigationItemコンポーネントのプロパティを次に示します。
action: 静的なアクション結果、またはアクション結果を返すアクション・メソッドへの参照。結果は、JSFのデフォルトのActionListenerメカニズムを介して、ページ・ナビゲーションに使用されます。
disabled: トレイン・ストップが非対話型である必要があるかどうかを示すブール値。使用するトレイン動作が、このプロパティ値に影響することに注意してください。詳細は、手順2を参照してください。
immediate: データ検証を実行する必要があるかどうかを決定するブール値。使用するトレイン動作が、このプロパティ値に影響することに注意してください。詳細は、手順2を参照してください。
messageType: トレイン・ストップ・イメージ上のメッセージ・アラート・アイコンを指定する値。使用可能な値は、none、error、warning、infoおよびcompleteです。メッセージの詳細は、第19章「ヒント、メッセージおよびヘルプの表示」を参照してください。
shortDesc: クライアント・ユーザー・エージェントにより、トレイン・ストップのツールチップ・ヘルプ・テキストの表示に一般的に使用される値。
showRequired: 必要な値がそのトレイン・ストップ・ページに含まれていることを示すために、トレイン・ストップの隣にアスタリスクを表示するかどうかを決定するブール値。
textAndAccessKey: トレイン・ストップに表示するラベル・テキストと、使用するアクセス・キーの両方を設定する単一の値。
visited: トレイン・ストップがすでに表示済であるかどうかを示すブール値。使用するトレイン動作が、このプロパティ値に影響することに注意してください。詳細は、手順2を参照してください。
MenuModelクラスに基づいてクラスを作成し、トレイン・モデルの構成を簡略化します。
トレイン・モデルのMenuModel実装には、特定のトレイン動作が必要です。org.apache.myfaces.trinidad.modelパッケージのProcessMenuModelクラスは、Plus OneおよびMax Visitedという2つのトレイン動作をサポートするMenuModelクラスの参照実装です。トレイン・モデルにトレイン動作を実装するには、ProcessMenuModelクラスを拡張するか独自のクラスを作成できます。
トレイン・モデル・クラスで、getFocusRowKey()メソッド(MenuModelクラスを参照)をオーバーライドし、トレイン動作(ProcessMenuModelクラスおよびProcessUtilsクラスを参照)を実装します。
ProcessMenuModelクラスに指定されているトレイン動作は、commandNavigationItemコンポーネントのvisited、immediate、およびdisabledプロパティに影響があります。
visited属性をtrueに設定するのは、トレインのそのページが表示済の場合のみです。ProcessMenuModelクラスでは、visited属性の値の決定に次のロジックが使用されます。
Max Visited: Max Visitedストップは、現在のセッションでユーザーが表示した最も進んだストップです。Max Visitedストップより前である場合、またはMax Visitedストップ自体である場合は、どのストップでもvisitedがtrueに設定されます。
Plus One: Plus Oneストップでは、表示された最も進んでいるストップは追跡されません。現在のストップ、または現在のストップの前のストップでは、visited属性がtrueに設定されます。
現在のページのデータを検証する必要がない場合は、immediate属性をtrueに設定する必要があります。前述のPlus One動作のページ4に、検証が必要なデータがあるとします。ページ4に進んでページ2に戻った場合、ページ5に進むためにユーザーは後からページ4に戻る必要があります。これは、ページ4からページ1、2または3に戻る場合はページ4のデータを検証する必要はないが、ページ5に進む場合にはデータを検証する必要があることを意味します。immediate属性がどのように機能するかの詳細は、5.2項「immediate属性の使用」を参照してください。
ProcessMenuModelクラスでは、immediate属性の値の決定に次のロジックが使用されます。
Plus One: immediate属性は、前のステップに対してはtrueに設定され、それ以外に対してはfalseに設定されます。
Max Visited: 現在のページと、表示した最大ページが同じである場合、動作はPlus Oneシナリオと同じです。現在のページが表示された最大ページよりも前にある場合、immediate属性はfalseに設定されます。
|
注意: ADFモデル・レイヤーを使用するアプリケーションでは、ページ定義ファイルの |
disabled属性をtrueに設定するのは、現在のページからそのページに移動できない場合のみです。ProcessMenuModelクラスでは、disabled属性の値の決定に次のロジックが使用されます。
Plus One: 次に使用可能なページより先のページでは、disabled属性がtrueになります。
Max Visited: 現在のストップと、表示した最大ページが同じである場合、動作はPlus One動作と同じです。現在のページが表示された最大ページよりも前にある場合、表示された最大ページより先のページではdisabledがtrueに設定されます。
ADF Facesでは、トレイン・モデルにnull以外のmaxPathKey値が渡されると、動作をサポートするために作成するマネージドBeanで決定されているとおりに、デフォルトで、Max Visited動作が使用されます(詳細は、20.9.2項「トレイン・モデルへのマネージドBeanの構成方法」を参照してください)。maxPathKey値がnullの場合には、Plus One動作が使用されます。
Arraylistオブジェクトに個々のトレイン・ストップを収集するには、トレイン・モデルにマネージドBeanを使用しますが、これはtrainコンポーネントのvalue属性にバインドするためにメニュー・モデルに挿入されるツリー・モデルになります。モデルへの挿入に適切な値でBeanをインスタンス化し、トレイン内の各トレイン・ストップまたはページにマネージドBeanも構成する必要があります。
始める前に:
トレイン・コンポーネントの属性が、機能にどのように影響するかを理解しておくと役に立ちます。詳細は、20.9項「trainコンポーネントを使用したマルチステップ・プロセス用のナビゲーション・アイテムの作成」を参照してください。
他のADF Faces機能を使用して追加できる機能について理解することが役立つ場合もあります。詳細は、20.1.2項「ナビゲーション・コンポーネントのその他の機能」を参照してください。
トレイン・モデルにマネージドBeanを構成する手順:
インストール時に設定する必要のあるプロパティ値が含まれるマネージドBeanをトレインの各ストップに構成し、ArrayListに渡すトレイン・ストップを作成します。
トレイン・ストップに子のサブプロセス・トレインがある場合は、各サブプロセス・トレイン・ストップにもマネージドBeanが必要です。
各Beanは、20.9.1項「トレイン・モデルの作成方法」で作成したトレイン・ストップ・モデル・クラスのインスタンスである必要があります。例20-25に、faces-config.xmlファイルのトレイン・ストップのサンプルのマネージドBeanコードを示します。
例20-25 すべてのトレイン・ストップのマネージドBean
<!-- First train stop -->
<managed-bean>
<managed-bean-name>train1</managed-bean-name>
<managed-bean-class>project1.DemoTrainStopModel</managed-bean-class>
<managed-bean-scope>none</managed-bean-scope>
<managed-property>
<property-name>viewId</property-name>
<value>/train.jspx</value>
</managed-property>
<managed-property>
<property-name>outcome</property-name>
<value>guide.train</value>
</managed-property>
<managed-property>
<property-name>label</property-name>
<value>First Step</value>
</managed-property>
<managed-property>
<property-name>model</property-name>
<value>trainMenuModel</value>
</managed-property>
</managed-bean>
<!-- Second train stop -->
<managed-bean>
<managed-bean-name>train2</managed-bean-name>
<managed-bean-class>project1.DemoTrainStopModel</managed-bean-class>
<managed-bean-scope>none</managed-bean-scope>
<managed-property>
<property-name>viewId</property-name>
<value>/train2.jspx</value>
</managed-property>
<managed-property>
<property-name>outcome</property-name>
<value>guide.train2</value>
</managed-property>
<managed-property>
<property-name>label</property-name>
<value>Second Step</value>
</managed-property>
<managed-property>
<property-name>model</property-name>
<value>trainMenuModel</value>
</managed-property>
</managed-bean>
<!-- And so on -->
.
.
.
マネージド・プロパティにより、トレイン・ストップ・モデル・オブジェクト(20.9.1項「トレイン・モデルの作成方法」の手順1で作成されたクラス)に値が設定されます。
viewId値は、ユーザーがトレイン・ストップをクリックした場合にナビゲートされるページへのパスおよびファイル名です。
outcomeプロパティ値は、JSFナビゲーション・ケースに一致するアクション結果文字列です。デフォルトのJSF ActionListenerメカニズムは、トレイン・ストップが選択された際のナビゲート先のビューとしてトレイン・ストップに関連付けられたページの選択に使用されます。
labelプロパティ値は、トレイン・ストップ・イメージの下に表示されるトレイン・ストップのラベル・テキストです。値は静的にすることも、リソース・バンドルの文字列に評価されるEL式にすることもできます。
modelプロパティ値は、トレイン・モデルのマネージドBean名です(例20-29を参照)。
トレイン・ストップに子のサブプロセス・トレインがある場合には、例20-26に示すように、マネージドBean構成にも、値式(#{train4a}など)でサブプロセス・トレイン・ストップのマネージドBean名をリストするプロパティ(childrenなど)を指定する必要があります。
例20-26 子のサブプロセス・トレインを含むトレイン・ストップのマネージドBean
<managed-bean>
<managed-bean-name>train4</managed-bean-name>
<managed-bean-class>project1.DemoTrainStopModel</managed-bean-class>
<managed-bean-scope>none</managed-bean-scope>
<managed-property>
<property-name>viewId</property-name>
<value>/train4.jspx</value>
</managed-property>
<managed-property>
<property-name>outcome</property-name>
<value>guide.train4</value>
</managed-property>
<managed-property>
<property-name>label</property-name>
<value>Fourth Step</value>
</managed-property>
<managed-property>
<property-name>children</property-name>
<list-entries>
<value-class>project1.DemoTrainStopModel</value-class>
<value>#{train4a}</value>
<value>#{train4b}</value>
<value>#{train4c}</value>
</list-entries>
</managed-property>
<managed-property>
<property-name>model</property-name>
<value>trainMenuModel</value>
</managed-property>
</managed-bean>
ArrayListオブジェクトのインスタンスであるマネージドBeanを構成し、トレイン・ツリー・モデルに渡すトレイン・ストップのリストを作成します。
例20-27に、トレイン・ストップのリストを作成するためのサンプルのマネージドBeanコードを示します。
例20-27 トレイン・リストのマネージドBean
<managed-bean>
<managed-bean-name>trainList</managed-bean-name>
<managed-bean-class>
java.util.ArrayList
</managed-bean-class>
<managed-bean-scope>
none
</managed-bean-scope>
<list-entries>
<value-class>project1.DemoTrainStopModel</value-class>
<value>#{train1}</value>
<value>#{train2}</value>
<value>#{train3}</value>
<value>#{train4}</value>
<value>#{train5}</value>
</list-entries>
</managed-bean>
list-entries要素には、トレインにストップが表示される順序でリストされた値式(#{train1}など)のトレイン・ストップ(サブプロセス・トレイン・ストップを除く)のマネージドBean名が含まれます。
マネージドBeanを構成して、トレイン・リストからトレイン・ツリー・モデルを作成します。
トレイン・ツリー・モデルは、サブプロセス・トレインのリストも含む、トレイン・リスト全体をラップします。トレイン・モデルのマネージドBeanは、子のサブプロセス・トレインのリストを表すプロパティ名と同一であるchildProperty値を使用して、インスタンス化する必要があります(例20-26を参照)。
例20-28 トレイン・ツリー・モデルのマネージドBean
<managed-bean>
<managed-bean-name>trainTree</managed-bean-name>
<managed-bean-class>
org.apache.myfaces.trinidad.model.ChildPropertyTreeModel
</managed-bean-class>
<managed-bean-scope>none</managed-bean-scope>
<managed-property>
<property-name>childProperty</property-name>
<value>children</value>
</managed-property>
<managed-property>
<property-name>wrappedData</property-name>
<value>#{trainList}</value>
</managed-property>
</managed-bean>
childPropertyプロパティには、サブプロセス・トレインのある各トレイン・ストップの子のリスト・エントリの取得に使用するプロパティ名を定義します。
wrappedDataプロパティ値は、ステップ2でマネージドBeanにより作成された、ラップするトレイン・リスト・インスタンスです。
マネージドBeanを構成して、トレイン・ツリー・モデルからトレイン・モデルを作成します。
これが、各ページのtrainコンポーネントがバインドされるBeanです。トレイン・モデルは、トレイン・ツリー・モデルをラップします。トレイン・モデルのマネージドBeanは、トレイン・ストップに関連付けられたページを表すプロパティ名と同一であるviewIdProperty値を使用して、インスタンス化する必要があります。
例20-29に、トレイン・モデルのサンプルのマネージドBeanコードを示します。
例20-29 トレイン・モデルのマネージドBean
<managed-bean>
<managed-bean-name>trainMenuModel</managed-bean-name>
<managed-bean-class>
org.apache.myfaces.trinidad.model.ProcessMenuModel
</managed-bean-class>
<managed-bean-scope>session</managed-bean-scope>
<managed-property>
<property-name>viewIdProperty</property-name>
<value>viewId</value>
</managed-property>
<managed-property>
<property-name>wrappedData</property-name>
<value>#{trainTree}</value>
</managed-property>
<!-- to enable plusOne behavior instead, comment out the maxPathKey property -->
<managed-property>
<property-name>maxPathKey</property-name>
<value>TRAIN_DEMO_MAX_PATH_KEY</value>
</managed-property>
</managed-bean>
viewIdPropertyプロパティ値は、ユーザーがトレイン・ストップをクリックした場合にナビゲートされるページの指定に使用されるプロパティに設定されます。
wrappedDataプロパティ値は、ステップ3でマネージドBeanにより作成された、ラップするトレイン・ツリー・インスタンスです。
maxPathKeyプロパティ値は、Max Visitedトレイン動作を使用するためにトレイン・モデルに渡される値です。ADF Facesでは、トレイン・モデルにnull以外のmaxPathKey値が渡されるとMax Visited動作が使用されます。maxPathKey値がnullの場合には、Plus One動作が使用されます。
トレインの各ストップは、1つのJSFページに対応します。各ページに、trainコンポーネント、およびオプションでtrainButtonBarコンポーネントを1つずつ使用し、ユーザーがトレインを移動できるようにするボタンを作成します。
始める前に:
トレイン・コンポーネントの属性が、機能にどのように影響するかを理解しておくと役に立ちます。詳細は、20.9項「trainコンポーネントを使用したマルチステップ・プロセス用のナビゲーション・アイテムの作成」を参照してください。
他のADF Faces機能を使用して追加できる機能について理解することが役立つ場合もあります。詳細は、20.1.2項「ナビゲーション・コンポーネントのその他の機能」を参照してください。
トレイン・コンポーネントをトレイン・モデルにバインドする手順:
コンポーネント・パレットの「一般コントロール」パネルの「位置」グループからJSFページに「トレイン」をドラッグ・アンド・ドロップして、trainコンポーネントを作成します。オプションで、「トレイン・ボタン・バー」をドラッグ・アンド・ドロップします。
コンポーネントをバインドします。トレイン・モデルのMenuModel実装により、public抽象クラスoracle.adf.view.rich.model.TrainStopModelに似たrowDataオブジェクトが返される場合は、次のコードに示すように、trainコンポーネントにトレイン・バインディングの簡略化されたフォームを使用できます。
<af:train value="#{trainMenuModel}"/>
<af:trainButtonBar value="#{trainMenuModel}"/>
trainMenuModel EL式は、トレイン・モデルのマネージドBean名です(例20-29を参照)。
簡略化されたバインディングを使用できない場合は、トレイン値をトレイン・モデルBeanにバインドし、トレインにnodeStampファセットを手動で追加する必要があります。さらに、例20-30に示すように、そのトレインにcommandNavigationItemコンポーネントを追加します。